個人事業主の国民健康保険料は年収いくらでどのくらいかかりますか?計算方法や上限額も知りたいです。
個人事業主の国民健康保険料は年収いくらでどのくらいかかりますか?計算方法や上限額も知りたいです。
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2025/10/27 09:46
男性
個人事業主として働く場合、国民健康保険料はいくらになるのか、年収や所得によってどのように変動するのかを知りたいです。計算方法や上限額、扶養家族の有無による違い、自治体ごとの保険料差についても詳しく教えてください。
回答
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
個人事業主が加入する国民健康保険の保険料は、世帯単位で計算されます。基本的には「所得割(所得に応じて)」と「均等割(人数に応じて)」、そして自治体によっては「平等割(世帯ごとに一定額)」を合計して決まります。この計算方式や料率は自治体ごとに異なるため、同じ年収や家族構成でも地域によって保険料が変わります。
保険料の算定に使われるのは「総所得金額等」で、これは住民税の計算に用いられる金額とほぼ同じです。そこから基礎控除(原則43万円)を差し引いた「基準総所得金額」に、自治体ごとの料率をかけて所得割を求めます。ここに、加入者1人あたりの均等割や、世帯単位の平等割を加算し、上限額を超えない範囲で合計したものが年間の国保保険料となります。
2025年度の賦課限度額(上限)は、医療分が92万円(基礎分66万円+支援金等分26万円)、介護分が17万円で、合計109万円です。40~64歳の人は介護分の対象になりますが、65歳以上になると介護保険が別制度で賦課されるため、国保の介護分はなくなります。
国民健康保険には扶養の仕組みがありません。そのため、家族が多いほど均等割が人数分加算され、保険料は増えます。低所得世帯には均等割・平等割が7割、5割、2割軽減される制度があり、未就学児については全国一律で均等割が半額に軽減されます。ただし、軽減を受けるには住民税の申告が必要です。
自治体間で保険料に差が生じるのは、所得割率や均等割・平等割の金額設定が異なるためです。例えば、渋谷区では「所得割+均等割」、神戸市では「所得割+均等割+平等割」という方式を採用しています。財政状況や都道府県単位化の進展により、標準料率の導入や控除の見直しも進んでいます。
実際の保険料を知るには、前年の確定申告内容(総所得金額等)と世帯の国保加入人数を基に計算します。多くの自治体は早見表やシミュレーターを公開しており、概算を確認できます。試算後に適用される軽減措置や未就学児の割引を反映し、最終的な金額を算出します。
個人事業主の場合、前年の所得が翌年度の国保保険料に直結します。青色申告特別控除や経費計上を適切に行うことは、所得割の節約につながります。また、家族の保険加入形態を見直すことで、社会保険の扶養に入れるかなど総合的な負担軽減を検討することも重要です。保険料の正確な金額を知るには、お住まいの自治体の公式サイトで「令和7年度 国民健康保険料」を確認するのが確実です。
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国民健康保険
国民健康保険とは、自営業者やフリーランス、退職して会社の健康保険を脱退した人、年金生活者などが加入する公的医療保険制度です。日本ではすべての国民が何らかの健康保険に加入する「国民皆保険制度」が採用されており、会社員や公務員が加入する「被用者保険」に対して、それ以外の人が加入するのがこの国民健康保険です。 市区町村が運営主体となっており、加入・脱退の手続きや保険料の納付、医療費の給付などは、住民票のある自治体で行います。保険料は前年の所得や世帯の構成に応じて決まり、原則として医療機関では医療費の3割を自己負担すれば診療を受けられます。病気やけが、出産などの際に医療費の支援を受けるための基本的な仕組みであり、フリーランスや非正規労働者にとっては重要な生活保障となる制度です。
所得割
所得割とは、住民税や社会保険料などの一部で用いられる仕組みで、個人の所得の大きさに応じて金額が決まる課税方法を指します。例えば、給与や事業収入、年金収入などの所得が多い人は負担する金額が大きくなり、所得が少ない人は負担が小さくなります。資産運用の場面では、投資から得られる利益も所得に含まれるため、所得割の対象になることがあります。投資による利益が増えると、所得割に基づいて課税額も増える仕組みとなっているため、自分の投資計画を考える際には税金面を意識することが大切です。
均等割
均等割とは、所得の多い少ないにかかわらず、住民税としてすべての納税者に一律で課される税額のことを指します。例えば、住んでいる市町村や都道府県に対して一定の金額を支払う形で、地域社会の行政サービスを維持するために使われます。金額は自治体ごとに定められていますが、全国的に大きな差はありません。所得に応じて課税される「所得割」と並び、住民税を構成する二つの柱の一つです。投資や資産運用を考える上では、均等割は収入に関係なく発生するため、最低限の税負担として家計管理に織り込んでおくことが大切です。
平等割
平等割とは、介護保険料や国民健康保険料などで用いられる算定方式の一つで、加入者一人ひとりに対して同じ金額を負担させる仕組みのことを指します。所得の多寡にかかわらず、人数に応じて一律に課されるため、家族の人数が多いほど負担が大きくなる特徴があります。均等割と似ていますが、平等割は「世帯単位」で一律に課されることが多く、制度ごとに使い分けられています。投資や資産運用を考える上では直接的な関わりは薄いですが、毎月の固定的な出費として家計管理に影響するため、把握しておくことが大切です。
基礎控除
基礎控除とは、所得税の計算において、すべての納税者に一律で適用される控除のことを指す。一定額の所得については課税対象から除外されるため、納税者の負担を軽減する役割を持つ。所得に応じて控除額が変動する場合もあり、申告不要で自動適用される。
賦課限度額(ふかげんどがく)
賦課限度額とは、特定の税金や保険料などを計算する際に、課税や賦課の対象となる金額に上限を設ける仕組みのことです。簡単に言うと、「これ以上の金額には税金をかけません」という上限ラインのことです。税金や社会保険料では、高所得者ほど負担が大きくなりやすい一方で、一定以上の所得に対しては公平性や制度の安定性を保つために、この限度額が設定されています。 たとえば、個人事業税や健康保険料、介護保険料などでは、それぞれ法律で賦課限度額が定められています。この仕組みによって、無制限に税金や保険料が増えることを防ぎ、国民の負担を一定範囲に抑える役割を果たしています。





