個別株でほったらかし投資をしても問題ないでしょうか?
個別株でほったらかし投資をしても問題ないでしょうか?
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2025/12/24 09:59
男性
40代
個別株でも、投資信託のように「ほったらかし」で持ち続けても大丈夫なのかが気になっています。株ごとの値動きやリスクの違いもよく分からず、どれくらい放置しても問題ないのか判断できません。気をつけるポイントがあれば教えてほしいです。
回答
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
個別株は、投資信託と同じ感覚で完全にほったらかしにすることは基本的に推奨できません。理由は、1社の業績悪化や不祥事、業界の変化といった個別リスクの影響を強く受け、最悪の場合は上場廃止や大幅下落につながる可能性があるためです。分散された投資信託と異なり、個別株はその会社に集中している点が最大の違いになります。
どれくらい放置できるかは一律ではなく、購入時に設定した「その株を買った理由」が今も妥当かどうかで判断します。安定成長が見込める企業を配当目的で長期保有したい場合は、四半期決算や配当方針の確認を前提にした緩やかな放置は可能です。一方、成長株やテーマ株を理由なく放置すると、想定外の下落リスクにさらされることがあります。
そのため、個別株を持つ場合は、購入理由と売却基準を事前にメモしておき、決算ごとに業績や見通しを確認し、減配や赤字転落など前提を覆すサインが出たら早めに対応する姿勢が重要です。個別株の長期保有は「完全放置」ではなく、「定期的に状態を確認しながら続ける投資」と理解することが安全につながります。
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個別株
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分散投資とは、資産を安全に増やすための代表的な方法で、株式や債券、不動産、コモディティ(原油や金など)、さらには地域や業種など、複数の異なる投資先に資金を分けて投資する戦略です。 例えば、特定の国の株式市場が大きく下落した場合でも、債券や他の地域の資産が値上がりする可能性があれば、全体としての損失を軽減できます。このように、資金を一カ所に集中させるよりも値動きの影響が分散されるため、長期的にはより安定したリターンが期待できます。 ただし、あらゆるリスクが消えるわけではなく、世界全体の経済状況が悪化すれば同時に下落するケースもあるため、投資を行う際は目標や投資期間、リスク許容度を考慮したうえで、計画的に実行することが大切です。
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上場廃止とは、証券取引所で売買できた株式が市場から外れ、公開の場で取引できなくなることです。原因は二つに分かれます。自主的上場廃止は、経営陣がTOBやMBOで株式を買い集め、非公開化して経営の自由度を高めたい場合などに選択されます。一方、強制的上場廃止は、連続債務超過や時価総額・株主数の基準割れ、有価証券報告書の虚偽記載など、取引所ルールに違反したときに適用されます。 廃止決定後は通常約1か月「整理銘柄」に指定され、その間のみ売買が可能ですが値幅制限が厳しく、流動性も低下します。廃止日を過ぎると市場での売却はできず、TOBによる買い取りや店頭での相対取引が主な出口となるため、希望価格で現金化しにくくなります。株価は発表直後に急変動しやすいので、整理ポスト入りしたら取引期限、TOB価格、スクイーズアウト(少数株主の強制売却)の有無を早めに確認し、対処方針を固めることが重要です。確定した損失は譲渡損として申告し、税金を軽減できる場合もあるため、税務上の取り扱いも併せてチェックしましょう。
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