投資の知恵袋
Questions
在職老齢年金の計算に、ボーナスも含めますか?
回答済み
1
2026/07/14 15:24
男性
60代
在職老齢年金の支給額を計算する際、毎月の給与だけでなく賞与(ボーナス)も含めて判定されるのでしょうか。給与と賞与の扱いの違いや、支給停止額への具体的な影響について教えてください。
回答をひとことでまとめると...
在職老齢年金の判定には賞与も含まれます。標準報酬月額に直近1年間の標準賞与額を12分の1した額を加え、支給停止額を確認します。
佐々木 辰
38歳
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
在職老齢年金の支給停止額を計算する際は、毎月の給与だけでなく賞与も含めて判定されます。判定では、老齢厚生年金の月額にあたる「基本月額」と、勤務先から受ける報酬を月額換算した「総報酬月額相当額」を合計し、一定の基準額を超えるかどうかを確認します。
総報酬月額相当額は、毎月の標準報酬月額に、直近1年間の標準賞与額の合計を12で割った金額を加えて算出します。そのため、賞与は支給月だけに影響するのではなく、12分の1ずつならして毎月の判定に反映される点が重要です。
たとえば月給が同じでも、賞与が多い人は総報酬月額相当額が高くなり、年金の一部または全部が支給停止となる可能性があります。一方、賞与が少ない場合や支給されない場合は、同じ月給でも判定上の報酬額は低くなります。
確認する際は、手取り額ではなく、厚生年金保険料の計算に使われる標準報酬月額と標準賞与額を見ることが大切です。賞与額の変動によって年金の支給額も変わるため、給与明細や賞与明細、ねんきんネット、年金事務所で見込み額を確認するとよいでしょう。
関連ガイド
関連質問
2025.09.16
“在職老齢年金制度の廃止はいつからですか?”
A. 在職老齢年金制度は直ちに廃止される予定はなく、段階的に支給停止基準額を引き上げる方向で見直しが進められています。
2025.12.16
“在職老齢年金は、70歳以上の人にも関係ありますか?”
A. 在職老齢年金は70歳以上でも関係があります。70歳を超えても厚生年金の適用事業所で働き、給与を受け取る場合、その金額によって老齢厚生年金が一部または全額支給停止されることがあります。
2026.03.22
“2026年度から在職老齢年金が改正され、シニアが働きやすくなるのは本当ですか?”
A. 2026年度は在職老齢年金の支給停止調整額が65万円に引上げとなる予定です。賃金+厚生年金が65万円以下なら支給停止なし、超過分の半分のみ減額となります。
2025.12.12
“働きながら、特別支給の老齢厚生年金の受給はできますか? ”
A. 60歳以降も再雇用で働きながら特別支給の老齢厚生年金は受給可能ですが、厚生年金加入中は在職老齢年金で減額される場合があります。
2025.12.16
“特別支給の老齢厚生年金をもらうと、どうなりますか?デメリットはありますか?”
A. 特別支給の老齢厚生年金は65歳以降の年金額には影響しませんが、働き方次第で年金額の調整や税負担が増える点に注意が必要です。
2025.10.08
“年金の特別支給や特別年金とはなんですか?受け取れる人の条件も教えて下さい”
A. 特別支給の老齢厚生年金は、60~64歳の間に受け取れる経過措置の年金で、生年月日や加入期間など一定の条件を満たす人が対象です。
関連する専門用語
在職老齢年金
在職老齢年金(ざいしょくろうれいねんきん)とは、年金を受け取りながら働く人の年金額を、賃金とのバランスをとるために一時的に減額または支給停止する制度です。高齢期の就労を促進しつつ、年金財政の公平性を保つことを目的としています。 対象となるのは、老齢厚生年金の受給権があり、厚生年金保険の適用事業所で報酬を受け取っている人です。具体的には、60歳以上で老齢厚生年金を受け取っている人が勤務を続けている場合に適用されます。70歳を超えると厚生年金保険料の支払い義務はなくなりますが、報酬を得ている限り、この在職老齢年金の支給停止の仕組みは引き続き適用されます。 支給停止の判定は、年金(月額)と給与・賞与の合計額が一定の基準を超えるかどうかで行われます。年金の支給額を算定する際に用いられる「基本月額」と、給与や賞与から算出される「総報酬月額相当額」を合計し、基準額(支給停止調整開始額)を上回る場合、超過分の2分の1が年金から差し引かれます。たとえば、年金10万円、給与50万円で合計60万円の場合、基準額51万円を9万円超えるため、その半分の4.5万円が支給停止となり、受け取れる年金は5.5万円になります。 基準額は制度改正により段階的に引き上げられています。2024年度までは47万円でしたが、2025年度(令和7年度)からは51万円に引き上げられました。さらに、2026年4月(令和8年4月)からは62万円に引き上げられる予定です。これにより、高齢になっても働き続ける人がより多くの年金を受け取れるようになります。 在職老齢年金には、60〜64歳を対象とする「低在老」と、65歳以上を対象とする「高在老」があります。60〜64歳の場合の基準額は28万円と低く設定されていますが、65歳以上は51万円(現行)と緩やかです。なお、雇用保険の高年齢雇用継続給付を受けている場合などは、年金額が追加で調整されることもあります。 在職老齢年金は「働く高齢者の所得と年金の調整」という考え方に基づく仕組みであり、年金制度の公平性と持続可能性を保ちながら、就労意欲を支える制度として位置づけられています。今後も高齢者の就労促進と制度の簡素化を目的とした見直しが進む見通しです。
老齢厚生年金
老齢厚生年金とは、会社員や公務員などが厚生年金保険に加入していた期間に応じて、原則65歳から受け取ることができる公的年金です。この年金は、基礎年金である「老齢基礎年金」に上乗せされる形で支給され、収入に比例して金額が決まる仕組みになっています。つまり、働いていたときの給与が高く、加入期間が長いほど受け取れる年金額も多くなります。また、一定の要件を満たせば、配偶者などに加算される「加給年金」も含まれることがあります。老後の生活をより安定させるための重要な柱となる年金です。
基本月額
基本月額とは、在職老齢年金の支給額を調整する際の基準となる金額のことです。具体的には、60歳以降も働いて厚生年金に加入しながら年金を受け取る人が対象となる制度で、この「基本月額」はその人が本来もらえる老齢厚生年金の月額を意味します。 調整の仕組みとしては、この基本月額と働いて得る賃金(総報酬月額相当額)との合計が一定の基準を超えると、年金の一部または全部が支給停止になることがあります。つまり、たとえ年金の受給資格があっても、働いて得る収入が多いと支給額が減らされる可能性があるということです。年金と仕事のバランスを考えるうえで、非常に重要な指標となります。
総報酬月額相当額
総報酬月額相当額とは、在職老齢年金において年金支給額を調整する際に使われる、働いて得ている収入を月額換算した金額のことです。この金額には、基本給だけでなく、残業代や通勤手当、各種手当なども含まれます。 具体的には、厚生年金保険の標準報酬月額と標準賞与額から計算され、年金の支給停止の基準となる「基本月額」と合算して判断材料とされます。この合計が一定の金額(例えば月47万円)を超えると、老齢厚生年金の一部または全部が支給停止になる場合があります。 したがって、働きながら年金を受け取る人にとっては、収入の多寡が年金に直接影響するため、この金額がどのように決まるかを理解しておくことが重要です。
標準報酬
標準報酬月額とは、社会保険において保険料や給付額の算定基準として用いられる、報酬水準を区分表に当てはめて決定される月額の基準値を指します。 この用語は、主に健康保険や厚生年金保険といった社会保険制度の中で、保険料負担や将来の給付水準を考える場面で登場します。会社員や公務員の報酬は月ごとに変動する可能性がありますが、そのままの実額を毎月の計算に使うと制度運用が複雑になります。そこで、一定期間の報酬をもとに区分化された等級に当てはめ、標準化された月額として扱う仕組みが採られています。この標準化された数値が、制度上の計算の起点になります。 実務や情報収集の場面では、「給与明細に書かれている金額」と「標準報酬月額」が同一だと誤解されがちです。しかし、標準報酬月額はあくまで制度上の区分値であり、実際に支払われた給与額そのものではありません。通勤手当や各種手当を含めた報酬の扱い方や、区分の境目によって、実額と標準報酬月額が一致しないことは珍しくありません。この違いを理解していないと、保険料の増減や将来の給付見込みを見誤る原因になります。 また、標準報酬月額は一度決まれば永久に固定されるものだと考えられることもありますが、これも典型的な誤解です。報酬水準に一定以上の変動があった場合や、制度上定められた見直しのタイミングでは、標準報酬月額が改定されることがあります。つまり、これは「個人の属性としての金額」ではなく、「制度が便宜的に設定する状態値」として捉える方が正確です。 投資や家計管理の観点では、標準報酬月額そのものを操作したり最適化したりする対象として考えるのではなく、社会保険制度の中でどのように使われ、どの判断に影響しているかを理解することが重要です。特に、保険料負担と給付の関係を考える際には、実収入ではなく標準報酬月額が基準になっている点を意識することで、制度に対する過度な期待や不安を避けることにつながります。
関連質問
2025.09.16
“在職老齢年金制度の廃止はいつからですか?”
A. 在職老齢年金制度は直ちに廃止される予定はなく、段階的に支給停止基準額を引き上げる方向で見直しが進められています。
2025.12.16
“在職老齢年金は、70歳以上の人にも関係ありますか?”
A. 在職老齢年金は70歳以上でも関係があります。70歳を超えても厚生年金の適用事業所で働き、給与を受け取る場合、その金額によって老齢厚生年金が一部または全額支給停止されることがあります。
2026.03.22
“2026年度から在職老齢年金が改正され、シニアが働きやすくなるのは本当ですか?”
A. 2026年度は在職老齢年金の支給停止調整額が65万円に引上げとなる予定です。賃金+厚生年金が65万円以下なら支給停止なし、超過分の半分のみ減額となります。





