給与から天引きされる持株会の掛金は節税になりますか?
給与から天引きされる持株会の掛金は節税になりますか?
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2026/01/29 12:16
男性
会社の制度として従業員持株会があり、給与から毎月一定額が自動的に天引きされています。給料から差し引かれているため、税金が安くなっているのではと思ったのですが、実際に所得税や住民税の節税効果があるのでしょうか?
回答
佐々木 辰
38歳
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
従業員持株会の拠出は、原則として所得税や住民税の節税にはなりません。給与から天引きされているため課税前に差し引かれているように見えますが、多くの場合、税金はすでに計算された後の金額から持株会の購入資金が振り替えられているだけです。そのため、iDeCoの掛金のように所得を減らす効果はありません。
給与の税額は、総支給額から社会保険料や各種控除を差し引いて計算され、その後に持株会の拠出額が引かれます。給与明細上も、持株会は所得控除ではなく積立やその他控除として処理されるのが一般的で、加入しても税額自体は基本的に変わりません。
会社から拠出額に上乗せされる奨励金がある場合は実質的なメリットになりますが、この奨励金も多くは給与と同様に課税対象です。株の配当や売却益に税金がかかる点も、持株会特有ではなく株式投資全般に共通するルールです。
持株会は節税を目的とした制度ではなく、奨励金や自動積立を活かして継続的に投資しやすくする仕組みです。一方で、勤務先と資産が同じ方向に偏る集中リスクもあります。税制面だけでなく、資産全体のバランスや将来の売却・移管のしやすさまで含めて判断することが重要です。
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関連する専門用語
持株会
持株会とは、企業の従業員が自社の株式を計画的に購入し、長期的に保有することを目的とした制度です。多くの企業が従業員の資産形成を支援するために導入しており、給与天引きで少額から積立投資が可能です。通常、企業は奨励金を支給することで従業員の購入を促し、株式の安定的な保有を図ります。従業員にとっては、奨励金によるリターンの向上や、長期的な株価上昇の恩恵を受ける機会がある一方、株価下落のリスクも伴います。また、企業側にとっては従業員の経営参画意識を高めるメリットがあります。持株会の制度は企業ごとに異なり、加入条件や奨励金の有無、売却の制限などが定められています。長期的な資産形成の一環として活用されることが多く、日本企業では広く普及している制度の一つです。
所得税
所得税は、個人が1年間に得た所得に対して課される税金です。給与所得や事業所得、不動産所得、投資による利益などが対象となります。日本では累進課税制度が採用されており、所得が高いほど税率が上がります。給与所得者は源泉徴収により毎月の給与から所得税が差し引かれ、年末調整や確定申告で精算されます。控除制度もあり、基礎控除や扶養控除、医療費控除などを活用することで課税所得を減らし、税負担を軽減できます。
所得控除
所得控除とは、個人の所得にかかる税金を計算する際に、特定の支出や条件に基づいて課税対象となる所得額を減らす仕組みである。日本では、医療費控除や生命保険料控除、扶養控除などがあり、納税者の生活状況に応じて税負担を軽減する役割を果たす。これにより、所得が同じでも控除を活用することで実際の税額が変わることがある。控除額が大きいほど課税所得が減少し、納税者の手取り額が増えるため、適切な活用が重要である。
iDeCo(イデコ/個人型確定拠出年金)
iDeCo(イデコ)とは、個人型確定拠出年金の愛称で、老後の資金を作るための私的年金制度です。20歳以上65歳未満の人が加入でき、掛け金は65歳まで拠出可能。60歳まで原則引き出せません。 加入者は毎月の掛け金を決めて積み立て、選んだ金融商品で長期運用し、60歳以降に年金または一時金として受け取ります。加入には金融機関選択、口座開設、申込書類提出などの手続きが必要です。 投資信託や定期預金、生命保険などの金融商品で運用し、税制優遇を受けられます。積立時は掛金が全額所得控除の対象となり、運用時は運用益が非課税、受取時も一定額が非課税になるなどのメリットがあります。 一方で、証券口座と異なり各種手数料がかかること、途中引き出しが原則できない、というデメリットもあります。
奨励金
奨励金とは、一定の行動を促すために、企業や金融機関などが利用者に支給する報奨金のことです。資産運用の分野では、新しく証券口座を開設したり、ある金額以上の投資を行ったりした際に、証券会社などがキャンペーンの一環として現金やポイント、手数料の割引といった形で奨励金を支払うことがあります。これにより、投資を始めやすくしたり、取引を継続しやすくする効果が期待されています。 また、企業が従業員向けに設けている「従業員持株会」でも、奨励金はよく使われています。持株会では、社員が自社の株式を毎月一定額ずつ積み立てて購入できる仕組みがありますが、その際に会社が購入額の一定割合(たとえば5%や10%など)を上乗せして奨励金として支給することがあります。これは、従業員の資産形成を支援すると同時に、会社と社員の利益を一致させ、企業価値向上への意識を高める狙いがあります。 ただし、奨励金には適用条件や制限があることが一般的です。たとえば一定期間の保有が必要だったり、途中解約では奨励金が無効になるケースもあります。そのため、奨励金の内容だけに注目するのではなく、制度全体のメリットやリスクを理解した上で活用することが大切です。




