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貯金の平均額はいくら?年代別の中央値と増やし方を解説
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公開:
2026.10.20
更新:
2026.10.20
自分の貯金額が同年代と比べて多いのか少ないのか、気になる人は少なくありません。しかし、平均額だけを見て判断すると、一部の高額資産保有世帯の影響により、実態以上に貯金が少ないと感じることがあります。将来に必要な金額も、年代や家族構成、予定するライフイベントによって異なります。この記事では、最新調査に基づく平均値と中央値を年代別・世帯別に整理し、理想の貯金額の考え方から、貯金を増やす方法、相談先の選び方まで具体的に解説します。
目次
貯金の平均額・中央値はいくら?まず世帯別に確認
本記事では、貯金の目安を考える参考として、預貯金に株式・投資信託・貯蓄型保険などを加えた「金融資産」の保有額を紹介します。預貯金だけの金額ではなく、日常の支払いに備えた預金などは含まれない点に注意してください。
2025年の調査では、金融資産保有額の平均値は単身世帯で919万円、二人以上世帯で1,940万円でした。中央値はそれぞれ130万円、720万円となっています。
平均値と中央値がこれほど離れるのは、保有額の分布が大きく偏っているからです。まずは全体像を押さえ、そのうえで数字の読み方を確認しましょう。
| 世帯区分 | 平均値 | 中央値 |
|---|---|---|
| 単身世帯 | 919万円 | 130万円 |
| 二人以上世帯 | 1,940万円 | 720万円 |
出典:金融経済教育推進機構(J-FLEC)「家計の金融行動に関する世論調査2025年」
なお、金融資産を保有している世帯だけに絞った平均値は、単身世帯1,329万円、二人以上世帯2,309万円です。保有していない世帯を含めるかどうかで数字が変わるため、他の記事と比べる際は集計対象の確認が欠かせません。
本記事の数値は、断りのない限り「金融資産非保有世帯を含む」ベースで統一しています。
統計上の「金融資産」と預貯金の違い
この調査でいう「金融資産」は、預貯金だけを指すものではありません。株式、投資信託、債券、生命保険なども含まれます。
しかも預貯金のうち含まれるのは、運用のためまたは将来に備えて蓄えている部分に限られます。日常的な出し入れや引き落としに備えている部分は、集計から除かれています。
つまり「給与振込口座の残高」とは対象範囲が違うわけです。自分の数字と比べるときは、次のように整理してみてください。
| 種類 | 統計の「金融資産」に含まれるか |
|---|---|
| 預貯金のうち、日常の出し入れ・引落しに備えている部分 | 含まれない |
| 預貯金のうち、運用や将来への備えとして蓄えている部分 | 含まれる |
| 株式・投資信託・債券 | 含まれる |
| 貯蓄型の生命保険・個人年金保険 | 含まれる |
| 土地・住宅・貴金属などの実物資産 | 含まれない |
普通預金か定期預金か、給与振込口座か貯蓄用口座かという区分だけで判断するものではありません。同じ普通預金口座にあるお金でも、日常の支払いに使う部分と、将来に備えて蓄えている部分を分けて考えます。
- なお、自宅や車は金融資産に入りません。これらは実物資産と呼ばれ、すぐに現金化しにくいため区別されています。比較の際は、「貯蓄用の預金+投資商品+貯蓄型保険」を合計した金額を使うと、統計の定義に近づきます。
出典:金融経済教育推進機構(J-FLEC)「家計の金融行動に関する世論調査 2025年」
平均値と中央値の違い
平均値は全世帯の保有額を合計し、世帯数で割った数字です。一方の中央値は、保有額の少ない順に世帯を並べたときに、ちょうど真ん中に位置する世帯の金額を指します。
平均値が中央値を大きく上回るのは、少数の高額保有世帯が全体を押し上げるためです。実際、単身世帯の調査では、金額の回答があった世帯のうち8割弱が平均値の919万円を下回っていました。
たとえば10人のうち1人が1億円を持ち、残り9人が100万円ずつだったとします。この場合、平均値は約1,090万円ですが、中央値は100万円です。
- ここで注意したい点があります。中央値は「真ん中の世帯がいくら持っているか」を示すだけで、目指すべき金額ではありません。必要な貯金額は、収入や家族構成、住まい、今後の予定によって変わります。
出典:金融経済教育推進機構(J-FLEC)「家計の金融行動に関する世論調査 2025年」
金融資産を保有していない世帯の割合
金融資産を保有していない世帯の割合は、単身世帯で約3割、二人以上世帯で約16%です。
ここで大切なのは、この「非保有」が何を意味するかという点です。調査でいう非保有は、前述の定義にあてはまる金融資産がないという意味であり、口座残高がゼロという意味ではありません。
日常の支払いに使う預金はそもそも集計対象外です。そのため、生活費用の口座にお金があっても、将来に備えた蓄えや投資商品がなければ「非保有」に分類されます。
- この割合を見て安心する必要も、過度に不安になる必要もありません。確認すべきは、自分の家計に「使う予定のあるお金」と「備えのお金」が分けて確保されているかどうかです。
出典:金融経済教育推進機構(J-FLEC)「家計の金融行動に関する世論調査 2025年」
【年代別】20代〜70代の平均額と中央値
年代が上がるにつれて、平均値・中央値ともに高くなる傾向が見られます。ただし平均値と中央値の差はどの年代でも大きく、同じ年代の中でも保有状況は大きく分かれています。
まず一覧表で全体を確認し、そのあと各年代を詳しく見ていきましょう。
| 年代 | 単身世帯 平均値 | 単身世帯 中央値 | 二人以上世帯 平均値 | 二人以上世帯 中央値 |
|---|---|---|---|---|
| 20代 | 255万円 | 37万円 | 525万円 | 125万円 |
| 30代 | 501万円 | 100万円 | 1,096万円 | 311万円 |
| 40代 | 859万円 | 100万円 | 1,486万円 | 500万円 |
| 50代 | 999万円 | 120万円 | 1,908万円 | 700万円 |
| 60代 | 1,364万円 | 300万円 | 2,683万円 | 1,400万円 |
| 70代 | 1,489万円 | 500万円 | 2,416万円 | 1,178万円 |
| 年代 | 単身世帯 | 二人以上世帯 |
|---|---|---|
| 20代 | 33.2% | 21.6% |
| 30代 | 32.3% | 17.6% |
| 40代 | 32.1% | 18.8% |
| 50代 | 35.2% | 18.2% |
| 60代 | 30.4% | 12.8% |
| 70代 | 20.4% | 10.9% |
出典:金融経済教育推進機構(J-FLEC)「家計の金融行動に関する世論調査2025年」
年代は世帯主の年齢で区分しています。二人以上世帯の金額は、個人ではなく世帯全体の保有額です。また、この表は2025年時点の異なる年代の世帯を比較したものであり、同じ人が年齢を重ねるにつれて資産が増える様子を示したものではありません。
20代の平均額・中央値|無理なく貯める習慣をつくる
20代の中央値は、単身世帯で37万円、二人以上世帯で125万円です。平均値はそれぞれ255万円、525万円となっています。
他の年代と比べて金額が小さいのは、働き始めてからの期間が短く、積み上がる時間そのものが限られているからでしょう。奨学金を返済しながら生活している人もいます。
- この年代で確認したいのは、金額の多さよりも毎月の収支が黒字になっているかという点です。黒字の範囲内で、少額でも自動的に貯まる仕組みを作れれば、準備期間の長さが後から効いてきます。
あわせて、急な出費に対応できる現金を手元に置いておきましょう。転職や引っ越し、家電の故障など、20代でもまとまった支出は発生します。
30代の平均額・中央値|近い将来の支出を整理する
30代の中央値は、単身世帯で100万円、二人以上世帯で311万円です。平均値は単身世帯501万円、二人以上世帯1,096万円となりました。
20代と比べて金額が増える一方、この年代は支出の予定が立て込みやすい時期でもあります。結婚、出産、住宅購入などは、いずれもまとまった資金を必要とします。
- ただし、これらの予定は人によって有無もタイミングも異なります。一般論に合わせるのではなく、自分に実際にある予定だけを書き出すのが出発点です。
40代の平均額・中央値|教育費と老後資金を分けて考える
40代の中央値は、単身世帯で100万円、二人以上世帯で500万円です。単身世帯の中央値は30代と同水準にとどまっています。
二人以上世帯では、子どもがいる場合に教育費の負担が本格化します。住宅ローンの返済と重なる家庭も多く、家計の余裕が圧迫されやすい時期です。
ただし、子どもの有無や進路によって必要額は大きく変わります。同じ40代でも、教育費がかからない世帯と私立進学を予定する世帯では、必要な準備額がまったく違ってきます。
- この年代で意識したいのは、使う時期が異なる資金を分けて管理することです。数年以内に使う教育費と、20年先に使う老後資金を同じ財布で扱うと、どちらの進捗も見えなくなります。
なお、子どもの教育費の目安はこちらの記事で解説しています。あわせて参考にしてみてください。
50代の平均額・中央値|退職までの収支を確認する
50代の中央値は、単身世帯で120万円、二人以上世帯で700万円です。平均値は単身世帯999万円、二人以上世帯1,908万円となっています。
二人以上世帯では、平均値と中央値の差が1,200万円を超えました。世帯ごとの保有状況が大きく分かれている年代といえるでしょう。
この年代で確認しておきたいのは、次の3つです。
確認しておきたいポイント
- 年金の見込額:ねんきん定期便やねんきんネットで確認できます
- 退職金の有無と金額:勤務先の退職金規程や人事部門への確認で把握できます
- 住宅ローンの残高と完済予定年齢:返済予定表で確認できます
これらがわかると、退職後に不足する金額を具体的に計算できます。漠然とした不安を、数字に置き換える作業だと考えてください。
なお、役職定年などで収入が変わる人もいます。今の収入がいつまで続くかも、あわせて確認しておきましょう。
60代の平均額・中央値|退職金と生活費を分けて管理する
60代の中央値は、単身世帯で300万円、二人以上世帯で1,400万円です。二人以上世帯では、全年代を通じて中央値が最も高くなりました。
- 退職金を受け取る世帯があることが背景の一つと考えられます。ただし、退職金の有無や金額は、勤務先の制度や働き方によって異なります。勤務先に退職金制度がない人や自営業者は、勤務先からの退職金を前提にせず、自分で準備している老後資金を確認しましょう。
この年代では、収入の中身が現役時代と変わります。就労収入、公的年金、資産の取り崩しという3つの柱を、それぞれ金額で把握しておきましょう。
退職金を受け取った場合、まとまった資金を目にして運用先を急いで決めたくなるかもしれません。ただし、当面の生活費として使う分と、10年以上先まで使わない分を先に切り分ける手順を飛ばさないでください。
なお、退職金額の目安や受取方法については、こちらの記事を参考にしてみてください。
70代の平均額・中央値|取り崩しと急な支出に備える
70代の中央値は、単身世帯で500万円、二人以上世帯で1,178万円です。二人以上世帯の平均値は2,416万円で、60代より低い水準となりました。
資産を取り崩す段階に入る世帯が増えることが、背景として考えられます。実際、70代の二人以上世帯では、金融資産3,000万円以上の層が分布上の最多を占める一方、非保有の世帯も1割を超えています。
- この年代で備えておきたい支出は、生活費だけではありません。医療費や介護費、住宅の修繕費など、まとまった金額が突発的に必要になる場面があります。
必要な老後資金の目安について知りたい方は、こちらの記事も参考にしてみてください。
出典:金融経済教育推進機構(J-FLEC)「家計の金融行動に関する世論調査 2025年」
自分に必要な貯金額はどう決める?
必要な貯金額は、生活費・使う時期・収入の3つから逆算して決めます。平均値や中央値から決めるものではありません。
同じ年代・同じ世帯構成でも、家賃か持ち家か、子どもがいるかいないか、勤務先に退職金があるかどうかで必要額は変わります。統計はあくまで現状把握の材料です。
ここからは、必要額を左右する条件を確認したうえで、資産の把握から毎月の積立額の計算まで、目標額を決める手順を見ていきましょう。
年収・家族構成・住まいで必要額は変わる
同じ年代の中央値を上回っていても、準備が足りないケースがあります。逆に下回っていても、計画上は問題ないケースもあるでしょう。
差を生むのは、主に次の要素です。
| 要素 | 必要額への影響 |
|---|---|
| 住まい | 賃貸か持ち家か、ローン残高、完済予定年齢 |
| 家族構成 | 扶養家族の人数、子どもの進路予定 |
| 収入の安定性 | 雇用形態、収入の変動幅、単収入か共働きか |
| 退職金・企業年金 | 制度の有無と見込額 |
| 公的年金 | 加入歴による見込額の差 |
たとえば、退職金が見込める会社員と、退職金制度のない自営業者では、老後に自分で用意すべき金額が大きく違ってきます。
- 中央値との比較でわかるのは「多いか少ないか」だけです。「足りているか」は、自分の条件で計算しないと判断できません。
預貯金・運用資産・負債を書き出す
目標額を決める前に、現状を数字にします。確認するのは資産だけではありません。負債も同時に書き出してください。
具体的には、次の項目を一覧にします。
書き出す内容
- 現預金:生活費用の口座、貯蓄用の口座
- 運用資産:投資信託、株式、債券、貯蓄型保険(解約返戻金の金額)
- 負債:住宅ローン、自動車ローン、奨学金、カードの分割払い残高
家計全体の純資産を計算する場合は、預貯金や運用資産に加えて、自宅などの実物資産も現在の売却見込額を目安に書き出します。その合計から住宅ローンなどの負債を差し引いた金額が純資産です。金融資産だけから負債を引いた金額とは区別してください。
- あわせて、すぐに使える現預金を確認します。純資産が多くても、自宅や保険などが大半を占め、手元の現預金が少なければ、急な出費への対応が難しくなります。投資商品も、売却から入金までに時間がかかったり、必要な時期に値下がりしていたりする可能性があります。
純資産と手元資金を分けて確認することで、家計全体の資産状況と、当面の支払いに対応できる余裕の両方を把握できます。
生活防衛資金を確保する
生活防衛資金とは、収入が途絶えたときに生活を維持するための現金です。運用には回さず、すぐ引き出せる状態で確保します。
目安は、必要生活費の何か月分という形で考えます。ただし一律の月数はなく、次の条件によって変わってきます。
| 条件 | 多めに確保したいケース |
|---|---|
| 雇用形態 | 自営業、フリーランス、契約社員 |
| 収入の本数 | 単収入世帯(共働きより変動に弱い) |
| 扶養家族 | 子どもや親を扶養している |
| 健康・持病 | 就労不能のリスクがある |
| 住居費 | 家賃やローン返済の負担が重い |
検討の目安として、会社員で共働き、扶養家族がいない場合は必要生活費の3〜6か月分程度、自営業で扶養家族がいる場合は1年分程度を考える方法があります。ただし、公的に定められた一律の基準ではありません。収入が回復するまでの見込みや、利用できる公的給付なども踏まえて調整します。
- 月々の必要生活費に、自分の条件に合った月数を掛けて金額を出しましょう。この金額を、運用に回さず、すぐに使える預貯金で確保する目標とします。
なお、具体的に用意すべき金額の考え方は、こちらの記事で詳細に解説しています。
ライフイベントの必要額と使う時期を整理する
次に、今後予定している支出を書き出します。ポイントは、総額と「事前に現金で準備する金額」を分けて考えることです。
住宅購入を例にすると、物件価格の全額を貯める必要はありません。用意するのは頭金と諸費用であり、残りは住宅ローンで賄うのが一般的です。
主なライフイベントの費用の目安は以下の通りです。
| 項目 | 金額の目安 | 出典 |
|---|---|---|
| 結婚式(挙式・披露宴の総額) | 平均298.6万円 | リクルートブライダル総研「結婚マーケット調査2025」 |
| 住宅(マンション・所要資金) | 平均5,882万円 | 住宅金融支援機構「2025年度フラット35利用者調査」 |
| 住宅(土地付注文住宅・所要資金) | 平均5,313万円 | 同上 |
| 教育(幼稚園3歳〜高校卒業・すべて公立) | 614万円 | 文部科学省「令和5年度子供の学習費調査」 |
| 教育(幼稚園3歳〜高校卒業・すべて私立) | 1,969万円 | 同上 |
住宅費用
住宅の金額は、フラット35利用者を対象とした全国平均であり、住宅購入者全体の平均ではありません。また、所要資金は借入で賄う分を含むため、その全額を事前に貯める必要はありません。
手元で準備する金額は、頭金、諸費用のうち現金で支払う分、引っ越し費用などを基に見積もります。同じ調査では、建売住宅と注文住宅の所要資金はいずれも4,200万円台でした。
教育費用
表の教育費は、子ども1人が幼稚園から高校まで通う15年間の学習費です。授業料だけでなく、学校給食費や塾・習い事などの学校外活動費も含まれます。全額を入学前に貯める必要があるわけではなく、その都度の収入から支払う分と、事前に準備する分を分けて考えましょう。
- 教育費については、調査対象が令和5年度である点に注意してください。高校の授業料支援はその後拡充されており、実際の負担は調査時点より軽くなる場合があります。大学に進学する場合は、この金額に大学費用が加わります。
老後資金
総務省の家計調査(2025年平均)によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯では、実収入25万4,395円に対して支出が29万6,829円でした。差し引き月4万2,434円の不足です。
- この不足が30年続くと仮定すれば、約1,527万円になります。よく知られる「老後2,000万円」は、2019年の金融審議会の報告書で示された試算がもとです。当時のデータで月約5万円の赤字が30年続くと仮定した金額であり、前提が変われば必要額も変わります。
大切なのは、公表された金額をそのまま採用しないことです。自分の年金見込額と生活費から計算し直してください。なお、年代別のライフイベントはこちらの記事でも解説しています。あわせて参考にしてみてください。
出典:住宅金融支援機構「2025年度 フラット35利用者調査」
出典:総務省統計局「家計調査報告(家計収支編)2025年(令和7年)平均結果の概要」
出典:金融庁「金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書(高齢社会における資産形成・管理)」
目標額から毎月の積立額を逆算する
ここまでの数字がそろったら、毎月いくら準備すればよいかを計算します。基本の式は次の通りです。

たとえば、15年後に子どもの大学費用として400万円を用意したいとします。すでに100万円あるなら、不足は300万円です。
300万円÷180か月=約1万6,700円が、毎月の目標額になります。
複数の目的がある場合は、目的ごとに計算して合計してください。合計額が毎月の黒字を上回るなら、目標額か時期のどちらかを調整する必要があります。
手取りに対する割合は、実行できるかどうかを確認する補助として使います。
| 手取り月収 | 5%の場合 | 10%の場合 | 20%の場合 |
|---|---|---|---|
| 20万円 | 1万円 | 2万円 | 4万円 |
| 25万円 | 1万2,500円 | 2万5,000円 | 5万円 |
| 30万円 | 1万5,000円 | 3万円 | 6万円 |
| 40万円 | 2万円 | 4万円 | 8万円 |
「単身なら○割」といった一律の推奨割合には、あまり意味がありません。住居費の水準や扶養人数によって、実行できる割合はまったく異なるからです。
- 逆算した金額が手取りの何%にあたるかを確認し、生活に無理がないかを見てください。無理があれば、期間を延ばす、目標額を見直す、収入を増やすといった調整を行いましょう。
貯金を増やすために取り組みたいこと
貯金を増やす近道は、毎月の黒字を増やし、その状態を続けることです。特別な方法があるわけではありません。
やることは3つです。収支を把握し、固定費を見直し、貯まる仕組みを作ります。順番にも意味があり、現状がわからないまま削減に進むと、削るべきでない支出まで削ってしまいます。
毎月の収支と年単位の特別費を把握する
最初に確認するのは、1か月の収入と支出です。ただし、月単位だけを見ていると実態を捉えきれません。
年単位でしか発生しない支出があるからです。具体的には次のようなものが該当します。
年単位で発生する代表的な支出/p>
- 固定資産税、自動車税
- 自動車保険、火災保険の年払い分
- 車検費用
- 帰省や旅行の費用
- 家電の買い替え、冠婚葬祭費
これらを特別費と呼びます。月々は黒字なのに年末に貯蓄が増えていない場合、特別費が原因であるケースが多く見られます。
年間の特別費を洗い出し、12で割った金額を毎月の支出に加えてください。そのうえで年間でいくら残るかを計算すると、実際に貯蓄に回せる金額が見えてきます。
家計簿アプリを使えば、口座やカードの明細から自動で集計できます。完璧な記録を目指す必要はなく、費目ごとのおおよその金額がつかめれば十分です。
固定費を見直して継続的な黒字をつくる
固定費の見直しは、一度の手続きで削減効果が続く点が特徴です。食費や日用品費の節約と違い、毎月の意識的な努力を必要としません。
優先順位をつけるなら、金額が大きく手続きが簡単なものからです。
| 費目 | 見直しの視点 |
|---|---|
| 通信費 | 格安プランへの変更、不要なオプションの解約 |
| 保険料 | 保障内容と現在の家族構成が合っているか |
| サブスク | 使用頻度に見合っているか、重複していないか |
| 住居費 | 住宅ローンの借り換え、更新時の条件交渉 |
| 電気・ガス | 契約プラン、契約アンペアの見直し |
ここで注意したいのは、保険の扱いです。保険料は削減額が大きい費目ですが、必要な保障まで削ると、いざというときに貯蓄を取り崩すことになります。
- 見直す際は「保険料を下げる」ではなく、「今の家族構成に対して保障が過不足ないか」という観点で確認してください。子どもの独立や住宅ローンの団体信用生命保険加入などで、必要な保障額は変わります。
生命保険が必要かどうかを見極める方法は、こちらの記事で詳細に解説しています。あわせて参考にしてみてください。
先取り貯金と目的別の管理を仕組み化する
「余ったら貯める」方法では、貯まる金額が毎月変動します。給与が入った時点で貯蓄分を別に移す仕組みにすると、意思の力に頼らずに済みます。
具体的な手段としては、次のようなものがあります。
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- 財形貯蓄:勤務先に制度がある場合、給与天引きで積み立てられます
- 自動積立定期預金:指定日に普通預金から定期預金へ自動振替されます
- 銀行の自動振替サービス:貯蓄用口座へ毎月一定額を移します
- 証券口座の自動積立:投資信託などを毎月一定額買い付けます
あわせて、目的別に置き場所を分けると進捗が見えやすくなります。おすすめは次の3分類です。
| 区分 | 置き場所 | 内容 |
|---|---|---|
| 生活防衛資金 | すぐ引き出せる預貯金 | 収入が途絶えたときの生活費 |
| 近い将来使うお金 | 預貯金・定期預金 | 5年以内に使う予定が決まっている資金 |
| 長期間使わないお金 | 運用も選択肢 | 10年以上先に使う老後資金など |
5年・10年という期間は、使い分けを考える目安です。5〜10年後に使う資金も、支出時期を変えられない場合や、元本割れすると予定を実行できない場合は、預貯金を中心に準備します。運用する場合は、使う時期が近づくにつれて、必要額を預貯金へ移すことも検討しましょう。
分けずに1つの口座で管理すると、「使ってよいお金」と「手をつけてはいけないお金」の区別がつかなくなります。口座を分けるだけでも、意図しない取り崩しを防ぎやすくなるでしょう。
その他、お金を増やす方法はこちらの記事でも解説しています。あわせて参考にしてみてください。
貯金と資産運用はどう使い分ける?
貯金と資産運用は、どちらが優れているという関係ではありません。使う時期によって使い分けるものです。
円の普通預金や通常の定期預金は、株式や投資信託のように日々の価格変動で元本が増減する商品ではありません。ただし、物価の上昇率が預金金利を上回ると、同じ金額で買えるものは少なくなります。
- 一方、株式や投資信託などの運用商品は、増える可能性がある反面、使いたいときに値下がりしている可能性もあります。使う時期と、どの程度の損失に耐えられるかを基に使い分けましょう。
近いうちに使うお金は預貯金で確保する
使う時期が決まっていて、しかもそれが近い資金は、預貯金で持ちます。理由は、必要なタイミングで元本が減っている事態を避けるためです。
投資商品は短期間で価格が上下します。3年後に使う予定の住宅頭金を投資に回していた場合、ちょうどその時期に値下がりしていれば、計画を変更せざるを得ません。
具体的には、次の資金が該当します。
預貯金で持つべきお金
- 生活防衛資金
- 5年以内に使う予定が決まっている資金(住宅頭金、車の購入費、近く必要になる教育費など)
運用を検討するときは、使うまでの期間に加え、値下がりした場合に支出時期や金額を調整できるかを確認します。近いうちに使うことが決まっている資金は、値下がりによって計画に支障が出ないよう、預貯金での確保を優先しましょう。
長期間使わないお金は運用も選択肢になる
一方、10年以上使う予定のない資金については、運用を検討する余地があります。時間をかけられるほど、一時的な値下がりから回復を待つ余裕が生まれるためです。
ただし、長期であれば必ず増えるわけではありません。運用には元本割れの可能性が常にあり、これは期間が長くても消えません。検討する際に確認したいのは、次の2点です。
運用時の注意点
- 運用期間:そのお金を使うまで何年あるか
- 損失への許容度:一時的に2割下がったときに、生活や計画に支障が出ないか
そのうえで、長期・積立・分散という基本を押さえます。長期は時間をかけること、積立は購入時期を分けること、分散は投資先を複数に分けることを指します。
- 長期運用では、短期の値動きに左右されず、時間をかけて資産形成に取り組みます。積立は購入時期を分け、特定のタイミングに購入が集中することを避ける方法です。分散は、値動きの異なる資産や地域などに投資先を分け、特定の投資先への依存を抑える方法です。ただし、いずれも利益や元本を保証するものではありません。
資産運用を始めるタイミングや積立投資の効果は、こちらの記事でも解説しています。あわせて参考にしてみてください。
出典:金融庁「資産形成の基本」
NISA・iDeCoは目的と引き出し条件で選ぶ
NISAとiDeCoは、どちらも運用益が非課税になる制度です。ただし引き出せる条件が大きく違うため、目的で使い分けます。
| 項目 | NISA | iDeCo |
|---|---|---|
| 年間の投資枠 | つみたて投資枠120万円+成長投資枠240万円(計360万円) | 加入区分により異なる |
| 生涯の上限 | 1,800万円(うち成長投資枠は1,200万円まで) | 上限の定めなし |
| 税制メリット | 運用益が非課税 | 運用益が非課税、掛金が全額所得控除 |
| 引き出し | いつでも可能 | 原則60歳まで不可 |
| 口座管理手数料 | かからない | 加入時・運用中・受取時にかかる |
NISAは引き出しの制限がないため、目的を問わず使えます。売却した分の非課税枠は、翌年以降に再利用できる仕組みです。非課税で保有できる期間に期限はありません。
iDeCoは掛金が全額所得控除の対象となり、所得税と住民税の負担が軽くなります。その代わり、原則として60歳まで引き出せません。老後資金専用の制度と考えてください。
なお、iDeCoを一時金で受け取る場合、退職金との受け取り時期によって税負担が変わります。退職金がある人は、受け取り方を事前に確認しておきましょう。
貯金や資産形成に迷ったときの相談先
お金の相談先は1つではありません。それぞれ相談できる範囲、報酬の受け取り方、提案できる商品の範囲が異なります。
相談すれば資産が増えるわけではありません。相談で得られるのは、現状の整理と、選択肢の比較材料です。そのうえで判断するのは自分自身になります。
相談内容から相談先を選ぶ
主な相談先を、相談内容と特徴で比較します。
| 相談先 | 主に相談できる内容 | 報酬の出どころ | 確認したい点 |
|---|---|---|---|
| 銀行・証券会社 | 預金、投資信託、保険、ローン | 主に商品の販売手数料 | 提案が自社の取扱商品に限られる |
| 保険代理店 | 保障の見直し、貯蓄型保険 | 保険会社からの手数料 | 解決策が保険商品に寄りやすい |
| FP | 家計、ライフプラン、教育資金、老後資金 | 相談料または所属先の手数料 | 商品の販売可否は資格・所属による |
| IFA | ライフプラン、具体的な商品提案、購入後の対応 | 主に商品の販売手数料 | 提携先と取扱商品の範囲 |
| 税理士 | 相続、贈与、確定申告、事業の税務 | 顧問料・報酬 | 資産運用の提案は業務範囲外のことが多い |
FP(ファイナンシャル・プランナー)は、家計全体の計画づくりを得意とします。ただしFPという資格だけでは金融商品の販売ができないため、実行段階で別の窓口が必要になる場合があります。
IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)は、特定の金融機関に所属せず、証券会社などと業務委託契約を結んで活動します。計画づくりから商品の購入、購入後の見直しまで一貫して対応できる点が特徴です。
相談料・販売手数料・提案範囲を確認する
どの相談先を選ぶ場合でも、事前に確認しておきたい項目があります。誰から報酬を受け取っているかによって、提案の傾向が変わりうるからです。
面談の前か初回に、次の点を質問してみてください。
質問内容
- 報酬の仕組み:相談料か、商品の販売手数料か、その両方か
- 提携先と取扱商品:どの会社の、どの範囲の商品を扱えるか
- 手数料の水準:購入時手数料、信託報酬などの継続的なコスト
- 継続相談の費用:2回目以降は有料か、無料か
- 担当者の資格と経歴:保有資格、これまでの実務経験
手数料の説明を避ける、特定の商品を早い段階で勧めてくる、契約を急がせるといった対応があれば、いったん持ち帰って比較しましょう。
複数の相談先で話を聞き、提案内容を比べるのも有効です。同じ状況を説明しても、提案が違ってくる場合があります。その違いが、それぞれの立場や得意分野を映し出しています。
家計管理や資産運用の相談先選びで迷う方は、こちらの記事もあわせて参考にしてみてください。
この記事のまとめ
この記事では、貯金額の平均値と中央値の違いや、年代別・世帯別の貯金状況、目標額を考える際の基準について解説しました。平均額は一部の資産保有世帯に引き上げられるため、実態を把握するには中央値もあわせて確認することが重要です。まずは家計の収支を整理し、手取り収入や今後のライフイベントから必要な貯金額を設定しましょう。先取り貯金や固定費の見直し、NISA・iDeCoも活用し、不安が残る場合は自分の目的に合った専門家への相談を検討してください。

金融系ライター
厚生労働省や保険業界・不動産業界での勤務を通じて、社会保険や保険、不動産投資の実務を担当。FP1級と社会保険労務士資格を活かして、多くの家庭の家計見直しや資産運用に関するアドバイスを行っている。金融メディアを中心に、これまで1,000記事以上の執筆実績あり。
厚生労働省や保険業界・不動産業界での勤務を通じて、社会保険や保険、不動産投資の実務を担当。FP1級と社会保険労務士資格を活かして、多くの家庭の家計見直しや資産運用に関するアドバイスを行っている。金融メディアを中心に、これまで1,000記事以上の執筆実績あり。
関連する専門用語
金融資産
金融資産とは、現金や預金、株式、債券、投資信託など、金融市場で取引可能な資産のことを指します。不動産や貴金属のような実物資産とは異なり、換金性が高く、運用によって価値が変動する特徴があります。個人の資産運用においては、金融資産を適切に分散し、リスクとリターンのバランスを取ることが重要とされます。企業の財務管理においても、金融資産の保有状況は流動性や資金繰りに影響を与えるため、戦略的な管理が求められます。
現物資産(実物資産)
現物資産とは、紙や電子上の権利ではなく、実体のある形で存在する資産を指します。代表例として金や原油などのコモディティ、不動産、インフラ施設、機械設備などが挙げられ、いずれも手に取るか現地で確認できる「モノ」としての価値を持ちます。 これらは価格がインフレに連動しやすく、貨幣価値の目減りを防ぐ手段として投資家に選ばれる一方、市場規模や取引手続きの複雑さから現金化に時間がかかる場合があります。 したがって、長期的な資産防衛や分散投資の一環として有効ですが、流動性や保管コスト、地域の規制といった要素を踏まえて検討することが大切です。
投資信託
投資信託は、多くの投資家から集めた資金を一つの大きな資金としてまとめ、運用の専門家が株式や債券などに投資・運用する金融商品です。運用によって得られた成果は、各投資家の投資額に応じて分配される仕組みとなっています。 この商品の特徴は、少額から始められることと分散投資の効果が得やすい点にあります。ただし、運用管理に必要な信託報酬や購入時手数料などのコストが発生することにも注意が必要です。また、投資信託ごとに運用方針やリスクの水準が異なり、運用の専門家がその方針に基づいて投資先を選定し、資金を運用していきます。
債券
債券(サイケン、英語表記:Bond)とは、発行者が投資家に対して将来一定の金額を支払うことを約束する金融商品です。 国や地方自治体、企業などが資金を調達する目的で発行し、投資家はこれを購入することで、定期的に利息(クーポン)を受け取ります。満期が来ると、投資した本金が返済されます。 債券はリスクが比較的低く、安定した収入を求める投資家に選ばれることが多いです。 また、市場で自由に売買が可能であるため、流動性も確保されています。債券市場は世界的にも広がりを見せており、多様な投資戦略に利用されています。
貯蓄型保険(積立型)
貯蓄型保険(積立型)とは、万が一の保障に加えて、将来的にお金が戻ってくる仕組みを備えた保険商品のことです。保険料の一部が積み立てられ、契約満了時や途中解約時に「解約返戻金」や「満期保険金」として受け取れるようになっています。 代表的な商品には、終身保険、養老保険、学資保険などがあり、保険としての安心を持ちながら、同時に資産形成も行えるのが特徴です。特に、教育資金や老後資金の準備、相続対策など、目的を持った長期の計画に活用されます。 「掛け捨て型保険」と異なり、支払った保険料が将来的に戻ってくるため、保険と貯金の“ハイブリッド”として位置づけられる商品です。ただし、途中解約すると元本割れするリスクがあるほか、運用利回りが低めに抑えられていることが多いため、目的と期間をしっかり考えて加入することが大切です。 保障と貯蓄を1つの仕組みで両立させたい人にとって、計画的な資産形成の手段として有効な選択肢のひとつです。
個人年金保険
個人年金保険とは、公的年金だけでは不足しがちな老後資金を、自助努力で補うために設計された私的年金商品です。契約者が決められた期間にわたり保険料を払い込み、あらかじめ設定した開始年齢(60歳・65歳など)に達すると年金形式で受け取りが始まります。受取方法には、決められた年数だけ確実に受け取る「確定年金型」と、生存している限り終身で受け取れる「終身年金型」があり、どちらを選ぶかによって総受取額や万一の際の遺族保障の形が異なります。変額型や外貨建て型など、インフレ対応や為替分散を意識したバリエーションも登場しています。 大きな魅力の一つは税制優遇です。一定の要件(受取人が契約者本人または配偶者、払込期間が10年以上など)を満たす契約であれば、払込保険料は「個人年金保険料控除」として所得控除の対象になります。たとえば年間保険料が8万円の場合、所得税で最大4万円、住民税で最大2万8千円が控除され、課税所得を圧縮できるため実質負担を抑えながら老後資金を積み立てられる点がメリットです。 一方で注意すべき点もあります。途中解約時には元本割れが生じやすく、解約返戻金が払込総額を下回るケースが多いこと、固定利率型の商品ではインフレに追いつけない可能性があること、そして保険会社が破綻した場合でも保険契約者保護機構による補償は責任準備金の90%が上限となることです。また、税優遇制度としては個人型確定拠出年金(iDeCo)や新NISAも利用できるため、流動性・運用商品の自由度・掛金上限などを比較し、自分に合った組み合わせを検討する必要があります。 これらの特徴を踏まえると、個人年金保険は「計画的に積立を続け、税制メリットを生かしながら老後の生活費を補完したい」人に適した選択肢といえます。生活防衛資金や他の運用枠を確保したうえで長期的な資産形成の一環として活用すれば、老後のキャッシュフローに安定感をもたらす手段となるでしょう。







