物価連動債はどこで購入できますか?
物価連動債はどこで購入できますか?
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2025/02/01 11:49
男性
60代
物価連動債に興味がありますが、どこで購入できるのでしょうか?銀行や証券会社で取り扱いがありますか?また、個人でも簡単に購入できるのか、手続きが複雑なのかも知りたいです。
回答
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
物価連動債(インフレ連動国債)は、銀行窓口ではほとんど取り扱いがなく、証券会社を通じてのみ購入できます。主な取扱先は野村證券・大和証券・SMBC日興証券などの大手対面証券で、ネット証券ではSBI証券などが新発債の募集時に限定的に取り扱うことがあります。購入方法は「新発債」と「既発債」の2通りです。
新発債は、財務省が年4回ほど実施する発行スケジュールに合わせて証券会社で申し込みます。募集額には上限があるため、抽選で配分される場合もあります。既発債は、証券会社の店頭やオンライン取引で市場価格(利回りは日々変動)を確認しながら購入しますが、流動性が低く希望数量が約定しにくい点には注意が必要です。
取引は「証券総合口座」と「公共債取引口座」を開設すればオンラインで完結し、手続き自体は複雑ではありません。ただし額面10万円単位で、最低売買額が数百万円規模になることもあるため、他の国債に比べてエントリーハードルは高めです。購入前には、流通量の少なさ、途中売却時の価格変動リスク、インフレ率に応じた利回り変動の3点を確認し、証券会社ごとの募集予定や市場価格を比較したうえで検討するとよいでしょう。
なお、インフレ局面では物価連動債以外にも、リスクを抑えながら実質資産価値を守る手段があります。たとえば、インフレ耐性のある株式・リート・コモディティETFなどを組み合わせる戦略も有効です。どの資産をどの割合で組み入れるべきか悩む場合は、「投資のコンシェルジュ」の無料相談を活用し、自分の資産状況や目的に合わせた最適な運用方針を専門家に相談してみるのもおすすめです。
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物価連動国債
物価連動国債は、元本を全国消費者物価指数(コアCPI)に連動させ、実質固定利率を調整後元本に掛けて利息を計算する国債です。たとえば表面利率0.2%の10年債なら、物価が2%上昇して元本が102円に増えれば利息も0.204円に増えます。逆にデフレが進んでも元本は額面100円を下回らないフロアが設けられており、元本毀損は限定的です。ただしCPIは公表にタイムラグがあり、発行から利払いまで概ね3か月遅れて反映されるため、急激なインフレ局面では追随がやや遅れます。 税制上は名目利息に加え、元本調整で増えた分も利子所得として課税されるため、実質利回りより手取り利回りが低くなる傾向があります。また日本の物価連動国債市場は発行量が少なく流動性が限られるため、価格が振れやすい点にも注意が必要です。 投資判断では、同じ年限の名目国債利回りとの差で算出するブレークイーブン・インフレ率を確認し、市場が織り込むインフレ期待と照らして割高・割安を見極めます。インフレヘッジの有力手段である一方、指数ラグや流動性、税務コストも踏まえ、ポートフォリオ全体の資産配分を検討することが大切です。
新発債
新発債とは、最新の市場環境や経済状況、政府や発行体の政策に基づいて新たに発行される債券を指します。 発行時には、その時点での金利や償還期間、利払い条件などが設定されるため、現行の市場動向や信用リスクを反映した内容となります。 投資家は、新発債の発行条件をもとに投資判断を行い、発行後は市場で売買されることによって既発債と同様に取引される可能性もあります。新発債の情報は、発行直後の市場反応や将来の金利動向に影響を受けるため、慎重なリスク評価が重要とされています。
既発債
既発債とは、すでに発行され市場に流通している債券のことを指します。新規に発行される新発債と区別され、既発債は発行時に決定された金利、償還期間、利払い条件などの契約内容が固定されているため、その後の市場環境の変化に応じて価格が変動する特徴があります。 投資家は、既発債を市場で売買する際に、発行時の条件と現行の金利状況などを考慮してリスクとリターンを判断する必要があります。また、既発債の市場動向は、金融全体の金利環境や信用リスクの変動を反映するため、経済の健全性や市場動向の分析においても重要な指標となっています。
利回り
利回りとは、投資で得られた収益を投下元本に対する割合で示し、異なる商品や期間を比較するときの共通尺度になります。 計算式は「(期末評価額+分配金等-期首元本)÷期首元本」で、原則として年率に換算して示します。この“年率”をどの期間で切り取るかによって、利回りは年間リターンとトータルリターンの二つに大別されます。 年間リターンは「ある1年間だけの利回り」を示す瞬間値で、直近の運用成績や市場の勢いを把握するのに適しています。トータルリターンは「保有開始から売却・償還までの累積リターン」を示し、長期投資の成果を測る指標です。保有期間が異なる商品どうしを比べるときは、トータルリターンを年平均成長率(CAGR)に換算して年率をそろすことで、複利効果を含めた公平な比較ができます。 債券なら市場価格を反映した現在利回りや償還までの総収益を年率化した最終利回り(YTM)、株式なら株価に対する年間配当の割合である配当利回り、不動産投資なら純賃料収入を物件価格で割ったネット利回りと、対象資産ごとに計算対象は変わります。 また、名目利回りだけでは購買力の変化や税・手数料の影響を見落としやすいため、インフレ調整後や税控除後のネット利回りも確認することが重要です。複利運用では得た収益を再投資することでリターンが雪だるま式に増えますから、年間リターンとトータルリターンを意識しながら、複利効果・インフレ・コストを総合的に考慮すると、より適切なリスクとリターンのバランスを見極められます。
流動性
流動性とは、資産を「現金に変えやすいかどうか」を表す指標です。流動性が高い資産は、短時間で簡単に売買でき、現金化しやすいという特徴があります。例えば、上場株式や国債は市場で取引量が多く、いつでも売買できるため、流動性が高い資産とされています。 一方、不動産や未上場株式のように、売買相手を見つけるのが難しかったり、取引に時間がかかったりする資産は、流動性が低いといえます。 投資をする際には、自分が必要なときに資金を取り出せるかを考えることが重要です。特に初心者は、流動性が高い資産を選ぶことで、急な資金需要にも対応しやすく、リスクを抑えることができます。
約定
約定とは、株式や投資信託、FXなどの金融商品を売買する際に、買い手と売り手の条件が一致して取引が成立することを指します。注文を出しただけでは取引は完了しておらず、実際にその注文が市場で相手とマッチして取引が成立した瞬間に「約定した」と表現されます。 たとえば、ある株を「1,000円で買う」という注文を出し、売りたい人が同じ価格で売り注文を出していれば、その時点で売買が成立し、これが約定となります。投資では、この約定が実際の資産の動きを決定づける重要なタイミングであり、注文方法(指値や成行など)や市場の状況によって、約定のタイミングや可否が左右されることもあります。

