専門用語解説
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慢性疾患
慢性疾患とは、長い期間にわたって症状が続く病気のことを指します。代表的なものには糖尿病や高血圧、心臓病、がんなどがあり、一度発症すると完治が難しく、生活習慣の改善や治療を継続しながら病気と付き合っていく必要があります。資産運用やライフプランの面では、慢性疾患を抱えることで医療費や生活費が増加する可能性があるため、医療保険や貯蓄などによる備えが重要になります。また、長期的な就労への影響や介護の必要性につながることもあるため、健康と経済の両面から考慮する必要がある言葉です。
MANT
米国のテクノロジー銘柄群を指す言葉で、マイクロソフト(Microsoft)とアップル(Apple)、AIコンピューティングのエヌビディア(Nvidia)、電気自動車のテスラ(Tesra)の頭文字をつないだ造語。いずれも技術革新をテコに世界を席巻する注目企業で、FANG同様、2017年頃から米国の株式市場で用いられている。
ミーム株
ミーム株とは、企業の業績や経済指標といったファンダメンタルズにかかわらず、インターネット上の掲示板やSNSで話題になったことをきっかけに、個人投資家の注目を集めて急騰する株式のことを指します。ここでの「ミーム」とは、インターネット上で急速に拡散されるネタや流行を意味し、株式市場においては「面白い」「逆張りで戦っている」といった感情やムーブメントが一種の共感を呼び、投資行動に結びつく現象となっています。 ミーム株の価格上昇には、しばしば「ショートスクイーズ」と呼ばれる仕組みが関わります。これは、空売りされている株式の割合が極端に高い銘柄で、個人投資家が一斉に買い向かうことにより、空売りポジションを持つ機関投資家が損失回避のために株を買い戻す(=踏み上げ)ことで、さらに株価が急騰する現象です。代表的な例としては、2021年に起こった米ゲーム販売チェーン「GameStop」の騰勢があり、空売り残高が発行済株式数を超える140%を超えていたことが注目の引き金となりました。 また、「ガンマスクイーズ」という現象もミーム株の急騰要因として重要です。これは、個人投資家が短期のコールオプションを大量に購入することで、それを売ったマーケットメイカーが株価上昇に備えて現物株をヘッジ買いする必要が生じ、需給が逼迫して株価がさらに押し上げられるという構造です。現物株とオプション市場の連動が、価格の過熱を加速させる一因となっています。 ミーム株として注目された銘柄はGameStopのほかにも多数あり、AMCエンターテインメント(映画館チェーン)、Bed Bath & Beyond(家庭用品小売)、BlackBerry(旧スマホ大手)、さらにはTupperwareやAeva Technologiesなどが一時的に急騰しました。多くは共通して業績が低迷していたり、再建中であるなど、通常であれば買われにくい銘柄である点も特徴です。 一方で、ミーム株は非常に投機的な性質を持ち、短期的な熱狂とその後の暴落が紙一重であることから、初心者が安易に参入することは極めて危険です。価格が数日で数倍になる一方、わずか数時間で急落することも珍しくありません。また、2021年には一部のオンライン証券会社が取引制限を実施し、流動性や市場の公正性をめぐる議論も巻き起こりました。加えて、ミーム株化した銘柄にはしばしばボラティリティ制限や売買停止といった規制がかかる可能性があるため、通常の株式投資とは異なるリスクを含んでいる点にも留意が必要です。 このように、ミーム株は「情報のバイラル性」「空売り残の構造的リスク」「オプション市場の連鎖反応」などが絡み合って形成される現代的な相場現象です。市場の熱狂に巻き込まれることなく、情報の背景やリスクの構造を理解したうえで冷静に判断する姿勢が求められます。
未公表重要事実
未公表重要事実とは、上場企業に関する情報のうち、まだ一般に公表されていないが、その内容が株価に大きな影響を与える可能性が高い重要な事実のことをいいます。たとえば、業績の大幅な上方修正や下方修正、大型の合併・買収(M&A)、新製品の発表、重大な不祥事などが該当します。 このような情報は、正式に公表されるまでは限られた関係者しか知り得ないため、その情報を使って株式の売買を行うと、「インサイダー取引」として金融商品取引法に違反する可能性があります。インサイダー取引は市場の公正性を損なう行為とされ、違反者には厳しい罰則が科されます。 初心者にとっては、「知っている人だけが有利になる情報を使って取引してはいけない」というルールの根拠となる考え方として、この用語を理解しておくことが重要です。公平で信頼できる市場を守るための大切な概念です。
未公表情報
未公表情報とは、まだ一般の投資家や市場に向けて公開されていない企業や組織に関する重要な情報のことを指します。たとえば、企業の決算内容、新しい事業の開始、大規模な提携や買収など、株価に影響を与える可能性がある情報が該当します。このような情報を知っている人が、それをもとに株を売買すると「インサイダー取引」として法律で禁止されており、重い罰則が科されることもあります。投資を行う上では、すべての人が公平な情報に基づいて判断できることが大切であるため、未公表情報の取り扱いには特に注意が必要です。
未支給年金
未支給年金とは、年金受給者が亡くなった際に、本来その方が受け取るはずだったけれど、まだ支払われていなかった年金のことを指します。 この年金は、死亡日以降に支払われる予定だった分ではなく、死亡日以前に発生していたが未払いだった金額が対象になります。 受け取るには、配偶者や子どもなどの遺族が、所定の期間内に「未支給年金の請求手続き」を行う必要があります。遺族が請求しなければ受け取れないため、家族が年金の手続きについて正しく理解しておくことが大切です。投資初心者の方でも、自分や家族の万一に備えた知識として知っておくべき制度の一つです。
未収金
未収金とは、すでに発生している収益や請求権に基づき、将来受け取ることが確定しているが、まだ入金されていない金銭を示す会計上の資産項目です。 未収金という言葉は、決算書や経理処理の中で使われますが、「売掛金と同じもの」と誤って理解されることが少なくありません。実際には、日常的な販売取引から生じる債権かどうかという点で区別される概念であり、取引の性質によって使い分けられます。この違いを意識せずに用いると、資産の内訳や収益の構造を正しく読み取れなくなります。 この用語が登場・問題になる典型的な場面は、決算時の資産整理や収益計上の確認です。すでに役務の提供や取引が完了しているにもかかわらず、入金が翌期以降になる場合に、その金額をどのように貸借対照表上で表現するかという判断の中で未収金という言葉が使われます。補助金や保険金、固定資産の売却代金など、反復性の低い取引が背景にあるケースで言及されることが多いのも特徴です。 誤解されやすい点として、「まだ受け取っていないお金はすべて未収金」という思い込みがあります。未収金は、すでに金額や受取権が確定していることが前提となる概念であり、将来受け取れるか不確かなものや、取引自体が未成立の段階のものは含まれません。この前提を曖昧にしたまま処理すると、収益の計上時期や資産額を誤る原因になります。 また、未収金という言葉が、現金主義的な感覚で「後から入ってくる予定のお金」として捉えられることもありますが、会計上は発生主義に基づく整理のための用語です。入金の有無ではなく、取引や権利の発生時点に着目して分類される点を理解することが重要です。 未収金を正しく理解するには、「その金銭はいつ、どの行為によって発生した権利なのか」という視点で整理することが欠かせません。この用語は資金繰りの良し悪しを示すものではなく、財務状態を正確に表現するための分類概念です。会計情報を読み解く際の基準点として、冷静に位置づけることが判断の土台になります。
未上場企業(非上場企業)
未上場企業とは、証券取引所に株式を公開していない企業のことを指します。一般的に、未上場企業の株式は流動性が低く、取引の機会が限られるため、評価が難しい場合があります。一方で、上場企業と比べて経営の自由度が高く、成長フェーズにあるスタートアップや家族経営の企業が多く含まれます。 近年では、未上場株式を取引できるプラットフォームの発展により、一部の流動性が向上しています。未上場企業への投資は、リスクが高いものの、成功すれば大きなリターンを得る可能性があるため、ベンチャーキャピタルやエンジェル投資家、さらにはプライベート・エクイティ(PE)ファンドやファミリーオフィスなどの関心を集めています。投資家にとっては、IPO(新規株式公開)やM&A(企業買収)などのエグジット戦略が重要となります。
見せ板
見せ板とは、実際に取引を成立させるつもりがないにもかかわらず、大量の買い注文や売り注文を板(取引所の注文一覧)に出して、他の投資家に特定の価格の動きを期待させる行為のことを指します。例えば、大量の買い注文を出して「値上がりしそうだ」と思わせ、他の投資家の買いを誘った後に、自分はすぐにその注文を取り消して高値で売るというような手法です。 こうした行為は市場を欺く不正行為として、相場操縦の一種に該当し、法律で禁止されています。見せ板は一瞬で取り消されることが多いため、初心者には見抜きにくいですが、取引所や金融当局が監視し、発見次第処罰の対象となります。
未成年口座
未成年口座とは、18歳未満の未成年者名義で金融機関に開設される口座のことを指します。銀行の普通預金口座として利用される場合もあれば、証券会社で株式や投資信託などを取引するための口座として開設されることもあります。未成年は単独で契約行為を行えないため、口座開設や運用には保護者の同意や代理が必要となります。 教育資金の管理や将来の資産形成を目的として利用されるケースが多く、特にジュニアNISAのような制度と組み合わせることで、非課税で投資を始められるメリットがあります。 一方で、資金の出し入れや運用に制約がある場合もあるため、利用条件を事前に確認しておくことが大切です。投資初心者の家庭にとっては、子どもの将来のために早いうちから資産形成を意識できる有効な手段といえます。
未成年者
未成年者とは、法律上、一定の年齢に達しておらず、行為能力について制限を受ける立場にある個人を指す用語です。 この用語は、契約や財産管理、親子関係、教育や医療の手続きなど、本人の意思決定だけでは法的に完結しない場面を整理する文脈で登場します。未成年者は社会生活を営む主体ではありますが、法制度上は、判断能力や経験が十分でないことを前提に、特別な保護や補完が設けられています。そのため、権利を持たない存在ではなく、権利行使の方法や範囲が調整されている存在として位置づけられます。 未成年者が問題になりやすいのは、「年齢が低い=すべて自分で決められない」という直感的な理解が広まりやすい点です。実際には、未成年者であっても、日常生活に関わる一定の行為は本人の判断で行えると整理されています。この線引きを理解していないと、必要以上に制限されている、あるいは逆に制限がないと誤解してしまうことがあります。 よくある誤解として、未成年者の行為はすべて無効になるという認識があります。しかし、制度上は、無効ではなく「取り消し得る」と整理される行為が多く、状況や関係者によって扱いが異なります。この違いを理解せずにいると、契約や手続きの有効性を誤って判断してしまいます。 また、未成年者という区分は、本人の成熟度や能力を個別に評価するものではなく、年齢という形式的な基準によって一律に整理されています。そのため、実態としては十分に判断できる場合であっても、制度上は制限がかかることがあります。この点を踏まえずに議論すると、制度の趣旨と個別の感覚が混同されやすくなります。 未成年者という用語を正しく理解することは、年齢による制限を単なる不自由さとして捉えるのではなく、権利行使をどう支えるかという制度設計として理解することにつながります。契約や財産、家族関係を考える際の前提となる、基本的な法的区分として位置づけられます。
未成年者控除
未成年者控除とは、相続税の計算において、相続人が20歳未満(2022年4月1日以降は18歳未満)の未成年者である場合に、その人が成人になるまでの生活費や教育費を補うために相続税額から一定額を差し引くことができる制度です。 控除額は「(20歳または18歳-相続時の年齢)×10万円」で計算され、控除しきれなかった分がある場合は、他の相続人が負担している相続税から引き続き控除を受けることができます。この制度は、未成年者が十分な経済的基盤を持たずに財産を相続する状況において、その将来の生活を支える趣旨で設けられています。
みなし寄付金制度
みなし寄付金制度とは、会社が行った支出のうち、形式上は寄付ではないものの、税法上は寄付金として扱われる仕組みをいいます。たとえば、公益法人への資金援助や役員へ過大に支払った退職金の一部などが該当し、その金額は「寄付金」とみなされるため、損金算入できる限度額が設けられます。結果として課税所得が増える場合があるため、企業は支出を計画する際にこの制度を考慮し、適切な税務処理を行うことが大切です。
みなし決済
みなし決済とは、実際にお金のやり取りや売買が行われていない場合でも、税務上は「取引が成立した」と見なして課税の対象とする取り扱いのことです。 たとえば、保有している有価証券や資産を譲渡したことにして、含み益や含み損がある状態でも税金の計算を行うケースがあります。これは、相続や贈与、海外転出など、形式的には取引でなくても経済的に価値の移転があったと考えられる場合に適用されます。 みなし決済が行われると、たとえば譲渡益に対して所得税や住民税が課されることがあり、納税義務が発生します。税務上のルールとして非常に重要であり、知らずに適用対象となってしまうと想定外の納税が生じるため、専門家のアドバイスを受けることが望ましい分野です。
みなし仕入率
みなし仕入率とは、消費税の計算において、実際の仕入額に代えて、売上高に一定割合を乗じて仕入額を擬制的に算定するための率を指します。 この用語は、消費税の申告方法の一つである簡易課税制度を理解する場面で登場します。事業者が行う取引のすべてについて実際の仕入税額を積み上げて計算することは、事務負担が大きくなりがちです。そこで、事業の種類ごとに定められた割合を用いて、仕入に相当する金額を簡便に計算できるようにした仕組みが設けられており、その計算の前提となる割合がみなし仕入率です。 みなし仕入率についてよくある誤解は、「実際の仕入構造を正確に反映した率」だという理解です。しかし、この率は個々の事業者の実態に合わせて設定されるものではなく、業種ごとの一般的な取引構造をもとに制度的に定められた基準値です。そのため、実際の仕入が多い事業者にとっては不利に感じられる場合もあれば、逆に少ない場合には有利に見えることもあります。 また、みなし仕入率が高いか低いかだけで、簡易課税制度の有利不利を判断してしまうのも注意が必要です。みなし仕入率は、あくまで消費税計算のための一要素であり、売上の構成や取引先との関係、事業の成長段階などによって、適切な申告方法は変わり得ます。率そのものが節税効果を保証するわけではありません。 制度理解の観点では、みなし仕入率は「実額計算を省略する代わりに、一定の割り切りを受け入れるための基準」として位置づけると整理しやすくなります。正確性と簡便性のバランスを取るために設けられた制度上の前提条件であり、個別事情を細かく反映させるための調整弁ではありません。 みなし仕入率という用語は、消費税制度がどのように事務負担と公平性の折り合いをつけているかを理解するための入口となる概念です。数値の大小に注目するだけでなく、その率が使われる前提や役割を把握することで、制度に対する誤解や過度な期待を避けることにつながります。
みなし譲渡
みなし譲渡とは、実際には財産の移転が行われていない場合でも、税務上は「財産を譲渡した」とみなして取り扱われるケースのことを指します。たとえば、誰かに無償で資産を与えた場合や、著しく安い価格で売却した場合など、市場での通常の取引とは異なる方法で財産が移動したと判断されると、税務上はそれを譲渡と「みなす」ことで、課税の対象とする場合があります。 特に資産運用や相続・贈与の場面で重要になる概念で、形式的には売買や贈与でなくても、実質的に財産の移転があったと考えられるときに適用されます。みなし譲渡が適用されると、譲渡所得税や贈与税などの課税が発生する可能性があるため、税務上のリスク管理としてもしっかり理解しておくことが大切です。
みなし譲渡所得税
みなし譲渡所得税とは、実際には財産を売却していなくても、税務上「売却した」とみなされ、その含み益に課税される所得税のことです。将来その資産から得られる利益に課税できなくなる恐れがある場合に適用され、課税の空白を防ぐ役割を持っています。 代表的なケースとしては、国外転出時課税(いわゆる出国税)が挙げられます。日本居住者が多額の株式や有価証券を保有したまま海外に移住する際、売却していなくてもその時点で時価で譲渡したとみなされ、含み益に対して所得税が課されます。 また、相続の限定承認を選んだ場合にも、被相続人が死亡時に保有していた資産をすべて時価で譲渡したとみなす規定があり、不動産や株式などに含み益があれば譲渡所得税が発生します。結果として、相続人が受け取る財産はさらに目減りする可能性があります。 このほか、負担付贈与や離婚時の財産分与で不動産を移転する場合、現物で代償分割を行う場合、さらには個人から法人への低額譲渡や現物出資なども、時価で譲渡したとみなされ課税が行われる典型的な事例です。最近では暗号資産を用いた決済や暗号資産同士の交換も、みなし譲渡として所得計上が必要になります。 資産運用や相続対策を考える際には、このような「実際に売却していないのに課税される局面」があることを理解し、海外移住や不動産の処分、相続方法の選択などを検討する際には専門家に相談して事前にシミュレーションしておくことが重要です。
みなし相続財産
みなし相続財産とは、民法上の遺産(相続財産)には該当しないものの、相続税法により「相続または遺贈により取得したもの」とみなされ、相続税の課税対象となる財産を指します。形式的には遺産に含まれなくても、被相続人の死亡をきっかけに相続人などが取得する経済的利益であるため、税負担の公平性を保つ目的で課税対象とされています。 代表的な対象として、被相続人が契約者・被保険者である生命保険金、勤務先から支給される死亡退職金、死亡を契機に得られる定期金の受給権などがあります。これらは遺産分割協議の対象には含まれないケースが多いものの、相続税の申告上は「みなし相続財産」として計上が求められます。 特に生命保険金および死亡退職金については、それぞれに相続税法上の非課税限度額が個別に適用されます。具体的には、各財産ごとに「500万円 × 法定相続人の数」まで非課税となります。たとえば、法定相続人が3人いる場合は、生命保険金1,500万円まで、死亡退職金も1,500万円までが相続税の課税対象から除外されます(受取人が相続人であるなど、一定の条件を満たす場合に限ります)。 これらの非課税枠は合算ではなく個別適用されるため、誤った理解によって課税額が過大になったり、申告漏れが生じたりするリスクもあります。実務では、民法と税法での扱いの違いを十分に理解し、必要に応じて専門家の助言を受けながら適切に対応することが重要です。
みなし賃金
みなし賃金とは、実際に支払われた賃金ではなく、制度上の取り扱いのために賃金として扱われる金額を指します。 この用語は、雇用保険や労災保険などの制度において、給付額や保険関係を判定する場面で登場します。とくに、実際の賃金が存在しない、または把握しにくい状況でも制度を適用できるようにするために、「賃金があったものとして扱う金額」を設定する文脈で使われます。就業実態と制度運用のあいだをつなぐための調整概念として位置づけられる用語です。 誤解されやすい点として、みなし賃金が「実際に支払われる給料」や「会社が払うべき賃金の代替」と理解されることがあります。しかし、みなし賃金はあくまで制度上の計算や判定のために用いられる概念であり、労働の対価として現実に支払われる金額を意味するものではありません。給与明細に記載される賃金や、労働契約で定められた報酬とは性質が異なります。 また、「みなし」という言葉から、恣意的に決められた金額、あるいは実態とかけ離れた仮の数字と受け取られることもありますが、実際には制度の公平性や一貫性を保つための基準に基づいて設定されます。この点を理解せずに、実収入との比較だけで多い・少ないと評価してしまうと、制度の趣旨を取り違える原因になります。 みなし賃金を理解するうえで重要なのは、「お金の支払い」を説明する用語ではなく、「制度を適用するための前提条件」を示す用語だという点です。個人の収入状況を直接表す指標として使うのではなく、給付や保険関係がどのような考え方で処理されているかを読み解くための補助線として捉えることで、この用語は正しく機能します。みなし賃金は、実態と制度を接続するための調整概念として理解されるべきものです。
みなし配当
みなし配当とは、会社から株主などに帰属する経済的利益のうち、形式上は配当でなくても、税務上は配当と同様に扱われる所得概念です。 この用語は、株式に関わる取引や資本の変動が生じた場面で、課税関係を整理する文脈において登場します。通常の配当金とは異なり、会社の剰余金の処理や組織再編、株式の取得・消却といった局面で問題になりやすく、「現金の配当を受け取っていないのに、なぜ配当として扱われるのか」を理解するための前提概念として参照されます。投資家が取引後の税務上の位置づけを確認する際にも、この用語が基準点になります。 誤解されやすい点として、みなし配当が「実際に支払われた配当金」や「便宜的な呼び名」に過ぎないと捉えられることがあります。しかし、みなし配当は名称上の整理ではなく、課税の公平性を保つために設けられた実質的な所得認定です。形式上は株式の譲渡対価や払い戻しに見える場合でも、その内訳に株主への利益分配と同質の要素が含まれていれば、税務上は配当と同じ性質を持つものとして扱われます。この点を理解しないまま取引を評価すると、譲渡益課税だけを想定していたところに、想定外の配当課税が生じるという判断ミスにつながりやすくなります。 また、みなし配当は「例外的な特殊ルール」だと考えられがちですが、実際には配当と譲渡の境界を整理するための基本的な考え方に基づいています。会社から株主に価値が移転する場面を、名称や形式ではなく実質で捉えるという点が、この用語の本質です。そのため、取引の形が複雑になるほど、みなし配当という概念が重要な役割を果たします。 みなし配当は、株主に帰属する利益をどの所得区分で捉えるかを判断するための制度上の基準概念です。株式取引や企業行動を理解する際には、「配当があったかどうか」ではなく、「株主としての利益分配が生じているか」という視点でこの用語を捉えることが、税務上の整理を誤らないための出発点になります。
みなし有価証券
みなし有価証券とは、法律上は有価証券とは明記されていないものの、実質的に有価証券と同様の性質を持ち、金融商品取引法などの規制対象となる金融商品を指します。たとえば、合同会社の社員権や匿名組合出資持分などがこれに該当し、投資家から資金を集めて運用する仕組みでありながら、通常の株式や債券のように証券化されていないケースです。 こうした金融商品は、有価証券として登録や開示義務を免れる目的で使われることがあるため、投資家保護の観点から、金融庁などの監督当局は「みなし」として規制対象に含めています。これにより、詐欺的スキームや情報非対称性のリスクを低減し、公正な投資環境を整える役割を果たしています。
ミニ公募債
ミニ公募債とは、主に地方自治体や企業が、個人投資家を対象に少額から購入できるように発行する債券のことです。通常の公募債に比べて購入単位が小さく設定されているため、投資初心者でも参加しやすいのが特徴です。 企業や自治体が資金を調達する手段として活用される一方、投資家にとっては、安定した利息収入を得ながら社会や地域への貢献を感じられる投資商品でもあります。一般的には元本の安全性が比較的高いとされていますが、発行体の信用状況によってリスクが変わる点には注意が必要です。
ミニマムタックス(最低税負担)
ミニマムタックス(最低税負担)とは、企業や個人がさまざまな控除や特例を利用して税金をほとんど払わなくなることを防ぐために、最低限支払わなければならない税額を定める仕組みのことです。つまり、どれほど節税をしても、一定の割合以上は税金を納める必要があるという考え方です。特に国際的な企業の間では、税率の低い国に利益を移して税負担を減らす「税源浸食」への対策として、この仕組みが注目されています。 日本でも、法人税制度の見直しや国際的な税ルールとの整合性を保つ目的で導入が議論されています。ミニマムタックスは、公平な課税を実現し、税収の安定化を図るうえで重要な役割を持ちます。
未納
未納とは、国民年金などの公的年金保険料を支払う義務があるにもかかわらず、正当な理由なく納付していない状態を指します。未納のままにしておくと、将来、老齢年金や障害年金、遺族年金などを受け取れなくなる可能性があり、年金制度上の重要なリスク要因とされています。 特に障害年金や遺族年金では、請求の際に「保険料納付要件」があり、未納期間が多いと支給対象外になることがあります。また、未納期間は年金受給資格期間のカウントにも含まれないため、年金そのものの受給権を失う場合もあります。経済的に困難な事情がある場合には「免除申請」や「猶予制度」を活用することで、未納扱いを避けることができるため、早めの相談と手続きが大切です。未納は単なる支払い忘れではなく、将来の生活設計に直接関わる重要な問題です。