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長期金利の上昇は住宅ローンにどんな影響を与えますか?

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2025/08/02 08:50

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30代

question

住宅ローンを検討しているのですが、最近ニュースで「長期金利が上昇している」と聞き、返済への影響が気になっています。固定金利型のローンと変動金利型のどちらにどう影響するのか、将来的なさらなる金利上昇リスクも含めて教えていただけますか?


回答

佐々木 辰

株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長

長期金利は、住宅ローンの金利水準に大きな影響を与える重要な指標です。特に「固定金利型」の住宅ローンは、新発10年国債の利回りなど長期金利の動きをもとに金利が決まるため、長期金利が上昇すると、ローン金利も連動して上がる傾向があります。

2025年7月時点で、新発10年国債の利回りは約1.56%と、実に16年ぶりの高水準となっています。これを受けて、住宅金融支援機構が公表するフラット35(借入期間21年以上・融資率9割以下・団信込み)の金利も1.84%とやや高めの水準で推移しています。半年前には、ネット銀行の一部プランで全期間固定1.1%台の金利が提示されていたケースもあり、比較するとこの半年で金利は明らかに上昇しています。

たとえば、3,500万円を35年(元利均等・ボーナス返済なし)で借りるケースを考えてみましょう。金利1.10%なら月々の返済額は約10万400円ですが、1.95%まで上昇すると約11万5,000円になります。その差は月額で約1万4,600円、年間では約17万円となり、家計への負担は無視できない水準です。

一方、変動金利型の住宅ローンは、日銀が決定する短期政策金利に連動します。2025年7月現在も、変動金利は0.52~0.73%の範囲で推移しており、依然として低水準です。現時点では日銀の政策金利が据え置かれているため、変動金利も安定していますが、将来的に金融政策が引き締め方向に進めば、変動金利も数%台へと上昇する可能性があります。変動型は半年ごとに金利が見直され、元利均等返済における「5年ルール」や「125%ルール」といった緩和措置はあるものの、返済額が増えるリスクは常に伴います。

こうした状況の中で考えられる住宅ローン戦略として、まず「固定金利型」を選び、今後の金利変動に左右されない安定した返済計画を立てる方法があります。あるいは「変動金利型」を選びつつ、将来の金利上昇に備えて繰上返済用の資金を別に確保しておくというリスクヘッジ型の戦略も現実的です。また、当面は変動金利で借りておき、長期金利が落ち着いたタイミングで固定型に切り替えるという柔軟な対応を取る人もいます。

いずれの選択肢をとる場合でも、住宅ローン控除の適用有無や団体信用生命保険料なども含めた「総支払額」で比較することが重要です。加えて、返済負担率は年収の25%以内に抑える、金利3%での「ストレステスト」に耐えられるかどうかをシミュレーションしておくと安心です。さらに、生活費半年〜1年分の予備資金を確保しておくことで、万が一の収入減や金利上昇、修繕費の発生といった将来リスクにも備えることができます。

住宅ローンは金利の数字だけを比べるものではなく、家計のバランス、ライフプラン、そして将来の資産形成との整合性を含めて考える必要があります。迷ったときは、ご自身の状況に応じた判断ができるよう、住宅ローンに詳しい専門家の意見を取り入れることをおすすめします。

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関連する専門用語

長期金利

長期金利とは、返済までの期間が10年以上にわたる金融商品(たとえば10年国債など)に適用される金利のことです。これは、将来の経済成長率や物価(インフレ)などの見通しを反映して決まるため、景気の動向や中央銀行の政策、世界的な資金の流れなどが影響します。 長期金利が上がると、住宅ローンや企業の設備投資にかかる資金調達コストが増えるため、景気を冷やす効果があります。逆に、長期金利が下がるとお金を借りやすくなるため、経済が活性化しやすくなります。資産運用においては、債券の価格や株式市場にも影響を与えるため、非常に重要な指標のひとつです。特に債券投資を考える際には、長期金利の動きが利回りや価格に直結するため、注視する必要があります。

固定金利

固定金利とは、契約時に決めた金利が満期まで変わらない金利のことを指します。主に住宅ローンや定期預金などで採用され、金利変動のリスクを避けられるメリットがあります。市場金利が上昇しても支払額が増えないため、長期的な資金計画を立てやすい一方で、市場金利が下がった場合には高い金利を支払い続けるデメリットもあります。

変動金利

変動金利とは、市場の金利動向に応じて一定の期間ごとに金利が見直される仕組みのことを指します。住宅ローンや投資信託の分野でよく使われ、金利が低下すれば支払い負担が軽くなる一方で、金利上昇時には支払額が増加するリスクがあります。短期的な金利低下が見込まれる場合に有利ですが、将来的な金利上昇に備えた資金計画が重要です。

フラット35

フラット35とは、住宅金融支援機構と民間金融機関が提携して提供する、最長35年間の全期間固定金利型の住宅ローンです。最大の特徴は、借入時に決まった金利が返済終了まで変わらない点にあります。これにより、将来の金利上昇による返済額の増加リスクを回避することができ、長期の資金計画を立てやすくなるメリットがあります。 主にマイホームの新築・購入・リフォームに利用され、一定の技術基準や住宅性能(例:省エネ性、耐震性)を満たす住宅が対象です。また、所得制限がなく、自営業者やフリーランスの方にも利用しやすいローンとして知られています。金融機関ごとに取り扱い条件や金利は異なりますが、公的性格を持つ制度として、住宅取得支援の重要な選択肢となっています。

ストレステスト

ストレステストとは、経済や市場の大きな変動が起こったときに、企業や金融機関、投資ポートフォリオがどの程度の影響を受けるかを事前にシミュレーションする手法のことをいいます。たとえば、株価が急落したり、金利が急上昇した場合に、自分の資産がどれだけ減るのか、あるいは金融機関がどれだけ健全性を保てるのかを検証します。 これは、現実には起こりにくい極端な状況を想定して行うもので、リスク管理の重要な手段の一つです。特にリーマンショック以降、金融機関に対してストレステストの実施が国際的にも義務付けられるようになりました。個人投資家にとっても、自分の投資がどれだけのリスクにさらされているかを見極めるヒントとなるため、資産運用をより慎重かつ計画的に行うために役立つ考え方です。

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