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ゼロクーポン債と利付債はどっちが得でしょうか?

ゼロクーポン債と利付債はどっちが得でしょうか?

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2025/12/12 10:23


男性

30代

question

ゼロクーポン債と利付債は、どちらのほうが得な投資なのでしょうか?仕組みの違いもよく分からないので、初心者でも判断できるように、それぞれの特徴や向き不向きを教えてください。


回答

佐々木 辰

株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長

ゼロクーポン債と利付債のどちらが得かは、一概には言えません。仕組みが異なるため、向いている人・場面が違うからです。

ゼロクーポン債は、利息を受け取らず満期にまとめて額面を受け取るタイプで、投資時点で利回りが確定し、再投資の必要がありません。将来の使い道が決まっている場合や、満期まで保有できる人には分かりやすい商品です。ただし金利変動に敏感で、途中売却すると価格が大きく上下しやすい点には注意が必要です。

一方、利付債は定期的に利息を受け取れるため、安定したインカム収入を得たい人に向いています。価格変動はゼロクーポン債ほど大きくないため、途中売却の可能性がある人や値動きが気になる人には扱いやすい商品です。ただし、受け取った利息を再投資する必要があるため、実際の利回りは市場環境に左右されます。

つまり「どちらが得か」ではなく「どちらが目的に合っているか」で判断するのが正解です。使う時期が決まっている場合はゼロクーポン債、安定収入を重視するなら利付債が選択肢になります。

債券投資は仕組みの違いが成果に大きく影響します。ご自身にどちらが適しているか迷われる場合は、ぜひ投資のコンシェルジュの無料相談をご活用ください。目的やリスク許容度に合わせて最適な選択肢を一緒に整理いたします。

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ゼロクーポン債

ゼロクーポン債とは、利息の支払いが一切なく、額面よりも安い価格で購入し、満期時に額面金額を受け取るタイプの債券です。「ゼロクーポン」という名前のとおり、通常の債券のように定期的に利息(クーポン)を受け取ることはありません。その代わりに、割引された価格で買い、満期まで保有することで、その差額が実質的な利益となります。たとえば、額面が100万円のゼロクーポン債を90万円で購入し、満期に100万円を受け取れば、10万円が利回りとなります。利息の再投資を考える必要がなく、運用がシンプルであることから、将来の資金用途が明確な場合や、確定した金額を一定期間後に受け取りたい場合に適しています。ただし、金利の変動による価格の変化が大きいため、途中で売却する場合にはリスクがあることも理解しておくことが大切です。

利付債

利付債とは、一定の利率(クーポン)に基づいて定期的に利子(クーポン利息)が支払われる債券のことです。たとえば、年2回の利払いがある5年満期の利付債であれば、半年ごとに所定の利子を受け取り、満期時には元本が返還されます。 このような債券は、安定した利子収入を得たい投資家にとって魅力的な選択肢となります。債券の利回りや価格は、市場金利の変動によって上下するため、利付債の価値も変動します。利払いの権利があるかどうかは「利付」か「利落ち」かによって異なり、取引の際には利息相当分が価格に反映される「経過利子」も加味されます。

利回り

利回りとは、投資で得られた収益を投下元本に対する割合で示し、異なる商品や期間を比較するときの共通尺度になります。 計算式は「(期末評価額+分配金等-期首元本)÷期首元本」で、原則として年率に換算して示します。この“年率”をどの期間で切り取るかによって、利回りは年間リターンとトータルリターンの二つに大別されます。 年間リターンは「ある1年間だけの利回り」を示す瞬間値で、直近の運用成績や市場の勢いを把握するのに適しています。トータルリターンは「保有開始から売却・償還までの累積リターン」を示し、長期投資の成果を測る指標です。保有期間が異なる商品どうしを比べるときは、トータルリターンを年平均成長率(CAGR)に換算して年率をそろすことで、複利効果を含めた公平な比較ができます。 債券なら市場価格を反映した現在利回りや償還までの総収益を年率化した最終利回り(YTM)、株式なら株価に対する年間配当の割合である配当利回り、不動産投資なら純賃料収入を物件価格で割ったネット利回りと、対象資産ごとに計算対象は変わります。 また、名目利回りだけでは購買力の変化や税・手数料の影響を見落としやすいため、インフレ調整後や税控除後のネット利回りも確認することが重要です。複利運用では得た収益を再投資することでリターンが雪だるま式に増えますから、年間リターンとトータルリターンを意識しながら、複利効果・インフレ・コストを総合的に考慮すると、より適切なリスクとリターンのバランスを見極められます。

金利変動リスク

金利変動リスクとは、市場金利の上昇・下降に伴い保有資産の価格や収益が変わる可能性を指します。固定金利債券の場合、金利が上がれば新発債の利息が高くなり既存債券の魅力が薄れるため価格は下落し、逆に金利が下がれば既存債券の利息が相対的に高く映るため価格は上昇しやすくなります。価格の振れ幅は「デュレーション」と呼ばれる指標で測定でき、残存期間が長いほど同じ1%の金利変化でも値動きが大きくなる点が特徴です。短期債は影響が小さく、長期債は大きいという感覚を持つとリスク把握が容易になります。 金利を動かす主因は中央銀行の政策金利変更や景気の強弱、インフレ期待であり、これらのニュースを追うことで金利の方向性をある程度予測できます。ただし金利の動向は株式や不動産投資信託(REIT)にも波及し、企業の資金調達コストや配当余力、賃料収入見通しを通じて価格変動をもたらすため、債券以外にも広く目配りが必要です。さらに変動金利債券や変動金利住宅ローンのように、金利上昇局面で利息が増えるものも存在する一方、支払利息が膨らむ負の側面もある点には注意が求められます。 リスクを抑えながらリターンを狙うには複数の打ち手があります。償還時期の異なる債券を階段状に保有して高金利局面で再投資しやすくするラダー戦略、金利上昇期にはデュレーションを短くして価格下落を抑え、低下期には長くして値上がり益を取りにいく期間調整、株式やREIT、金利ヘッジETFなど異なる値動きを示す資産を組み合わせる分散投資、さらにはポートフォリオの一部を変動金利商品に振り替えて上昇メリットを享受する方法が代表的です。金利変動リスクを定量的に測り、運用計画を経済情勢に合わせて定期的に見直すことで、長期投資でも過度な値下がりを抑えつつ安定的な収益を目指せます。

インカムゲイン(インカム)

インカムゲイン(インカム)とは、株式や債券、不動産などの資産を保有していることで定期的または継続的に得られる収益のことを指します。具体的には、株式の配当金、債券の利息、不動産の家賃収入などが代表的な例です。一方で、資産の売買差益から生まれるキャピタルゲインとは異なり、保有し続けることで一定のペースで収入を得る点が特徴です。 インカムゲインを重視する投資では、安定したキャッシュフローを得られることが大きな魅力となります。例えば、株式の配当金は企業の利益から支払われますが、企業の業績や配当方針に応じて増減があるため、定期的なチェックが必要です。債券の利息は発行体の信用力や金利情勢に大きく左右され、金利が上昇すると既存債券の価格が下落するリスクがあります。不動産投資では家賃収入がインカムゲインとなりますが、空室が続いたり修繕費がかさんだりするリスクがあるほか、売却時の価格も景気や立地に左右されるため、投資額の回収が遅れる可能性があります。 これらのリスクを考慮する一方で、インカムゲインには安定性というメリットがあります。資産を保有しているだけでも定期的に資金が手に入り、再投資や生活費に回すことで資産形成を円滑に進めやすい面があります。また、いざ急に資金が必要になった場合には、すぐに売却しなくても配当金や利息で一定の収入を得られる可能性があるため、心理的な安心感につながることもあります。 ただし、インカムゲインを得ようとするあまり、高配当や高利回りをうたう投資商品ばかりに偏ると、発行体の信用リスクや価格変動リスクが高まるケースも考えられます。特に、株式の配当は企業の業績が悪化すれば減配や無配となる恐れがあり、債券の場合でも発行体の破綻リスクや金利上昇リスクが存在します。不動産投資では物件管理の手間や費用が大きく、地方物件などでは買い手が少なく流動性リスクも高くなるため、分散投資の観点で他の資産とバランス良く組み合わせるのが望ましいでしょう。 総じて、インカムゲインは、投資から生まれる継続的な収益を得るための有力なアプローチです。特に、キャピタルゲインだけに頼らず、配当や利息、家賃収入などの定期的な収入源を得ることでリスクを分散しながら安定した資産運用を目指すことができます。ただし、投資対象の選定やリスク管理は欠かせないポイントであり、投資する資金やライフプラン、リスク許容度に応じて最適なバランスを見極める必要があります。

再投資リスク

再投資リスクとは、債券や定期預金などの満期時に、元本や利息を再投資しようとした際に、当初よりも低い金利環境でしか運用できないリスクを指す。特に低金利時代には、満期を迎えた資産を同等の収益率で再投資することが難しくなり、将来の収益が減少する可能性がある。長期投資ではこのリスクを考慮し、分散投資や運用期間の調整が重要となる。

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