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家族信託を利用した人が、実際に後悔しがちなポイントはどこにあるのでしょうか?

家族信託を利用した人が、実際に後悔しがちなポイントはどこにあるのでしょうか?

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2025/09/22 09:25

相続
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男性

50代

question

高齢の親がおり、家族信託を検討しています。専門家の方に伺いたいのですが、家族信託を利用した人が実際に後悔するのはどのような点がありますか?具体的にどんな点に注意すべきかを知りたいです。


回答

佐々木 辰

株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長

結論から言うと、家族信託で後悔しやすいのは「設計ミス」と「運用体制の弱さ」です。目的に合わない内容になっていたり、受託者や家族との関係が悪化したり、思ったように税務や実務が進まないケースが多く見られます。

まず多いのは、目的と内容のズレです。認知症対策、相続対策、事業承継など、何を優先したいのかが曖昧なまま信託を組むと、思った効果が出ず「やらなければよかった」と感じやすくなります。

次に、受託者選びです。「信頼できるから」と家族の一人を任せたものの、事務処理が負担になり、報告不足や意思疎通の不足で不信感が生まれることがあります。監督人を置かずに運用すると、受託者が孤立しやすくトラブルの火種になります。

また、実務面でも壁があります。不動産の売却や融資、信託口口座の開設など、金融機関や役所での対応に差があり、手続きがスムーズにいかないことも少なくありません。税務面でも「節税になる」と思い込んで始めたが、贈与税や相続税でむしろ負担が増えるケースもあります。

さらに、費用の見込み違いも後悔につながります。初期の設計や登記費用だけでなく、帳簿作成や税務申告といった継続コストも発生するため、トータルで高額になることがあります。

最後に、家族全員の合意が不十分なまま進めると、遺産分割や生活費の使い方を巡って不満が出やすいです。終了や清算のルールを決めていないと、信託が終わらせられずに揉めることもあります。

これらを防ぐには、目的を明確にし、受託者や監督人を適切に配置し、税務や実務の影響を事前に確認することが大切です。遺言や任意後見制度、保険などと組み合わせ、全体設計の中で家族信託を位置づけると、後悔を減らせます。

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贈与税家族信託遺言相続リスク管理

関連する専門用語

家族信託

家族信託とは、ご自身の財産を信頼できる家族に託し、その管理や運用を契約で定めた目的に沿って行ってもらう仕組みです。委託者さまは公正証書で信託契約を締結し、現金や不動産、株式などを信託財産として受託者名義に移転します。これにより、たとえ将来認知症を発症されても資産が凍結されず、受益者さまへ生活費や医療費を継続して届けられる点が大きなメリットです。相続発生後は受益権そのものが相続対象となるため、遺産分割協議を簡素化できる効果も期待できます。 もっとも、家族信託には手続きと費用が伴います。不動産を組み入れる場合は信託登記が必要となり、登録免許税や司法書士報酬、公証人手数料が発生いたします。また、受託者さまは信託口座の開設、収支報告書の作成、信託財産とご自身の財産の分別管理など、煩雑な事務を担う義務があります。税務面では契約締結時に贈与税が課税されることは原則ございませんが、信託財産を売却した際の譲渡所得税や信託終了時の相続税は避けられません。そのため、成年後見制度や遺言信託と比較しながら、費用対効果や家族の負担を総合的に検討することが大切です。

受託者

受託者とは、信託契約に基づいて、委託者から託された財産を管理・運用する人や法人のことを指します。信託の目的や契約内容に従い、受益者の利益を最優先に考えて資産を扱う責任があり、この責任は「受託者責任」と呼ばれます。受託者には、高い倫理観と専門的な知識が求められるのが特徴です。 たとえば、親が子どもの将来の教育資金として自分の資産を信託した場合、受託者はその資産を信託の目的に沿って安全かつ効果的に管理・運用する義務を負います。自分の資産とは明確に分けて管理する「分別管理義務」もあり、不適切な流用は許されません。 信託において受託者は、実際に財産を動かす実務の中心的な役割を担うため、信頼関係が非常に重要です。誰を受託者に選ぶかは、信託設計の成否を左右する大きなポイントであり、専門家や信託会社の活用も選択肢となります。

受益者(受取人)

資産運用における受益者(受取人)とは、保険、信託、年金、投資信託、相続などの金融資産から利益を受け取る権利を持つ人を指します。各金融商品や制度において、受益者の役割や権利は異なりますが、共通して資産の管理や運用を経て利益を受ける立場にあります。 生命保険では、契約者が指定した受取人が、被保険者の死亡時に保険金を受け取ります。受取人には第一受取人と第二受取人があり、状況に応じて保険金の支払いが行われます。年金においては、企業年金や個人年金の給付を受け取る人が該当し、遺族年金のように家族が受給者となるケースもあります。 信託では、委託者が資産を信託し、受託者が管理・運用した収益を受益者が受け取ります。信託の形態によって、個人向けや法人向けの受益者が存在し、特定の目的に応じた資産運用が可能となります。投資信託では、ファンドに出資した投資家が受益者となり、分配金や運用益を得ます。特にETFなどの上場投資信託では、受益者が市場で自由に取引できる点が特徴です。 相続においては、遺言や法定相続によって故人の資産を受け取る人が受益者とされます。特定の受益者を指定することで、資産の分配を意図的に調整することが可能になります。また、公共の福祉制度においても、社会保障や奨学金の支給対象者が受益者に該当します。 受益者の適切な指定は、資産の円滑な継承や税務対策において重要であり、状況の変化に応じた定期的な見直しが推奨されます。特に、家族構成の変化や法改正の影響を考慮し、適切な受益者設定を行うことが、資産運用を成功させる鍵となります。

任意後見

任意後見とは、自分の判断能力が低下する将来に備えて、あらかじめ信頼できる人を後見人として選び、公正証書で契約を結んでおく制度のことをいいます。これは「元気なうち」に本人の意思で準備できる後見制度であり、判断能力が実際に低下したときに、家庭裁判所の監督のもとで任意後見人が正式に活動を開始します。 任意後見人は、本人の財産管理や生活支援などを本人の希望に沿って行うことができるため、自分らしい生活を維持するための手段として注目されています。法定後見と違い、自分で「誰に、何を任せるか」を決めておける点が特徴です。高齢化や認知症のリスクが高まる中で、資産や生活の管理を将来にわたって安心して託すための、重要な準備の一つです。初心者にとっても、「自分の老後を自分で選ぶ」ための有効な制度として知っておく価値があります。

信託口口座

信託口口座とは、金融機関が顧客から預かった資産を、自己の資産とは区別して管理・保管するために設ける特別な口座のことです。この口座は主に証券会社などが利用しており、顧客が保有する株式や投資信託、現金などを預かる際に、会社の資産と混同されることがないように「信託口」という名義で分別管理されます。 たとえば、証券会社が経営破綻した場合でも、信託口口座に保管されている顧客資産は会社の財産とは別物として扱われるため、原則として返還される仕組みです。資産運用においては、投資家の資産を保全するための重要な制度であり、信頼性の高い運用環境を支える基盤の一つとなっています。

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