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保険の種類を一覧でわかりやすく解説|生命保険・損害保険・第三分野の違いと選び方
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公開:
2025.09.03
更新:
2026.10.02
就職・結婚・出産をきっかけに保険を考え始めても、種類が多く、何から検討すればよいか迷うことがあります。それぞれが備えるリスクを整理せずに加入すると、保障が重複したり、必要な備えが抜けたりする可能性があります。この記事では、保険の種類について、生命保険・損害保険・第三分野の分類と主な商品の特徴から、公的保障との関係、年代・家族構成に応じた選び方までを具体的に解説します。
目次
保険の種類は大きく3つ:第一分野・第二分野・第三分野
保険は、法律上の区分、公的か民間か、保障の目的という3つの切り口で整理すると全体像がつかめます。ここでは、保険業法の3分野、公的保険と民間保険の関係、目的別の分類を順に確認します。
保険業法による分類:生命保険・損害保険・第三分野
保険業法では、保険を生命保険固有の「第一分野」、損害保険固有の「第二分野」、どちらにも属さない「第三分野」の3つに区分しています。生命保険は人の生存または死亡に関して定められた保険金を支払う保険で、生命保険会社だけが引き受けられます。損害保険は不測の事故による損失に保険金を支払う保険で、損害保険会社だけが扱える分野です。
第三分野は、医療保険・がん保険・介護保険・傷害保険など、病気やケガ、介護に備える保険です。生命保険会社と損害保険会社の両方が販売できるため、同じ「医療保険」でも生保と損保のどちらの商品もあります。
出典:日本損害保険協会「損害保険Q&A 保険基礎知識 Ⅰ.保険について」
公的保険と民間保険:民間保険は公的保険の不足分を補う
保険には、国が運営し加入が義務づけられている公的保険と、保険会社が販売し任意で加入する民間保険があります。公的保険には健康保険・公的年金・介護保険・雇用保険・労災保険の5つがあり、医療費の自己負担軽減、遺族や障害者への年金、失業や労災時の給付を担っています。
- 民間保険は、公的保険では足りない部分を補うために加入するものです。「公的保険で何がどこまでカバーされるか」を知らずに民間保険を選ぶと、保障の重複や過不足が起きやすくなります。
社会保険について知っておくことは、リスクへの備えや資産形成を考えるうえでも重要です。詳しくは、こちらの記事も参考にしてみてください。
目的別の分類:死亡・医療・老後や貯蓄・損害の4つ
民間保険を選ぶときに実用的なのは、「何に備えるか」という目的別の分類です。遺族の生活費に備える死亡保障、病気やケガの費用に備える医療保障、老後資金や教育資金を準備する貯蓄・生存保障、モノや賠償の損害に備える損害補償の4つに分けると、必要な保険を絞り込みやすくなります。
次の章では、この目的別の視点と保険業法の3分野を組み合わせて、保険の種類を一覧表にまとめます。
保険の種類一覧表:生命保険・第三分野・損害保険の主な商品
主な保険の種類を、分野、目的、保険期間、掛け捨てか貯蓄型か、向いている人の5つの観点で一覧にしました。詳細は次章以降で種類ごとに解説します。
| 分野 | 種類 | 主な目的 | 保険期間 | 掛け捨て/貯蓄型 | 向いている人 |
|---|---|---|---|---|---|
| 生命保険 | 定期保険 | 一定期間の死亡保障 | 10年・65歳までなど | 掛け捨て | 子育て期に大きな保障を安く持ちたい人 |
| 生命保険 | 収入保障保険 | 遺族の毎月の生活費 | 60歳・65歳までなど | 掛け捨て | 子育て世帯・自営業 |
| 生命保険 | 終身保険 | 一生涯の死亡保障・葬儀費用・相続対策 | 一生涯 | 貯蓄型 | 確実に残す資金を準備したい人 |
| 生命保険 | 養老保険 | 死亡保障と満期金の両立 | 10年・60歳までなど | 貯蓄型 | 目標時期に一定額を確保したい人 |
| 生命保険 | 個人年金保険 | 老後資金の準備 | 受取開始まで | 貯蓄型 | 強制的に老後資金を貯めたい人 |
| 生命保険 | 学資保険(こども保険) | 教育資金の準備 | 子が18〜22歳まで | 貯蓄型 | 進学時期に決まった額を用意したい人 |
| 生命保険 | 変額保険・外貨建て保険 | 保障と運用の両立 | 一生涯・一定期間 | 貯蓄型(元本変動) | 運用リスクを理解したうえで保障も持ちたい人 |
| 第三分野 | 医療保険 | 入院・手術の費用 | 一生涯・一定期間 | 掛け捨てが中心 | 貯蓄が少なく医療費の備えが欲しい人 |
| 第三分野 | がん保険 | がんの治療費・収入減 | 一生涯・一定期間 | 掛け捨てが中心 | がんの長期治療に備えたい人 |
| 第三分野 | 三大疾病保険 | がん・心疾患・脳血管疾患の一時金 | 一生涯・一定期間 | 掛け捨て・貯蓄型 | 重い病気の際のまとまった資金が欲しい人 |
| 第三分野 | 就業不能保険・所得補償保険 | 働けない間の収入 | 60歳・65歳までなど | 掛け捨て | 自営業・貯蓄が少ない会社員 |
| 第三分野 | 介護保険・認知症保険 | 要介護時の費用 | 一生涯・一定期間 | 掛け捨て・貯蓄型 | 老後の介護費用に備えたい人 |
| 損害保険 | 自動車保険(自賠責・任意) | 交通事故の賠償・車の損害 | 1年更新 | 掛け捨て | 車を所有・運転する人 |
| 損害保険 | 火災保険・地震保険 | 住まいと家財の損害 | 1〜5年 | 掛け捨て | 持ち家・賃貸を問わず住まいがある人 |
| 損害保険 | 傷害保険・個人賠償責任保険 | ケガ・他人への賠償 | 1年更新 | 掛け捨て | 子どもや自転車利用者がいる家庭 |
| 損害保険 | 海外旅行保険・ペット保険など | 特定の目的に備える | 旅行期間・1年 | 掛け捨て | 必要な期間だけ備えたい人 |
出典:生命保険文化センター「生命保険の種類(主契約・特約・その他)」 /日本損害保険協会「損害保険とは?」
生命保険(第一分野)の種類をわかりやすく解説
生命保険は、死亡保障を目的とする定期・収入保障・終身・養老と、貯蓄や生存保障を目的とする個人年金・学資・変額に分けられます。ここでは7つの種類を順に解説します。
定期保険・掛け捨て保険:一定期間の死亡保障を安く確保する
定期保険は、10年間や65歳までなど決められた期間だけ死亡・高度障害を保障する掛け捨て型の保険です。解約返戻金がない分、同じ保険金額なら終身保険より保険料が大幅に安く、子育て期のように大きな保障が必要な時期に向いています。
保険期間には10年・20年などの「年満了」と、60歳・65歳までなどの「歳満了」があります。年満了は更新できますが、更新時の年齢で保険料が上がる点に注意が必要です。
掛け捨て保険についてくわしく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
収入保障保険:遺族が毎月年金として受け取る
収入保障保険は定期保険の一種で、死亡・高度障害のときに保険期間満了まで毎月一定額を年金形式で受け取ります。保険期間が進むほど受取総額が減る設計のため、同じ月額を確保する定期保険より保険料が安く、子どもの成長とともに必要保障額が減る家庭の実態に合っています。
非喫煙者や健康状態が良い人には割安な保険料率を用意する商品が多く、公式例では30歳男性・年金月額10万円・65歳満了で月2,000円前後から加入可能です。
収入保障保険の仕組みについては、こちらの記事で解説しています。あわせて参考にしてみてください。
終身保険:一生涯の保障と解約返戻金を持つ
終身保険は、保障が一生涯続き、解約すれば解約返戻金を受け取れる貯蓄型の保険です。葬儀費用の準備や、相続税の非課税枠を使った相続対策、確実に残したい資金の準備に使われます。保険料は定期保険より高く、払込期間中に解約すると元本割れするのが一般的です。
- 払込期間中の解約返戻金を抑えて保険料を安くした「低解約返戻金型」が主流で、払い終えた後に返戻率が上がります。保障と貯蓄を兼ねられる反面、インフレで実質価値が目減りする点は理解しておく必要があります。
終身保険の特徴に関しては、こちらの記事もあわせてご覧ください。
葬儀保険:少額の死亡保険金で葬儀費用に備える
葬儀保険は、葬儀費用の準備を目的とした少額の死亡保険で、主に少額短期保険業者が販売しています。保険金額は数十万円から300万円以下、保険期間は1年更新の掛け捨て型が一般的です。
- 告知項目が少なく、高齢でも加入しやすい商品が多い一方、更新時の年齢に応じて保険料が上がったり保険金額が下がったりします。また、生命保険料控除や生命保険契約者保護機構の対象外である点にも注意が必要です。終身保険や貯蓄で葬儀費用を賄えるなら、加入の必要性は高くありません。
葬儀保険についてくわしく知りたい方は、こちらの記事もあわせてご覧ください。
養老保険:死亡保険金と満期保険金が同額
養老保険は、保険期間中に亡くなれば死亡保険金、満期まで生存すれば同額の満期保険金を受け取れる貯蓄型の保険です。「保障付きの積立」として使えますが、保険料は生命保険の基本3種類の中で最も高くなります。
低金利が長く続いた影響で返戻率は高くなく、生命保険協会の統計でも新契約高に占める割合は2.7%にとどまります。
養老保険の仕組みや加入するメリットなどは、こちらの記事を参考にしてみてください。
個人年金保険:老後資金を保険で準備する
個人年金保険は、決めた年齢まで保険料を払い込み、その後に年金として受け取る貯蓄型の保険です。受取期間が決まっている確定年金と、生きている限り受け取れる終身年金があります。
要件を満たせば個人年金保険料控除の対象になる一方、途中解約では元本割れしやすく、運用効率はNISAやiDeCoに劣ることが一般的です。
個人年金保険に関して詳しく知りたい方は、こちらの記事もあわせてご覧ください。
学資保険(こども保険):進学時期に学資金を受け取る
学資保険は、子どもの進学時期に合わせて祝金や満期保険金を受け取る貯蓄型の保険です。契約者である親に万一のことがあれば以後の保険料が免除され、学資金は予定どおり受け取れます。2026年の公式プラン例では返戻率が約106%から約131%で、契約条件によって差があります。
学資保険に関して詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
変額保険・外貨建て保険:運用成果や為替で受取額が変わる
変額保険は、保険料の一部を株式や債券で運用し、運用成果によって解約返戻金や満期保険金が変動する保険です。死亡保険金には基本保険金額の最低保証がある商品が多い一方、解約返戻金には保証がなく、元本割れの可能性があります。外貨建て保険は米ドルなどで運用するため、為替の変動で円換算の受取額が上下する点が特徴です。
いずれも保険関係の費用が上乗せされるため、純粋に資産を増やす目的ならNISAなどの投資と保障を分ける方がコストを抑えやすくなります。
変額保険と外貨建て保険については、こちらの記事で詳しく解説しています。
第三分野(医療・がん・介護・就業不能)の種類
第三分野の保険は、病気やケガ、介護に備える保険で、生命保険会社と損害保険会社の両方が販売しています。生命保険協会の統計では、2024年度の新契約件数のうち医療保険が23.8%、がん保険が12.8%を占め、死亡保障より医療保障を厚くする傾向が続いています。
医療保険:入院・手術の費用に備える
医療保険は、病気やケガで入院・手術をしたときに給付金を受け取る保険です。入院日額5,000円、手術給付金5万円といった形で設計し、保険期間は一生涯の終身型と一定期間の定期型があります。
公的医療保険には高額療養費制度があるため、医療保険は差額ベッド代や食事代、通院の交通費、収入減など公的保険の対象外の費用を補う位置づけです。
医療保険について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
がん保険:診断一時金と治療給付で長期治療に備える
がん保険は、がんと診断されたときの一時金、入院・通院・抗がん剤治療などの給付金でがんの治療費と収入減に備える保険です。通院治療が主流になったことを受け、入院日数に関係なく治療を受けた月ごとに給付する商品が増えています。契約から90日程度の待ち期間がある点は、他の保険と異なる注意点です。
がん保険に関しては、以下の記事で詳しく解説しています。あわせてご覧ください。
三大疾病保険:がん・心疾患・脳血管疾患でまとまった一時金
三大疾病保険は、がん・急性心筋梗塞(心疾患)・脳卒中(脳血管疾患)で所定の状態になったときに一時金を受け取る保険です。特定疾病保障保険とも呼ばれ、死亡時にも同額が支払われる貯蓄型の商品もあります。支払条件が「所定の状態」に限定されるため、給付の要件を契約前に確認することが大切です。
三大疾病保険の特徴を詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
就業不能保険・所得補償保険:働けない間の収入を補う
就業不能保険は、病気やケガで長期間働けなくなったときに、毎月の給付金で収入を補う保険です。生命保険会社が販売し、60歳や65歳までの長期の保障が中心です。所得補償保険は損害保険会社が販売し、1〜2年程度の短期の収入減少を補います。
会社員には健康保険の傷病手当金がありますが、自営業・フリーランスにはないため、必要性が高いのは自営業です。
就業不能保険に関しては、こちらの記事で詳しく解説しています。
介護保険・認知症保険:要介護状態の費用に備える
民間の介護保険は、公的介護保険の要介護認定や保険会社所定の状態に該当したときに一時金や年金を受け取る保険です。認知症と診断されたときに給付する認知症保険もあります。公的介護保険の自己負担は原則1割から3割ですが、施設の居住費や食費、上乗せサービスは自己負担になるため、その部分を補う目的で検討されます。
民間の介護保険については、こちらの記事で解説しています。あわせて参考にしてみてください。
損害保険(第二分野)の種類
第二分野の保険は、事故や災害などによる損害を補償する保険で、自賠責保険、自動車保険、火災保険、地震保険、個人賠償責任保険などがあります。なお、損害保険会社は第三分野の傷害保険も扱います。傷害保険の入院・通院保険金などは、契約で定めた金額を支払う方式が基本です。
自動車保険:強制加入の自賠責と任意保険
自動車保険には、法律で加入が義務づけられた自賠責保険と、任意で加入する自動車保険があります。自賠責保険は人身事故の賠償に限られ、支払限度額もあるため、対物賠償や自分の車の損害、限度額を超える賠償は任意保険で備えます。対人・対物賠償は無制限にするのが一般的です。
火災保険・地震保険:住まいと家財の損害に備える
火災保険は、火災だけでなく風災・水災・盗難など住まいと家財の損害を総合的に補償する保険です。地震・噴火・津波による損害は火災保険では補償されず、火災保険に付帯する地震保険で備えます。持ち家だけでなく賃貸でも、家財と借家人賠償責任のために火災保険への加入が求められるのが通常です。
それぞれの保険の補償内容については、こちらの記事も参考にしてみてください。
傷害保険・個人賠償責任保険:ケガと他人への賠償に備える
傷害保険は、ケガで死亡・入院・通院したときに保険金を受け取る保険です。個人賠償責任保険は、自転車事故や水漏れなどで他人にケガをさせたり物を壊したりしたときの賠償責任を補償し、火災保険や自動車保険の特約として月100円程度で付けられることが多くあります。
自転車事故で高額な賠償が命じられた例もあり、家族全員が対象になる特約の有無は確認しておきたい点です。
高額な賠償責任に備えるうえで、個人賠償責任保険が果たす役割は大きいものです。詳しくは、こちらの記事もご覧ください。
海外旅行保険・ペット保険など目的別の保険
海外旅行中の治療費や賠償、携行品の損害に備える海外旅行保険、ペットの治療費を補償するペット保険、ゴルファー保険など、特定の目的に絞った損害保険もあります。必要な期間だけ加入できる点が特徴で、クレジットカードに付帯する補償で足りるかを先に確認するのが合理的です。
特約の種類:主契約に上乗せする保障
特約は、主契約に付加して保障を広げるオプションです。生命保険文化センターの整理では、定期保険特約や収入保障特約のような死亡保障の上乗せと、入院・通院・先進医療・がん・三大疾病などの医療系が中心です。ほかに介護特約や就業不能保障特約、保険料払込免除特約やリビング・ニーズ特約などの機能系があります。
特約は主契約を解約すると同時に消滅し、付けるほど保険料は上がる仕組みです。先進医療特約のように月100円前後で大きな技術料に備えられるものもあれば、公的保険や他の契約と重複しやすいものもあるため、目的ごとに必要性を判断します。
保険の特約については、こちらの記事で詳しく解説しています。あわせて参考にしてみてください。
データで見る保険の種類別の加入状況
どの種類の保険が多く選ばれているかは、生命保険協会と生命保険文化センターの統計で確認できます。自分の加入状況と比べる目安として活用してください。
新契約は医療保険が最多、契約金額は定期保険が最大
生命保険協会の「生命保険の動向2025年版」によると、2024年度の個人保険の新契約件数は1,243万件です。種類別では医療保険が296万件(構成比23.8%)で最も多く、終身保険231万件(18.6%)、がん保険159万件(12.8%)が続きます。定期保険は135万件(10.9%)、変額保険は99万件(8.0%)でした。
一方、新契約高(保障金額)では定期保険が24兆6,666億円(43.2%)で最大です。件数では医療保障、金額では死亡保障の定期保険が中心という構造で、保有契約高は「死亡保障を抑えて医療保障を充実させる傾向」を反映して前年度比で減少しました。
世帯加入率は医療95.1%、がん68.2%、介護20.1%
生命保険文化センターの2024年度「生命保険に関する全国実態調査」では、民間の生命保険に加入している世帯のうち、特定の保障機能を持つ保険・特約の世帯加入率は次のとおりです。
| 保障の種類 | 世帯加入率 | 前回(2021年度) |
|---|---|---|
| 医療保険・医療特約 | 95.1% | 93.6% |
| がん保険・がん特約 | 68.2% | 66.7% |
| 先進医療特約 | 54.0% | 調査項目なし |
| 特定疾病保障保険・特約(三大疾病) | 50.4% | 48.4% |
| 通院特約 | 36.9% | 39.1% |
| 介護保険・介護特約 | 20.1% | 16.7% |
| 生活障害・就業不能保障保険・特約 | 17.2% | 18.4% |
| 外貨建て保険 | 15.2% | 調査項目なし |
| 認知症保険・認知症特約 | 7.6% | 6.6% |
生命保険全体の世帯加入率は89.2%、個人年金保険は23.2%で、世帯の普通死亡保険金額は平均1,936万円と減少傾向が続いています。2025年度の「生活保障に関する調査」では、個人ベースの生命保険加入率は80.0%で、万一の際に必要と考える死亡保険金1,569万円に対し、実際の加入金額は平均887万円でした。
出典:生命保険文化センター「2024(令和6)年度 生命保険に関する全国実態調査<速報版>」 /生命保険文化センター「2025(令和7)年度 生活保障に関する調査《速報版》」
保険を選ぶ前に知っておきたい公的保険の給付
民間保険の必要性は、公的保険で受けられる給付を差し引いて判断します。会社員と自営業では公的保障の厚さが大きく異なるため、自分の立場で使える制度を先に確認しましょう。
| リスク | 制度 | 主な内容 | 対応する民間保険 |
|---|---|---|---|
| 病気・ケガの医療費 | 高額療養費制度 | 1か月の自己負担に上限。年収約370〜770万円の区分は2026年8月から月85,800円+(医療費−267,000円)×1% | 医療保険・がん保険 |
| 病気・ケガで働けない | 傷病手当金(健康保険) | 会社員が対象。標準報酬日額の3分の2を支給開始から通算1年6か月まで支給。自営業の国民健康保険には原則なし | 就業不能保険・所得補償保険 |
| 死亡 | 遺族年金 | 遺族基礎年金は令和8年度で年84万7,300円+子の加算。会社員は遺族厚生年金が上乗せ | 定期保険・収入保障保険・終身保険 |
| 障害 | 障害年金 | 障害基礎年金・障害厚生年金。等級に応じて支給 | 就業不能保険・介護保険 |
| 介護 | 公的介護保険 | 65歳以上(40〜64歳は特定疾病)で要介護認定を受けると自己負担1〜3割でサービス利用 | 民間介護保険・認知症保険 |
高額療養費制度は2026年8月に上限額が見直された
高額療養費制度は、1か月の医療費の自己負担が上限額を超えた場合に超過分が払い戻される制度です。厚生労働省の資料によると、以下のように月額上限が引き上げられました。
| 年収の目安 | 改正前:2026年7月まで | 改正後:2026年8月~2027年7月 |
|---|---|---|
| 約1,160万円~ | 252,600円+(総医療費-842,000円)×1% | 270,300円+(総医療費-901,000円)×1% |
| 約770万~約1,160万円 | 167,400円+(総医療費-558,000円)×1% | 179,100円+(総医療費-597,000円)×1% |
| 約370万~約770万円 | 80,100円+(総医療費-267,000円)×1% | 85,800円+(総医療費-286,000円)×1% |
| ~約370万円〈住民税課税〉 | 57,600円 | 61,500円 |
| 住民税非課税 | 35,400円 | 36,900円 |
2027年8月からは所得区分がさらに細分化される予定です。
なお、差額ベッド代や入院時の食事代などは別途かかります。民間の医療保険は、公的制度適用後の自己負担や対象外の費用に備えるものとして検討しましょう。
出典:厚生労働省「高額療養費制度を利用される皆さまへ」 /厚生労働省「(参考)高額療養費制度の見直しについて」
公的医療保険と高額療養費制度は、病気や怪我に備えるうえで知っておくべき制度です。詳しくは、こちらの記事をご覧ください。
傷病手当金と遺族年金は会社員と自営業で差が大きい
会社員が加入する健康保険には、業務外の病気やケガで働けない期間に標準報酬日額の3分の2を通算1年6か月まで受け取れる傷病手当金があります。自営業が加入する国民健康保険には原則としてこの給付がなく、働けない期間の収入減は自分で備える必要があります。
死亡時の遺族年金も、会社員は要件を満たしていれば遺族基礎年金と遺族厚生年金の両方を受け取れますが、自営業は遺族基礎年金のみです。令和8年度の遺族基礎年金は年84万7,300円に子の加算(1・2人目は各24万3,800円)が付く額で、自営業ほど民間の死亡保障や就業不能保障の必要性が高くなります。
出典:全国健康保険協会「病気やケガで会社を休んだとき(傷病手当金)」 /日本年金機構「遺族基礎年金(受給要件・対象者・年金額)」
傷病手当金や遺族年金については、こちらの記事も参考にしてみてください。
生命保険の選び方5ステップ
生命保険を検討するときは、商品から入るのではなく、目的と公的保障の確認から始めると失敗しにくくなります。ここでは5つのステップで選び方を整理します。
ステップ1:何に備えるのか目的を決める
「自分が亡くなったときの家族の生活費」「入院したときの費用」「老後の資金」など、備えたいリスクを具体的に書き出します。目的が決まれば、死亡保障なら定期・収入保障・終身、医療なら医療・がん保険というように、候補になる種類は自然に絞られます。
ステップ2:公的保険と会社の保障を確認する
高額療養費、傷病手当金、遺族年金、障害年金に加え、勤務先の団体保険や死亡退職金、住宅ローンの団体信用生命保険も確認します。これらで賄える部分は民間保険で重複して備える必要がありません。
ステップ3:必要保障額を計算する
必要保障額は「必要な資金−公的保険や会社からの給付−貯蓄などの準備済み資金」で求めます。死亡保障なら遺族の生活費と教育費から遺族年金と配偶者の収入を引いた不足額、医療保障なら高額療養費の上限と対象外の費用から貯蓄で賄える額を引いた不足額が目安です。不足額がゼロ以下なら、その保険は不要と判断できます。
「生命保険はいらない人」「必要性が高い人」に関しては、こちらの記事で詳しく解説しています。
ステップ4:種類・期間・掛け捨てか貯蓄型かを決める
必要な保障額と期間が決まったら、掛け捨て型で保障に特化するか、貯蓄型で保障と貯蓄を兼ねるかを決めます。保険料を抑えて必要な保障だけを持ちたいなら掛け捨て型、確実に残す資金や相続対策なら終身保険が候補です。「保障は保険、貯蓄はNISAなど」と役割を分けると、総コストを抑えやすくなります。
解約返戻金や将来に向けた資産形成を重視する場合、貯蓄型保険が向いている可能性があります。詳しくは、こちらの記事を参考にしてみてください。
ステップ5:複数社を比較し、ライフイベントごとに見直す
同じ種類の保険でも、保険料や給付条件は会社によって異なります。同じ条件で複数社の見積もりを取り、保険会社の健全性も確認したうえで契約します。結婚・出産・住宅購入・子どもの独立・退職といったライフイベントでは必要保障額が変わるため、そのたびに種類と金額を見直す前提で加入するのが基本です。
年代・家族構成別に優先度の高い保険の種類
必要な保険の種類は、年代と扶養家族の有無で大きく変わります。一般的な優先順位の目安を表にまとめました。個々の家計や貯蓄額によって結論は変わるため、あくまで検討の出発点として使ってください。
| ライフステージ | 優先度が高い種類 | 必要性が低いことが多い種類 | 考え方 |
|---|---|---|---|
| 20〜30代・独身 | 医療保険(貯蓄が少ない場合)、就業不能保険(自営業)、火災保険・個人賠償責任保険 | 高額な死亡保障、貯蓄型保険 | 扶養家族がいなければ死亡保障は葬儀費用程度で足りる |
| 子育て世帯 | 収入保障保険・定期保険、医療保険、学資保険または積立、火災・地震保険 | 高額な終身保険 | 必要保障額が最も大きい時期。掛け捨てで大きく備える |
| 50代 | 医療保険・がん保険の見直し、介護保険の検討 | 子どもが独立した後の大きな死亡保障 | 死亡保障を減らし、医療・介護へ重心を移す |
| 60代以上 | 葬儀費用程度の終身保険、介護保険、火災・地震保険 | 新規の高額な死亡保障、更新型の定期保険 | 貯蓄で賄える部分は保険に頼らない |
年代別におすすめの生命保険を知りたい方は、こちらの記事を参考にしてみてください。
この記事のまとめ
保険は、生命保険・損害保険・第三分野という分類と、「何のリスクに備えるか」という目的を組み合わせると全体像を整理できます。自分に必要な保険は、公的保障や勤務先の制度、貯蓄、家族構成によって変わります。まずは現在の契約内容と利用できる保障を確認し、備えたいリスクと不足する資金を書き出しましょう。そのうえで必要な種類・保障額・期間を絞り、同じ条件で複数の商品を比較すれば、加入や見直しを納得して判断しやすくなります。

金融系ライター
厚生労働省や保険業界・不動産業界での勤務を通じて、社会保険や保険、不動産投資の実務を担当。FP1級と社会保険労務士資格を活かして、多くの家庭の家計見直しや資産運用に関するアドバイスを行っている。金融メディアを中心に、これまで1,000記事以上の執筆実績あり。
厚生労働省や保険業界・不動産業界での勤務を通じて、社会保険や保険、不動産投資の実務を担当。FP1級と社会保険労務士資格を活かして、多くの家庭の家計見直しや資産運用に関するアドバイスを行っている。金融メディアを中心に、これまで1,000記事以上の執筆実績あり。
関連する専門用語
貯蓄型保険(積立型)
貯蓄型保険(積立型)とは、万が一の保障に加えて、将来的にお金が戻ってくる仕組みを備えた保険商品のことです。保険料の一部が積み立てられ、契約満了時や途中解約時に「解約返戻金」や「満期保険金」として受け取れるようになっています。 代表的な商品には、終身保険、養老保険、学資保険などがあり、保険としての安心を持ちながら、同時に資産形成も行えるのが特徴です。特に、教育資金や老後資金の準備、相続対策など、目的を持った長期の計画に活用されます。 「掛け捨て型保険」と異なり、支払った保険料が将来的に戻ってくるため、保険と貯金の“ハイブリッド”として位置づけられる商品です。ただし、途中解約すると元本割れするリスクがあるほか、運用利回りが低めに抑えられていることが多いため、目的と期間をしっかり考えて加入することが大切です。 保障と貯蓄を1つの仕組みで両立させたい人にとって、計画的な資産形成の手段として有効な選択肢のひとつです。
死亡保障
死亡保障とは、契約者が亡くなった場合に、遺された家族などの受取人に対して保険金が支払われる仕組みのことをいいます。主に生命保険に含まれる保障内容であり、家計の支え手が亡くなった際の遺族の生活費や教育資金、住宅ローンの返済などを補うために活用されます。 死亡保障の金額や期間は契約内容によって異なり、定期保険のように一定期間のみ保障されるものや、終身保険のように一生涯保障が続くものがあります。自分に万が一のことがあったときに、大切な人たちが経済的に困らないように備える目的で利用されるため、ライフプランに応じた保障額の設定が重要です。また、保障を手厚くすると保険料も高くなるため、必要な金額と負担のバランスを考えることが大切です。
医療保障
医療保障とは、病気やけがで入院・手術などの医療を受けた際に、かかる費用の一部または全部を補償する保険の仕組みを指します。これは主に生命保険会社などが提供する医療保険商品によって提供され、入院日数に応じた給付金や、手術・通院ごとの一時金が支払われるのが一般的です。医療保障は、公的医療保険(健康保険)だけではカバーしきれない自己負担分や差額ベッド代、先進医療費用などのリスクに備えるために活用されます。 医療保障の内容は契約によって異なり、給付内容や給付条件、保険料、保障期間などを比較検討することが大切です。また、貯蓄型か掛け捨て型かによって保険料の性質も変わります。高齢化社会の進展により、医療費負担への不安が高まる中、医療保障は家計のリスク管理の一部として注目されています。
終身保険
終身保険とは、被保険者が亡くなるまで一生涯にわたって保障が続く生命保険のことです。契約が有効である限り、いつ亡くなっても保険金が支払われる点が大きな特徴です。また、長く契約を続けることで、解約した際に戻ってくるお金である「解約返戻金」も一定程度蓄積されるため、保障と同時に資産形成の手段としても利用されます。 保険料は一定期間で払い終えるものや、生涯支払い続けるものなど、契約によってさまざまです。遺族への経済的保障を目的に契約されることが多く、老後の資金準備や相続対策としても活用されます。途中で解約すると、払い込んだ金額よりも少ない返戻金しか戻らないこともあるため、長期の視点で加入することが前提となる保険です。
保険期間
保険期間とは、保険契約が有効であり、保障が適用される期間のことを指します。この期間中に事故や病気などの保険事故が発生した場合に限り、保険会社から保険金や給付金が支払われます。保険期間には「定期型」と「終身型」があり、定期型は一定の期間で保障が終了するのに対し、終身型は一生涯にわたって保障が続きます。 また、医療保険や生命保険、就業不能保険など、それぞれの保険商品によって保険期間の長さや更新の有無が異なるため、自分のライフプランや必要な保障に応じて選ぶことが大切です。保険期間を正しく理解することで、保障が必要なときに備えが切れているといった事態を防ぐことができます。
解約返戻金
解約返戻金とは、生命保険などの保険契約を途中で解約したときに、契約者が受け取ることができる払い戻し金のことをいいます。これは、これまでに支払ってきた保険料の一部が積み立てられていたものから、保険会社の手数料や運用実績などを差し引いた金額です。 契約からの経過年数が短いうちに解約すると、解約返戻金が少なかったり、まったく戻らなかったりすることもあるため、注意が必要です。一方で、長期間契約を続けた場合には、返戻金が支払った保険料を上回ることもあり、貯蓄性のある保険商品として活用されることもあります。資産運用やライフプランを考えるうえで、保険の解約によって現金化できる金額がいくらになるかを把握しておくことはとても大切です。







