日本や米国で代表的な高配当株にはどのような銘柄がありますか?
日本や米国で代表的な高配当株にはどのような銘柄がありますか?
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2025/10/27 09:46
男性
30代
高配当株投資に興味があります。安定した配当を長期的に受け取りたいと考えていますが、日本や米国ではどのような銘柄が代表的でしょうか。業種や特徴の違いも踏まえて、初心者にもわかりやすく教えてください。
回答
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
高配当株投資で重要なのは、配当利回りの高さよりも、その配当を安定的に維持できる企業かどうかです。長期的に配当を受け取り続けるには、安定したキャッシュフローを生み出し、減配リスクが低い企業を選ぶことが不可欠です。表面上の利回りが高くても、業績悪化で減配すればトータルリターンは下がるため、配当性向や財務体質、事業の安定性を確認することが大切です。
日本では、通信・生活必需品・商社・エネルギー・インフラ関連などが高配当株の代表です。通信ではKDDIやNTTが典型で、景気に左右されにくく、自社株買いも含めた安定還元が続いています。生活必需品ではJT(日本たばこ産業)が海外収益に支えられた安定配当で知られています。商社は資源市況に影響を受ける反面、円安や資源高の局面では配当余力が高まりやすい特徴があります。電力・ガスやJ-REITは安定性はあるものの、金利上昇や政策変更で収益が変動するため注意が必要です。
米国では、長年の「連続増配企業」に注目するのが基本です。生活必需品のコカ・コーラやP&G、ヘルスケアのジョンソン&ジョンソン、公益事業のネクステラ・エナジーなどが代表格です。これらの企業は景気後退でも一定の需要があり、長期にわたり増配を続けています。エネルギー大手のエクソンモービルやシェブロンも高配当で知られますが、原油価格の影響を受けやすい点には留意が必要です。
初心者には、個別株よりも高配当ETFの利用が向いています。日本では「日経高配当株50連動ETF」、米国では「VYM」「HDV」「SCHD」などが有名で、複数銘柄に分散しながら高配当ポートフォリオを作れます。これにより、特定企業の減配リスクを抑えつつ、安定した配当を受け取りやすくなります。
配当の持続性を確認する際は、配当性向が50〜70%程度か、フリーキャッシュフローが安定しているかを見ます。また、有利子負債の水準が高すぎないかも重要です。過去の増配履歴や自社株買いの方針をチェックすると、株主還元への姿勢がより明確に分かります。
日本居住者が米国株に投資する場合は、為替と税金にも注意が必要です。米国で源泉徴収された税金は外国税額控除で調整できますが、為替変動によって円換算の配当額が増減します。円安時には有利でも、円高に振れると配当が目減りするため、為替リスクを理解したうえで長期運用を考えることが大切です。
最後に、高配当株は金利上昇局面や景気悪化時に株価が下がりやすい傾向があります。景気の波に強い通信・生活必需品・ヘルスケアなどを中心に据え、ETFで分散しつつ、定期的に業績や配当性向を点検することが、長期で安定した配当収入を得るための王道です。
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高配当株
高配当株とは、企業が株主に支払う配当金の利回りが相対的に高い株式のことを指します。一般的に、配当利回り(1株当たりの年間配当金 ÷ 株価)が高い銘柄が高配当株とされ、安定したキャッシュフローを求める投資家に人気があります。特に、金融、エネルギー、インフラ関連など、景気の影響を受けにくい業種に多い傾向があります。 高配当株への投資は、定期的なインカムゲイン(配当収入)を得ることができるため、長期投資や老後資産形成にも適しています。ただし、企業の業績悪化や減配リスク、株価下落の可能性にも注意が必要です。配当だけでなく、企業の財務健全性や成長性を考慮しながら投資判断を行うことが重要です。
配当利回り
配当利回りは、株式を1株保有したときに1年間で受け取れる配当金が株価の何%に当たるかを示す指標です。計算式は「年間配当金÷株価×100」で、株価1,000円・配当40円なら4%になります。 指標には、実際に支払われた金額で計算する実績利回りと、会社予想やアナリスト予想を用いる予想利回りの2種類があります。株価が下がれば利回りは見かけ上上昇するため、高利回りが必ずしも割安や安全を意味するわけではありません。 安定配当の見極めには、配当性向が30~50%程度であること、フリーキャッシュフローに余裕があることが重要です。また、権利付き最終日の翌営業日には理論上配当金相当分だけ株価が下がる「配当落ち」が起こります。 日本株の配当は通常20.315%課税されますが、新NISA口座内で受け取る配当は非課税です。配当利回りは預金金利や債券利回りと比較でき、インカム収益を重視する長期投資家が銘柄や高配当ETFを選ぶ際の判断材料となります。
配当性向
配当性向とは、会社がその期に稼いだ税引後の利益、つまり当期純利益のうち、どれくらいを株主への配当金として支払ったかを示す割合です。投資家にとっては、企業が利益をどの程度還元してくれるのかを知る目安になります。 計算方法は、1株当たりの配当額を1株当たりの当期純利益で割って求められます。たとえば、配当性向が50%であれば、会社が利益の半分を配当として出しているということになります。配当を重視する投資家にとっては重要な指標であり、企業の利益配分方針を理解するために役立ちます。
フリーキャッシュフロー
フリーキャッシュフローとは、企業が事業活動を通じて得た現金のうち、設備投資などの支出を差し引いた後に、自由に使えるお金のことを指します。 たとえば、売上から得た資金で商品の仕入れや社員の給料を払い、さらに機械や建物への投資を行った後に手元に残る現金がフリーキャッシュフローです。この金額が多ければ、企業は株主への配当や借金の返済、新たな投資など、柔軟に資金を活用できる状態にあると言えます。投資家にとっては、企業の実質的な資金力や成長余力を測る重要な指標となります。
自社株買い
自社株買いとは、企業が市場に出回っている自社の株式を自ら買い戻すことを指します。この行為は、企業が余剰資金を使って株主への利益還元を図る方法のひとつであり、株価の下支えや上昇を促す目的でも行われます。自社株を買い戻すことで市場に出回る株式の数が減少し、1株あたりの利益(EPS)が相対的に高まるため、投資家にとっては企業の価値向上のサインと受け取られることもあります。 また、買い戻した株式は「自己株式」として保有するか、将来的に消却(完全に廃止)されることが多く、それによって株式の希少性が高まるという効果もあります。自社株買いは、配当と並ぶ株主還元策として注目される一方で、その実施の背景やタイミングには注意が必要です。
為替リスク
為替リスクとは、異なる通貨間での為替レートの変動により、外貨建て資産の価値が変動し、損失が生じる可能性のあるリスクを指します。 たとえば、日本円で生活している投資家が米ドル建ての株式や債券に投資した場合、最終的なリターンは円とドルの為替レートに大きく左右されます。仮に投資先の価格が変わらなくても、円高が進むと、日本円に換算した際の資産価値が目減りしてしまうことがあります。反対に、円安が進めば、為替差益によって収益が増える場合もあります。 為替リスクは、外国株式、外貨建て債券、海外不動産、グローバルファンドなど、外貨に関わるすべての資産に存在する基本的なリスクです。 対策としては、為替ヘッジ付きの商品を選ぶ、複数の通貨や地域に分散して投資する、長期的な視点で資産を保有するなどの方法があります。海外資産に投資する際は、リターンだけでなく、為替リスクの存在も十分に理解しておくことが大切です。






