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再建築不可物件とはどのような物件ですか?また調べ方やリフォーム・売却時の注意点はありますか?

再建築不可物件とはどのような物件ですか?また調べ方やリフォーム・売却時の注意点はありますか?

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2025/09/25 08:50


男性

50代

question

親から相続した家が「再建築不可物件」に該当する可能性があると聞きましたが、正直どういう物件なのかよく分かっていません。自分で調べる方法や、将来リフォームしたり売却したりする際になにか制約や注意点があるのでしょうか?


回答

佐々木 辰

株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長

「再建築不可物件」とは、建築基準法の接道要件(原則として幅員4m以上の道路に2m以上接していること)を満たしておらず、原則として建て替えができない土地に建つ建物のことを指します。建物の内装リフォームは可能ですが、増築や建替えは認められないケースが多く、購入・売却・相続・解体などの場面で注意を要します。

このような物件が生まれる背景としては、敷地が法律上の道路に接していない、または道路幅員が4m未満で規定に合わないなどが挙げられます。「既存不適格」と呼ばれる建物と似ていますが、既存不適格は建築当時は合法であったものが法改正で基準に合わなくなった場合を指し、再建築不可とは区別されます。

調べ方としては、まず所在地の「地番」を確認することから始めます。その後、法務局で登記簿や公図を取得し、市区町村の都市計画情報や道路台帳で前面道路の法的な扱いを確認します。さらに役所の建築指導課で接道状況やセットバックの必要性、特例許可の可能性を相談することが大切です。最終的には建築士や土地家屋調査士に現地調査を依頼し、境界や私道の権利関係など机上では分からない点を確認すると安心です。

リフォームに関しては、内装の模様替えや設備交換など建築確認が不要な工事は可能です。ただし、構造に影響する修繕や増築は建築確認が必要となり、再建築不可では許可が下りない場合が多くあります。特に、建物を完全に解体してしまうと再建築できなくなるため、修繕で対応することが重要です。工事前には必ず建築士に申請要否を確認しておくべきです。

売却の際は、価格が割安になりやすく、購入者は投資家や現金買主に限られる傾向があります。住宅ローンが利用しづらいため、現金取引が中心となる点も注意が必要です。販売戦略としては、既存家屋を賃貸投資向けとして売り出したり、将来的に接道条件を満たせる可能性がある場合には、その計画や費用見積もりを提示すると良いでしょう。ただし、更地にして売ると再建築不可の土地となり価値が下がるため注意が必要です。

再建築可にできる余地があるかどうかも確認しておくと有利です。例えば、前面道路が42条2項道路の場合にはセットバックを行うことで建て替え可能になる場合があります。また、隣地の一部を購入して2m以上の接道を確保したり、私道の権利を調整する方法もあります。さらに、行政による特例許可(43条ただし書き許可)が認められるケースもあるため、役所に相談すると可能性が広がります。

よくある落とし穴としては、見た目は道路に見えても法律上は「道路」に該当しない場合や、境界が未確定で測量が必要になる場合、火災保険や税評価に影響が出る場合などがあります。これらは専門家に相談しなければ判断が難しいため、軽視しないことが重要です。

実際に調べる際の流れは、①地番確認、②登記・公図取得、③都市計画情報の確認、④建築指導課での相談、⑤専門家による現地調査、⑥リフォームや売却の方針検討、⑦金融機関や不動産会社への打診、という順番で進めるとスムーズです。

相談先としては、市区町村の建築指導課や道路管理課、建築士、土地家屋調査士、不動産会社、司法書士などが挙げられます。それぞれの専門分野で役割が異なるため、段階に応じて適切に依頼するとリスクを避けやすくなります。

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再建築不可物件

再建築不可物件とは、現状では建物が建っているものの、建築基準法で定められた要件を満たしていないため、建物を取り壊した後に新たに建築することができない土地や建物を指します。特に多い理由は「接道要件」を満たしていないケースで、幅4メートル以上の道路に2メートル以上接していない土地では原則として再建築が認められません。 このような物件は購入価格が安いというメリットがある一方で、資産価値が下がりやすく、金融機関からの融資も受けにくいため、投資対象としてはリスクが高いといえます。不動産投資を検討する際には、再建築不可物件であるかどうかを必ず確認することが重要です。

接道要件

接道要件とは、建物を建てるための敷地が、幅員4メートル以上の道路に2メートル以上接していなければならないとする建築基準法上の条件を指します。これは消防車や救急車などの緊急車両が安全に進入できるようにするための規定で、住環境の安全や利便性を確保する目的があります。もし敷地が接道要件を満たしていない場合、原則として新しい建物を建てることはできず、「再建築不可物件」と呼ばれる不動産になることがあります。 資産運用の観点からは、接道要件を満たさない土地は市場価値が下がりやすく、金融機関から融資を受けにくい場合もあるため、不動産投資において特に注意すべきポイントです。

既存不適格

既存不適格とは、建物が建てられた当時の法律や基準には適合していたものの、その後の法改正や基準の見直しによって、現在のルールには合わなくなっている状態を指します。違法に建てられたわけではなく、あくまで「昔は適法だが今の基準では不適合」という扱いになります。 資産運用の観点では、増改築や建て替えの際に最新基準への適合が求められてコストが増える可能性があるほか、耐震や防火などの面で性能が相対的に見劣りすることがあり、価格や融資の条件に影響することがあります。一方で、現在の基準に合うように改修すれば価値を高められる余地もあるため、購入前に法規制と改修の可否、費用見込みを丁寧に確認することが大切です。

セットバック

セットバックとは、建築基準法などで定められている「建物を道路や隣地の境界から一定の距離だけ後退させて建てること」を指します。例えば、幅の狭い道路に面した土地に建物を建てる場合、将来の道路拡張や安全性の確保を目的に、敷地の一部を道路として使えるよう空けておかなければならないケースがあります。これにより、建物の延床面積や利用できる敷地が実質的に制限されることになります。 資産運用の観点では、土地や不動産を購入する際にセットバックが必要かどうかは重要な確認事項であり、将来の資産価値や収益性に影響を与える可能性があるため注意が必要です。

42条2項道路

42条2項道路とは、建築基準法第42条第2項に定められた道路のことを指します。幅員が4メートル未満であるにもかかわらず、建築基準法施行時にすでに建物が立ち並んでいたような道がこれにあたります。本来であれば道路としては狭すぎますが、特例として「道路」とみなされ、建築行為が認められる仕組みです。ただし、新たに建物を建てる際には道路の中心線から2メートル後退して建てなければならず、この後退部分が「セットバック」と呼ばれます。 資産運用や不動産投資においては、42条2項道路に接する土地は利用できる面積が減るため、建物の大きさや資産価値に影響を与える可能性がある点を理解しておくことが重要です。

43条ただし書き許可

43条ただし書き許可とは、建築基準法第43条に定められた例外規定に基づき、本来なら接道要件を満たしていない敷地でも、特別に建築を認めるための許可を指します。通常、建物を建てるには敷地が幅4メートル以上の道路に2メートル以上接していなければなりませんが、狭い通路しかない土地や袋地(行き止まりの土地)などは再建築ができない「再建築不可物件」とされます。しかし、行政が安全性や防災面に問題がないと判断した場合、この「ただし書き許可」を受けることで建築が可能になることがあります。 資産運用の観点では、43条ただし書き許可を得られるかどうかで不動産の価値や投資リスクが大きく変わるため、不動産購入時の重要な確認ポイントとなります。

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