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エンジェル税制の非課税と課税繰延べの違いは?

エンジェル税制の非課税と課税繰延べの違いは?

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2024/08/01 17:01


男性

30代

question

エンジェル税制において、起業特例やプレシード・シード特例は20億円の出資まで非課税で、それを超える分は課税繰延べ、優遇措置A,Bは課税繰延べが優遇内容とされています。<br>非課税と課税繰延べの違いはなんですか?<br>どちらの方が節税できますか?


回答

佐々木 辰

株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長

非課税と課税繰延べはいずれも「当年の課税所得を減らす」点では同じですが、効果の持続性が決定的に異なります。非課税枠に入った投資額は将来売却しても課税対象に戻らないため、税負担が恒久的に消滅します。一方、課税繰延べは課税時期を先送りするだけで、株式売却時に繰延べた額が譲渡益に加算されて課税されます。したがって条件が同じなら非課税のほうが純粋な節税効果は大きくなります。

エンジェル税制では「起業特例」と「プレシード・シード特例」が非課税型で、年間最大20億円までの出資額を当年の譲渡益から控除しても将来課税されません。20億円を超える部分は課税繰延べ扱いとなり、売却時に課税されます。一方、「優遇措置A」は投資額から2,000円を差し引いた額を当年の総所得から控除し、「優遇措置B」は投資額を当年の譲渡益から控除しますが、いずれも課税繰延べ型なので売却時に控除額が復活して課税されます。

したがって長期的な節税を狙う場合は、まず非課税枠を優先的に活用し、超過分や当年のキャッシュフローを一時的に軽くしたいときに課税繰延べ枠を補完的に使うのが合理的です。

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エンジェル税制

エンジェル税制とは、個人投資家が投資時・株式売却時に受けることができる税制上の優遇措置を定めた税制。ベンチャー企業に対する投資の促進を図る観点から国税庁によって定められている。ベンチャー企業に投資した年、未上場ベンチャー企業株式を売却して売却損益が発生した年にそれぞれ優遇措置を受けることができる。

プレシード・シード特例

プレシード・シード特例とは、スタートアップ企業の創業初期段階(プレシード・シード期)に適用される税制優遇措置のことを指します。これにより、起業家や投資家が初期の資金調達をしやすくなり、新規事業の立ち上げを支援する狙いがあります。具体的には、エンジェル投資家による投資への所得控除や、法人設立時の税負担の軽減などが含まれます。創業初期は資金繰りが厳しくなるため、こうした特例を活用することで財務基盤を強化し、持続的な成長へとつなげることができます。

課税の繰り延べ

課税の繰り延べとは、税制の特例措置などを利用した場合に、課税を将来に先送りすることをいいます。 設備投資やエンジェル投資など、多額のキャッシュアウトが発生する場合、そこに課税されると瞬間的な費用負担が大きくなるという問題があります。課税を繰り延べることにより、キャッシュアウトを分散させることでキャッシュフローが安定する、という効果があります。 ただし、あくまでも先送りであって将来納税負担があることや、適用条件が様々に付与されていることに注意が必要です。

譲渡益

譲渡益とは、株式や不動産などの資産を売却した際に得られる利益のことを指します。具体的には、売却価格から取得費や譲渡費用を差し引いた金額が譲渡益となります。個人が株式を売却して利益を得た場合、通常は譲渡所得として申告分離課税(税率20.315%)の対象になります。不動産の場合、所有期間が5年以下の短期譲渡は税率39.63%、5年超の長期譲渡は20.315%の税率が適用されます。 また、投資信託の売却益も譲渡所得に分類されますが、分配金の一部は配当所得として課税される場合があります。税制上の優遇措置として、NISA(少額投資非課税制度)や居住用不動産の3000万円特別控除などがあり、適用条件を理解することが重要です。 資産運用においては、売却のタイミングや税制の影響を考慮し、適切な税対策を行うことが求められます。

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