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傍系(ぼうけい)血族とは具体的にどのような人のことですか?

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2025/07/17 07:45


女性

40代

question

親の相続について調べていたら、「傍系血族」という言葉を見かけました。あまり聞き慣れないのですが、これはどんな人のことを指すのでしょうか?


回答

佐々木 辰

株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長

「傍系血族」とは、自分と直系の親子関係(縦の血縁)にはないが、共通の祖先を持つ横の血縁者を指します。具体的には、兄弟姉妹、甥や姪、叔父叔母、いとこなどが該当します。たとえば、あなたの兄弟姉妹は親を通じてつながっており、親子の直系関係とは異なるため「傍系血族」と分類されます。

相続の場面では、法定相続人には順位があり、第1順位は子や孫などの直系卑属、第2順位が父母や祖父母といった直系尊属、そして第3順位に兄弟姉妹(傍系血族)が位置づけられます。第1・第2順位に相続人がいない場合に初めて、傍系血族である兄弟姉妹が相続人となります。さらに、兄弟姉妹が先に亡くなっている場合には、その子(甥・姪)が代襲相続人になります。ただし、甥姪の子(いとこ世代)には代襲相続は及びません。

なお、配偶者は常に法定相続人であり、これらの順位とは別枠で同時に相続人となります。たとえば配偶者と兄弟姉妹が同時に相続人となる場合、配偶者が4分の3、兄弟姉妹が4分の1を法定相続分として取得します。兄弟姉妹に異父母(半血)兄弟がいる場合には、全血兄弟姉妹の半分の取り分になります。

税制面では、兄弟姉妹や甥姪などの傍系血族が相続人となる場合には注意が必要です。相続税では、「被相続人の配偶者および一親等の血族」以外の人が相続した場合には、相続税額に20%の加算が課されます(通称:2割加算)。そのため、直系血族に比べて税負担が重くなる傾向があります。また、相続税の基礎控除や生命保険金の非課税枠は「法定相続人の数」で計算されますが、単純に傍系血族が含まれると負担が増えるとは限らず、遺産総額との兼ね合いによって変わります。

さらに、贈与においても傍系血族は直系と比べて不利です。たとえば、住宅取得資金贈与の非課税制度や相続時精算課税制度は、親子などの直系血族間に限定されており、兄弟姉妹や甥姪では適用できません。加えて、傍系血族に贈与を行う場合は、年間110万円を超えるとすぐに贈与税が課され、累進税率により高額になる可能性があります。

このように、傍系血族が相続に関わるケースでは、税負担が重くなりやすく、生前の資産移転も制限されるため、相続人になりうる兄弟姉妹や甥姪がいる場合には、早めの遺言作成や信託設計などによる事前対策が非常に重要です。また、法定相続人でない叔父叔母やいとこに遺産を残したい場合には、遺言による遺贈が唯一の手段となるため、形式的な不備のないよう専門家の関与が望まれます。

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傍系血族(ぼうけい)

傍系血族とは、祖先を同じくするものの、直系ではない血のつながりをもつ親族のことをいいます。簡単にいえば、「おじ・おば」「兄弟姉妹」「いとこ」などが該当し、自分の先祖を通じて関係しているが、自分の親や子どものように縦のつながりではなく、横の関係にある親族を指します。 これに対して「直系血族」は親や祖父母、子や孫など、自分と縦につながる血族です。相続や扶養、結婚に関する法制度では、傍系血族との関係が制限や要件に影響する場面があり、たとえば「傍系血族6親等以内」は一定の法的効果を持つ基準になります。初心者にとっては少し聞き慣れない用語かもしれませんが、家族や親戚の法律関係を理解するうえで基本となる言葉です。

直系血族

直系血族とは、親子や祖父母・孫のように、世代を上下にたどることで直接つながっている血縁関係のある親族のことを指します。つまり、「自分の上の世代(先祖)」および「下の世代(子孫)」が直系血族に該当します。たとえば、父母、祖父母、曾祖父母、または子、孫、曾孫などがこれにあたります。 法律上は、民法に基づく親族関係の中でも特に重要な位置づけであり、相続の順位、扶養義務の有無、婚姻の可否、税制上の控除など多くの場面で直系血族かどうかが判断基準になります。資産運用や相続対策においても、直系血族への贈与や相続には特例が設けられていることが多く、税制面でも優遇措置を受けやすい関係です。したがって、誰が直系血族に該当するかを正しく理解することは、法務・税務・資産管理の実務において非常に重要です。

相続人(法定相続人)

相続人(法定相続人)とは、民法で定められた相続権を持つ人のことを指します。被相続人が亡くなった際に、配偶者や子ども、親、兄弟姉妹などが法律上の順位に従って財産を相続する権利を持ちます。配偶者は常に相続人となり、子がいない場合は直系尊属(親や祖父母)、それもいない場合は兄弟姉妹が相続人になります。相続税の基礎控除額の計算や遺産分割の際に重要な概念であり、相続対策を検討する上で欠かせない要素となります。

基礎控除

基礎控除とは、所得税の計算において、すべての納税者に一律で適用される控除のことを指す。一定額の所得については課税対象から除外されるため、納税者の負担を軽減する役割を持つ。所得に応じて控除額が変動する場合もあり、申告不要で自動適用される。

相続時精算課税制度

相続時精算課税制度とは、60歳以上の父母や祖父母から、18歳以上の子や孫へ財産を贈与する場合に利用できる、特別な贈与税の制度です。この制度を使うと、贈与を受けた年に2,500万円までの金額については贈与税がかからず、それを超えた部分にも一律20%の税率が適用されます。そして、その後贈与者が亡くなったときに、過去の贈与分をすべてまとめて「相続財産」として扱い、最終的に相続税として精算します。 つまり、この制度は「贈与税を一時的に軽くし、あとで相続税の段階でまとめて精算する」という仕組みになっています。将来の相続を見据えて早めに資産を移転したい場合や、大きな金額を一括で贈与したい場合に活用されることが多いです。 ただし、一度この制度を選ぶと、同じ贈与者からの贈与については暦年課税(通常の贈与税制度)には戻せないという制限があるため、利用には慎重な判断が必要です。資産運用や相続対策を計画するうえで、制度の特徴とリスクをよく理解しておくことが大切です。

相続税額の2割加算

相続税額の2割加算は、被相続人の配偶者と一親等の血族(子・父母・代襲相続人となった孫など)以外の人が相続や遺贈によって財産を取得した場合、その人の算出相続税額に二割(20%)を上乗せして納めるよう定めた制度です。根拠は相続税法18条で、国税庁タックスアンサー No.4157に詳しい解説があります。 対象者には、兄弟姉妹・甥姪・祖父母・孫養子(代襲相続を除く)・いとこ・内縁配偶者・友人などが含まれます。たとえば配偶者と兄弟姉妹が相続人になるケースでは、兄弟姉妹の税額だけが1.2倍になります。なお、養子は法律上「子」とみなされるため原則として加算対象外ですが、被相続人が孫を養子にした場合は原則20%加算の対象となります。 加算は「税額」に対して行われるため、基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人の数)や未成年者・障害者控除などを差し引いた後の最終税額に乗じて計算します。つまり、遺産額が基礎控除内に収まる場合や生前贈与・小規模宅地等の特例で課税価格を下げられた場合には、そもそも課税・加算が発生しません。 実務上は、傍系血族・赤の他人が相続人となると税負担が重くなりやすいため、①生前贈与よりも遺言による遺贈を併用して課税価格を抑える、②家族信託で資産管理権限を分離しつつ課税関係を整理する、といった対策が検討されます。 また、代襲相続の孫や養子でない直系卑属がいる場合は20%加算が適用されない点も踏まえ、承継スキームを設計することが重要です。

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