「NISAで個別株を買うのはやめとけ」という意見を目にしましたが、本当に避けたほうがよいでしょうか。
「NISAで個別株を買うのはやめとけ」という意見を目にしましたが、本当に避けたほうがよいでしょうか。
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2026/02/24 13:44
男性
NISAで個別株を買うべきか迷っています。「やめとけ」と言われる理由が、値動きの大きさや分散不足、銘柄選びの難しさなどにあるのか知りたいです。投資信託との違いも踏まえ、初心者が避けるべきケースと検討してよい条件、注意点を教えてください。
回答
佐々木 辰
38歳
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
ご質問の核心は、「個別株が難しいのかどうか」だけではありません。NISAという制度が中長期保有を前提に設計されている中で、個別株という選択が本当に自分に合っているのかに迷いがあるのだと思います。その前提を踏まえて、順番に整理してみましょう。
まず、個別株が「やめとけ」と言われる理由です。これは個別株そのものが悪いというより、運用の難易度が高いことにあります。個別株は一社に集中する投資です。業績の変化や外部環境の影響を直接受けるため、値動きは大きくなります。価格が大きく動くと、冷静な判断を保つのが難しくなることもあります。
また、個別株は「買って終わり」ではありません。決算や事業の状況を定期的に確認し、保有を続けるかどうかを判断し続ける必要があります。この継続的な判断が、思っている以上に負担になることがあります。
ここにNISAの制度設計が重なります。新NISAは恒久非課税で、明らかに中長期で資産を育てることを想定しています。頻繁な売買を前提とした制度ではありません。さらに、売却しても非課税枠は戻らず、損益通算もできません。限られた非課税枠をどの資産に使うかは、資産全体の設計の問題になります。
インデックス型の投資信託は「経済全体の成長に乗る」という構造なので、中長期保有との相性は自然に良くなります。一方で個別株は、「その企業が長期で成長し続ける」という前提に立ちます。長期で持つ覚悟があるか、途中の下落に耐えられるか、分析を続けられるか。この点が問われます。
初心者の方が慎重になった方がよいのは、まだ分散投資の土台ができていない場合や、値動きへの不安が強い場合です。その段階で非課税枠を一銘柄に集中させるのは、制度の思想ともややズレやすいといえます。
一方で、すでに投資信託などで資産形成の基盤があり、個別株を資産の一部にとどめられるのであれば、NISAで長期保有する選択が不合理というわけではありません。むしろ、長期で持てる企業を選べるのであれば、非課税のメリットは大きくなります。
結局のところ、「個別株かどうか」よりも大切なのは、「長期で持ち続けられる設計になっているか」です。迷いがあるうちは、まずは分散投資で土台を固め、その上で少額から個別株を取り入れるという順序が、無理のない選択になるでしょう。
焦って決める必要はありません。制度に合わせるというより、ご自身の段階に合わせることが大切です。
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分散投資
分散投資とは、資産を安全に増やすための代表的な方法で、株式や債券、不動産、コモディティ(原油や金など)、さらには地域や業種など、複数の異なる投資先に資金を分けて投資する戦略です。 例えば、特定の国の株式市場が大きく下落した場合でも、債券や他の地域の資産が値上がりする可能性があれば、全体としての損失を軽減できます。このように、資金を一カ所に集中させるよりも値動きの影響が分散されるため、長期的にはより安定したリターンが期待できます。 ただし、あらゆるリスクが消えるわけではなく、世界全体の経済状況が悪化すれば同時に下落するケースもあるため、投資を行う際は目標や投資期間、リスク許容度を考慮したうえで、計画的に実行することが大切です。
損益通算
投資で発生した利益と損失を相殺することで、課税対象となる利益を減らす仕組みのことです。たとえば、株式投資で50万円の利益が出た一方、別の取引で30万円の損失が発生した場合、損益通算を行うことで、課税対象となる利益は50万円から30万円を引いた20万円になります。この仕組みにより、納める税金を減らすことが可能です。 損益通算が適用されるのは、同じ「所得区分」の中でのみです。たとえば、株式や投資信託の譲渡損益や配当金などは「株式等の譲渡所得等」に分類され、この範囲内で損益通算が可能です。ただし、不動産所得や給与所得など、異なる所得区分間では基本的に通算できません。 さらに、株式投資の損失は、損益通算後も控除しきれない場合、翌年以降最長3年間繰り越して他の利益と相殺できます。これを「繰越控除」と呼び、投資初心者にとっても節税に役立つ重要なポイントです。
年間投資枠
年間投資枠とは、つみたてNISAや一般NISAなど非課税制度を利用する際に、その年に非課税で投資できる上限金額を指します。たとえば2024年から始まった新しいNISA制度では、「成長投資枠」で最大240万円、「つみたて投資枠」で最大120万円という年間上限が設定されています。この枠内で購入した投資信託や株式の売却益・配当金は、制度が定める期間中、課税を受けません。 年間投資枠は翌年に繰り越せないため、未使用分は消滅しますが、使い切った場合でも翌年には新たな枠が自動的に付与されます。資産形成を効率化するには、自分の資金計画やリスク許容度に合わせて年間投資枠を無理なく活用し、長期的な非課税メリットと複利効果を最大化することが大切です。
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