値幅制限はどのように決まりますか?
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2025/07/25 08:31
男性
40代
最近株式投資を始めましたが、「値幅制限」という仕組みがよくわかりません。株価によって制限幅が異なるようですが、具体的にはどのようなルールで決まっているのでしょうか?
回答
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
値幅制限は、証券取引所が設定した「制限値幅表」に基づき、前日の終値(基準値段)を基準に自動的に決まります。
東京証券取引所では、基準値段が1円未満から5,000万円超まで20段階以上の細かな区分に分けられており、価格帯ごとに上下の変動幅(値幅)が決まっています。
例えば、基準値段が100円未満なら±30円、500円以上700円未満なら±100円、3,000円以上5,000円未満なら±700円という具合です。具体例として、前日の終値が4,000円の場合、当日の株価は上限が4,700円(ストップ高)、下限が3,300円(ストップ安)となり、この範囲を超える約定は発生しません。
また、ストップ高やストップ安で取引が成立しないまま引けるなど特定条件を満たした場合は、翌営業日に値幅が拡大されます。連続してストップ高や安が続く場合は段階的に値幅がさらに広がる仕組みとなっています。
実務面では、決算発表やニュースなど材料が出た際に翌日の値幅制限を事前に確認して注文価格を決めたり、信用取引の場合にはストップ安による追証リスクを想定して資金管理を徹底することが重要です。また、短期的な投資を行う際は、値幅制限の範囲を念頭に利確・損切りラインを設定するなど、制限幅を活用したリスク管理を行うことがポイントです。
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値幅制限
値幅制限とは、株式などの金融商品が一日に変動できる価格の幅をあらかじめ定めておく制度のことです。この制度によって、ある銘柄の価格が急激に上がったり下がったりすることを防ぎ、市場の混乱やパニックを抑える役割を果たします。たとえば、ある株が前日に1,000円で終わった場合、値幅制限によってその翌日に取引できる範囲は上限1,100円、下限900円といったように決まります。 この上限まで株価が上がると「ストップ高」、下限まで下がると「ストップ安」と呼ばれます。値幅制限の幅は、株価の水準や市場の状況、特別な材料があるかどうかなどによって異なり、東証などの取引所がルールとして細かく定めています。
ストップ高
ストップ高とは、株式市場において、ある銘柄の株価がその日に上昇できる最大限の価格まで達し、それ以上は取引されなくなる状態のことを指します。これは、急激な株価の変動を抑えるために証券取引所が設定している「値幅制限」によって決まる仕組みです。 ストップ高になると、それ以上の価格で売買することができなくなりますが、買い注文は入り続けるため、板情報では「買い気配」のまま取引が成立しない場合もあります。初心者の方にとっては、ストップ高は「その銘柄に非常に強い買い需要があるサイン」として捉えることが多いですが、その理由が一時的なニュースや思惑である場合もあるため、冷静な判断が重要です。
ストップ安
ストップ安とは、株式市場で一日に下がることのできる最大限の価格まで株価が下落し、それ以上は取引ができなくなる状態のことです。これは、株価の急激な下落による混乱を防ぐために、取引所があらかじめ決めている制度です。株価が大きく下がり続けると投資家の不安が広がり、市場がパニックに陥る可能性があります。そのような極端な変動を一時的に食い止めることで、冷静な判断ができるように時間を確保する役割を果たしています。ストップ安になると、その銘柄の売買は可能ですが、価格はそれ以上下がらず、買い注文が非常に少ない場合は売りたい人がいても売れないことがあります。特に企業の業績悪化や不祥事、経済の悪材料などが原因で発生することが多いです。
制限値幅表
制限値幅表とは、株式などの金融商品の1日あたりの価格変動の上限と下限、つまり「どこまで上がってもよいか」「どこまで下がってもよいか」を定めた範囲を一覧にした表のことです。これは、日本取引所グループ(JPX)などの取引所が、市場の過度な混乱や投機的な価格操作を防ぐために定めている制度です。たとえば、前日の終値が500円の株であれば、翌日の取引で何円まで上がるか・下がるかという範囲がこの表で確認できます。株価の水準ごとに制限幅が異なっており、株価が高い銘柄ほど変動の許容範囲も広くなります。ストップ高やストップ安といった言葉も、この制限値幅表によって決められた範囲の中で使われるものです。
変動幅
変動幅とは、ある一定期間内における株価や為替などの金融商品の価格が、どれだけ上下に動いたかという幅のことを指します。たとえば、1日の中で最も高かった値段と最も安かった値段の差がその日の変動幅になります。この値が大きければ大きいほど、その銘柄は「値動きが激しい」と判断され、逆に変動幅が小さければ「安定している」と見なされます。投資家にとっては、変動幅を知ることでリスクの大きさや取引のタイミングを判断する材料になります。また、ボラティリティと呼ばれる価格の変動性とも密接に関係しており、相場が不安定なときには変動幅が拡大しやすくなる傾向があります。