現在会社員をしながら、1人法人の経営もしています。経営セーフティ共済は節税に使えますか?
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2024/08/20 20:48
男性
40代
現在会社員をしながら、1人法人の経営もしています。1人法人の経営者であまり経費が計上できていないため、経営セーフティ共済に加入して掛け金を経費計上して節税にも使えないかと思っています。このような使い方は可能でしょうか?
回答
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済)は、取引先倒産で売掛金が回収不能になった際の資金繰りを支える制度であり、節税は副次的効果にとどまります。掛金は月5,000円〜20万円で自由に設定でき、累計800万円まで積み立て可能。支払った掛金は全額を損金算入できるため、掛金拠出期には法人税の繰り延べ効果が生じます。
自己都合で解約しても、12か月以上の払い込みで掛金総額の8割超、40か月以上でほぼ満額が解約手当金として戻りますが、この解約手当金は益金(課税所得)となり、受取年度に法人税・所得税の課税対象となります。したがって、黒字期に加入し赤字期に解約して利益と相殺するなど、解約タイミングを精緻にコントロールできれば実質的な節税に寄与する可能性はありますが、1人法人の場合は赤字幅が小さく計画通りに活用しづらいのが実情です。
結論として、本共済を検討する際は「取引先依存度が高く資金ショートリスクがあるか」を主眼に置き、節税はあくまでおまけと考えるのが妥当です。掛金負担、解約手当金の課税インパクト、解約時機の調整余地を総合的に見極めたうえで導入可否を判断してください。