株式の配当金について、配当控除を選択するデメリットはありますか?
株式の配当金について、配当控除を選択するデメリットはありますか?
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2026/02/09 10:13
男性
40代
株式投資を始めたばかりで配当金を受け取るようになりましたが、「配当控除を選ぶと税金が安くなる」と聞く一方で、何か不利になる点やデメリットがあるのかが気になります。
回答
佐々木 辰
38歳
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
配当控除は、配当金を確定申告で総合課税として申告した場合に使える税額控除で、所得税の負担が軽くなることがあります。ただし、配当控除は「使えば必ず得になる制度」ではなく、特に所得が高い人ほど、かえって税負担が増えるケースがある点に注意が必要です。
総合課税を選ぶと、配当金は他の所得と合算されて課税されます。そのため、もともと所得税率が高い人の場合、配当控除による軽減効果よりも、累進課税によって増える税額の方が大きくなり、結果として手取りが減ることがあります。
また、配当を申告すると所得が増えるため、住民税の計算にも影響します。住民税では配当控除の仕組みが異なるため、所得税では軽減されたとしても、住民税の負担増によって差し引きで不利になるケースも少なくありません。
さらに、所得が増えることで、国民健康保険料の算定や、扶養判定、各種給付や減免など、所得基準がある制度に影響が出る可能性があります。税金だけを見て判断すると、こうした周辺制度で想定外の不利益が生じることがあります。
加えて、株式の譲渡損がある年には、配当を申告分離課税として損益通算や繰越控除を優先した方が有利になる場合があります。この場合、配当控除は使えませんが、全体の税負担としてはその方が合理的なこともあります。
配当控除を選ぶべきかどうかは、配当額の大小だけで決められるものではありません。他の所得水準、所得税・住民税の合計負担、社会保険料や各種判定への影響、損益通算の有無まで含めて、トータルで判断することが重要です。
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関連する専門用語
配当控除
配当控除とは、上場企業や一部の非上場企業から受け取る配当金に対して適用される税額控除の制度です。日本では、配当金には通常約20.315%(所得税15.315%+住民税5%)の税金が源泉徴収されますが、確定申告を行い「総合課税」を選択すると、配当控除を受けることで実際の税負担を軽減できます。 特に、所得税では配当金の最大10%(上場株式の場合)、住民税では最大2.8%が控除されるため、課税所得が一定水準以下の場合、総合課税を選ぶことで税負担が軽くなる可能性があります。ただし、所得が高い場合は累進課税により税率が上がるため、総合課税ではなく「申告分離課税」を選択したほうが有利になることもあります。どの課税方式を選ぶかは、個人の所得状況に応じて慎重に判断することが重要です。
確定申告
確定申告とは、1月1日から12月31日までの所得を計算して翌年の2月16日から3月15日に申告し、納税する手続き。多くの会社では年末調整を経理部がしてくれるが、確定申告をすると年末調整では受けられない控除を受けることができる場合もある。確定申告をする必要がある人が確定申告をしないと加算税や延滞税が発生する。
総合課税
総合課税は、給与や年金、事業収入、不動産収入、利子、配当など、1年間に得たさまざまな所得を合算し、その合計額に累進税率を適用して所得税を計算する方式です。 所得が増えるほど税率が高くなるため、高所得者ほど税負担が大きくなる点が特徴です。一方、金融所得には総合課税以外の課税方法を選択できる場合があります。 たとえば、株式譲渡益や先物取引益などは「申告分離課税」を選ぶことで、ほかの所得と区分して一律20.315%(所得税15%、復興特別所得税0.315%、住民税5%)で申告できます。 また、預貯金利息や一部の公社債利子などは、支払元が税金を源泉徴収する「源泉分離課税」となり、原則として確定申告は不要です。配当や利子のように課税方式を選択できるケースでは、ご自身の所得水準や控除の有無、損益通算の可能性を踏まえ、総合課税・申告分離課税・源泉分離課税のどれを採用するかを検討することが、最終的な税負担を抑えるうえで重要になります。
申告分離課税
申告分離課税とは、特定の所得について他の所得と分離して税額を計算し、確定申告を通じて納税する方式です。 主な対象となる所得は以下の通りです: - 譲渡所得: 土地や建物、株式などの譲渡による所得。 - 山林所得: 山林の伐採や譲渡による所得。 - 先物取引による所得: FXや商品先物取引による所得。 例えば、株式の譲渡所得については、他の所得と合算せずに分離して課税されます。また、上場株式等の配当所得についても、申告分離課税を選択することができます。
損益通算
投資で発生した利益と損失を相殺することで、課税対象となる利益を減らす仕組みのことです。たとえば、株式投資で50万円の利益が出た一方、別の取引で30万円の損失が発生した場合、損益通算を行うことで、課税対象となる利益は50万円から30万円を引いた20万円になります。この仕組みにより、納める税金を減らすことが可能です。 損益通算が適用されるのは、同じ「所得区分」の中でのみです。たとえば、株式や投資信託の譲渡損益や配当金などは「株式等の譲渡所得等」に分類され、この範囲内で損益通算が可能です。ただし、不動産所得や給与所得など、異なる所得区分間では基本的に通算できません。 さらに、株式投資の損失は、損益通算後も控除しきれない場合、翌年以降最長3年間繰り越して他の利益と相殺できます。これを「繰越控除」と呼び、投資初心者にとっても節税に役立つ重要なポイントです。
繰越控除
繰越控除とは、特定の損失や控除額を翌年度以降に持ち越し、将来の所得から控除できる税制上の仕組みを指す。代表的なものとして、青色申告の純損失の繰越控除があり、一定期間内に発生した損失を翌年以降の利益から差し引くことができる。これにより、赤字企業でも将来の黒字化に伴い税負担を軽減できるメリットがある。ただし、適用には一定の要件があり、期限内に申告する必要がある。
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