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ETFのVTとVTIにはどのような違いがありますか?

ETFのVTとVTIにはどのような違いがありますか?

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2025/10/15 09:13


男性

30代

question

VTとVTIのどちらも人気の高いETFですが、具体的にどのような違いがあるのか初心者には分かりにくい部分があります。投資先の地域や構成銘柄、分散効果、為替リスク、信託報酬など、どの点が異なり、どちらを選ぶべきか迷っています。長期投資を考える上で、それぞれの特徴や向いている投資スタイルを詳しく教えてください。


回答

佐々木 辰

株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長

VTは「全世界株式」、VTIは「米国株式」に投資するETFで、最大の違いは投資範囲にあります。VTは先進国と新興国を含む世界中の株式を自動的に分散保有し、VTIは米国のほぼすべての上場企業をカバーする米国特化型のETFです。そのため、分散の広さを重視するならVT、米国の成長に集中したいならVTIが向いています。

VTは世界の株式市場全体を時価総額に応じて保有しており、各国や地域の経済成長をバランスよく取り込むことができます。一方、VTIは米国の大型株から小型株までを網羅し、米国経済の強さや企業の成長力を効率的に享受できますが、国際的な分散は自分で別のファンドを組み合わせないと得られません。

為替の観点では、どちらも米ドル建てで取引されるため円安・円高の影響を受けます。VTは米国外の株式も含むため、ドル以外の通貨にも分散されますが、その分為替変動の影響を複数通貨から受けることになります。VTIは米国株に集中しているため、基本的には米ドルの動きに連動します。

リターンとリスクのバランスでは、過去の実績上、米国株中心のVTIのほうが成長率は高い傾向にありますが、国際分散効果がない分、米国市場が低迷すると影響を強く受けます。VTは地域や業種の分散が広く、下落局面では比較的安定しやすい一方で、上昇相場では米国中心のVTIよりリターンがやや劣ることがあります。

コスト面ではVTIがより低コストで、経費率はおおむね0.03%前後、VTは0.07%前後です。また、VTIのほうが取引量が多く、スプレッドが狭いため、売買しやすいというメリットもあります。VTも十分な流動性がありますが、コストを最重視する場合はVTIが有利です。

分配金の課税面では、VTIは米国株由来の配当に10%の米国源泉徴収があり、VTはそれに加えて各国で発生する源泉税がファンド内で差し引かれます。このため、最終的に投資家が回収できない部分がVTのほうでやや多くなる傾向があります。

運用の手間という点では、VTは1本で世界中に分散投資できるため、リバランス不要で非常にシンプルです。VTIは米国株のみなので、国際分散をしたい場合は他のETF(たとえばVXUSなど)を自分で組み合わせる必要がありますが、その分、投資比率を自分で調整できる柔軟さがあります。

まとめると、投資をシンプルにし、世界全体に自動で分散したい人にはVTが向いています。米国の成長力を信じ、コストと流動性を重視したい人にはVTIが適しています。どちらを選んでも、長期で積み立てを続け、手数料や税金を意識した堅実な運用を行うことが成果を左右します。

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ETF(上場投資信託)とは、証券取引所で株式のように売買できる投資信託のことです。日経平均やS&P500といった株価指数、コモディティ(原油や金など)に連動するものが多く、1つのETFを買うだけで幅広い銘柄に分散投資できるのが特徴です。通常の投資信託に比べて手数料が低く、価格がリアルタイムで変動するため、売買のタイミングを柔軟に選べます。コストを抑えながら分散投資をしたい人や、長期運用を考えている投資家にとって便利な選択肢です。

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時価総額、株式時価総額とは、ある上場企業の株価に発行済株式数を掛けたものであり、企業価値や規模を評価する際の指標。 時価総額が大きいということは、業績だけではなく将来の成長に対する期待も大きいことを意味する。

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為替リスクとは、異なる通貨間での為替レートの変動により、外貨建て資産の価値が変動し、損失が生じる可能性のあるリスクを指します。 たとえば、日本円で生活している投資家が米ドル建ての株式や債券に投資した場合、最終的なリターンは円とドルの為替レートに大きく左右されます。仮に投資先の価格が変わらなくても、円高が進むと、日本円に換算した際の資産価値が目減りしてしまうことがあります。反対に、円安が進めば、為替差益によって収益が増える場合もあります。 為替リスクは、外国株式、外貨建て債券、海外不動産、グローバルファンドなど、外貨に関わるすべての資産に存在する基本的なリスクです。 対策としては、為替ヘッジ付きの商品を選ぶ、複数の通貨や地域に分散して投資する、長期的な視点で資産を保有するなどの方法があります。海外資産に投資する際は、リターンだけでなく、為替リスクの存在も十分に理解しておくことが大切です。

経費率

経費率(Expense Ratio)は、投資信託やETF(上場投資信託)などの運用にかかる年間コストを、運用資産総額に対する割合で示した指標です。投資家はこの経費率を負担するため、経費率が低いほど投資のコストが抑えられ、リターンが高まりやすくなります。 例えば、あるETFの経費率が0.2%の場合、年間で運用資産の0.2%が管理費用などに充てられます。経費率には、ファンドの管理費用、売買手数料、監査費用などが含まれます。 一般的に、インデックス型ETFは経費率が低く(0.1%~0.5%程度)、アクティブ運用のファンドは高くなる(1%~2%程度)傾向があります。経費率が高すぎると、長期的に資産が目減りする可能性があるため、投資先を選ぶ際は経費率の低い商品を選ぶことが重要です。

スプレッド(Spread)

スプレッド(Spread)とは、金融商品の売値(ビッド:Bid)と買値(アスク:Ask)の差のことをいいます。主に外国為替市場や債券市場、株式市場などで使われる用語です。 ビッド(Bid)は投資家がその商品を「売るときに受け取れる価格」、アスク(Ask)は「買うときに支払う価格」を指します。スプレッド(Spread)が広いほど、投資家にとっての取引コストが高くなるため、売買のタイミングには注意が必要です。 一般的に、流動性の低い市場や銘柄ではスプレッドが広がりやすく、反対に、取引が活発な市場ではスプレッドが狭くなる傾向があります。そのため、スプレッドの大きさは、市場の流動性や取引コストを判断する一つの指標となります。

源泉徴収

源泉徴収とは、給与や報酬、利子、配当などの支払いを受ける人に代わって、支払者があらかじめ所得税を差し引き、税務署に納付する制度です。特に給与所得者の場合、会社が毎月の給与から所得税を控除し、年末調整で過不足を精算します。 この制度の目的は、税金の徴収を確実に行い、納税者の負担を軽減することです。例えば、会社員は確定申告を行わずに納税が完了するケースが多くなります。ただし、個人事業主や一定の副収入がある人は、源泉徴収された金額を基に確定申告が必要になることがあります。 また、配当金や利子の源泉徴収税率は原則20.315%(所得税15.315%+住民税5%)ですが、金融商品によって異なる場合があるため、事前に確認が必要です。

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