エンジェル税制を利用することで得られる主なメリットは何ですか?
回答受付中
0
2025/04/07 11:26
男性
30代
エンジェル税制を利用することで、具体的にどのようなメリットが得られるのか知りたいです。特に、税制優遇の仕組みや投資リスク軽減にどのように役立つのか詳しく教えてください。
回答
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
エンジェル税制には ①税負担の軽減 と ②損失リスクのヘッジ という二大メリットがあります。
① 税負担の軽減
- 優遇措置A―投資額の最大40%を所得控除できるため、その年に支払う所得税・住民税を直接圧縮できます。
- 優遇措置B―投資額全額を将来の株式売却益から差し引けるので、キャピタルゲイン課税(現行20.315%)を大幅に抑えられます。
- プレシード・シード特例/起業特例―設立間もない企業などに投資した場合、最大20億円までの売却益が非課税になるケースもあります。
② 損失リスクのヘッジ
投資先が期待どおり成長せず損失が出ても、その損失を他の株式譲渡益と損益通算でき、控除し切れない部分は最長3年間繰り越し可能です。これにより、ハイリスクなスタートアップ投資でも実質的なダウンサイドを限定できます。
制度利用は、対象企業が中小企業庁の認定基準を満たし、投資日から60日以内に発行される「エンジェル税制適用確認書」を取得していることが前提です。適用は確定申告で行い、制度内容や控除割合は年度ごとに改正されるため、実行前に最新法令の確認と専門家への相談が不可欠です。投資リターンの最大化と社会的インパクトを同時に狙える制度として、活用する価値は十分にあるでしょう。
関連記事
関連質問
関連する専門用語
所得控除
所得控除とは、個人の所得にかかる税金を計算する際に、特定の支出や条件に基づいて課税対象となる所得額を減らす仕組みである。日本では、医療費控除や生命保険料控除、扶養控除などがあり、納税者の生活状況に応じて税負担を軽減する役割を果たす。これにより、所得が同じでも控除を活用することで実際の税額が変わることがある。控除額が大きいほど課税所得が減少し、納税者の手取り額が増えるため、適切な活用が重要である。
エンジェル税制
エンジェル税制とは、個人投資家が投資時・株式売却時に受けることができる税制上の優遇措置を定めた税制。ベンチャー企業に対する投資の促進を図る観点から国税庁によって定められている。ベンチャー企業に投資した年、未上場ベンチャー企業株式を売却して売却損益が発生した年にそれぞれ優遇措置を受けることができる。
非課税措置
非課税措置とは、特定の条件を満たす場合に税金の支払いが免除される制度のことを指します。資産運用においては、NISA(少額投資非課税制度)やiDeCo(個人型確定拠出年金)などが代表的な例で、一定額までの運用益が非課税となります。また、相続税や贈与税の軽減措置としても適用されることがあり、資産形成や世代間の資産移転において有効な手段となります。適用要件や上限額を理解し、適切に活用することが資産管理の鍵となります。
損失繰越控除
損失繰越控除とは、ある年度に発生した損失を翌年以降の所得から差し引くことで、税負担を軽減する制度のことを指します。法人税や所得税の計算に適用され、例えば事業年度内に赤字となった企業は、翌年度以降の黒字所得と相殺することで税負担を抑えることができます。特にスタートアップや新規事業においては、初期投資がかさみ赤字となることが多いため、この制度を活用することで資金繰りを安定させることが可能です。適用には一定の要件があるため、事前に確認しておくことが重要です。
確定申告
確定申告とは、1月1日から12月31日までの所得を計算して翌年の2月16日から3月15日に申告し、納税する手続き。多くの会社では年末調整を経理部がしてくれるが、確定申告をすると年末調整では受けられない控除を受けることができる場合もある。確定申告をする必要がある人が確定申告をしないと加算税や延滞税が発生する。