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個人向け国債の変動10年にはどんなメリットやデメリットがありますか?

個人向け国債の変動10年にはどんなメリットやデメリットがありますか?

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2025/10/23 09:14


男性

60代

question

最近、銀行の窓口で「個人向け国債(変動10年)」を勧められましたが、内容がよく分かりません。国債と聞くと安全なイメージがありますが、固定金利ではないため少し不安です。金利が変動することでどんな影響があるのか、また他の金融商品と比べてどんな点がメリット・デメリットになるのかを教えてください。


回答

佐々木 辰

株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長

個人向け国債の変動10年は、元本と利払いの安全性が非常に高く、金利が上昇すれば利率も自動的に見直されるという特徴を持つため、長期的な「守りの資産」として有効です。ただし、低金利が続く局面では利回りが低く、途中で解約するとペナルティが発生する点には注意が必要です。

この債券は国が発行するもので、信用リスクは実質ゼロです。購入単位は1万円からで、満期は10年、半年ごとに金利が見直されます。利率は市場の10年国債利回りを基準に算出され、最低でも年0.05%が保証されています。

利子は年2回支払われ、発行時も償還時も価格は額面通りです。途中で換金する場合は金融機関を通じて行い、原則として1年経過後から可能です。

最大のメリットは、安全性と金利上昇への強さです。元本が保証されているため、満期まで保有すれば価格変動リスクがなく、金利上昇局面でも利率が上がることでインフレによる目減りをある程度防げます。販売手数料がかからず、1万円という少額から購入できる点も魅力です。また、複数回に分けて購入することで、金利変動リスクを分散することもできます。

一方、デメリットは低金利時の利回りの低さです。基準利回りに係数がかかる仕組みのため、市場金利が上昇しても受け取れる利率は控えめです。途中換金時には、直前2回分の利子相当額が差し引かれる中途換金調整額がかかります。

また、利子には20.315%の税金が源泉徴収され、新NISAの非課税枠は使えません。さらに、キャピタルゲインは得られないため、長期運用のリターンは限定的です。

変動10年が向いているのは、元本を確実に守りながら利息を得たい人、近い将来に使う予定の資金を安全に運用したい人、または株式などのリスク資産を多く持ちすぎたポートフォリオを安定させたい人です。逆に、短期での解約を考えている人や、より高いリターンを求める人には不向きです。

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個人向け国債とは、日本政府が個人投資家向けに発行する債券で、安全性が高く元本保証が特徴です。最低1万円から購入可能で、3年・5年の固定金利型と10年の変動金利型があります。変動金利型は半年ごとに金利が見直され、市場金利の上昇に伴い受取利息が増加するメリットがあります。 一方、株式投資ほどの高いリターンは期待できず、インフレ時には実質的な資産価値が目減りする可能性があります。また、購入後1年間は中途換金ができず、その後の換金時には直前2回分の利子相当額が差し引かれる点に注意が必要です。銀行預金より高い金利を求めるが、リスクを避けたい投資初心者や安全資産を確保したい方に適した商品です。

信用リスク(クレジットリスク)

信用リスクとは、貸し付けた資金や投資した債券について、契約どおりに元本や利息の支払いを受けられなくなる可能性を指します。具体的には、(1)企業の倒産や国家の債務不履行(いわゆるデフォルト)、(2)利払いや元本返済の遅延、(3)返済条件の不利な変更(債務再編=デット・リストラクチャリング)などが該当します。これらはいずれも投資元本の毀損や収益の減少につながるため、信用リスクの管理は債券投資の基礎として非常に重要です。 この信用リスクを定量的に評価する手段のひとつが、格付会社による信用格付けです。格付は通常、AAA(最上位)からD(デフォルト)までの等級で示され、投資家にとってのリスク水準をわかりやすく表します。たとえば、BBB格付けの5年債であれば、過去の統計に基づく累積デフォルト率はおおよそ1.5%前後とされています(S&Pグローバルのデータより)。ただし、格付はあくまで過去の情報に基づいた「静的な指標」であり、市場環境の急変に即応しにくい側面があります。 そのため、市場ではよりリアルタイムなリスク指標として、同年限の国債利回りとの差であるクレジットスプレッドが重視されます。これは「市場に織り込まれた信用リスク」として機能し、スプレッドが拡大している局面では、投資家がより高いリスクプレミアムを求めていることを意味します。さらに、クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)の保険料率は、債務不履行リスクに加え、流動性やマクロ経済環境を反映した即時性の高い指標として、機関投資家の間で広く活用されています。 こうしたリスクに備えるうえでの基本は、ポートフォリオ全体の分散です。業種や地域、格付けの異なる債券を組み合わせることで、特定の発行体の信用悪化がポートフォリオ全体に与える影響を抑えることができます。なかでも、ハイイールド債や新興国債は高利回りで魅力的に見える一方で、信用力が低いため、景気後退時などには価格が大きく下落するリスクを抱えています。リスクを抑えたい局面では、投資適格債へのシフトやデュレーションの短縮、さらにCDSなどを活用した部分的なヘッジといった対策が有効です。 投資判断においては、「高い利回りは信用リスクの対価である」という原則を常に意識する必要があります。期待されるリターンが、想定される損失(デフォルト確率×損失率)や価格変動リスクに見合っているかどうか。こうした視点で冷静に比較検討を行うことが、長期的に安定した債券運用につながる第一歩となります。

額面

額面とは、金融商品に記載されている公式な金額のことを指します。主に債券や株式などで使われる用語で、たとえば債券であれば、満期時に発行体が投資家に返済する元本の金額、株式であれば、1株あたりの発行価額(旧来の額面株式)を意味します。 債券においては、償還金額や利息の計算基準となる重要な金額であり、市場価格(実際に売買される価格)とは異なる点が特徴です。たとえば、額面100円の債券が市場で95円で取引されていれば「アンダーパー」、105円であれば「オーバーパー」と呼ばれます。 資産運用においては、額面を基準に利回りや価格変動を評価することが多く、特に債券投資や定期預金、仕組債の設計において欠かせない基礎概念です。額面と市場価格の差異を理解することは、投資判断やリスク評価に直結します。

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