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養老保険とは?仕組み・メリット・デメリットや加入判断軸を解説

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養老保険とは?仕組み・メリット・デメリットや加入判断軸を解説

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執筆者:

公開:

2026.09.10

更新:

2026.09.10

生命保険貯蓄型保険

養老保険は、死亡保障と満期保険金を兼ね備えた貯蓄性のある生命保険です。老後資金や教育資金の準備方法を考える中で候補に挙がる一方、終身保険・定期保険・NISA・iDeCoとの違いや、返戻率・税金・流動性を理解しないまま加入すると、期待した効果が得られない可能性があります。この記事では、養老保険の基本的な仕組みからメリット・デメリット、他商品との比較、向いている人・向かない人まで具体的に解説します。

サクッとわかる!簡単要約

この記事を読むことで、養老保険が「保障」と「貯蓄」をどのように組み合わせた商品なのか、満期保険金・解約返戻金・税金・保険料負担の考え方を体系的に理解できます。さらに、終身保険や定期保険、NISA・iDeCoと比較しながら、自分の目的が死亡保障なのか、教育資金・老後資金の準備なのかを整理できるようになります。その結果、勧誘や表面利率だけで判断せず、家計やライフプランに合うかを冷静に見極められます。

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目次

養老保険とは「保障」と「貯蓄」を兼ね備えた生死混合保険のこと

養老保険は一定期間の死亡保障と満期時の資金準備を組み合わせる仕組み

一般的な普通養老保険は死亡保険金と満期保険金が同額になる

保険期間は年数型と年齢型から選べて払込方法で返戻率が変わる

解約返戻金は払込総額を下回る場合があり、長期保有でも増えるとは限らない

養老保険は通貨・払込方法・加入条件によって特徴が異なる

円建ての定額養老保険は満期時の受取額を円で見通せる

外貨建て養老保険は円換算の受取額が為替相場で変わる

一時払養老保険は契約時にまとまった保険料を払い込む

引受基準緩和型は持病があっても入りやすいが保険料は割高になる

養老保険のメリットは貯蓄・保障・節税を1つの契約でまかなえること

自動引き落としによる強制貯蓄で挫折せず資金を積み立てられる

保障開始後は積立額によらず契約に応じた死亡保障を確保できる

一般生命保険料控除で所得税・住民税を軽減できる

満期保険金を据え置けば所定の利率で増額が見込める

養老保険のデメリットは保険料の高さ・元本割れ・インフレへの弱さ

同じ保障額の定期保険より保険料が大幅に高くなる

早期解約では元本割れし満期まででも返戻率100%未満の商品がある

満期を迎えると保障が終了し再加入できない可能性がある

契約時に金額が固定されるためインフレに弱い

各種手数料が差し引かれ運用効率を下げる

養老保険と他の保険との違いは「貯蓄性」と「保障期間」にある

終身保険との違いは保障が一生涯か一定期間かにある

定期保険との違いは貯蓄性の有無と保険料の安さにある

個人年金保険との違いは死亡時の保障の手厚さにある

学資保険との違いは保障の対象と契約構造にある

養老保険・NISA・iDeCoは保障の必要性と資金を使う時期で比較する

リターンと元本割れの可能性は商品・契約条件によって異なる

税制の違いは拠出時と受取時に分けて確認する

換金できる時期と、必要額を確保できるかを分けて考える

必要な死亡保障と資金準備をそれぞれ検討する

養老保険の税金は「誰が受け取るか」で所得税にも贈与税にもなる

保険料負担者=受取人なら所得税・保険料負担者≠受取人なら贈与税

一時所得は差益から50万円を引いて半分が課税対象になる

保険料負担者と満期保険金の受取人が異なると贈与税の対象になる

給与所得者は一時所得を2分の1にした後の金額などで申告要否を判断する

養老保険は一定期間の死亡保障と満期時の資金準備を両立したい人の選択肢

円での受取額を見通しながら死亡保障も確保したい人

教育費や退職など特定時期に資金を準備したい人に向いている

保険期間中の死亡に備えて家族に資金を残したい人

養老保険が向かないのは高保障・高利回り・流動性を求める人

多額の死亡保障が必要な人には保険料が高すぎる

高い利回りで資産を増やしたい人には効率が悪い

資金を機動的に動かしたい人には流動性が足りない

養老保険は目的・満期時期・契約形態・会社の健全性で選ぶ

まず加入目的を明確にすることが選定の出発点になる

満期時期はライフイベントに合わせて設定する

契約者・受取人の設計で税負担が大きく変わる

長期に支払い能力を保てる健全な保険会社を選ぶ

設計書で満期時と途中解約時の収支を確認する

養老保険は最新の設計書で払込総額・受取額・契約条件を比較する

円建ては予定利率だけでなく払込総額と満期保険金を見る

外貨建ては為替変動と費用を含めて円での受取額を考える

満期時と途中解約時の受取額を確認する

養老保険とは「保障」と「貯蓄」を兼ね備えた生死混合保険のこと

養老保険は、定期保険・終身保険と並ぶ生命保険の三大基本形のひとつで、死亡保障と満期保険金を兼ね備えた貯蓄性のある生命保険です。一定期間の保障を確保しながら、満期まで生存すれば資金を受け取れる点が特徴です。

  1. 養老保険が「生死混合保険」と呼ばれるのは、生存と死亡の両方をカバーする構造を持つためです。生命保険は支払事由によって死亡保険・生存保険・生死混合保険などに分類されますが、養老保険はそのうち死亡と生存の両方に備える仕組みを採用しています。

出典:金融経済教育推進機構「生命保険:せいめいほけん」

養老保険は一定期間の死亡保障と満期時の資金準備を組み合わせる仕組み

養老保険の保険料には、死亡保険金や満期保険金の支払いに備えるための費用と、保険会社の事業運営に必要な費用が含まれています。保険会社は将来の保険金の支払いに備えて資金を積み立て、運用します。

預貯金との主な違いは、契約に基づく死亡保障があることと、途中解約時の受取額が払込保険料の総額を下回る場合があることです。払い込んだ保険料の全額が、そのまま自分の貯蓄として積み上がるわけではありません。

一般的な普通養老保険は死亡保険金と満期保険金が同額になる

一般的な普通養老保険では、死亡保険金と満期保険金が同額に設定されています。保険期間中に被保険者が死亡した場合は死亡保険金が、満期まで生存した場合は満期保険金が、それぞれ指定された受取人に支払われます。

たとえば、死亡保険金・満期保険金がともに500万円、保険期間が20年の契約では、基本的な受取内容は次のようになります。

ケース支払われる保険金受取額の例
保険期間中に死亡し、支払条件を満たす死亡保険金500万円
満期まで生存する満期保険金500万円
高度障害保障のある契約で、所定の状態・支払条件を満たす高度障害保険金500万円
死亡保険金・満期保険金がともに500万円・保険期間20年の契約例

死亡保険金や高度障害保険金の支払いによって契約が終了した場合、満期保険金を重ねて受け取ることはできません。また、死亡保険金と満期保険金が異なる商品や、契約後一定期間の死亡保障が削減される商品もあるため、実際の支払条件は契約概要や約款で確認してください。

保険期間は年数型と年齢型から選べて払込方法で返戻率が変わる

養老保険の保険期間は、ライフプランに合わせて2タイプから設定できます。目的に応じて満期の時期を柔軟に決められるためです。

ひとつは「10年・20年」のように年数で指定する年数指定型で、もうひとつは「60歳・65歳満期」のように年齢で区切る年齢指定型です。

タイプ満期の指定方法合わせやすいライフイベント
年数指定型加入から何年かで区切る10年・20年など子どもの教育費のピーク
年齢指定型被保険者の年齢で区切る60歳・65歳満期など自身の退職時期
養老保険の保険期間の設定タイプ

保険料の払込方法には、月払・年払・一時払などがあり、取り扱いは商品によって異なります。同じ保障内容でも、払込方法によって払込保険料の総額や返戻率が変わるため、設計書で比較しましょう。

なお、将来の保険料をまとめて預け、払込期日ごとに充当する「全期前納」と、契約時に保険料の全額を払い込む「一時払」は異なる仕組みです。

  1. 予定利率は保険料を計算する際の前提となる利率であり、払い込んだ保険料全体の運用利回りではありません。貯蓄性を比較するときは、払込総額と受取額に加え、いつ払い込み、何年後に受け取るかも確認してください。

解約返戻金は払込総額を下回る場合があり、長期保有でも増えるとは限らない

養老保険を途中で解約すると、契約内容や経過年数に応じた解約返戻金を受け取ります。ただし、保険料には保障や事業運営の費用が含まれるため、特に早期解約では払込保険料の総額を下回ることが一般的です。

契約の継続に伴って返戻率が高まる商品もありますが、長く保有すれば必ず100%を超えるわけではありません。満期保険金も払込総額を下回る場合があります。

契約前に、満期時の受取額だけでなく、途中で解約した場合の解約返戻金と、その時点までの払込総額を比較しましょう。

養老保険は通貨・払込方法・加入条件によって特徴が異なる

養老保険を比較するときは、契約通貨、保険料の払込方法、健康状態に関する加入条件を分けて確認しましょう。たとえば「円建て」と「一時払」は異なる分類軸であり、1つの商品が両方に当てはまる場合があります。

比較する軸主な区分確認するポイント
契約通貨円建て・外貨建て受取額をどの通貨で確保するか、為替変動や為替手数料の影響
払込方法月払・年払・一時払など払込総額、支払時期、家計への負担
加入条件通常型・引受基準緩和型など告知内容、保険料、契約後一定期間の保障制限
養老保険を比較するときの3つの軸

取り扱う通貨や払込方法、加入条件は商品によって異なります。それぞれの条件を組み合わせて、自分に合う契約かを判断してください。

円建ての定額養老保険は満期時の受取額を円で見通せる

円建ての定額養老保険は、保険料や保険金を日本円で扱い、契約時に満期保険金額が決まる商品です。為替相場によって円での受取額が増減しないため、将来必要になる資金の見通しを立てやすい特徴があります。

ただし、満期保険金額が決まっていることと、払込保険料の総額以上を受け取れることは別です。途中解約時だけでなく、満期まで継続した場合にも払込総額を下回る商品があります。予定利率の水準だけで判断せず、設計書で払込総額と満期保険金を確認しましょう。

外貨建て養老保険は円換算の受取額が為替相場で変わる

外貨建て養老保険は、米ドルなどの外貨で保険金額を設定する商品です。通貨や商品によっては円建てより高い予定利率が示されますが、それだけで円での運用成果が有利になるとは限りません。

外貨での満期保険金額が決まっていても、円換算の受取額は為替相場によって変わります。受取時に円高が進んでいれば、円で負担した保険料の総額を下回る場合があります。円と外貨を交換する際の為替手数料なども確認が必要です。

将来その資金を円で使う予定なら、円高になった場合にも必要額を確保できるかを検討しましょう。

一時払養老保険は契約時にまとまった保険料を払い込む

一時払養老保険は、契約時に保険料の全額を払い込む商品です。払込方法によって払込総額や返戻率は変わりますが、保険料には保障などの費用も含まれるため、全額がそのまま貯蓄として運用されるわけではありません。

退職金などを使って加入する場合は、生活費や医療費、近い将来の支出に必要な資金を先に確保し、途中で解約せずに保有できる金額かを確認しましょう。

保険期間が5年以下の一時払養老保険や、保険期間が5年を超えていても契約から5年以内に解約したものなど、金融類似商品に該当する契約の差益には20.315%の源泉分離課税が適用されます。この場合、一時所得の特別控除50万円や2分の1課税は適用されません。

出典:国税庁「No.1755 生命保険契約に係る満期保険金等を受け取ったとき」

出典:国税庁「No.1520 金融類似商品と税金」

引受基準緩和型は持病があっても入りやすいが保険料は割高になる

引受基準緩和型は、健康状態に不安がある人でも加入しやすいタイプです。告知項目が少なく、持病や既往歴があっても申し込みやすい設計になっています。

引受基準緩和型は、一般に通常型より保険料が割高です。また、契約後一定期間内に病気で死亡した場合、死亡保険金が削減される商品があります。

持病があっても通常型に加入できる場合があるため、加入しやすさだけで選ばず、通常型の引受可否、保険料、保障が削減される期間と金額を比較してください。

養老保険のメリットは貯蓄・保障・節税を1つの契約でまかなえること

養老保険の魅力は、計画的な貯蓄、一定期間の死亡保障、生命保険料控除による節税を、ひとつの契約で実現できる点にあります。「保障」と「貯蓄」を別々の商品で持つ場合にはない、まとめて備えられる利便性が特徴です。

自動引き落としによる強制貯蓄で挫折せず資金を積み立てられる

養老保険のメリットは、意志の力に頼らず貯蓄を続けられる点です。保険料が口座から自動的に引き落とされるため、手元にあるお金をつい使ってしまう人でも、半ば強制的に積み立てが進みます。

預貯金は簡単に引き出せる分、目標額に届く前に取り崩してしまいがちです。一方、養老保険は途中解約に元本割れのデメリットが伴うため、心理的に引き出しにくい仕組みが働きます。

  1. さらに満期の時期を教育費のピークや退職時期に合わせて設定でき、使いたいタイミングに資金が用意される点も計画性を高めます。

保障開始後は積立額によらず契約に応じた死亡保障を確保できる

養老保険は、保障が開始され、契約上の支払条件を満たしていれば、払い込んだ保険料が少ない段階でも契約に応じた死亡保険金を受け取れます。

たとえば死亡保険金500万円の契約なら、保険料の払込総額が500万円に達していなくても、支払条件を満たした場合は500万円が受取人に支払われます。

ただし、申込みをした時点で必ず保障が始まるわけではありません。保障開始の条件や、契約後一定期間の保障削減、保険金が支払われない場合については契約概要や約款で確認しましょう。

一般生命保険料控除で所得税・住民税を軽減できる

養老保険の保険料は、契約内容などの要件を満たす場合、一般生命保険料控除の対象です。新契約に適用される通常の控除上限は、所得税で4万円、住民税で2.8万円です。

2026年分・2027年分の所得税では、23歳未満の扶養親族がいる場合、新生命保険料に係る一般生命保険料控除の上限が6万円となる特例があります。ただし、一般生命保険料控除・介護医療保険料控除・個人年金保険料控除を合わせた所得税の控除上限は12万円のままです。

  1. これらは所得から差し引く金額であり、税金がその金額だけ減るわけではありません。実際の軽減額は所得税率などによって異なり、既存の契約ですでに控除上限に達していれば、養老保険を追加しても控除額が増えない場合があります。

出典:国税庁「No.1140 生命保険料控除」

生命保険料控除の仕組みについては、こちらの記事も参考にしてみてください。

満期保険金を据え置けば所定の利率で増額が見込める

養老保険には、満期保険金をすぐに受け取らず保険会社に預けておく据置という制度があります。すぐに使う予定がなければ、所定の利率で運用が続き、受取額を増やせる点がメリットです。

満期保険金は一定期間据え置くことができ、保険会社所定の利息をつけて預けたうえで、必要なときに引き出せます。退職金の受取時期と調整したい場合など、ライフプランに合わせた使い方が可能です。

養老保険のデメリットは保険料の高さ・元本割れ・インフレへの弱さ

養老保険は貯蓄と保障を兼ねる便利な商品ですが、その裏側には見過ごせない弱点もあります。保険料の高さ、早期解約時の元本割れ、満期後の無保障、インフレへの弱さ、そして手数料負担です。加入を判断する前に、これらを正しく理解しておきましょう。

同じ保障額の定期保険より保険料が大幅に高くなる

養老保険のデメリットは、保険料の高さです。満期保険金のための積立部分が上乗せされるため、同じ死亡保障額でも掛け捨ての定期保険より保険料がはるかに高くなります。

保険料の差は、被保険者の年齢・性別、死亡保険金額、保険期間、払込期間、特約の有無などによって異なります。比較するときは条件をそろえ、月々の保険料だけでなく払込総額と満期保険金も確認しましょう。養老保険には満期保険金のための積立が含まれるため、死亡保障だけを確保する定期保険とは、支払う保険料の役割が異なります。

  1. 家計に占める保険料の割合が大きくなりすぎると、日々の生活や他の資産形成を圧迫します。負担できる範囲かどうかを冷静に見極めなければなりません。

早期解約では元本割れし満期まででも返戻率100%未満の商品がある

養老保険は「貯蓄=元本保証」ではない点に注意が必要です。保険会社は保険料から保障費用や運営経費をまかなうため、契約初期の積立額は小さく抑えられます。

  1. そのため早期に解約すると、受け取れる解約返戻金は払込保険料の総額を下回ります。さらに低金利下で設計された商品のなかには、満期まで保有しても返戻率が100%に届かないものも存在します。

「必ず増えて戻る」という思い込みは禁物です。契約前に設計書で返戻率の推移を必ず確認しましょう。

満期を迎えると保障が終了し再加入できない可能性がある

養老保険は、原則として満期を迎えるとその契約の死亡保障が終了します。満期後も家族の生活費などを保険で確保したい場合は、その時点で必要となる保障を考えておく必要があります。

ただし、子どもの独立や資産の積み上がりによって、死亡保障の必要額が減っている場合もあります。満期後の再加入が必須というわけではありません。

一方、保障が引き続き必要でも、満期時の年齢や健康状態によっては希望する保険に加入できないことがあります。一生涯の死亡保障を必要とする場合は、加入時から終身保険などと比較しておきましょう。

契約時に金額が固定されるためインフレに弱い

養老保険は保険金額が契約時に確定するため、物価が上がり続ける局面では実質的な価値が目減りします。受け取る金額は変わらないのに、その金額で買えるものが減ってしまうからです。

実際、足元の物価上昇は続いています。仮に年2%の上昇が20年続けば、物価は約1.5倍となり、満期保険金の実質的な購買力は大きく低下します。

つまり養老保険は、インフレに対抗する手段としては不向きです。物価上昇への備えは、別の資産で確保する発想が求められます。

出典:日本銀行「2%の「物価安定の目標」」

インフレに強い資産に関しては、こちらのFAQを参考にしてみてください。

各種手数料が差し引かれ運用効率を下げる

養老保険では、払い込んだ保険料の全額が運用に回るわけではない点も見落とせません。契約初期費用や保険関係費用などのコストが差し引かれ、その分だけ運用効率が下がります。

早期解約時には契約年数に応じた解約控除が適用される商品があり、その他の手数料も差し引かれて元本割れになることが少なくありません。手数料は保険料に含まれて見えにくいため、契約前にどんな費用がいくらかかるかを必ず確認しましょう。

養老保険と他の保険との違いは「貯蓄性」と「保障期間」にある

養老保険は終身保険・定期保険・個人年金・学資保険と混同されがちですが、見分けるカギは貯蓄性の有無と保障期間です。同じ死亡保障でも、保険料は「定期保険<終身保険<養老保険」の順になるのが一般的です。違いを整理しましょう。

種類保障期間満期保険金解約返戻金保険料水準
養老保険一定期間ありあり(早期は元本割れ)高い
終身保険一生涯なしあり中〜高
定期保険一定期間なしほぼなし低い
個人年金保険一定期間年金で受取あり
学資保険子の進学まであり(祝金等)あり
養老保険と他の生命保険の比較

終身保険との違いは保障が一生涯か一定期間かにある

養老保険と終身保険の最大の違いは、保障期間と満期保険金の有無です。終身保険は解約しない限り被保険者が亡くなるまで保障が続くのに対し、養老保険の保障期間は加入後の一定期間に限られます。

その代わり、養老保険は満期まで生存すれば満期保険金を受け取れます。一生涯の保障がほしいなら終身保険、特定の時期に受取金もほしいなら養老保険という使い分けが基本です。

定期保険と終身保険の違いについては、こちらの記事で解説しています。併せて参考にしてみてください。

定期保険との違いは貯蓄性の有無と保険料の安さにある

定期保険との違いは、貯蓄性があるかどうかです。定期保険は掛け捨て型で満期保険金がない代わりに、同じ保障額・期間でも保険料が圧倒的に安くなります。

純粋に死亡リスクへ備えるだけなら、定期保険のほうが合理的です。貯蓄も同時に行いたい場合に、養老保険が選択肢となります。

保険料を抑えたい場合は、掛け捨て保険が選択肢です。詳しくは、こちらの記事も参考にしてみてください。

個人年金保険との違いは死亡時の保障の手厚さにある

個人年金保険との違いは、死亡時に受け取れる金額です。個人年金は積立期間中に死亡しても既払込保険料相当額しか戻りませんが、養老保険は死亡時も契約した保険金額を受け取れます。

老後資金の準備が主目的なら個人年金、保障も重視するなら養老保険が向いています。

個人年金保険の仕組みについては、こちらの記事をご覧ください。

学資保険との違いは保障の対象と契約構造にある

学資保険は子どもの教育資金に特化した保険です。親が契約者、子どもを被保険者とし、契約者である親が死亡した場合は以後の保険料払込みが免除され、満期保険金は契約どおり受け取れます。

一方、養老保険は被保険者本人の死亡保障が中心です。同じ教育資金準備でも、適した商品は異なります。

学資保険の特徴やメリットについては、こちらの記事を参考にしてみてください。

養老保険・NISA・iDeCoは保障の必要性と資金を使う時期で比較する

養老保険は死亡保障と満期保険金を組み合わせた保険商品です。一方、NISAとiDeCoは税制優遇のある制度であり、選ぶ商品によってリスクや運用成果が変わります。保障の必要性、税制、資金を使う時期を分けて比較しましょう。

リターンと元本割れの可能性は商品・契約条件によって異なる

養老保険の予定利率は保険料の計算に用いる利率であり、払い込んだ保険料全体の運用利回りではありません。投資信託などと比較するときは、払込時期と受取時期を踏まえた収益性を確認する必要があります。

比較項目円建ての定額養老保険NISAiDeCo
仕組み死亡保障と満期保険金を組み合わせる保険対象商品の運用益等を非課税にする制度老後資金を積み立てる私的年金制度
受取額満期保険金額は契約時に決まる選択した商品の運用成果による選択した商品の運用成果による
払込額を下回る可能性途中解約時や契約条件によっては満期時にもある株価や基準価額の下落などで生じる投資信託には元本割れがあり、元本確保商品でも手数料等に注意が必要
値動きの扱い満期保険金額は市場価格に応じて日々変動しない保有商品の価格が変動する定期預金などと、価格が変動する投資信託などから選ぶ
養老保険・NISA・iDeCoの仕組みと受取額の違い

株式型投資信託などでは値上がり益を目指せますが、長期保有でも利益が保証されるわけではありません。養老保険についても、受取額が決まっていることと、払込額以上を受け取れることを区別して判断しましょう。

出典:金融庁「NISAを知る」

出典:厚生労働省「iDeCoの概要」

なお、インデックスファンドの仕組みについては、こちらの記事で詳しく解説しています。

税制の違いは拠出時と受取時に分けて確認する

養老保険・NISA・iDeCoでは、税負担が軽減される仕組みやタイミングが異なります。所得控除を使えるか、受取時にどの税金がかかるかによって効果が変わるため、一律の順位で判断することはできません。

段階養老保険NISAiDeCo
拠出時要件を満たす保険料は生命保険料控除の対象購入額の所得控除はない掛金全額が所得控除の対象
運用中一般に保険金等の受取時に課税関係を判定制度の要件を満たす売却益・配当等が非課税運用益が非課税
受取時保険料負担者・受取人・受取方法などに応じて課税対象となる運用益は非課税一時金は退職所得控除、年金は公的年金等控除の対象
養老保険・NISA・iDeCoの税制の違い(拠出時・運用中・受取時)

所得税や住民税の負担が小さい場合、所得控除による軽減効果も小さくなることがあります。また、iDeCoは受取額や他の退職金・年金との関係によって受取時に税金がかかる場合があります。養老保険も、既存契約で生命保険料控除の上限に達していれば、追加加入による控除額の増加は見込めません。

出典:金融庁「NISAを利用する皆さまへ」

出典:国民年金基金連合会「iDeCo公式サイト」

iDeCoの仕組みについて詳しく知りたい方は、こちらの記事もあわせて参考にしてみてください。

換金できる時期と、必要額を確保できるかを分けて考える

NISAで保有する株式や投資信託は売却できますが、必要なときに値下がりしている可能性があります。売却から出金までに日数がかかる場合もあるため、預貯金と同じ感覚で扱わないことが大切です。

項目養老保険NISAiDeCo
満期・老後まで待たずに現金化できるか途中解約が可能保有商品の売却が可能原則として60歳まで引き出せない
主な注意点解約返戻金が払込総額を下回る場合がある値下がりと売却・出金に必要な日数に注意加入期間などによって受給開始可能年齢が異なる
養老保険・NISA・iDeCoの換金しやすさの違い

生活防衛資金や近い将来に使うことが決まっている資金は、必要額を確保しやすく、すぐに引き出せる預貯金を基本に準備しましょう。NISAを使った投資や養老保険への加入は、その資金を確保したうえで検討してください。

出典:厚生労働省「iDeCoの概要」

必要な死亡保障と資金準備をそれぞれ検討する

まず、家族に残す必要がある金額と、その保障が必要な期間を確認しましょう。そのうえで、教育費や老後資金をいつまでにいくら準備するかを整理します。

養老保険は、一定期間の死亡保障と満期時の受取りを1つの契約で確保したい場合に検討できます。一方、定期保険などで死亡保障を確保し、資金準備には預貯金やNISA、iDeCoを利用する方法もあります。

必ずすべてを組み合わせる必要はありません。保険料や手数料、元本割れの可能性、資金を引き出せる時期を比べ、家計と目的に合う方法を選びましょう。

養老保険の税金は「誰が受け取るか」で所得税にも贈与税にもなる

満期保険金にかかる税金は、保険料負担者と受取人の関係で変わります。保険料負担者と受取人が同じなら所得税、異なれば贈与税の対象です。

保険料負担者=受取人なら所得税・保険料負担者≠受取人なら贈与税

満期保険金の税目は、保険料を負担した人と受取人が同じかどうかで決まります。保険料負担者本人が受け取る場合は所得税と住民税、保険料負担者以外の人が受け取る場合は贈与税の対象です。契約者名義だけでなく、実際に誰が保険料を負担していたかも重要になります。

実際の保険料負担者本人が受け取る場合は、受取方法によって所得区分が変わります。一括受取は原則として一時所得、年金受取は公的年金等以外の雑所得です。ただし、保険期間が5年以下の一時払養老保険や、5年を超える契約を契約から5年以内に解約した場合など、金融類似商品に該当するものの差益には20.315%の源泉分離課税が適用されます。

出典:国税庁「No.1755 生命保険契約に係る満期保険金等を受け取ったとき」

保険金受取時の税金に関しては、こちらの記事で詳しく解説しています。あわせて参考にしてみてください。

一時所得は差益から50万円を引いて半分が課税対象になる

実際に保険料を負担した本人が満期保険金を一括で受け取る場合、源泉分離課税となる契約などを除き、原則として一時所得に該当します。

ほかに一時所得がなく、配当金等による調整がない場合、一時所得の金額は「満期保険金-払込保険料総額-特別控除額」で計算します。特別控除額は差益を上限に最高50万円で、計算した一時所得の2分の1を給与所得などと合算します。

たとえば払込保険料が300万円、満期保険金が500万円なら、一時所得は150万円となり、他の所得に合算する金額は75万円です。

特別控除50万円は契約ごとではなく、その年の一時所得全体に適用されます。この保険の差益が50万円以下でも、ほかの一時所得があれば、合計額によって課税対象が生じる場合があります。

出典:国税庁「No.1490 一時所得」

保険料負担者と満期保険金の受取人が異なると贈与税の対象になる

満期保険金にかかる税金は、契約者名義だけではなく、実際に誰が保険料を負担したかで判断します。保険料を負担した人と受取人が異なる場合、原則として贈与税の対象になります。

たとえば夫が保険料の全額を負担し、妻が満期保険金を受け取る場合、妻が受け取った保険金は夫からの贈与として扱われます。一般的な暦年課税では、その年に受けたほかの贈与も含めて、基礎控除110万円を超えるかを確認します。

所得税の一時所得とは異なり、受け取った保険金から夫の払込保険料を差し引いて差益だけに課税する仕組みではありません。加入時には、保険料を負担する人と満期保険金の受取人を確認しましょう。

出典:国税庁「No.4402 贈与税がかかる場合」

給与所得者は一時所得を2分の1にした後の金額などで申告要否を判断する

1か所から給与を受け取り、給与収入が2,000万円以下で年末調整を受けているなど、一定の条件を満たす給与所得者は、給与・退職所得以外の所得の合計が20万円以下であれば、原則として所得税の確定申告は不要です。

満期保険金が一時所得に該当する場合、この20万円の判定には、特別控除後の一時所得を2分の1にした金額を使います。年金受取による雑所得や副業所得などがあれば、それらも含めて判定します。

  1. ただし、医療費控除などのために確定申告をする場合は、20万円以下の所得も申告に含める必要があります。また、所得税の確定申告が不要でも、住民税の申告が必要になる場合があります。

源泉分離課税の対象となる一時払養老保険の差益は、源泉徴収で課税が完結し、確定申告には含めません。

出典:国税庁「No.1900 給与所得がある方の確定申告」

確定申告が必要なケースについては、こちらの記事を参考にしてみてください。

養老保険は一定期間の死亡保障と満期時の資金準備を両立したい人の選択肢

養老保険は、一定期間の死亡保障が必要で、満期まで保険料を無理なく払い続けられる人の選択肢です。円建ての定額型であれば満期時の受取額を見通しやすい一方、途中解約や契約条件によっては払込総額を下回ります。

受取額の見通し、資金を使う時期、家族に残す保障という3つの観点から、自分に合うかを確認しましょう。

円での受取額を見通しながら死亡保障も確保したい人

円建ての定額養老保険は、満期まで契約を継続した場合の受取額を見通しながら、死亡保障も確保したい人が検討できる商品です。日々の値動きを見て売買を判断する必要はありません。

ただし、価格変動を避けたいだけであれば、預貯金なども比較対象になります。老後資金の準備では、iDeCoで定期預金などの元本確保商品を選ぶ方法もあります。養老保険を選ぶ際は、死亡保障も必要か、払込総額と受取額の関係に納得できるかを確認しましょう。

教育費や退職など特定時期に資金を準備したい人に向いている

教育費や退職後の生活費など、資金を使う時期が決まっている場合は、その時期に合う満期を設定できるか確認しましょう。選べる保険期間や満期年齢は、商品や加入時の年齢によって異なります。

たとえば大学進学費用に使うなら、入学金などを支払う時期より前に満期保険金を受け取れるかが重要です。学資保険と比較する際は、親が死亡した場合の保険料払込免除や保険金の受取時期など、保障内容の違いも確認してください。

保険期間中の死亡に備えて家族に資金を残したい人

養老保険は、保険期間中に被保険者が死亡した場合、指定された受取人に死亡保険金を残せます。亡くなった本人が保険料を負担し、相続人が死亡保険金を受け取る場合には、「500万円×法定相続人の数」の相続税の非課税枠を利用できることがあります。

  1. ただし、この非課税枠は他の対象となる死亡保険金と共通であり、契約ごとに追加されるものではありません。また、養老保険は満期で死亡保障が終了し、満期保険金にはこの非課税枠は適用されません。

相続時に資金を残すことが主目的なら、満期のある養老保険が目的に合うかを確認し、一生涯の死亡保障がある終身保険などとも比較しましょう。

出典:国税庁「No.4114 相続税の課税対象になる死亡保険金」

養老保険が向かないのは高保障・高利回り・流動性を求める人

養老保険は万能ではありません。多額の死亡保障が必要な人、高い利回りを狙う人、資金を機動的に動かしたい人にとっては、ほかの手段のほうが合理的です。安易な勧誘に流される前に、向かないケースも把握しておきましょう。

多額の死亡保障が必要な人には保険料が高すぎる

養老保険は、大きな死亡保障を求める人には不向きです。養老保険は貯蓄部分が上乗せされるため、必要な保障額を確保しようとすると保険料が高額になりすぎるからです。

  1. たとえば子育て世帯で数千万円の死亡保障が必要な場合、養老保険だけで確保しようとすると、保険料が家計の負担になることがあります。定期保険や収入保障保険などで必要な死亡保障を確保し、資金準備は預貯金や投資と分けて行う方法も比較しましょう。

NISAやiDeCoを利用する場合は、選ぶ商品のリスクに加え、資金を使う時期や引出しの制約も確認する必要があります。

高い利回りで資産を増やしたい人には効率が悪い

死亡保障の必要性が小さく、価格変動を受け入れて資産の成長を目指す場合は、株式や投資信託なども比較対象になります。養老保険には保障の費用が含まれるため、資産を増やすことだけを目的にすると、その費用が目的に合わない場合があります。

ただし、株式や投資信託は長期保有でも利益が保証されるわけではありません。養老保険の予定利率と投資商品の期待リターンを直接比べず、保障の必要性、払込額と受取額、運用期間、損失を受け入れられる範囲を整理して判断しましょう。

出典:金融庁「資産形成の基本」

資金を機動的に動かしたい人には流動性が足りない

流動性を重視する人にも、養老保険は向きません。転職や起業、急な出費など、人生の節目で資金を動かしたい人にとって、早期解約の元本割れは大きな足かせになるからです。

養老保険は途中解約できますが、解約返戻金が払込総額を下回る場合があります。そのため、生活防衛資金や近い将来に使う予定のある資金は、すぐに引き出せる預貯金を基本に確保しておきましょう。NISAで保有する株式や投資信託は売却できても、必要なときに値下がりしている可能性があるため、預貯金と同じ役割では扱えません。

必要な生活防衛資金の考え方については、こちらの記事で詳しく解説しています。

養老保険は目的・満期時期・契約形態・会社の健全性で選ぶ

養老保険を選ぶときは、加入目的の明確化、満期時期の設定、契約者・受取人の設計、保険会社の健全性の4点を順にチェックしましょう。この4つを押さえれば、勧誘や表面利率に惑わされず、自分に合った商品を見極められます。

まず加入目的を明確にすることが選定の出発点になる

選び方の起点は、加入目的をはっきりさせることです。目的が定まらないまま契約すると、保障内容・満期時期・受取人設定がちぐはぐになりやすいからです。

「教育資金の準備」「老後資金の準備」「相続対策」のどれを主目的とするかで、選ぶべき商品も契約形態も変わります。最初に目的を言語化しておきましょう。

満期時期はライフイベントに合わせて設定する

満期時期は、お金が必要になるタイミングから逆算して決めます。受け取る時期と使う時期がずれると、資金を活かしきれないからです。

設定方法は年数指定と年齢指定の2タイプです。子どもの大学進学や自身の退職など、ライフイベントに合わせて選びます。早すぎる満期は資金活用の機会損失、遅すぎる満期は資金拘束の長期化につながる点に注意しましょう。

年代別のライフイベントについては、こちらの記事でまとめています。あわせて参考にしてみてください。

契約者・受取人の設計で税負担が大きく変わる

保険金の税務上の扱いは、実際の保険料負担者、被保険者、受取人の関係によって変わります。契約者名義だけで判断せず、保険料を誰の資金で支払うかまで確認しましょう。

満期保険金は、保険料負担者本人が受け取る場合には原則として所得税・住民税、別の人が受け取る場合には贈与税の対象です。一方、死亡保険金は、亡くなった本人が保険料を負担していた場合に相続税の対象となり、相続人が受け取るなどの条件を満たせば非課税枠を利用できます。

養老保険では、満期保険金と死亡保険金の受取人を分けて確認することが大切です。

出典:国税庁「No.1750 死亡保険金を受け取ったとき」

「契約者」「被保険者」「受取人」の違いや役割については、こちらの記事で詳しく解説しています。

長期に支払い能力を保てる健全な保険会社を選ぶ

長期にわたって、保険金を支払える健全な会社かを確認します。養老保険は契約期間が長く、保険会社の経営安定性が将来の受取に関わるからです。

保険会社の健全性を確認するときは、最新の決算資料やディスクロージャー資料を参照しましょう。2026年3月31日からは経済価値ベースのソルベンシー規制が適用され、経済価値ベースのソルベンシー比率(ESR)が健全性を評価する指標となっています。

従来のソルベンシー・マージン比率とは算出方法が異なるため、過去の「200%」という基準をそのまま当てはめることはできません。比率の名称と基準日を確認し、業績や格付けなども合わせて判断してください。

出典:金融庁「経済価値ベースのソルベンシー規制等について」

ソルベンシー・マージン比率については、こちらの記事も参考にしてみてください。

設計書で満期時と途中解約時の収支を確認する

契約前には、設計書の数字を使って「払う金額」「受け取る金額」「保障される金額」を分けて確認しましょう。以下は確認方法を示すための仮定の例であり、実在商品の条件ではありません。

確認項目仮定の契約例
払込方法・払込保険料契約時に100万円を一時払
保険期間10年
満期保険金110万円
死亡保険金支払条件を満たす場合に110万円
5年後の解約返戻金95万円
設計書で確認する項目と仮定の契約例

この例では、満期まで継続した場合の受取額は払込額より10万円多く、返戻率は110%です。ただし、これは10年間の受取額の割合であり、年利10%という意味ではありません。5年後に解約した場合は、払込額を5万円下回ります。なお、税金などは考慮していません。

さらに、死亡保険金110万円で家族に必要な保障を確保できるか、100万円を途中で使う可能性がないかも確認します。返戻率だけでなく、必要な死亡保障と資金を使う時期の両方に合うかを判断してください。

養老保険は最新の設計書で払込総額・受取額・契約条件を比較する

養老保険の保険料や受取額は、商品、被保険者の年齢、保険期間、払込方法などによって異なります。一般的な金利動向や広告に表示された利率だけで判断せず、加入を検討する時点の設計書で確認しましょう。

円建ては予定利率だけでなく払込総額と満期保険金を見る

予定利率は保険料を計算するための前提であり、保険料全体が増える割合ではありません。円建ての商品では、払込保険料の総額に対して、満期にいくら受け取れるかを確認することが基本です。

比較するときは、同じ死亡保障額、保険期間、払込方法で条件をそろえましょう。特約の保険料や、将来の支払いが確定していない配当金の扱いも確認してください。

外貨建ては為替変動と費用を含めて円での受取額を考える

外貨建ての商品は、外貨での受取額に加え、円に換算した場合の受取額を確認する必要があります。円高・円安の複数のケースで、円で負担する保険料や受取額がどう変わるかを見ておきましょう。

保険関係費用、円と外貨を交換する際の手数料、途中解約時の控除など、適用される費用は商品によって異なります。費用が設計書の受取額にすでに反映されているかも確認し、二重に差し引かないようにしてください。

満期時と途中解約時の受取額を確認する

返戻率は「受取額÷払込保険料総額×100」で計算できます。ただし、同じ返戻率でも、払い込む時期や受け取るまでの年数が違えば、年あたりの収益性は異なります。

満期時だけでなく、5年後や10年後など、途中で解約した場合の受取額も確認しましょう。受取額が払込総額を下回る期間に解約する可能性が高い場合は、契約額や資金準備の方法を見直す必要があります。

この記事のまとめ

この記事では、養老保険の仕組み、種類、メリット・デメリット、他の保険やNISA・iDeCoとの違いを通じて、加入判断に必要な視点を整理しました。養老保険は、一定期間の死亡保障を確保しながら満期時にまとまった資金を受け取れる一方、保険料の高さ、早期解約時の元本割れ、インフレや流動性の弱さにも注意が必要です。加入を検討する際は、目的・満期時期・受取人設定・返戻率を確認し、不安が残る場合は専門家に相談しながら比較検討しましょう。

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柴田充輝

金融系ライター

厚生労働省や保険業界・不動産業界での勤務を通じて、社会保険や保険、不動産投資の実務を担当。FP1級と社会保険労務士資格を活かして、多くの家庭の家計見直しや資産運用に関するアドバイスを行っている。金融メディアを中心に、これまで1,000記事以上の執筆実績あり。

厚生労働省や保険業界・不動産業界での勤務を通じて、社会保険や保険、不動産投資の実務を担当。FP1級と社会保険労務士資格を活かして、多くの家庭の家計見直しや資産運用に関するアドバイスを行っている。金融メディアを中心に、これまで1,000記事以上の執筆実績あり。

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