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法定相続人以外の人が財産を相続した場合、相続税は発生しますか?
回答済み
1
2026/07/16 10:29
男性
60代
被相続人の遺言や生前贈与などにより、法定相続人以外の人が財産を取得した場合でも相続税はかかるのでしょうか。課税対象となる範囲や、相続人との税額の違いなどを知りたいです。
回答をひとことでまとめると...
法定相続人以外でも、遺言や死因贈与で取得した財産は原則として相続税の対象です。2割加算や生命保険金の非課税枠の適用可否により、相続人より税負担が重くなります。
佐々木 辰
38歳
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
法定相続人以外の人が遺言による遺贈や死因贈与などで財産を取得した場合でも、被相続人の死亡を原因に取得した財産であれば、原則として相続税の課税対象になります。
税負担で特に重要なのは、相続税額の2割加算です。取得者が被相続人の配偶者や一親等の血族(子・父母)以外であれば、原則としてその人の相続税額は2割加算されます。法定相続人以外の第三者は、基本的にこの加算の影響を受けやすいと考えてよいでしょう。
また、生命保険金には注意が必要です。死亡保険金は、被相続人が保険料を負担していた場合は相続税の対象となり、非課税限度額は「500万円×法定相続人の数」ですが、この非課税は相続人が受け取る場合に限られます。相続人以外が受け取ると、この非課税枠は使えません。
一方、基礎控除額は遺産全体に対して「3,000万円+600万円×法定相続人の数」で計算します。そのため控除額自体は取得者が相続人かどうかで変わりませんが、2割加算や非課税枠の違いにより、相続人以外のほうが実際の税負担は重くなりやすい点に注意が必要です。
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関連する専門用語
相続人(法定相続人)
相続人(法定相続人)とは、民法で定められた相続権を持つ人のことを指します。被相続人が亡くなった際に、配偶者や子ども、親、兄弟姉妹などが法律上の順位に従って財産を相続する権利を持ちます。配偶者は常に相続人となり、子がいない場合は直系尊属(親や祖父母)、それもいない場合は兄弟姉妹が相続人になります。相続税の基礎控除額の計算や遺産分割の際に重要な概念であり、相続対策を検討する上で欠かせない要素となります。
遺贈
遺贈とは、遺言書によって自分の財産を相続人や第三者に無償で譲ることを指します。生前の贈与とは異なり、遺贈は本人が亡くなったときに初めて効力が生じるのが特徴です。たとえば、「私の預金を○○さんに渡す」といった内容を遺言書に書いておけば、その人が相続人であってもなくても、遺贈として財産を受け取ることができます。 遺贈は、特定の財産を指定して渡す「特定遺贈」と、財産の一定割合を指定して渡す「包括遺贈」に分けられます。また、相続人以外の人や団体(たとえば知人や慈善団体など)にも遺贈することが可能なため、本人の意思を柔軟に反映できる方法として活用されています。資産運用や相続の場面では、誰にどの財産をどのように渡すかを明確にする手段として、遺贈はとても大切な制度です。
死因贈与契約
死因贈与契約とは、「自分が亡くなったときに、ある財産を特定の人に贈与する」という約束を生前に結ぶ契約のことです。遺言と似ていますが、死因贈与は契約であるため、贈与する側と受け取る側の双方の合意が必要です。この契約が成立すると、贈与者が亡くなった時点で契約が効力を発し、指定された人が財産を受け取れるようになります。生前に意志を確実に伝えておく方法の一つであり、特定の人に感謝の気持ちを込めて財産を渡したいと考える方に向いています。ただし、相続税の対象となるため、税務上の確認や、後々のトラブルを防ぐための契約書の作成が重要になります。
死亡保険金
死亡保険金とは、生命保険契約において、被保険者が死亡した際に受取人に支払われる保険金のことを指す。受取人や契約形態によって、相続税・所得税・贈与税のいずれかの課税対象となる場合がある。
基礎控除
基礎控除とは、所得税の計算において、すべての納税者に一律で適用される控除のことを指す。一定額の所得については課税対象から除外されるため、納税者の負担を軽減する役割を持つ。所得に応じて控除額が変動する場合もあり、申告不要で自動適用される。
相続税額の2割加算
相続税額の2割加算は、被相続人の配偶者と一親等の血族(子・父母・代襲相続人となった孫など)以外の人が相続や遺贈によって財産を取得した場合、その人の算出相続税額に二割(20%)を上乗せして納めるよう定めた制度です。根拠は相続税法18条で、国税庁タックスアンサー No.4157に詳しい解説があります。 対象者には、兄弟姉妹・甥姪・祖父母・孫養子(代襲相続を除く)・いとこ・内縁配偶者・友人などが含まれます。たとえば配偶者と兄弟姉妹が相続人になるケースでは、兄弟姉妹の税額だけが1.2倍になります。なお、養子は法律上「子」とみなされるため原則として加算対象外ですが、被相続人が孫を養子にした場合は原則20%加算の対象となります。 加算は「税額」に対して行われるため、基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人の数)や未成年者・障害者控除などを差し引いた後の最終税額に乗じて計算します。つまり、遺産額が基礎控除内に収まる場合や生前贈与・小規模宅地等の特例で課税価格を下げられた場合には、そもそも課税・加算が発生しません。 実務上は、傍系血族・赤の他人が相続人となると税負担が重くなりやすいため、①生前贈与よりも遺言による遺贈を併用して課税価格を抑える、②家族信託で資産管理権限を分離しつつ課税関係を整理する、といった対策が検討されます。 また、代襲相続の孫や養子でない直系卑属がいる場合は20%加算が適用されない点も踏まえ、承継スキームを設計することが重要です。


