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休眠口座とは?何年でなる?復活・解約の手順と必要書類を解説

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休眠口座とは?何年でなる?復活・解約の手順と必要書類を解説

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執筆者:

公開:

2026.10.02

更新:

2026.10.02

# 資産管理# 基礎知識

実家の片付けで古い通帳が見つかったり、長年使っていない銀行口座を思い出したりすると、「このまま放置して大丈夫なのか」「預金はなくならないのか」と不安になることがあります。休眠口座は一定期間取引がないと通常とは異なる扱いとなり、手続きや相続時の確認が必要になる場合があります。この記事では、休眠預金の仕組みや復活・解約方法、必要書類、名義預金の注意点から、戻った資金や他の眠っている資産の整理方法まで具体的に解説します。

サクッとわかる!簡単要約

この記事を読むことで、休眠口座になる条件や預金の扱い、復活・解約に必要な手続き、相続や名義預金が絡む場合の注意点を体系的に理解できます。さらに、自分や家族の古い口座がどのような状態かを確認し、必要な書類を準備して金融機関へ問い合わせるなど、資産を取り戻し整理するための行動を具体的に進められるようになります。

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目次

休眠口座とは?何年も使っていない預金はどうなる?

休眠口座と法律上の「休眠預金等」の違い

原則10年以上、入出金などの異動がない預金が対象

休眠預金等になっても払い戻しは受けられる

払い戻しと口座の「復活・再利用」は別の手続き

休眠口座になる条件と、対象になる預金・ならない預金

普通預金・定期預金などの対象商品

外貨預金・財形貯蓄などの対象外商品

利息の入金・通帳記帳・残高照会は「取引」になる?

金融機関からの通知・公告と移管までの流れ

休眠口座を復活させる方法|払い戻しまでの手順と必要書類

手順1:取引のあった金融機関に口座の状態を確認する

手順2:本人確認書類・通帳・届出印などを準備する

手順3:金融機関所定の方法で払い戻しを申し込む

手順4:口座の再利用が可能か確認する

手続きにかかる日数・費用・来店の必要性を確認する

通常の手続きで困ったら?休眠口座のケース別対応

通帳・キャッシュカード・届出印を紛失した場合

結婚や転居で氏名・住所が変わっている場合

銀行が合併した・取引支店がなくなった場合

ネット銀行の口座にログインできない場合

ゆうちょ銀行・民営化前の郵便貯金だった場合

休眠口座を解約する方法|放置せず整理するための確認事項

解約前に入金予定・口座振替・関連サービスを確認する

残高の受け取り方法と解約手続きを確認する

残高0円の口座も、契約が残っているか確認する

未利用口座管理手数料・自動解約の条件を確認する

家族の休眠口座が見つかったときの相続・名義預金の注意点

故人名義の口座は相続手続きで払い戻しを受ける

相続の必要書類は遺言や遺産分割の状況で異なる

親が作った子・孫名義の口座は資金の帰属も確認する

相続手続きと税務判断は相談先を分ける

休眠口座を防ぐための口座整理と管理方法

使う予定のない口座を整理し、管理できる数に絞る

住所・氏名などの登録情報を更新する

定期的に利用状況を確認し、必要に応じて入出金する

家族が口座の存在を確認できる財産目録を残す

預金以外に眠っている資産もあわせて確認する

休眠口座から戻ったお金は、使う時期と目的に合わせて管理する

近い将来の支出や生活予備費を優先する

当面使わない余裕資金は運用も検討する

休眠口座とは?何年も使っていない預金はどうなる?

休眠口座とは、長期間にわたって入出金などの取引がない預金口座を指す一般的な呼び方です。このうち、休眠預金等活用法で定める条件を満たし、原則として10年以上取引などの異動がない預金は「休眠預金等」に該当します。金融機関独自の利用制限や未利用口座管理手数料とは、区別して理解しましょう。

まず押さえていただきたいのは、次の3点です。

確認したいこと結論
預金は消えるのか法律上の休眠預金等になっても、期限なく払い戻しを請求できます。ただし、古い郵便貯金には別制度による例外があります
どこに問い合わせればよいか取引のあった金融機関です。合併している場合は、承継先へ問い合わせます
利用上の不便はあるかATMなどで引き出せず、金融機関所定の手続きが必要になる場合があります
休眠口座について最初に押さえたい3つのポイント

なお、これとは別に「未利用口座管理手数料」という仕組みもあり、こちらは2年程度の未利用で発生します。法律上の休眠預金等とは別制度ですので、混同しないようご注意ください。

出典:金融庁「長い間、お取引のない預金等はありませんか?」

出典:預金保険機構「長い間お取引のない預金(休眠預金)」

休眠口座と法律上の「休眠預金等」の違い

「休眠口座」は一般的な呼び方であり、法律上の「休眠預金等」と必ずしも一致するわけではありません。長期間使われていない口座であっても、最後の取引時期や預金の種類などによって、休眠預金等活用法の対象になるかどうかが異なります。

根拠となる法律は「民間公益活動を促進するための休眠預金等に係る資金の活用に関する法律」、略して休眠預金等活用法といいます。2016年(平成28年)12月9日に公布され、2018年(平成30年)1月1日に施行されました。

  1. 法律上の判定対象は、口座そのものではなく、その口座にある預金等です。また、金融機関が「睡眠預金」などの呼称で管理している場合もあります。呼び方だけでは法制度上の状態を判断できないため、利用制限の有無や移管状況は金融機関に確認してください。

出典:e-Gov法令検索「民間公益活動を促進するための休眠預金等に係る資金の活用に関する法律」

原則10年以上、入出金などの異動がない預金が対象

休眠預金等になる基準は、最終異動日等から10年です。対象となるのは、預金保険・貯金保険の対象となる預貯金で、普通預金のほか定期預金、貯金、定期積金などが含まれます。

ここで重要なのが起算日です。2009年(平成21年)1月1日以降にあった入出金等の取引から10年以上、その後の異動がない預金等が対象になります。2009年1月1日より前に最後の異動があった預金は、原則としてこの制度の対象外です。

  1. ただし、制度の対象外であることと、払い戻しを受けられないことは別です。こうした預金も通常は金融機関が払い戻しに応じているため、古い通帳や証書が見つかったら問い合わせましょう。

「異動」とは、預金者が今後も預金を利用する意思を示したと認められる取引を指します。入金、出金、振込などが代表例です。

出典:金融庁「長い間、お取引のない預金等はありませんか?」

出典:日本郵便「長期間ご利用のない貯金のお取扱い」

休眠預金等になっても払い戻しは受けられる

預金保険機構へ移管されたあとも、預金者や相続人は、取引のあった金融機関で所定の手続きを行うことで払い戻しを受けられます。同じ口座を引き続き利用できるかどうかや、必要な書類は金融機関によって異なります。

移管後に受け取るお金は、法律上「休眠預金等代替金」と呼ばれます。元の預金の元本に、元の預金契約に基づく利子相当額を加えた額が支払われます。移管されたことだけを理由に、利子相当額の計算が打ち切られるわけではありません。

ただし、古い郵便貯金には別の制度が適用される場合があるため、注意が必要です。2007年10月1日の郵政民営化より前に郵便局へ預けられた定期性の郵便貯金(定額郵便貯金、定期郵便貯金、積立郵便貯金)は、休眠預金等になりうる「預金等」に該当しません。これらには権利消滅という別の制度が適用されます(詳しくは後述)。

出典:預金保険機構「長い間お取引のない預金(休眠預金)」

出典:e-Gov法令検索「民間公益活動を促進するための休眠預金等に係る資金の活用に関する法律」

出典:金融庁「休眠預金等活用法Q&A(預貯金者の方などへ)」

払い戻しと口座の「復活・再利用」は別の手続き

「休眠口座の復活」という言葉には、2つの意味が混ざっています。

休眠口座の復活は2種類

  1. 眠っていたお金を受け取ること
  2. 同じ口座番号を再び使えるようにすること

払い戻しを受けられることと、同じ口座番号で再び利用できることは別です。金融機関によって対応が異なるため、払い戻しだけを希望するのか、口座も引き続き使いたいのかを伝えて確認しましょう。

休眠口座になる条件と、対象になる預金・ならない預金

すべての預金が休眠預金等になるわけではありません。対象は預金保険制度で保護される預貯金に限られ、外貨預金などは含まれない仕組みです。

また、10年という期間をどこから数えるかも商品によって変わります。この章では、対象商品の線引きと、休眠化までの時系列を整理します。

普通預金・定期預金などの対象商品

対象と対象外の主なものは、次の表のとおりです。

区分主な商品
対象になる普通預金、通常貯金、定期預金、定期貯金、定額貯金、当座預金、貯蓄預金、定期積金、別段預金など
対象外外貨預金、財形貯蓄(財形住宅・財形年金など)、マル優扱いの預貯金、譲渡性預金、2007年9月30日以前に預けた定期性の郵便貯金
休眠預金等の対象になる預金・ならない預金

なお、証券口座や生命保険は、そもそもこの制度の対象外です。

出典:金融庁「長い間、お取引のない預金等はありませんか?」

外貨預金・財形貯蓄などの対象外商品

休眠預金等活用法の対象は、預金保険・貯金保険の対象となる預貯金などが基本ですが、そのすべてが対象になるわけではありません。外貨預金などの預金保険対象外の商品に加え、財形貯蓄やマル優扱いの預貯金なども、休眠預金等活用法の対象から除かれます。

  1. ただし、対象外だから安心というわけではありません。対象外の商品であっても、金融機関ごとの取引制限や管理手数料の対象になる場合はあります。

外貨預金や財形貯蓄については、こちらの記事もあわせて参考にしてみてください。

出典:預金保険機構「長い間お取引のない預金(休眠預金)」

出典:金融庁「長い間、お取引のない預金等はありませんか?」

利息の入金・通帳記帳・残高照会は「取引」になる?

「異動」とは、預貯金者が今後も預貯金を利用する意思を示したと認められる取引などです。入出金など、全金融機関に共通するものと、各金融機関が認可を受けて対象とするものがあります。

  1. 通帳記帳や残高照会は、金融機関が異動事由として認可を受けている場合に該当します。一方、金融機関による利息の入金は、原則として異動に含まれません。記帳や残高照会だけで休眠化を防げるかは、取引先の金融機関に確認してください。

例えばゆうちょ銀行の案内では、異動事由となる取扱いとして入金・出金・振込等が挙げられ、銀行からの利子の支払いは除くとされています。

つまり、利息が付いただけでは10年のカウントは止まりません。確実に異動を発生させたいなら、1円でも入出金を行うのが安全です。

出典:ゆうちょ銀行「休眠預金等活用法に係るお取り扱いについて」

金融機関からの通知・公告と移管までの流れ

休眠預金等になるまでには、段階的な手続きが定められています。時系列で見ると次のとおりです。

段階・条件起きること
最終異動日等を確認最後の取引日や満期日などをもとに、期間の起算日を確認します
原則として9年経過後から10年6か月まで金融機関が公告を行い、残高1万円以上の預金等については通知も行います。具体的な時期は金融機関によって異なります
通知が届いた場合通知の発送日から10年間は休眠預金等になりません
通知が届かず、その後も異動がない場合など法律上の要件を満たした預金等は、公告などの手続きを経て預金保険機構へ移管されます
移管されたあと取引のあった金融機関で、期限なく払い戻しを請求できます
最終異動日から預金保険機構へ移管されるまでの流れ

通知の対象は、原則として残高1万円以上の預金等です。金融機関に登録している住所へ郵送されるほか、金融機関によっては電子メールで通知されます。1万円未満の場合は、原則として通知はありません。残高が1万円以上でも、登録住所が現住所と異なると通知が届かず、何もしなければ休眠預金になります。電子メールアドレスについても同様です。

  1. 通知書を受け取った場合、発送日を基準として10年は休眠預金になりません。逆にいえば、通知が届いていないから安全とは限らないわけです。残高が少ない口座ほど、気づかないうちに移管されている可能性があります。

なお、定期預金は単純に最終入金日から数えるとは限りません。商品ごとの規定を確認しておきましょう。

出典:e-Gov法令検索「民間公益活動を促進するための休眠預金等に係る資金の活用に関する法律」

出典:預金保険機構「長い間お取引のない預金(休眠預金)」

出典:金融庁「休眠預金等活用法Q&A(預貯金者の方などへ)」

休眠口座を復活させる方法|払い戻しまでの手順と必要書類

休眠口座からお金を受け取る手続きは、取引のあった金融機関へ連絡するところから始まります。預金保険機構へ直接請求するわけではない点に注意しましょう。

ここからは、照会から払い戻しまでを4つの手順に分けて説明します。

手順1:取引のあった金融機関に口座の状態を確認する

最初にすべきは、口座がある金融機関への問い合わせです。支店窓口でもコールセンターでも構いません。

  1. 問い合わせ先を金融機関にすべき理由は、法律でそう定められているためです。休眠預金等の有無や引き出し手続などの情報提供は、休眠預金等活用法第6条に基づき、取引のあった金融機関が対応します。預金保険機構は移管先ではありますが、個人からの払い戻し請求を直接受け付ける窓口ではありません。

通帳がなく銀行名しか分からない場合でも、氏名・生年月日・旧住所などから照会できるケースがあります。合併している場合は、現在の承継銀行に連絡してください。

手順2:本人確認書類・通帳・届出印などを準備する

事前に必要書類を確認して準備すると、再来店や書類の追加提出を減らせます。一般的に確認されるものは次のとおりですが、すべてが必須とは限りません。紛失しているものがあれば、その旨も金融機関へ伝えましょう。

必要な持ち物

  1. 預金通帳または証書
  2. 届出印
  3. キャッシュカード
  4. 運転免許証やマイナンバーカードなどの本人確認書類

払い戻し金を現金ではなく振込で受け取りたい場合は、振込先口座番号が分かるものも用意しましょう。金融機関によって必要書類は異なりますので、手順1の電話で確認しておくと確実です。

手順3:金融機関所定の方法で払い戻しを申し込む

窓口で所定の請求書に記入し、書類を提出します。移管済みの場合は、金融機関が預金保険機構へ確認したうえで支払う流れになります。

一般的に、長い間取引のない預金等の引き出しは、そうでないものと比べて時間がかかる傾向です。キャッシュカードやインターネットバンキングで完結しない点が、大きな負担といえるでしょう。

出典:金融庁「長い間、お取引のない預金等はありませんか?」

手順4:口座の再利用が可能か確認する

お金を受け取るだけでなく、同じ口座を使い続けたい場合は、その旨を明確に伝えます。

金融機関によっては、印鑑・通帳・本人確認書類の持参により、払い戻しだけでなく、引き続き預金口座として利用することも可能です。

ただし、取扱いは金融機関ごとに異なります。再利用が認められない場合、いったん解約して新規開設する形になり、口座番号は変わります。給与振込や公共料金の引き落としを設定している口座であれば、変更手続きも必要になる点を見込んでおきましょう。

手続きにかかる日数・費用・来店の必要性を確認する

払い戻しは、即日で完了するとは限りません。必要な日数は、金融機関や口座の状態、紛失・相続手続きの有無などによって異なります。申込み前に、受け取りまでの目安と追加手続きの可能性を確認してください。

  1. 手数料については、払い戻し自体に費用がかからない金融機関が一般的です。ただし、通帳や印鑑を紛失している場合は、再発行や改印にともなう手数料が発生するケースがあります。

急ぎの資金需要に充てる計画は立てないほうが無難です。時間に余裕をもって来店しましょう。

通常の手続きで困ったら?休眠口座のケース別対応

古い口座ほど、基本の手順だけでは進まない事情を抱えがちです。通帳がない、姓が変わった、銀行が合併したといったケースは珍しくありません。

ここでは、つまずきやすい5つの状況への対応を整理します。ケース別の必要書類は、次の表を目安にしてください。

状況必要な書類・手続きの目安
通常の払い戻し通帳・届出印・キャッシュカード・本人確認書類
通帳や印鑑を紛失喪失届の提出、改印手続き、場合により再発行手数料
改姓・転居している戸籍謄本や住民票など、旧姓や旧住所を確認できる書類
名義人が死亡戸籍謄本一式、相続人の印鑑証明書、遺産分割協議書または所定の相続届
ケース別に必要となる書類の目安

通帳・キャッシュカード・届出印を紛失した場合

通帳や印鑑がなくても、手続きは可能です。本人確認ができれば、喪失届と改印手続きを組み合わせて払い戻しを受けられます。ただし、紛失を伴う手続きは確認事項が増えるため、日数が延びやすくなります。

印鑑を紛失している場合は、新しく届け出る印鑑を持参してください。事前に電話で流れを聞いておくと、二度手間を避けられます。

結婚や転居で氏名・住所が変わっている場合

届出情報と現況が異なるときは、変更手続きを同時に行います。古い口座ほど、旧姓・旧住所のまま放置されている可能性が高いといえます。

必要になるのは、つながりを証明できる公的書類です。旧姓が確認できる戸籍謄本、旧住所からの移転が分かる住民票などが該当します。

マイナンバーカードや運転免許証の裏面に旧姓・旧住所の記載があれば、それで足りる場合もあります。手持ちの書類で対応できるか、事前に確認しておきましょう。

銀行が合併した・取引支店がなくなった場合

預金の権利は、合併後の銀行に引き継がれています。通帳に書かれた銀行名が現存しなくても、預金が消えることはありません。

まずは承継先の金融機関を調べ、そのコールセンターへ連絡します。支店が統廃合されている場合は、口座を引き継いだ店舗が案内されます。

  1. 古い証書を持ち込む際は、通帳や証書の券面情報がそのまま照会の手がかりになります。判読できる状態のまま持参してください。

ネット銀行の口座にログインできない場合

ネット銀行では、「ログインできない状態」と「休眠預金等への移管」は別の事象です。パスワードを忘れただけであれば、再設定で解決します。

一方、長期間利用がなくサービス利用を制限されている場合は、書面での手続きが必要になることもあります。郵送でのやり取りが発生すると、完了までに時間がかかります。

登録メールアドレスが使えなくなっていると、通知も届きません。つまり、ネット銀行こそ、登録情報の更新が重要です。

ゆうちょ銀行・民営化前の郵便貯金だった場合

旧郵便貯金には、権利が消滅する制度が存在します。

平成19年9月30日以前に預け入れた定額郵便貯金・定期郵便貯金・積立郵便貯金は、満期後20年2か月を経過してもなお払い戻しの請求等がない場合、旧郵便貯金法の規定により権利が消滅し、払い戻しが受けられなくなります。

  1. 満期日の翌日から20年間払戻し等の取扱いがない場合に「権利消滅のご案内(催告書)」が送付され、その送付日から2か月経過しても払い戻されないと、貯金を払い戻す権利が消滅します(旧郵便貯金法第29条)。

郵政民営化前の2007年9月30日までに預けられた定額・定期・積立郵便貯金は、すべて満期を過ぎています。該当しそうな通帳や証書が出てきたら、すぐに郵便局の貯金窓口またはゆうちょ銀行へ相談してください。

出典:ゆうちょ銀行「長期間ご利用のない貯金のお取り扱いについて」

出典:日本郵便「長期間ご利用のない貯金のお取扱い」

休眠口座を解約する方法|放置せず整理するための確認事項

使う予定のない口座は、払い戻しだけでなく解約まで済ませるほうが管理は楽になります。口座数が減れば、将来の相続手続きの負担も軽くなるためです。

解約手続き自体は、窓口に通帳等を持参して申し出る形が一般的です。ここでは、解約前に確認すべき点と、手数料の仕組みを整理します。

解約前に入金予定・口座振替・関連サービスを確認する

解約すると、その口座番号は二度と使えません。先に、口座にひもづくものを洗い出しましょう。確認したいのは次の項目です。

口座解約前の確認事項

  1. 公共料金やサブスクリプションの口座振替
  2. クレジットカードの引き落とし口座
  3. 給与や年金、配当金の受取口座
  4. 定期預金や投資信託など、同一支店で保有する他の資産

引き落とし先の変更が済む前に解約すると、支払い遅延につながります。移行を完了させてから解約手続きに進んでください。

残高の受け取り方法と解約手続きを確認する

解約時の残高は、現金で受け取るか、同一名義の別口座へ振り込まれる形が一般的です。休眠状態からの解約では、後日振込となる場合もあります。

持ち物は払い戻しのときとほぼ同じで、通帳・届出印・本人確認書類がそろっていれば手続きできます。振込を希望するなら、振込先の情報も忘れずに持参しましょう。代理人が手続きする場合は、委任状と代理人自身の本人確認書類が追加で必要になります。

残高0円の口座も、契約が残っているか確認する

残高をゼロにしただけでは、通常、口座を解約したことにはなりません。一方、金融機関の規定により自動解約される場合もあります。使う予定がなければ、契約が残っているかを確認し、必要に応じて解約手続きを行いましょう。

近年は、口座売買や特殊詐欺への悪用を防ぐ観点からも、使わない口座の整理が推奨されています。残高がないからこそ、被害に気づきにくいともいえるでしょう。

未利用口座管理手数料・自動解約の条件を確認する

10年の休眠預金等とは別に、2年程度の未利用で発生する手数料があります。主要行の例は次のとおりです。

金融機関名称・手数料(税込)主な条件
三菱UFJ銀行未利用口座管理手数料 年1,320円2021年7月1日以降に開設され、2年以上未利用の普通預金口座が対象。2021年6月30日以前に開設済みの口座、他の預かり金融資産が1円以上ある場合、同行に借入れがある場合は対象外
三井住友銀行デジタル未利用手数料 年1,100円2年間入出金がない普通預金が対象で、2021年3月31日以前に開設済みの口座は対象外。残高1万円以上、18歳未満または75歳以上などは免除。個人のデジタル利用に関する免除条件は、Web通帳を選択し、かつワンタイムパスワードカードが有効であること、またはSMBCセーフティパスを登録していること
三井住友信託銀行未利用口座管理手数料 年1,320円2年以上、一度も入金または出金がない普通預金口座が対象で、本手数料導入以前に開設された口座も含む。残高1万円以上、同一名義で定期預金・投資信託・外貨預金・生命保険・国債などを1円以上保有、NISA口座開設、住宅ローン等の借入がある場合などは対象外
主要行の未利用口座管理手数料(2026年9月時点)

適用条件は金融機関ごとに異なりますので、必ず公式サイトで最新の内容をご確認ください。

さらに、知らないうちに口座がなくなるケースもあります。三菱UFJ銀行では、口座残高が未利用口座管理手数料の金額未満の場合、その残高をもって手数料の一部として引き落としたうえで口座を解約するとされています。三井住友信託銀行でも、残高が手数料額未満なら全額が引き落とされ、同口座は自動解約されます。

出典:三菱UFJ銀行「未利用口座管理手数料」

出典:三井住友銀行「デジタル未利用手数料についてのご説明」

出典:三井住友信託銀行「未利用口座管理手数料」

家族の休眠口座が見つかったときの相続・名義預金の注意点

古い通帳が見つかる典型的な場面は、実家の片付けです。名義が故人や自分以外の家族である場合、手続きは一段階複雑になります。

ここでは、相続手続きの流れと、親が子や孫の名義で作った口座を扱う際の確認点を整理します。

故人名義の口座は相続手続きで払い戻しを受ける

名義人が亡くなっている場合は、相続人が金融機関所定の相続手続きを経て払い戻しを受けます。まず金融機関に死亡の事実と口座の状況を伝え、必要書類を確認しましょう。

ここで押さえておきたいのが、休眠化と口座凍結の違いです。

状態原因対応先
休眠預金等10年間、異動がない取引のあった金融機関
未利用口座管理手数料の対象2年程度の未利用(各行の規定)取引のあった金融機関
死亡による口座凍結金融機関が死亡の事実を把握取引のあった金融機関(相続手続き)
休眠預金等・未利用口座管理手数料・死亡による口座凍結の違い

休眠化と口座凍結が重なっている場合は、相続手続きが優先されます。遺産分割の対象財産ですので、相続人が独断で引き出すことは避けてください。

相続の必要書類は遺言や遺産分割の状況で異なる

標準的に求められるのは、被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本一式、相続人全員の戸籍謄本と印鑑証明書、そして遺産分割協議書または金融機関所定の相続届です。

遺言書がある場合や、遺産分割調停を経ている場合は、必要書類が変わります。金融機関に状況を伝えたうえで、案内された書類をそろえましょう。

  1. 複数の金融機関で手続きするなら、法務局で交付を受けられる「法定相続情報一覧図の写し」が有効です。戸籍一式の束を何度も提出する手間が省け、同時並行で手続きを進められます。

出典:法務局「「法定相続情報証明制度」について」

親が作った子・孫名義の口座は資金の帰属も確認する

子や孫の名義で作られ、そのまま動いていない口座には、もうひとつ確認すべき論点があります。それが名義預金です。

名義預金とは、口座の名義人と実質的な所有者が異なる預金を指します。資金の出所、通帳などの管理状況、贈与の合意の有無などから、実質的に誰の財産かを確認します。子や孫名義であっても、亡くなった親や祖父母の財産と認められる場合は、相続税の課税対象になります。

長期間動きがないこと自体が、直ちに名義預金と判定される理由になるわけではありません。ただし、資金の帰属を確認する際には、次の点が実務上の判断材料になります。

名義預金かどうか判断する際のポイント

  1. 入金された資金の原資は誰のものか
  2. 通帳・印鑑・キャッシュカードを誰が保管していたか
  3. 名義人が口座の存在を認識し、自由に使える状態だったか
  4. 贈与の合意があり、その経緯を示せるか

これから贈与する場合は、双方の合意と資金移動の経緯を記録し、贈与後の資金を受贈者の財産として管理することが大切です。贈与契約書を作成したり、通帳の保管者を変えたりするだけで判断が決まるわけではありません。過去の入金分を含めて帰属が不明な場合は、税理士に確認しましょう。詳しい進め方は、こちらの記事も参考にしてみてください。

出典:国税庁「相続税の申告書作成時の誤りやすい事例集(被相続人以外の名義の財産(預貯金))」

出典:国税庁「No.4105 相続税がかかる財産」

相続手続きと税務判断は相談先を分ける

窓口を使い分けると、手続きはスムーズに進みます。役割が異なるためです。

金融機関での払い戻しや戸籍収集が中心であれば、司法書士や行政書士が適しています。複数の金融機関にまたがる場合や、相続人が多く戸籍収集が難しい場合は、専門家に任せる価値があるでしょう。

一方、名義預金に当たるかどうか、相続税の申告が必要かどうかという判断は、税理士の領域です。相続に強い税理士へ相談してください。

相続に関する相談相手の探し方は、こちらの記事でも詳しく解説しています。

休眠口座を防ぐための口座整理と管理方法

今回の手続きを機に、家計全体の口座構成を見直しておくと、同じことが繰り返されません。精神論ではなく、仕組みとして防ぐ発想が有効です。

ここでは、口座の整理や登録情報の更新、家族への情報共有など、資産を把握・管理するための方法を紹介します。

使う予定のない口座を整理し、管理できる数に絞る

使う目的が重複している口座や、今後利用する予定のない口座を整理し、自分で管理できる数に絞りましょう。例えば、生活費用、貯蓄用、予備用と役割を分ける方法があります。必要な口座数は、資産額や住宅ローン、事業の有無などによって異なるため、3つに限定する必要はありません。

役割分けの一例は、次のとおりです。

口座の分け方

  1. 生活費用口座:給与の受け取り、公共料金やカードの引き落としなど、日常のお金の出入りをまとめる
  2. 貯蓄・投資用口座:使う予定のないお金を分けて、貯める・増やす
  3. 予備口座:急な出費への備えや、メインの金融機関でシステム障害が起きたときの代わりにする

事業用口座や住宅ローンの返済口座など、分けて管理する必要があるものは残し、それぞれの役割と利用状況を確認できる状態にしておきましょう。

住所・氏名などの登録情報を更新する

通知が届けば、休眠化は避けられます。残高が1万円以上でも、金融機関に登録している住所が現住所と異なると通知が届かず、何もしなければ休眠預金になります。

引っ越しや結婚のたびに、すべての金融機関へ変更を届け出ているでしょうか。連絡先が古いまま残っている口座ほど、危険度は高いといえます。

メールアドレスも同様です。使わなくなったアドレスを登録したままにしないよう、あわせて確認してください。

出典:預金保険機構「長い間お取引のない預金(休眠預金)」

定期的に利用状況を確認し、必要に応じて入出金する

10年のカウントを止めるには、異動に該当する取引が必要です。利息の入金は異動に含まれず、記帳や残高照会の扱いは金融機関によって分かれます。

確実なのは、入金または出金を発生させる方法です。1,000円を入れて翌日に引き出すだけでも構いません。

家族が口座の存在を確認できる財産目録を残す

通帳のないネット銀行や証券口座は、家族が存在に気づけません。本人が把握している情報を、残しておく必要があります。

財産目録やエンディングノートに、金融機関名と口座の種類を書き出しておきましょう。暗証番号まで書く必要はなく、「どこに何があるか」が分かれば十分です。

エンディングノートの作り方や相続対策の進め方は、こちらの記事でも解説しています。

預金以外に眠っている資産もあわせて確認する

古い通帳が見つかった家庭では、預金以外の資産も眠っている可能性があります。いずれも休眠預金等活用法の対象外であり、それぞれ別の制度が適用されます。

資産放置したときの主なリスク
証券口座・上場株式管理手数料や取引制限のほか、通知が5年以上継続して到達せず、5年間続けて配当を受領していない場合、会社がその株式を競売または売却できる制度があります(会社法197条)。上場株式のように市場価格があるものは、法務省令で定める方法により算定した額で売却されます
配当金配当金領収証に記載された取扱期限を過ぎても、直ちに配当金を受け取る権利がなくなるとは限りません。未受領の配当金は、株主名簿管理人などへ受取方法と請求期限を確認しましょう。今後の受取漏れを防ぐには、証券口座で受け取る株式数比例配分方式などを検討できます
生命保険契約の存在が分からないまま請求漏れになります。親族の死亡時などには、生命保険協会の生命保険契約照会制度で調べられます
企業型確定拠出年金転職時に手続きを忘れると自動移換され、手数料が差し引かれ続けます
預金以外に眠りやすい資産と放置したときの主なリスク

生命保険契約照会制度の平時利用は、親族等が死亡した場合や、医師の診断により認知判断能力の低下が確認された場合などに、対象者の生命保険契約の有無を調べる制度です。利用料は調査対象者1名につき、WEB申請6,000円、書面申請7,000円(いずれも税込)です。単に契約内容を忘れた場合などに、誰でも利用できる制度ではない点に注意しましょう。

企業型確定拠出年金の自動移換については、こちらの記事も参考にしてみてください。

出典:e-Gov法令検索「会社法」(第197条)

出典:生命保険協会「生命保険契約照会制度のご案内」

出典:厚生労働省「離職・転職時等の年金資産の持ち運び(ポータビリティ)」

休眠口座から戻ったお金は、使う時期と目的に合わせて管理する

手続きが終わったら、次に考えるのは戻ったお金の置き場です。金額の大小よりも、いつ使う予定があるかで判断すると整理しやすくなります。

用途が決まっていない資金だからこそ、順序立てて考える価値があります。

近い将来の支出や生活予備費を優先する

運用を検討する前に、手元の流動性を確保しましょう。急な出費に備える資金は、すぐ引き出せる預金で持っておくのが基本です。

目安としては、生活費の3か月から6か月分がひとつの水準とされています。自営業の方や収入が変動しやすい方は、多めに確保する考え方もあります。

数年以内に使う予定のあるお金も、値動きのある商品には向きません。教育費や車の買い替え費用などは、預金や短期の安全資産で置いておきましょう。

生活防衛資金については、こちらの記事もあわせて参考にしてみてください。

当面使わない余裕資金は運用も検討する

生活予備費が足りているなら、余裕資金の運用を検討する選択肢が出てきます。代表的なのはNISAと個人向け国債です。

  1. NISAは運用益が非課税になる制度で、長期・積立・分散が基本原則とされています。まとまった資金を一度に投じる場合は、投資時期を分散させる方法も検討に値します。

元本割れを避けたい場合は、個人向け国債が選択肢になります。最低購入額は1万円で、3商品とも最低金利は年0.05%です。発行から1年が経過すれば、所定の中途換金調整額を差し引いたうえで中途換金できます。

NISAや個人向け国債については、こちらの記事でも解説しています。

この記事のまとめ

この記事では、休眠口座・休眠預金の仕組みから、長期間放置した場合の影響、復活・解約の進め方、相続や名義預金に関する注意点までを整理しました。また、預金だけでなく、証券口座や保険、企業型DCなど見落としやすい資産もあわせて確認することが重要です。古い通帳や使っていない口座が見つかったら、まず金融機関に状態を確認し、不要な口座は整理しましょう。資金の置き場や相続・贈与の判断に迷う場合は、専門家への相談も検討してください。

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柴田充輝

金融系ライター

厚生労働省や保険業界・不動産業界での勤務を通じて、社会保険や保険、不動産投資の実務を担当。FP1級と社会保険労務士資格を活かして、多くの家庭の家計見直しや資産運用に関するアドバイスを行っている。金融メディアを中心に、これまで1,000記事以上の執筆実績あり。

厚生労働省や保険業界・不動産業界での勤務を通じて、社会保険や保険、不動産投資の実務を担当。FP1級と社会保険労務士資格を活かして、多くの家庭の家計見直しや資産運用に関するアドバイスを行っている。金融メディアを中心に、これまで1,000記事以上の執筆実績あり。

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移管とは、保有している金融商品や資産を、ある金融機関から別の金融機関へ移すことを指します。たとえば、株式や投資信託をある証券会社から別の証券会社に移す場合や、確定拠出年金(iDeCo)を転職に伴って新しい管理機関に移す場合などが代表例です。 移管を行うことで、資産を売却することなく新しい口座へそのまま引き継ぐことができるため、課税を避けながら取引環境を変えることができます。資産運用の観点では、手数料の安い金融機関に移すことでコストを削減したり、より便利なサービスを利用したりする目的で活用されます。投資初心者にとっては、「自分の持っている株や投信を、売らずにそのまま別の口座へ移すこと」と理解するとわかりやすいでしょう。

外貨預金

外貨預金とは、日本円ではなく米ドルやユーロなどの外国の通貨で預ける預金のことをいいます。通常の預金と同じように銀行にお金を預ける形式ですが、外貨で運用されるため、為替レートの変動によって元本や利息の受取額が増えたり減ったりします。 たとえば、円安になると、外貨を円に戻したときの受取額が増える一方で、円高になると損をすることもあります。また、外貨預金は日本の預金保険制度の対象外であり、元本保証がない点にも注意が必要です。利率が高めに設定されていることが多く、円預金よりも高い利回りを狙える反面、為替リスクという特有のリスクを伴うため、初心者の方には慎重な検討が求められる商品です。

財形貯蓄

財形貯蓄とは、企業に勤めている人が、毎月のお給料から一定額を自動的に天引きして積み立てていく貯蓄制度のことです。会社を通じて契約するため、通常の銀行預金よりも手間がかからず、計画的にお金を貯めることができます。 主に「一般財形」「住宅財形」「年金財形」の3種類があり、それぞれ目的に応じて利用できます。特に住宅財形と年金財形では、一定の条件を満たせば利子に対する税金が非課税となる優遇措置があります。長期的な資金計画に役立ちやすく、将来の住宅購入や老後の生活に備えたい人に向いています。

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住宅財形貯蓄とは、会社に勤めている人が給与天引きによって積み立てを行い、そのお金を将来の住宅の取得やリフォームの資金に使えるようにする制度です。一定の条件を満たせば、元利合計で550万円までの利子が非課税になるという税制上の優遇があります。 財形貯蓄制度の一種であり、勤務先が制度を導入していれば、金融機関と連携して簡単に積み立てが始められます。使い道が住宅関連に限られるため、自由度はやや低いものの、目的が明確な方にとっては効率的な資金形成手段となります。途中解約をして住宅目的以外に使う場合は、非課税の扱いがなくなり、通常の課税が適用される点に注意が必要です。

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