家の解体費用の相場を教えてください
家の解体費用の相場を教えてください
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2025/09/25 08:50
男性
50代
家の解体を検討していますが、実際にかかる費用の相場がどの程度なのかよく分かりません。解体費用は建物の構造や広さ、立地条件によっても変わると聞きましたが、具体的にどのような要素で費用が決まるのか、また一般的にいくらくらいを見込んでおくべきなのか教えて下さい。
回答
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
家の解体費用は、建物の構造や広さ、立地条件によって大きく変わります。一般的な相場は、木造で坪3〜5万円、鉄骨造で坪3.5〜8万円、鉄筋コンクリート造で坪6〜15万円程度です。例えば30坪の木造住宅ならおおよそ90〜150万円、鉄骨造なら105〜240万円、鉄筋コンクリート造なら180〜450万円が目安となります。
費用を左右する要素は、建物の延床面積や構造だけでなく、前面道路の幅や重機の搬入可否、都市部か郊外かといった立地条件、さらに解体方法が機械主体か手作業を含むかによっても変動します。また、本体の解体費用に加えて、ブロック塀や庭木、物置といった付帯物の撤去、足場や防音シートなどの仮設工事、廃材の分別・処分費用が加算される点も押さえておく必要があります。
特に注意が必要なのはアスベストです。2023年10月以降、建物の規模にかかわらず有資格者による事前調査が義務化されています。除去費用は吹付材などのレベル1で1.5万〜8.5万円/㎡、断熱材等のレベル2で1万〜6万円/㎡、スレート材などのレベル3で3千〜1万円/㎡程度とされ、面積や養生方法によって総額は大きく変わります。
補助金制度を利用できる場合もあります。多くの自治体で老朽化した空き家の解体に対する補助金を設けており、上限は50〜100万円程度、工事費の1/3〜1/2を負担するケースが一般的です。一方で税制面では注意が必要で、住宅が建っている土地には住宅用地の特例が適用され、固定資産税や都市計画税が大幅に軽減されています。解体して更地になるとこの特例が外れ、税負担が増える可能性があるため、解体の時期は税金との兼ね合いを考える必要があります。
実際に解体を進める際には、必ず複数社から現地見積りを取り、内訳や数量根拠を比較することが重要です。アスベスト調査や廃材処分の適正性、近隣への配慮計画を確認し、狭小地など条件による割高リスクも把握しておきましょう。また、解体後は滅失登記を行う必要があるため、土地活用や売却、新築計画もあわせて検討することが望まれます。
結論としては、解体費用は木造30坪で100万円前後から、鉄筋コンクリート造では300万円を超えるケースもあり、付帯工事やアスベストの有無によってさらに数十万円単位で変わります。相場の目安を押さえたうえで、補助金や税制の影響を確認し、複数の見積りを比較することが失敗を防ぐ最も確実な方法です。
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