学生が扶養から外れるときの「年収123万円の壁」と「130万円の壁」は何が違うのですか?
学生が扶養から外れるときの「年収123万円の壁」と「130万円の壁」は何が違うのですか?
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2025/09/03 08:42
男性
学生である子どものアルバイト収入が増えてきたため、扶養から外れる可能性について心配しています。年収103万円の壁や130万円の壁という言葉をよく耳にしますが、親としては税金や社会保険料の負担がどのように変わるのか、また子どもの将来に影響があるのか教えて下さい。
回答
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
年収123万円と130万円は、税金と社会保険の両面で扶養の扱いが変わる重要な基準です。税法上の壁は、2025年から103万円ではなく123万円に引き上げられ、社会保険上の壁はこれまでどおり130万円です。
扶養控除を受けるための要件が、2025年から「合計所得58万円以下(給与収入123万円以下)」に引き上げられました。学生の年収がこの範囲に収まっていれば、親は引き続き扶養控除を受けることができます。
一方、学生には勤労学生控除(27万円)が適用されるため、年収130万円までは実質的に所得税がかからないケースもあります。ただし、親の扶養控除は学生本人の所得が58万円を超えると適用されないため、親の税金と本人の税金で扱いが異なる点に注意が必要です。
さらに2025年からは、親が19歳以上23歳未満の子を扶養している場合、特定親族特別控除という新制度も導入されました。これは、子の合計所得が58万円を超えても一定範囲(給与収入で123万円超150万円以下)なら控除を段階的に維持できる仕組みです。親の税負担を緩和する目的の制度で、年末調整で専用の申告書を提出する必要があります。
また、社会保険面では、親の健康保険の扶養に入れるのは年間収入130万円未満が目安です。これを超えると、自分で国民健康保険や国民年金に加入する必要があり、保険料の負担が発生します。
このように、103万円は「税金上の扶養の基準」、130万円は「勤労学生控除と社会保険の基準」として整理できます。収入を増やす際は、税金・保険・扶養の全体バランスを確認することが大切です。
進学や就職、アルバイトの増減など、ライフステージの変化にあわせて家計全体を見直したい方は、投資のコンシェルジュの無料ライフプランニング相談を活用するのがおすすめです。税金や扶養の仕組みを踏まえ、無理のない働き方や貯蓄・投資計画を専門家が一緒に考えてくれます。
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130万円の壁
130万円の壁とは、配偶者や家族の扶養に入っている人が、パートやアルバイトなどで年収130万円を超えた場合に、健康保険や年金といった社会保険に自分で加入しなければならなくなる基準のことを指します。130万円以内であれば扶養のままでいられるため保険料の自己負担はありませんが、超えると自分で保険料を支払う必要があり、手取り収入が減ることがあります。そのため、働く人にとっては年収を調整する目安となり、「壁」と呼ばれています。投資や資産運用とは直接関係しませんが、家庭の可処分所得に影響するため、家計管理の観点から理解しておくことが大切です。
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社会保険上の扶養
社会保険上の扶養とは、健康保険や年金などの社会保険制度において、家族を扶養していると認められることで、その家族が保険料を支払わずに保険の適用を受けられる仕組みのことです。たとえば、会社員の配偶者や子どもが一定の収入以下であれば、その家族を「扶養家族」として申請することができます。 扶養に入った家族は、保険料を払わなくても健康保険証を持つことができ、医療費の助成なども受けられます。税金上の扶養とは異なり、収入の基準や生計の状況が細かく定められているため、両方の扶養条件を正しく理解しておくことが大切です。資産運用や家計設計をする際には、この制度を活用することで支出を抑え、手元資金の効率的な活用につながります。
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税法上の扶養とは、家族などを経済的に支えている人が、税金の計算においてその家族を「扶養している」と申告することで、所得控除を受けられる仕組みのことです。実際の生活費を支援している場合でも、税法上で一定の条件を満たしていないと「扶養」として認められない場合があります。 たとえば、子どもや配偶者、親などの年間所得が一定以下であることや、生計が同じであることなどが条件です。扶養控除が適用されると、所得税や住民税が軽減され、手取り収入が増えることになります。資産運用においては、こうした税制優遇を理解し、家族全体での節税や収支バランスを考えることが、効率的な家計管理につながります。
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配偶者特別控除とは、配偶者の年収が一定額以下である場合に、納税者の所得から一定の金額を差し引くことができる制度です。この控除を受けることで、所得税や住民税の負担が軽くなります。配偶者控除との違いは、配偶者の所得がある程度ある場合でも段階的に控除が受けられる点にあります。 たとえば、配偶者がパートなどで年間150万円程度まで収入がある場合でも、この制度を活用することで節税が可能です。資産運用においては、世帯全体の手取り額を増やす工夫のひとつとして意識される制度で、特に夫婦で家計を管理する際に重要な視点になります。
扶養控除
扶養控除とは、所得税や住民税を計算する際に、扶養している家族がいる場合にその人数や年齢に応じて課税対象となる所得から一定の金額を差し引くことができる制度です。これにより、税金の負担が軽くなります。対象となるのは、16歳以上の子どもや親などで、生計を共にしており、年間の所得が一定額以下であることが条件です。 子どもが16歳未満の場合は扶養控除の対象にはなりませんが、別途「児童手当」などの支援があります。控除額は扶養親族の年齢や学生かどうかなどによって異なり、たとえば「特定扶養親族(19歳以上23歳未満の子ども)」はより大きな控除額が認められています。税負担を軽減し、家族を支える世帯への配慮を目的とした制度です。






