iDeCoの受け取りよりも退職金の受け取りが先になる予定です。何か注意点はありますか?
iDeCoの受け取りよりも退職金の受け取りが先になる予定です。何か注意点はありますか?
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2026/02/24 13:43
男性
60代
iDeCoを老齢給付金として受け取る前に、勤務先の退職金(退職一時金)を先に受け取る予定です。受取順によって退職所得控除や税負担が変わると聞きましたが、具体的にどんな点に注意すべきでしょうか。
回答
佐々木 辰
38歳
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
退職金(退職一時金)を先に受け取り、その後にiDeCoを受け取る場合の注意点は、iDeCoを「一時金で受け取るか」「年金で受け取るか」によって、税の扱いが大きく変わる点にあります。
iDeCoを老齢一時金として受け取る場合、その性質は退職所得となり、退職所得控除の対象になります。ただし、退職金の受給時期が近いと、退職所得控除を退職金とiDeCoで分け合う形となり、iDeCo側で使える控除額が圧縮される可能性があります。その結果、本来は非課税または軽微な課税で済むはずのiDeCo一時金に、想定以上の税負担が生じるケースがあります。
一方、iDeCoを老齢年金として受け取る場合は、退職所得ではなく雑所得として扱われ、公的年金等控除が適用されます。この場合は、受給開始年の所得水準や、公的年金・企業年金など他の年金収入との合算状況が税負担を左右します。退職金の受給時期そのものが直接影響しにくい点は、一時金受取との大きな違いです。
退職金やiDeCo一時金を受け取る際に「退職所得の受給に関する申告書」を提出するかどうかで、源泉徴収額が大きく変わります。過去に退職金を受け取った履歴(受給年、勤続年数、金額)を支払通知書などで整理したうえで、iDeCoの受取方法と受取時期を判断することが、安全な進め方です。
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関連する専門用語
退職所得控除
退職所得控除とは、退職金を受け取る際に税金を軽くしてくれる制度です。長く働いた人ほど、退職金のうち税金がかからない金額が大きくなり、結果として納める税金が少なくなります。この制度は、長年の勤続に対する国からの優遇措置として設けられています。 控除額は勤続年数によって決まり、たとえば勤続年数が20年以下の場合は1年あたり40万円、20年を超える部分については1年あたり70万円が控除されます。最低でも80万円は控除される仕組みです。たとえば、30年間勤めた場合、最初の20年で800万円(20年×40万円)、残りの10年で700万円(10年×70万円)、合計で1,500万円が控除されます。この金額以下の退職金であれば、原則として税金がかかりません。 さらに、退職所得控除を差し引いた後の金額についても、全額が課税対象になるわけではありません。実際には、その半分の金額が所得とみなされて、そこに所得税や住民税がかかるため、税負担がさらに抑えられる仕組みになっています。 ただし、この退職所得控除の制度は、将来的に変更される可能性もあります。税制は社会情勢や政策の方向性に応じて見直されることがあるため、現在の内容が今後も続くとは限りません。退職金の受け取り方や老後の資産設計を考える際には、最新の制度を確認することが大切です。
退職所得
退職所得とは、会社などを退職した際に受け取る退職金に対して発生する所得のことを指します。これは給与所得とは区別され、税法上、特別な扱いがされています。退職金は、長年の勤労に対する労いの意味を持つため、課税される際には「退職所得控除」という優遇措置が設けられています。 さらに、退職所得として課税される金額は、通常の給与よりも軽い税率が適用される「1/2課税」という制度があり、これによって税負担が軽減されます。役員が受け取る退職金についても原則として退職所得となりますが、形式的に退職して実態が伴わない場合や、過大とみなされる金額については税務上認められないこともあります。 資産運用や老後の生活設計において、退職金がどのように課税されるのかを知っておくことは、手取り額を見積もる上で非常に重要です。
老齢年金
老齢年金とは、一定の年齢に達した人が、現役時代に納めた年金保険料に基づいて受け取ることができる公的年金のことをいいます。基本的には、日本の年金制度における「老後の生活を支えるための給付」であり、国民年金から支給される老齢基礎年金と、厚生年金から支給される老齢厚生年金の2つがあります。 国民年金に加入していたすべての人が対象となるのが老齢基礎年金で、会社員や公務員など厚生年金に加入していた人は、基礎年金に加えて老齢厚生年金も受け取ることができます。原則として65歳から支給されますが、繰上げや繰下げ制度を利用することで、受け取り開始年齢を60歳から75歳まで調整することも可能です。老齢年金は、長年の働きと保険料の積み重ねに対して支払われる、生活設計の中心となる制度です。
公的年金等控除
公的年金等控除とは、年金を受け取っている人の所得税や住民税を計算する際に、年金収入から一定額を差し引ける控除制度です。これにより課税対象となる金額が減り、税負担を軽減できます。 対象となるのは、国民年金・厚生年金・共済年金などの「公的年金」に限られます。これらは所得税法上の「公的年金等」に分類され、控除の対象となります。 一方で、iDeCo(個人型確定拠出年金)や企業型DC、個人年金保険などは、たとえ年金形式で受け取ったとしても税法上は「公的年金等」に該当せず、公的年金等控除の対象外です。これらは「雑所得(その他)」として課税されます。 控除額は受給者の年齢と年金収入の額に応じて異なり、特に65歳以上の高齢者には手厚い控除が設けられています。 | 年齢 | 公的年金等の収入額 | 控除額 | | --- | --- | --- | | 65歳未満 | 130万円以下 | 60万円 | | | 130万円超〜410万円以下 | 収入額 × 25% + 37.5万円 | | | 410万円超〜770万円以下 | 収入額 × 15% + 78.5万円 | | | 770万円超 | 一律195.5万円 | | 65歳以上 | 330万円以下 | 110万円 | | | 330万円超〜410万円以下 | 収入額 × 25% + 27.5万円 | | | 410万円超〜770万円以下 | 収入額 × 15% + 68.5万円 | | | 770万円超 | 一律195.5万円 | たとえば、65歳以上で年金収入が250万円であれば、110万円の控除が適用され、課税対象となる所得は140万円に圧縮されます。
退職所得の受給に関する申告書
退職所得の受給に関する申告書とは、会社を退職する際に、退職金などの「退職所得」を受け取る人が税務上の正しい控除を受けるために提出する書類のことです。 通常、この申告書を提出すると、退職金に対して「退職所得控除」が自動的に適用され、源泉徴収時の所得税が軽減されます。逆に、この申告書を提出しない場合は、退職金に対して一律の高い税率で所得税が差し引かれてしまい、後から確定申告で還付を受ける手続きが必要になります。そのため、退職時には必ずこの申告書を会社に提出することが大切です。提出先は勤務先(退職金の支払者)であり、書類の内容には本人の住所、マイナンバー、勤続年数、退職理由などが記載されます。正しく提出することで、退職金に対する税負担を最小限に抑えることができます。
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