逆張り投資とはどのように判断して行うべきものですか?
逆張り投資とはどのように判断して行うべきものですか?
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2025/09/02 08:27
男性
30代
株式投資において「逆張り投資」という言葉を耳にします。逆張りはどのような場面で有効に働くのでしょうか?また価格が下落した銘柄を買うべきかどうかの判断基準は、具体的にどのような指標や状況を参考にすればよいのでしょうか?
回答
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
逆張り投資とは、市場全体や個別銘柄の価格が大きく下がった局面で「割安」と判断して買いを行い、反発による利益を狙う投資手法です。多くの投資家が悲観的になって売り込む場面で敢えて買うため、勇気と冷静な判断が必要になります。
判断の基本は、まず企業の業績や財務が健全であるかを確認することです。一時的な下落であれば反発の可能性がありますが、業績悪化や将来性の低下が原因で株価が下がっている場合には、そのまま低迷が続く可能性があります。特にPER、PBR、配当利回りといった指標を参考にしながら、本当に割安かどうかを見極めることが重要です。
加えて、テクニカル指標も有効な手掛かりとなります。たとえばRSI(相対力指数)が30以下である、ボリンジャーバンドの下限を大きく割り込んでいる、移動平均線から株価が大きく乖離しているといった状況は「売られすぎ」のサインです。ただし、テクニカル分析は補助的な目安にとどめ、必ずファンダメンタルズ分析と合わせて判断することが大切です。
一方で、逆張り投資は「安いと思って買ったのに、さらに下がる」というリスクも高い手法です。特に景気の悪化や企業の根本的な問題が原因の場合は、株価が長期的に戻らないケースがあります。そのため、資金管理を徹底し、一度に大きな金額を投じるのではなく、分散投資や段階的な買い増しを心掛ける必要があります。
まとめると、逆張り投資は「健全な企業の一時的な下落」を見極められるかどうかが成功のカギです。単に「下がったから買う」と考えるのではなく、根拠のある分析とリスク管理を前提に実践することが、効果的に活用するための条件となります。
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関連する専門用語
逆張り
逆張りとは、相場の下落時に買って上昇時に売るという、相場の流れに逆らって売買を行う投資手法のこと(対義語:順張り)。逆張り時の投資家の予想としては、株価の下落時は株価の下落が早期に止まることや下落の反発が起きて株価が上昇することを予想し、株価の上昇時は株価の上昇が早期に止まることを予想する。逆張りのメリットとしては、順張りよりも株式購入コストが抑えられることが挙げられるが、デメリットとしては、順張りよりも決断が難しく、リスクも高いことが挙げられる。
PER(株価収益率)
PER(株価収益率)は、企業の株価がその企業の利益と比較して割安か割高かを判断するための指標です。計算方法は「株価 ÷ 1株当たり利益(EPS)」で求められ、数値が低いほど利益に対して株価が割安であることを示します。ただし、業界ごとの平均PERが異なるため、他の企業や市場全体と比較して判断することが重要です。PERが高い場合は将来の成長期待が大きいと解釈されることもありますが、過大評価されている可能性もあるため注意が必要です。
PBR(株価純資産倍率)
PBR(株価純資産倍率)とは、企業の株価が1株当たり純資産の何倍で取引されているかを示す指標です。計算式は「株価 ÷ 1株当たり純資産(BPS)」で求められます。PBRが1倍未満の場合、理論上は会社の解散価値よりも株価が低いとされ、割安と判断されることがあります。
配当利回り
配当利回りは、株式を1株保有したときに1年間で受け取れる配当金が株価の何%に当たるかを示す指標です。計算式は「年間配当金÷株価×100」で、株価1,000円・配当40円なら4%になります。 指標には、実際に支払われた金額で計算する実績利回りと、会社予想やアナリスト予想を用いる予想利回りの2種類があります。株価が下がれば利回りは見かけ上上昇するため、高利回りが必ずしも割安や安全を意味するわけではありません。 安定配当の見極めには、配当性向が30~50%程度であること、フリーキャッシュフローに余裕があることが重要です。また、権利付き最終日の翌営業日には理論上配当金相当分だけ株価が下がる「配当落ち」が起こります。 日本株の配当は通常20.315%課税されますが、新NISA口座内で受け取る配当は非課税です。配当利回りは預金金利や債券利回りと比較でき、インカム収益を重視する長期投資家が銘柄や高配当ETFを選ぶ際の判断材料となります。
RSI(アールエスアイ)
RSIとは、株価や為替などの金融商品の値動きから、その銘柄が「買われすぎ」か「売られすぎ」かを判断するためのテクニカル分析指標のひとつです。一定期間の値上がり幅と値下がり幅を比べて数値化し、0%から100%の間で表示されます。 一般的には、RSIが70%を超えると「買われすぎ」、30%を下回ると「売られすぎ」とされ、相場が反転する可能性のあるタイミングを探るヒントになります。RSIは主に短期的な値動きに注目する投資家に好まれており、シンプルで直感的に理解しやすいのが特徴です。ただし、強いトレンドが出ている場面では必ずしも機能しないこともあるため、他の指標と組み合わせて使うことが一般的です。
ボリンジャーバンド
ボリンジャーバンドとは、株式や為替などの価格が「今どのくらい高いか安いか」を判断するために使われるテクニカル分析の指標の一つです。移動平均線を中心に、その上下に「バンド」と呼ばれる帯を描き、価格がこの範囲にどのように収まっているかを見ます。 バンドは価格の変動幅に応じて広がったり狭まったりし、値動きの勢いを視覚的に把握できる特徴があります。価格がバンドの上限に近づくと「高値圏」とされ、下限に近づくと「安値圏」とされることが多いですが、必ずしも売買のタイミングを直接示すわけではなく、相場の流れや勢いを理解する補助的なツールとして利用されます。投資初心者にとっては、価格の変動を直感的に理解しやすくするための便利な指標といえます。




