相続税の計算方法を分かりやすく教えてください
相続税の計算方法を分かりやすく教えてください
回答受付中
0
2025/09/18 10:23
男性
50代
相続税の計算方法について、基礎控除や課税価格の求め方など基本的な流れを知りたいです。相続税は財産の種類や相続人の人数によっても変わると聞きましたが、具体的にどのような手順で税額を計算するのか、分かりやすく教えていただけますか。
回答
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
相続税の計算は、一見複雑に思えても手順に沿って整理すれば理解しやすくなります。基本の流れは「財産評価 → 控除判定 → 仮計算 → 実按分 → 個別控除」です。まずは遺産を評価し、債務や葬式費用を差し引いて課税価格を算定します。預貯金や株式は時価、不動産は路線価や倍率方式で評価するのが一般的です。死亡保険金や退職金には法定相続人の人数に応じた非課税枠があり、基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人)を差し引いて、課税の有無を確認します。
次に課税遺産総額を法定相続分で仮計算し、速算表を当てはめて相続税総額を算出します。その後、実際の遺産分割に応じて按分し、配偶者の税額軽減や未成年者控除、障害者控除などを反映して最終税額が確定します。さらに、小規模宅地等の特例や贈与税との調整など、実務上の論点も多く、要件を外すと想定以上の税負担につながることも少なくありません。期限管理や資料準備を含め、早めの対応と専門家の助言が重要です。
ご自身のケースに沿った試算や、特例の適用可能性を具体的に確認したい方は、ぜひ「投資のコンシェルジュ」の無料相談をご活用ください。経験豊富な専門家が状況を丁寧に整理し、最適な相続対策をサポートいたします。
関連記事
関連する専門用語
課税価格
課税価格とは、相続税や贈与税を計算する際の基準となる金額で、課税の対象となる財産の合計額から、各種の非課税枠や控除額を差し引いた後の最終的な金額を指します。たとえば、相続の場合は、まずすべての相続財産を評価し、そこから債務や葬式費用、非課税財産などを控除し、さらに基礎控除を差し引いた金額が「課税価格」となります。この課税価格が一定額を超えると、相続税が発生します。課税価格は、税率の適用や各相続人への按分を行う際のベースとなる非常に重要な指標です。 正確に算定しないと、税金を多く払ってしまったり、申告漏れでペナルティが発生するおそれもあるため、専門的な知識が求められる分野です。資産運用や相続対策を行う上では、この課税価格の仕組みをしっかり理解しておくことが欠かせません。
課税遺産総額
課税遺産総額とは、相続税を計算する際の基準となる金額で、亡くなった人が遺した財産のうち、相続税の対象となる部分の合計額を指します。具体的には、まず遺産の総額を計算し、そこから非課税財産(たとえば生命保険の非課税枠)や葬式費用、債務などを差し引き、さらに法定相続人の数に応じた基礎控除額を引いた残りが「課税遺産総額」となります。 この金額をもとに、相続人ごとの税額を計算する流れとなります。相続税は遺産全体にかかるのではなく、この課税遺産総額を基準にして課されるため、相続税対策や遺産分割の計画を立てるうえで非常に重要な概念です。資産運用を考える際にも、将来の相続に備えて、この金額の仕組みを理解しておくことが大切です。
法定相続分
法定相続分とは、相続人が相続できる取り分について、民法であらかじめ定められている割合のことをいいます。 たとえば、被相続人に配偶者と子どもがいる場合、配偶者が2分の1、残りの2分の1を子どもたちが均等に分けるというように、法定相続分が設定されています。 相続人の組み合わせによって割合は異なり、たとえば「配偶者と親」が相続人の場合は、配偶者が3分の2、親が3分の1、「配偶者と兄弟姉妹」の場合は、配偶者が4分の3、兄弟姉妹が4分の1というように決まっています。 遺言書がある場合は、その内容が優先されますが、遺言がない場合や、遺産分割協議の目安として法定相続分が使われることが一般的です。 この割合はあくまで「基準」であり、相続人間の話し合いで異なる分け方をすることも可能です。
速算表(そくさんひょう)
速算表(そくさんひょう)とは、所得税や贈与税などの税額を簡単に計算できるように、税率や控除額がまとめられた早見表のことです。たとえば、贈与税の場合、もらった財産の金額に応じて適用される税率と控除額が定められており、それらを速算表に当てはめることで、複雑な計算をしなくても簡単に税額を求めることができます。税金の計算は、累進課税のように段階的に税率が変わる仕組みが多いため、自分で計算するとミスをしやすいのですが、速算表を使えばそのリスクを減らすことができます。税務署や国税庁のウェブサイトでも公開されていることが多く、税金の申告や資産の移転を考える際に、初心者でも活用しやすい便利なツールです。
配偶者の税額軽減
配偶者の税額軽減とは、相続税における特例の一つで、亡くなった方の配偶者が相続する財産について、一定の金額までは相続税が課されない、または大きく軽減される制度です。 具体的には、「1億6,000万円」または「法定相続分相当額」のいずれか大きい金額までの相続について、配偶者には相続税がかからないという非常に大きな優遇措置です。 これは、夫婦の共同生活によって築かれた財産を配偶者が引き継ぐことを社会的に保護するための制度です。配偶者がその後亡くなった場合に、残された財産が再度相続税の対象になるため、一時的な繰延べ的性格も持ちますが、結果として相続税の負担を大きく軽くする効果があります。
未成年者控除
未成年者控除とは、相続税の計算において、相続人が20歳未満(2022年4月1日以降は18歳未満)の未成年者である場合に、その人が成人になるまでの生活費や教育費を補うために相続税額から一定額を差し引くことができる制度です。 控除額は「(20歳または18歳-相続時の年齢)×10万円」で計算され、控除しきれなかった分がある場合は、他の相続人が負担している相続税から引き続き控除を受けることができます。この制度は、未成年者が十分な経済的基盤を持たずに財産を相続する状況において、その将来の生活を支える趣旨で設けられています。



