一時所得とはどのようなものが対象になりますか?また税率や確定申告の際の扱いも教えて下さい
一時所得とはどのようなものが対象になりますか?また税率や確定申告の際の扱いも教えて下さい
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2025/09/12 09:02
男性
60代
一時所得については、懸賞金や保険の一時金などが対象と聞きますが、具体的にどのようなケースが当てはまるのでしょうか?また、税率の計算方法や控除、確定申告の際にどのように申告すべきかも教えてください。
回答
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
一時所得とは、営利目的の継続的な行為から得られる収入でも、労務の対価でも、資産の売却代金でもない「臨時的な収入」を指します。代表的な例は、懸賞や福引の賞金品、競馬や競輪の払戻金(ただし常習的・営利的な購入を除く)、生命保険の満期一時金や損害保険の満期返戻金、法人からの贈与などです。一方で、宝くじの当せん金は法律で非課税とされており、一時所得には含まれません。
一時所得の金額は「総収入金額-その収入を得るために直接かかった支出-特別控除(最高50万円)」で計算されます。この金額の1/2が、他の所得と合算されて課税対象となります。例えば懸賞で100万円を受け取り、経費がゼロの場合は、(100万円-50万円)×1/2=25万円が課税対象に加算されます。なお、懸賞付き預貯金の懸賞金や一定の一時払保険の差益は、20.315%の源泉分離課税の対象で、確定申告で精算はできません。
保険金に関しては、満期一時金は一時所得になりますが、年金形式で受け取ると雑所得に区分されます。また、死亡保険金は所得税ではなく相続税の課税対象となり、500万円×法定相続人の数まで非課税枠が設けられています。このように、同じ保険金でも受け取り方や内容によって課税区分が異なるため注意が必要です。
確定申告の要否は「合算される金額」で判断します。会社員など給与所得者の場合、給与以外の所得(計算後の一時所得を含む)の合計が20万円を超えると申告義務が発生します。20万円以下なら所得税の確定申告は不要ですが、住民税は別途申告が必要になる場合がありますので注意しましょう。
申告手続きは国税庁の「確定申告書等作成コーナー」を利用するのが便利です。申告書Bの一時所得欄に収入、支出、特別控除を入力すれば自動的に計算されます。手続きの際には、保険会社からの支払通知書、当選通知や支払明細、経費の領収書など、根拠となる資料を手元に残しておくと安心です。
最後に、一時所得の特別控除は年合計で最大50万円までであり、赤字が出ても他の所得と相殺することはできません。判断に迷うケース、特にギャンブルの継続性が疑われる場合などは、早めに税務署や専門家へ相談することをおすすめします。
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関連する専門用語
一時所得
一時所得とは、継続的な収入ではなく、偶発的または一時的に得た所得のことを指す。例えば、懸賞の賞金、生命保険の満期返戻金、競馬の払戻金などが該当する。50万円の特別控除が適用され、課税対象額は控除後の金額の1/2となる。
雑所得
雑所得(ざつしょとく)とは、所得税法において定められた10種類の所得のうち、利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得、譲渡所得、一時所得のいずれにも該当しない所得を指します。具体的には、公的年金や副業による収入、仮想通貨の売却益、FXの利益、非営業用貸金の利子などが該当します。 経費を差し引いた金額が課税対象となり、総合課税の対象となります。また、雑所得が年間20万円を超える場合、確定申告が必要になります。
特別控除
特別控除とは、一定の条件を満たした場合に特別に認められる所得控除のことを指す。例えば、不動産譲渡所得に対する3,000万円特別控除や、住宅ローン控除などが含まれる。通常の控除とは異なり、特定の政策目的のために設けられており、適用を受けるには条件を満たす必要がある。
源泉分離課税
源泉分離課税は、所得の支払い時に所得税が源泉徴収され、その時点で納税が完了する方式です。個人が確定申告を行う必要はありません。 主な対象となる所得は以下の通りです - 利子所得: 預貯金の利子や公社債の利子など。 - 割引債の償還差益: 割引債の償還時に得られる利益。 - 金融類似商品の利益: 定期積金の給付補てん金や外貨建預貯金の為替差益など。 源泉分離課税の税率は、通常20.315%(所得税15.315%+住民税5%)です。
相続税
相続税とは、人が亡くなった際に、その人の財産を配偶者や子どもなどの相続人が受け継いだときに課される税金です。対象となる財産には、預貯金や不動産、株式、貴金属、事業用資産などが含まれ、相続財産の合計額が一定の基準額を超えると課税対象となります。 相続税には、「3,000万円+600万円×法定相続人の数」で計算される基礎控除があり、この範囲内であれば原則として税金はかかりません。しかし、資産規模が大きい場合や相続人の数が少ない場合には、課税対象となり、10%〜55%の累進税率が適用されます。 さらに、相続税にはさまざまな非課税枠や控除制度が設けられており、これらを適切に活用することで税負担を抑えることが可能です。代表的な制度には以下のようなものがあります。 - 生命保険金の非課税枠:法定相続人1人あたり500万円まで非課税 - 死亡退職金の非課税枠:生命保険と同様に1人あたり500万円まで非課税 - 債務控除:被相続人に借入金などの債務があった場合、その金額を控除可能 - 葬式費用の控除:通夜・葬儀などにかかった費用は、相続財産から差し引くことができる また、配偶者には配偶者の税額軽減(1億6,000万円または法定相続分まで非課税)が認められており、適切に遺産分割を行えば、税額を大幅に減らすことができます。 相続税は、財産の種類や分割の仕方、受け取る人の立場によって税額が大きく変動するため、生前からの対策が非常に重要です。生命保険や不動産の活用、資産の組み替えなどを通じて、相続税評価額をコントロールすることが、家族への負担を減らし、スムーズな資産承継を実現するための鍵となります。
住民税
住民税は、居住地の自治体(市区町村および都道府県)に納める地方税で、地域の行政サービスを賄うために使われます。住民税は「所得割」と「均等割」の2つで構成されます。 所得割は、前年の所得に基づき一律の税率(多くの場合10%)で計算されます。一方、均等割は所得に関わらず一律の金額(全国基準では年額5,000円程度)を納める部分です。 住民税は、所得税のような累進課税ではなく比例課税が基本で、納税額は所得や扶養状況などにより異なります。また、住民税は原則として前年の所得に基づき計算されるため、納税は翌年度に行われます。これにより、地域社会の運営を支える重要な財源となっています。




