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三大疾病保険はいらないと言われますが、どんな人には必要ですか?

三大疾病保険はいらないと言われますが、どんな人には必要ですか?

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2025/07/28 13:16


男性

60代

question

がんや心疾患などで治療が長引くと、医療費だけでなく収入の減少も心配です。そのため、三大疾病保険を検討しているのですが、いらない・やめとけと言われました。実際、三大疾病保険がどんな場面で役立つのか、必要となる人の特徴や備えとしての役割を教えてください。


回答

佐々木 辰

株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長

三大疾病保険が重視される第一の理由は、日本人の死亡原因の約半数ががん・心疾患・脳血管疾患で、生涯がん罹患率が男性62%・女性49%と高い現実です。これら三大疾病は「突然の発症」「長期化しやすい」という特徴があり、働き盛りでも罹患する可能性が無視できません。

第二に、高額療養費制度では差額ベッド代や先進医療技術料などが自己負担となり、まとまった現金が必要になる点があります。さらに、通院治療が中心となる場合は高額療養費の対象外となる支出も多く、想定以上の自費負担が発生することがあります。

第三に、脳血管疾患は平均入院期間が長くリハビリも続くため、その間の収入減少を一時金で補填できる意義が大きいことです。後遺障害が残るケースでは、住宅改修費や介護費など生活基盤の再構築にも費用がかかります。

第四に、がん治療では退院後も抗がん剤や放射線通院が長期化しやすく、通院費用や生活費の追加負担をカバーできます。特に働けない期間が数ヶ月続くと、医療費よりも“生活費の赤字”が家計に重くのしかかります。

最後に、自営業者やフリーランスは傷病手当金がなく、公的保障が薄いゆえに民間保険で不足分を補完する必要があります。

これら五つの要素を総合すると、三大疾病保険は治療費と生活費の双方を一時金で支え、家計の急激な悪化を防ぐ現実的なセーフティネットとなります。「医療費の備え」というより、「収入が無くなる事態に備える保険」として位置づけると、その必要性を判断しやすくなります。

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三大疾病(しっぺい)とは、一般的に「がん」「心疾患」「脳卒中」の3つの重い病気をまとめて指す言葉です。これらの病気は、発症すると長期の治療が必要になることが多く、医療費も高額になる可能性があります。特に生命保険や医療保険の中では、この三大疾病に対応した保障が設けられている商品が多く、一時金の支給や保険料の免除などの仕組みもあります。 資産運用の観点からも、病気による収入減や支出増をカバーするために、三大疾病に備えた保険を活用することは、生活の安定と将来設計のうえで重要な手段となります。

高額療養費制度

高額療養費制度とは、1か月に医療機関で支払った自己負担額が一定の上限を超えた場合、その超過分が払い戻される公的な医療費助成制度です。日本では公的医療保険により治療費の自己負担割合は原則3割(高齢者などは1〜2割)に抑えられていますが、手術や長期入院などで医療費が高額になると家計への影響は大きくなります。こうした経済的負担を軽減するために設けられているのが、この高額療養費制度です。 上限額は、70歳未満と70歳以上で異なり、さらに所得区分(年収の目安)によって細かく設定されています。たとえば、年収約370万〜770万円の方(一般的な所得層)では、1か月あたりの自己負担限度額は「約8万円+(総医療費−26.7万円)×1%」となります。これを超えた分は、後から申請によって保険者から払い戻しを受けることができます。 また、事前に健康保険の窓口で「限度額適用認定証」を取得し、医療機関に提示しておけば、病院の窓口で支払う金額そのものを最初から自己負担限度額までに抑えることも可能です。これにより、退院後の払い戻しを待たずに現金の一時的な負担を軽減できます。 同じ月に複数の医療機関を受診した場合や、同一世帯で同じ医療保険に加入している家族がいる場合には、世帯単位で医療費を合算して上限額を適用することもできます。さらに、直近12か月以内に3回以上この制度を利用して上限を超えた場合、4回目以降は「多数回該当」となり、上限額がさらに引き下げられる仕組みもあります。なお、払い戻し申請から実際の支給までには1〜2か月程度かかるのが一般的です。 資産運用の観点から見ると、この制度によって突発的な医療費リスクの一部を公的にカバーできるため、民間の医療保険や緊急時資金を過剰に積み上げる必要がない場合もあります。医療費リスクへの備えは、公的制度・民間保険・現金準備のバランスで考えることが大切です。特に高所得者や自営業者の場合は、上限額が比較的高めに設定されている点や支給までのタイムラグを踏まえ、制度と現金の両面から備えておくと安心です。

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