Loading...

MENU

投資の知恵袋>

米国の国債や社債に投資できるETFは何がありますか?

回答受付中

0

2025/09/08 09:09

債券投資債券
債券投資債券

男性

60代

question

米国の国債や社債に投資できるETFについて調べていますが、初心者には種類が多くて違いが分かりにくいです。長期投資や分散投資を目的に、リスクや利回りの特徴を踏まえてどのようなETFがあるのか、代表的な銘柄や選び方のポイントを教えていただけますか?


回答

佐々木 辰

株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長

米国の国債や社債に投資できるETFには大きく分けて、米国債ETFと米国社債ETFがあります。それぞれの特徴を理解することで、自分に合った投資先を選びやすくなります。

まず、米国債ETFは信用リスクが低く、安定性を重視したい投資家に向いています。代表的なものには「iShares U.S. Treasury Bond ETF(GOVT)」や、期間ごとに分類された「iShares 1-3 Year Treasury Bond ETF(SHY)」「iShares 20+ Year Treasury Bond ETF(TLT)」があります。短期国債は値動きが小さく安全性が高い一方で、長期国債は金利変動の影響を強く受けやすい点に注意が必要です。

一方、米国社債ETFは企業が発行する債券に投資するもので、国債よりも利回りが高い傾向があります。ただし、その分、信用リスクも伴います。代表的なETFには「iShares iBoxx $ Investment Grade Corporate Bond ETF(LQD)」や「iShares iBoxx $ High Yield Corporate Bond ETF(HYG)」があります。投資適格級の社債(LQD)は比較的安全性が高く、ハイイールド債(HYG)は利回りが高い分リスクも大きいのが特徴です。

さらに、幅広い債券に分散投資できる総合債券ETFとして、「iShares Core U.S. Aggregate Bond ETF(AGG)」や「Vanguard Total Bond Market ETF(BND)」があります。これらは国債や社債をバランスよく組み合わせており、初心者にとって使いやすい選択肢といえます。

まとめると、

  • 安全性を最優先にするなら米国債ETF(SHY、TLT、GOVTなど)
  • 安定した利回りを狙うなら投資適格社債ETF(LQDなど)
  • 高リスク・高リターンを狙うならハイイールド社債ETF(HYGなど)
  • 幅広い分散を重視するなら総合債券ETF(AGG、BNDなど)

資産運用初心者の場合は、まずはリスクを抑えられる総合債券ETFや短期国債ETFから始めるのがおすすめです。そのうえで、リスク許容度や投資目的に応じて社債ETFを組み合わせていくと良いでしょう。

佐々木 辰さんに相談する
資産を自動で見える化CTAバナー

関連記事

bond-investment-introduction01

債券投資入門~債券投資の仕組みや気をつけるポイント

2025.06.27

難易度:

インカムゲイン基礎知識ポートフォリオ運用ジャンク債債券投資

関連する専門用語

信用リスク(クレジットリスク)

信用リスクとは、貸し付けた資金や投資した債券について、契約どおりに元本や利息の支払いを受けられなくなる可能性を指します。具体的には、(1)企業の倒産や国家の債務不履行(いわゆるデフォルト)、(2)利払いや元本返済の遅延、(3)返済条件の不利な変更(債務再編=デット・リストラクチャリング)などが該当します。これらはいずれも投資元本の毀損や収益の減少につながるため、信用リスクの管理は債券投資の基礎として非常に重要です。 この信用リスクを定量的に評価する手段のひとつが、格付会社による信用格付けです。格付は通常、AAA(最上位)からD(デフォルト)までの等級で示され、投資家にとってのリスク水準をわかりやすく表します。たとえば、BBB格付けの5年債であれば、過去の統計に基づく累積デフォルト率はおおよそ1.5%前後とされています(S&Pグローバルのデータより)。ただし、格付はあくまで過去の情報に基づいた「静的な指標」であり、市場環境の急変に即応しにくい側面があります。 そのため、市場ではよりリアルタイムなリスク指標として、同年限の国債利回りとの差であるクレジットスプレッドが重視されます。これは「市場に織り込まれた信用リスク」として機能し、スプレッドが拡大している局面では、投資家がより高いリスクプレミアムを求めていることを意味します。さらに、クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)の保険料率は、債務不履行リスクに加え、流動性やマクロ経済環境を反映した即時性の高い指標として、機関投資家の間で広く活用されています。 こうしたリスクに備えるうえでの基本は、ポートフォリオ全体の分散です。業種や地域、格付けの異なる債券を組み合わせることで、特定の発行体の信用悪化がポートフォリオ全体に与える影響を抑えることができます。なかでも、ハイイールド債や新興国債は高利回りで魅力的に見える一方で、信用力が低いため、景気後退時などには価格が大きく下落するリスクを抱えています。リスクを抑えたい局面では、投資適格債へのシフトやデュレーションの短縮、さらにCDSなどを活用した部分的なヘッジといった対策が有効です。 投資判断においては、「高い利回りは信用リスクの対価である」という原則を常に意識する必要があります。期待されるリターンが、想定される損失(デフォルト確率×損失率)や価格変動リスクに見合っているかどうか。こうした視点で冷静に比較検討を行うことが、長期的に安定した債券運用につながる第一歩となります。

投資適格

投資適格とは、信用格付け機関が企業や債券の信用力を評価する際に、一定以上の安全性があると認定された格付けを指す。S&Pの格付けではBBB-以上、ムーディーズではBaa3以上が投資適格とされる。これらの債券はデフォルトのリスクが低く、機関投資家を中心に安定的な投資対象とされる。一方で、投資適格債はリスクが低い分、利回りも低くなる傾向がある。金融市場では、投資適格と投機的格付けの境界を意識した投資判断が重要とされる。

ハイイールド債

ハイイールド債とは、投機的格付けに分類される債券のことであり、信用リスクが高い分、高い利回りを提供する債券である。ジャンク債とほぼ同義で使われるが、「ハイイールド債」という表現は投資戦略の観点から用いられることが多い。高リスク・高リターンの投資対象として、投資家は市場環境や発行体の信用力を慎重に分析する必要がある。景気拡大期には価格が上昇しやすいが、景気後退期には価格が急落する可能性もある。

米国債ETF

米国債ETFとは、アメリカ政府が発行する国債に投資するETF(上場投資信託)のことを指します。ETFは株式と同じように証券取引所で売買できる投資商品であり、米国債ETFを購入することで、個人投資家でも手軽に米国債へ分散投資ができます。 米国債は世界で最も信用度の高い債券の一つとされており、安定的な利息収入と安全性が魅力です。また、ETFを通じて短期国債や長期国債など、さまざまな年限の米国債に投資できる商品が用意されています。資産運用の観点では、株式よりもリスクが低い資産としてポートフォリオの安定 化に役立ち、為替変動の影響を考慮しながら運用する必要があります。投資初心者にとっては、「アメリカの国債をまとめて買える投資信託が、株のように売買できる商品」と理解するとわかりやすいでしょう。

米国社債ETF

米国社債ETFとは、アメリカの企業が資金調達のために発行する社債を投資対象としたETF(上場投資信託)のことを指します。ETFの仕組みにより、複数の米国企業の社債にまとめて投資できるため、個別に社債を購入するよりも手軽に分散投資が可能です。 投資対象は、信用力の高い大企業が発行する投資適格社債から、リターンが高い代わりにリスクも大きいハイイールド債まで幅広く存在します。資産運用の観点では、株式よりも安定的な収益を期待しつつ、米国の企業成長や金利動向の影響を受けやすい点に注意が必要です。投資初心者にとっては、「アメリカ企業の社債をまとめて買える投資信託が、株のように取引できる商品」と考えるとイメージしやすいでしょう。

総合債券ETF

総合債券ETFとは、さまざまな種類や年限の債券を幅広く組み合わせて投資できるETF(上場投資信託)のことを指します。投資対象には、国債や地方債、社債、モーゲージ債などが含まれ、国内外の幅広い債券市場をカバーするのが特徴です。これにより、個別の債券に投資するよりも簡単に分散効果を得られ、リスクを抑えながら安定的な利息収入を期待できます。 資産運用の観点では、株式とのバランスをとることでポートフォリオ全体の安定性を高める役割を果たします。投資初心者にとっては、「いろいろな債券をまとめて少額から投資できる便利な商品」と考えるとイメージしやすいでしょう。

無料で相談してみる

専門家に相談してみませんか?

無料で相談してみる

投資の知恵袋では、あなたの投資や資産に関する疑問や悩みを専門のアドバイザーに気軽に相談することが可能です。
ぜひご利用ください。

専門家に質問してみる

関連記事

bond-investment-introduction01

債券投資入門~債券投資の仕組みや気をつけるポイント

2025.06.27

難易度:

インカムゲイン基礎知識ポートフォリオ運用ジャンク債債券投資
債券投資するならどれ

債券投資するなら個別債券・債券投信・債券ETFどれがいい?仕組みとメリット・デメリット徹底比較

2025.06.07

難易度:

基礎知識債券インカムゲインポートフォリオ運用ジャンク債債券投資
コモディティ投資とは?オルタナティブ投資としての魅力とリスクを徹底解説

コモディティ投資とは?オルタナティブ投資としての魅力とリスクを徹底解説

2025.07.03

難易度:

オルタナティブ投資

資産運用に役立つ情報をいち早くGET!

無料LINE登録

資産運用について気軽にご相談したい方

プロへ相談する

当メディアで提供するコンテンツは、情報の提供を目的としており、投資その他の行動を勧誘する目的で、作成したものではありません。 銘柄の選択、売買価格等の投資の最終決定は、お客様ご自身でご判断いただきますようお願いいたします。 本コンテンツの情報は、弊社が信頼できると判断した情報源から入手したものですが、その情報源の確実性を保証したものではありません。 また、本コンテンツの記載内容は、予告なしに変更することがあります。

投資のコンシェルジュ

運営会社: 株式会社MONO Investment

Email:

運営会社利用規約各種お問い合わせプライバシーポリシーコンテンツの二次利用について

「投資のコンシェルジュ」はMONO Investmentの登録商標です(登録商標第6527070号)。

Copyright © 2022 株式会社MONO Investment All rights reserved.

「投資のコンシェルジュ」はMONO Investmentの登録商標です(登録商標第6527070号)。

Copyright © 2022 株式会社MONO Investment All rights reserved.