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後期高齢者医療制度のメリット・デメリットを教えて下さい

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2025/09/01 08:31

基礎知識
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男性

50代

question

高齢の親が後期高齢者医療制度に加入する予定なのですが、この制度のメリットとデメリットがよく分かっていません。わかりやすく教えていただけますか?


回答

佐々木 辰

株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長

後期高齢者医療制度は、75歳以上の高齢者や、一定の障害を持つ65歳以上の方を対象とした公的医療制度です。国や自治体、現役世代からの支援金によって運営されており、高齢者が安心して医療を受けられる仕組みになっています。

メリットとしては、まず医療費の自己負担割合が原則1割(所得に応じて2割や3割の場合もあり)と低く抑えられていることが挙げられます。これにより、長期の通院や高額な治療が必要になった場合でも、経済的な負担が軽減されます。

また、高額療養費制度が適用されるため、一定額を超えた医療費についてはさらに保障されます。突発的な大きな医療費がかかっても、家計への影響を最小限に抑えられる点が安心材料です。

加えて、国民健康保険や企業の健康保険組合から自動的に移行される仕組みのため、加入の手続きが比較的簡単であるのも利点の一つです。

一方で、デメリットも存在します。保険料は年金から天引きされる形で負担する必要があり、所得や資産の状況によっては負担感が強くなるケースがあります。特に現役並みの所得がある場合、自己負担が3割となり、医療費が想定以上に高くなる可能性があります。

さらに、医療費が低く抑えられていることで受診が増える傾向があり、その結果として医療機関が混雑し、待ち時間が長くなるなど、日常生活上の不便さが出ることもあります。

資産運用の観点では、医療費負担が一定水準に抑えられることで生活費の見通しが立てやすくなるというプラス面があります。ただし、将来的に保険料が上がる可能性や、負担割合の見直しリスクもあるため、年金や資産計画に織り込んで備えることが重要です。

総合的に見ると、後期高齢者医療制度は高齢期の医療費リスクを抑える大切な仕組みですが、保険料や自己負担の変動にも注意しつつ、ライフプラン全体の中でバランスを考えることが求められます。

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後期高齢者医療制度

後期高齢者医療制度とは、75歳以上の高齢者(および一定の障害がある65歳以上の方)を対象とした日本の公的医療保険制度です。2008年に創設され、それまでの国民健康保険や被用者保険とは別に、医療費の負担をより明確にし、公平な制度運営を目指して導入されました。 この制度では、対象者は個人単位で保険に加入し、原則として年金からの天引きで保険料を納めます。医療機関を受診した場合には、所得に応じて自己負担割合(原則1割、一定以上の所得がある人は2割または3割)で医療費を支払います。 高齢化が進む中で、医療費の増加にどう対応していくかが社会全体の課題となっており、後期高齢者医療制度はその一つの柱として、安定的な医療提供と財源確保のバランスを図る役割を担っています。資産運用においても、老後の医療費を見積もる際に、この制度の仕組みを理解しておくことは重要です。

高額療養費制度

高額療養費制度とは、1ヶ月間に医療機関で支払った自己負担額が一定の上限額を超えた場合、その超過分については後から払い戻しを受けられる公的な医療費助成制度です。日本の公的医療保険制度では、治療費の自己負担割合は原則3割(高齢者等は1〜2割)とされていますが、重い病気や手術、長期入院などで医療費がかさむと、家計への影響が大きくなります。高額療養費制度は、そうした経済的負担を軽減するために設けられており、「所得区分に応じた月ごとの上限額」を超える分について、申請によって払い戻しを受けることができます。 さらに、事前に健康保険の窓口で「限度額適用認定証」を取得して医療機関に提示すれば、病院の窓口で支払う額自体を、最初から自己負担限度額までに抑えることも可能です。これにより、退院後の申請を待たずに、現金の一時的な負担を大きく減らすことができます。 この制度の上限額は、70歳未満・70歳以上で異なり、さらに被保険者の所得区分(年収目安)に応じて細かく設定されています。例えば、年収約370万〜770万円程度の方(一般的な所得区分)であれば、1ヶ月あたりの自己負担限度額は「約8万円+(総医療費−26.7万円)×1%」となり、想定以上の医療費負担が発生しても、上限を超えた分は保険者から還付されます。 資産運用の観点では、この制度の存在によって、突発的な医療費リスクの一部を公的にカバーできるため、「民間医療保険や緊急時資金の準備」を過度に厚くする必要がない可能性があります。 つまり、医療費リスクへの備えを公的制度・民間保険・現金準備のバランスで考える際、この制度の適用範囲を正しく理解しておくことが、保険の選択や生活防衛資金の適切な設定に役立ちます。特に、高所得者層や自営業者は制度上の上限額が比較的高めに設定されている点や、支給までにタイムラグがあることも踏まえ、制度と現金の備えの両面から検討することが重要です。

国民健康保険

国民健康保険とは、自営業者やフリーランス、退職して会社の健康保険を脱退した人、年金生活者などが加入する公的医療保険制度です。日本ではすべての国民が何らかの健康保険に加入する「国民皆保険制度」が採用されており、会社員や公務員が加入する「被用者保険」に対して、それ以外の人が加入するのがこの国民健康保険です。 市区町村が運営主体となっており、加入・脱退の手続きや保険料の納付、医療費の給付などは、住民票のある自治体で行います。保険料は前年の所得や世帯の構成に応じて決まり、原則として医療機関では医療費の3割を自己負担すれば診療を受けられます。病気やけが、出産などの際に医療費の支援を受けるための基本的な仕組みであり、フリーランスや非正規労働者にとっては重要な生活保障となる制度です。

健康保険組合

健康保険組合とは、主に大企業や業界団体が、従業員やその家族の医療費をまかなうために設立・運営している独自の健康保険の運営団体です。一般的な会社員は全国健康保険協会(協会けんぽ)に加入しますが、一定の条件を満たす企業は、自社や業界内で健康保険組合を設立することができます。 健康保険組合は、保険料の率を独自に決めたり、付加給付と呼ばれる独自の医療費補助や保健事業(健康診断、予防接種補助など)を行ったりすることで、加入者にとってより手厚い保障が受けられる場合があります。運営費は主に事業主と従業員が支払う保険料でまかなわれ、加入者の健康維持や医療費の適正化を目的としています。加入者にとっては、より柔軟で充実した医療支援を受けられる仕組みとなっています。

健康保険

健康保険とは、病気やけが、出産などにかかった医療費の自己負担を軽減するための公的な保険制度です。日本では「国民皆保険制度」が採用されており、すべての人が何らかの健康保険に加入する仕組みになっています。 会社員や公務員などは、勤務先を通じて「被用者保険」に加入し、自営業者や無職の人は市区町村が運営する「国民健康保険」に加入します。保険料は収入などに応じて決まり、原則として医療費の自己負担は3割で済みます。また、扶養されている家族(被扶養者)も一定の条件を満たせば保険の対象となり、個別に保険料を支払わなくても医療サービスを受けられる仕組みになっています。健康保険は日常生活の安心を支える基本的な社会保障制度のひとつです。

保険料

保険料とは、保険契約者が保険会社に対して支払う対価のことで、保障を受けるために定期的または一括で支払う金額を指します。生命保険や医療保険、損害保険など、さまざまな保険商品に共通する基本的な要素です。保険料は、契約時の年齢・性別・保険金額・保障内容・加入期間・健康状態などに基づいて算出され、一般にリスクが高いほど保険料も高くなります。 また、主契約に加えて特約(オプション)を付加することで、保険料が増えることもあります。保険料は、契約を維持し続けるために必要な支出であり、未納が続くと保障が失効する場合もあるため、支払計画を立てることが大切です。資産運用の観点からも、保険料の支払いが家計に与える影響や、保障と費用のバランスを見極めることは、ライフプラン設計において重要な判断材料となります。

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