自動移換状態にされてしまった確定拠出年金は運用再開できますか?
自動移換状態にされてしまった確定拠出年金は運用再開できますか?
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2025/01/24 23:39
男性
30代
転職後に企業型DCの手続きを忘れてしまい、資産が自動移換状態になっている可能性があります。この場合、再度運用を開始するにはどのような手順を踏めば良いでしょうか?具体的な流れや必要な書類について教えてください。また、運用が停止していた期間の資産への影響も気になります。
回答
佐々木 辰
38歳
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
企業型DCの資産が自動移換(国民年金基金連合会の特定管理口座)に入った場合は、できるだけ早く手続きを進めて運用を再開することが重要です。自動移換の状態を放置しても資産は増えず、時間とともに不利が積み重なっていきます。
まず最初に行うべきなのは、資産の管理先と加入者番号の確認です。退職後に届く「自動移換のお知らせ」や、JIS&Tからの通知書類に管理機関名と加入者番号が記載されています。これらの書類が手元に見当たらない場合でも、JIS&Tに電話連絡をすれば、氏名と生年月日を伝えることで照会が可能です。ここで情報を正確に把握できるかどうかが、その後の手続きを円滑に進める前提になります。
次に、iDeCo口座を開設します。希望する金融機関に対して加入申込書(第2号様式)を請求し、必要事項を記入して提出します。この際、個人番号の確認書類を添付する必要があります。また、在職中で第2号被保険者に該当する場合は、事業主証明書の提出も求められます。申込書を提出してから実際に口座が開設されるまでには、通常1〜2か月程度かかります。
iDeCo口座が開設されたら、自動移換されている資産を移すための申請を行います。金融機関から送付される資産移換依頼書(第4号様式)に、自動移換番号など必要事項を記入し、提出します。この手続きが完了すると、通常2〜3か月程度で特定管理口座にある資産がiDeCo口座へ振り替えられます。
資産がiDeCo口座に移された後は、運用商品の配分を必ず指定します。自動移換されていた資産は、振替後も一旦は定期預金の状態になっているため、何も指示をしなければ運用は再開されません。自分の運用方針に応じて、投資信託などへの配分変更やスイッチングを行い、初めて本来の運用が始まります。
自動移換期間中には、見過ごしがちな大きなデメリットがあります。資産は国民年金基金連合会の特定管理口座で、ほぼ金利ゼロの定期預金として保管されるため、市場で得られたはずの運用リターンを完全に失うことになります。仮に年4%で運用できる環境であれば、100万円を1年間放置するだけで約4万円の機会損失が生じます。
さらに、この期間中も管理手数料が発生します。国民年金基金連合会や事務委託先に支払われる年1,700円超の手数料が、運用をしていないにもかかわらず資産から自動的に差し引かれます。その結果、増えないどころか元本が目減りする状態が続いてしまいます。
このような状態を長く放置すると、本来複利効果が働くはずの時間が失われ、老後資金の最終的な金額に大きな差が生じかねません。増えず、減り続け、後から手続きをするほど煩雑になるという状況を避けるためにも、管理先を速やかに特定し、iDeCoへ移換して運用を再開することが不可欠です
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企業型確定拠出年金 (企業型DC)
「企業型確定拠出年金(企業型DC:Corporate Defined Contribution Plan)」とは、企業が従業員のために設ける年金制度の一つです。企業が毎月一定額の掛金を拠出し、そのお金を従業員が自分で運用します。運用商品には、投資信託や定期預金などがあり、選び方によって将来の受取額が変わります。 この制度は、老後資金を準備するためのもので、掛金の拠出時に税制優遇があるというメリットがあります。ただし、運用によっては資産が増えることもあれば、減ることもあります。また、個人型確定拠出年金(iDeCo:Individual Defined Contribution Plan)と異なり、掛金は企業が負担します。企業にとっては福利厚生の一環となり、従業員の定着にも役立つ制度です。
iDeCo(イデコ/個人型確定拠出年金)
iDeCo(イデコ)とは、個人型確定拠出年金の愛称で、老後の資金を作るための私的年金制度です。20歳以上65歳未満の人が加入でき、掛け金は65歳まで拠出可能。60歳まで原則引き出せません。 加入者は毎月の掛け金を決めて積み立て、選んだ金融商品で長期運用し、60歳以降に年金または一時金として受け取ります。加入には金融機関選択、口座開設、申込書類提出などの手続きが必要です。 投資信託や定期預金、生命保険などの金融商品で運用し、税制優遇を受けられます。積立時は掛金が全額所得控除の対象となり、運用時は運用益が非課税、受取時も一定額が非課税になるなどのメリットがあります。 一方で、証券口座と異なり各種手数料がかかること、途中引き出しが原則できない、というデメリットもあります。
国民年金基金連合会
国民年金基金連合会は、国民年金法に基づき設立された公的な年金制度であり、国民年金(老齢基礎年金)に上乗せして、自営業者など国民年金の第1号被保険者の老後の所得保障の役割を担うものです。 国民年金基金連合会は、転居や転職により基金の加入員資格を喪失した中途脱退者に対して、年金や遺族一時金の支給を行っています。また、平成14年からは確定拠出年金の個人型年金の実施主体として、規約の作成や掛け金の収納業務なども行っています。 退職等により加入していた企業型DCを脱退し、6ヶ月以上移管の手続きを行わなかった場合、国民年金基金連合会に自動的に移管されます。その場合、現金で保管されるため追加の積立や運用指図を行うことができず、さらに移管時と保管時に手数料がかかります。
JIS&T(ジス・アンド・ティ)
JIS&Tとは、「日本インベスター・ソリューション・アンド・テクノロジー株式会社」の略称で、確定拠出年金(企業型DCやiDeCo)に関する運営管理業務を専門に行っている会社です。この会社は、加入者の資産情報の管理や、運用商品に関する情報提供、Webサイトやコールセンターでのサポートなどを担当しており、利用者が安心して年金運用を行えるよう支援しています。多くの企業型DC制度で採用されているため、加入者にとっては日常的に目にする存在です。年金制度の裏側で、円滑な資産運用を支える重要な役割を果たしています。
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