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インフレ対策に外貨を持っておく効果はありますか?

インフレ対策に外貨を持っておく効果はありますか?

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2025/08/15 08:42

外国株式債券投資
外国株式債券投資

男性

30代

question

近年、円安や物価上昇のニュースをよく目にしますが、外貨を持っておくことがインフレ対策として有効と聞きました。どのような効果がその理由になりますか?


回答

佐々木 辰

株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長

外貨(特に円ヘッジなし)を保有することは、円安による輸入物価の上昇に伴う“輸入インフレ”に対して一定の防御効果があります。円安局面では外貨建て資産の円換算評価額が上昇し、日本円の購買力低下を一部相殺できます。例えば、資産の20%を米ドルで保有していて、為替レートが1ドル=100円から120円に円安になると、外貨部分は円換算で20%増え、全体資産の下落を緩和できます。

ただし、この効果は万能ではありません。第一に、円高になると外貨建て資産は逆に円換算で目減りします。第二に、国内要因(賃金上昇やサービス価格の上昇)によるインフレには直接的な効果が限定的です。さらに、外貨投資には為替変動リスクや商品ごとの手数料、税制の違いがあります。

外貨を持つ手段には、外貨預金、外貨MMF、外貨建て債券や外国株式・ETF(ヘッジなし)があり、いずれも為替変動の影響を直接受けます。外貨預金はシンプルですが為替スプレッドが大きく、外貨MMFは比較的低コストで分散可能です。外債や外国株は金利収益や企業成長も狙えますが、価格変動が大きくなります。為替ヘッジ付き商品は為替影響を抑えられますが、インフレ対策の観点では効果が薄れます。

通貨選択は米ドルを中心にしつつ、必要に応じてユーロ、スイスフラン、シンガポールドルなどを組み合わせると、特定通貨の偏りリスクを減らせます。また、将来支出予定がある通貨を直接保有することも有効です。

初心者の場合、外貨比率はまず5〜10%程度から始め、慣れてきたら15〜20%に拡大する方法が無難です。運用は毎月の定額積立と、目標比率から±5%乖離したらリバランスする仕組みを作るのが効果的です。商品は低コストかつ理解できるものに絞り、NISAを活用できるものは優先しましょう。

まとめると、外貨は「円安による購買力低下の保険」として一定の価値がありますが、為替リスクや国内インフレへの限界を理解したうえで、長期的かつ分散的に取り入れることが重要です。

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為替リスクとは、異なる通貨間での為替レートの変動により、外貨建て資産の価値が変動し、損失が生じる可能性のあるリスクを指します。 たとえば、日本円で生活している投資家が米ドル建ての株式や債券に投資した場合、最終的なリターンは円とドルの為替レートに大きく左右されます。仮に投資先の価格が変わらなくても、円高が進むと、日本円に換算した際の資産価値が目減りしてしまうことがあります。反対に、円安が進めば、為替差益によって収益が増える場合もあります。 為替リスクは、外国株式、外貨建て債券、海外不動産、グローバルファンドなど、外貨に関わるすべての資産に存在する基本的なリスクです。 対策としては、為替ヘッジ付きの商品を選ぶ、複数の通貨や地域に分散して投資する、長期的な視点で資産を保有するなどの方法があります。海外資産に投資する際は、リターンだけでなく、為替リスクの存在も十分に理解しておくことが大切です。

為替ヘッジ

為替ヘッジとは、為替取引をする際に、将来交換する為替レートをあらかじめ予約しておくことによって、為替変動のリスクを抑える仕組み。海外の株や債券に投資する際は、その株や債券の価値が下がるリスクだけでなく、為替の変動により円に換算した時の価値が下がるリスクも負うことになるので、後者のリスクを抑えるために為替ヘッジが行われる。

外貨建て資産

外貨建て資産とは、米ドルやユーロ、豪ドルなど、日本円以外の外国通貨で保有・運用されている資産のことを指します。たとえば、米ドル建ての預金、外国の株式・債券、外貨建ての保険商品や投資信託などがこれにあたります。 このような資産に投資することで、日本国内だけでは得られない金利収入や成長性にアクセスできるというメリットがあります。特に日本のような低金利環境では、高金利の外国資産への投資は魅力的な選択肢となることがあります。 一方で、外貨建て資産は為替相場の変動によって価値が上下する「為替リスク」が伴います。たとえば、外貨ベースで利益が出ていても、円高になれば日本円での評価額は下がる可能性があります。そのため、外貨建て資産を保有する際は、為替差損益やヘッジの有無にも注意を払う必要があります。 資産運用において、外貨建て資産は「分散投資」の一環としても有効ですが、リスクとリターンのバランスを考慮したうえで取り入れることが大切です。

円高

円高とは、ほかの国の通貨と比べて相対的に日本の円の価値が高くなること。海外から商品を購入すること(輸入)が有利で、海外に商品を販売すること(輸出)が不利になる。 (例) 1ドル=100円が1ドル=50円になる →以前よりも少ない円で1ドルを得ることができるので、円の価値が高くなっており、円高である。

円安

円安とは、ほかの国の通貨と比べて相対的に日本の円の価値が低くなること。海外から商品を購入すること(輸入)が不利で、海外に商品を販売すること(輸出)が有利になる。 (例) 1ドル=100円が1ドル=150円になる →以前よりもたくさんの円がないと1ドルを得られなくなっており、円の価値が低くなっているので、円安である。

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