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リスクリターンとリスク許容度

資産運用におけるリスクとリターンとリスク許容度の考え方

難易度:

執筆者:

公開:

2024.04.05

更新:

2024.04.05

資産寿命ポートフォリオ資産運用

目次

資産運用を始める前に知っておきたい、リスク・リターンとリスク許容度資産運用を始める前に知っておきたい、リスク・リターンとリスク許容度

資産運用の基本:リスクとリターン

資産運用における「リスク」とは

資産運用における「リターン」とは?

資産保有時に得られる収益「インカムゲイン」

資産の売買で発生する「キャピタルゲイン」

インカムゲインとキャピタルゲインをあわせたトータルリターンで利回りを考える

ハイリスク・ハイリターン、ローリスク・ローリターンとは?

資産運用で重要な「リスク許容度」とは?

リスク許容度の考え方

高いリスク許容度の例

低いリスク許容度の例

まとめ

資産運用を始める前に知っておきたい、リスク・リターンとリスク許容度

「リスク・リターン」は、資産運用を始めるにあたって最も重要な概念の一つです。簡単に言うと、リスクは運用額に対して起こり得る価格の変動幅、リターンは運用した結果得られる運用益の比率のことです。

そして、どの程度のマイナスの変化に耐えられるのか、というのが「リスク許容度」です。

「リスク・リターン」のバランスを理解し、自身の「リスク許容度」に合わせて資産運用を行うことが重要です。

一般的に、高いリターンを得たいと考えると、高いリスクを取る必要があります。この際、リスクが高いため大きな損失を招く可能性もあります。逆に、低いリスクに抑えたい場合は、リターンも低くなります。

ハイリスク・ハイリターンとは、高いリターンを得るために高いリスクを許容することです。ローリスク・ローリターンとは、高いリスクを避けた運用を行う代わりに、リターンも低い水準で許容することを意味します。

資産運用においては、自分が許容可能な損失のレベルを考慮して「リスク許容度」を設定することが重要です。リスク許容度は、個人の金融的状況、年齢、投資目標、さらには心理的な耐性に基づいて決まります。リスク許容度を考えずに資産運用を行うと、必要な時に必要な資金が確保できない、と言う事態になったり、余剰資金があるのに投資の機会を失う機会損失を招いたりする可能性があります。

本記事では、リスク許容度を考えるに当たって、まず資産運用におけるリスクとリターンについて説明します。リスク・リターンとリスク許容度の内容を踏まえて、あなたに合った資産運用プランを立てられるようになりましょう。

資産運用の基本:リスクとリターン

リスクは運用額に対して起こり得る価格の変動幅、リターンは運用した結果得られる運用益の比率のことと簡単にふれました。以下でより詳しく説明します。

資産運用における「リスク」とは

資産運用における「リスク」の意味は一般的なイメージと異なります。資産運用における「リスク」は、運用の収益がプラスやマイナスに変化する変動の幅のことを指します。

価格変動は様々な要素によって発生します。代表的なものに以下のようなリスクがあります。

リスクの種類内容
価格変動リスク金融商品の価格が日々変動するリスクで、景気動向や企業業績などに影響されます。株価の変動がわかりやすいでしょう。
信用リスク借り手が借金を返済できないリスクで、特に債券投資に関連しています。債券を発行する企業や地方公共団体が破綻すると、投資家は資金を失う可能性があります。
流動性リスク投資した資産を適切な価格で迅速に売買できないリスクです。不動産投資など、売却に時間がかかる資産がこれに該当します。
金利変動リスク金利の変動によって特に債券価格が影響を受けるリスクで、金利が上昇すると債券価格は下落します。
為替変動リスク外貨建ての金融商品に投資する場合に為替相場の変動により影響を受けるリスクです。円安と円高で、同じ100ドルでも円換算したときの価格が大きく異なります。
カントリーリスク投資対象国の政治・経済・社会情勢によるリスクで、海外投資において特に重要となります。

資産運用における「リターン」とは?

リターンは、投資から得られる利益のことを指します。リターンには「インカムゲイン」と「キャピタルゲイン」の2種類があります。

資産保有時に得られる収益「インカムゲイン」

インカムゲインは、資産を保有しているときに得られる収益のことで、配当金や利息がこれに該当します。

インカムゲインの例

資産の種類インカムゲイン
株式配当金:株式を保有することで受け取れる利益の一部分配金
債券利息(クーポン):債券の保有者に対して支払われる利息収入
不動産賃料収入:不動産を賃貸した際に得られる家賃収入
投資信託分配金:ファンドが得た収益から支払われる分配金
預金・ローン利息収入:銀行への預金や個人向け貸付から得られる利息収入

資産の売買で発生する「キャピタルゲイン」

キャピタルゲインは、資産の売買よって得られる収益です。例えば株式を低価格で購入し、高価格で売却した場合にはキャピタルゲインが得られます。反対に、株式を高価格で購入し、低価格で売却した場合にはキャピタルロスが発生したことになります。

インカムゲインとキャピタルゲインをあわせたトータルリターンで利回りを考える

資産運用におけるリターンは、運用額からどのくらい利益を生み出したか、という割合で考えます。これを利回りといいます。

インカムゲインとキャピタルゲインを単純に足し合わせたものがトータルリターンです。トータルリターンを運用額で割ることで、運用の利回りが算出できます。

例えば、100万円の運用で年間5万円の配当収入(インカムゲイン)と、3年後に120万円で売却した際の20万円の売却益(キャピタルゲイン)があった場合、トータルリターンは25万円(5万円×3年+20万円)となります。この場合の年間平均利回りは約8.3%と計算されます。

このように、インカムゲインとキャピタルゲインを合わせることで、資産運用におけるリターンを評価していきます。

ハイリスク・ハイリターン、ローリスク・ローリターンとは?

リスクは価格変動の大きさです。そのため価格変動が相対的に大きければハイリスク、小さければローリスクとなります。

リスク・リターンの説明図

金融商品によっては、手持ち資金を証拠金として、手持ち資金以上の金額の売買ができる「信用取引」を取り入れているものがあります。レバレッジをかける、とも言います。

FXや株式は刻一刻と価格が変動していますが、そこにさらに信用取引によるレバレッジをかけることで、その価格変化が増幅される形になります。そうすると、価格変化量であるリスクも大きくなります。100円の変化がレバレッジを10倍にすると10000円分の変化になります。プラスの変化であれば、10000円の儲けですが、マイナスだと10000円の損です。

レバレッジも無条件ではなく、FXでは25倍、株式だと3.3倍が上限として設定されています。そのため、レバレッジをかけた際のリスクがFXの方が圧倒的に大きくなることから、FXはハイリスク・ハイリターンの金融商品として扱われます。

一方で債券や定期預金はそのような仕組みがないため、もともと定められていた契約通りに利息を獲得することになります。そのかわりに、債券の発行元が破綻したり、預金していた銀行が破綻しない限りマイナスになることはありません。そのため、ローリスク・ローリターンと言われます。

個別株や投資信託、不動産投資などはその中間のミドルリスク・ミドルリターンとして扱われることが多いです。ただし、これは種類としての傾向です。実際に運用するときは、運用商品がどのようなリスクを持つか、思い込みを捨ててフラットに評価する必要があります。

資産運用で重要な「リスク許容度」とは?

リスク許容度とは、個々の投資家がどの程度のリスクまでなら受け入れられるかを示す指標です。

資産運用で得られるリターンは、運用のリスクによる価格変動の結果です。価格変動がプラスの方向に動いた場合、収益を得られ、価格変動がマイナスに動いた場合に損益が発生します。

つまり、リターンを得るためには、一定の価格変動を許容する必要があり、それをどの程度受け容れられるのか、というのがリスク許容度です。

リスク許容度が高い場合、より大きなリターンを求めて高リスク資産を選ぶことができます。一方で、リスク許容度が低い場合は、安定したリターンを求めて、より保守的な投資を選択することが一般的です。

リスク許容度の考え方

リスク許容度は、資産運用においてどの程度のリスクを受け入れられるかを示す指標であり、主に以下の要素を考慮して評価されます。

  1. 年齢: 年齢が若い投資家は、一般的に長期の投資期間とそれに伴うリスクを取る余裕があるとされます。反対に、年齢が高い投資家はより保守的なアプローチを取ることが多いです。
  2. ライフイベントと家族構成: 結婚、子供の教育費、退職計画などのライフイベントや、家族構成はリスク許容度に大きく影響します。これらのイベントは、資金の必要性や安定性へのニーズを高めることがあります。
  3. 資産と収入: 資産や収入が多いほど、投資家は高いリスクを取ることができると一般に考えられています。これは、潜在的な損失に対してより大きな緩衝を持つためです。
  4. 投資経験: 豊富な投資経験を持つ投資家は、リスクをより深く理解し、適切に管理する能力があるとされます。経験が少ない場合、投資家は通常、より低リスクのオプションを選ぶ傾向があります。

高いリスク許容度の例

  • 20代の独身サラリーマン

    長期的な資産形成が可能で、生活費の余裕もある。生活の余剰資金を資産運用に回せるため高リスク・高リターンの運用にも挑戦して、仮に損失が発生しても、生活への影響は殆どない。

  • 資産家や富裕層

    十分な資産があり、一時的な損失が発生しても、特に生活にししょうがない。そのため、高リスクでも収益機会を求められる。

低いリスク許容度の例

  • 50代で退職間近のサラリーマン

    人生で得られる資金の上限が見えており、損失を補填する手段が少ない。また、損失が老後の生活に直結してくるため、リスクを取れない。安全資産中心の低リスク運用が求められる

  • 子育て世帯

    子どもの医療費、教育費など出費が多く、生活費に余裕がない。そのため、損失に耐えられず、低リスクの資産運用が適している

まとめ

本記事では、資産運用におけるリスク・リターンとリスク許容度について説明しました。

リターンは運用の結果得られた収益、リスクは運用における価格の変化度合いであり、一般的なリスクのイメージとは異なる意味合いでした。リスクが高い、すなわち価格の変化が大きいと、その分得られるリターンの最大値も最低値も大きくなります。反対に、リスクが低く価格の変化が小さいと、得られるリターンの最大値・最低値ともに変化が小さくなります。

また、資産の種類と時間を考慮した分散投資を行うと、よりリスクを抑えながら安定した資産運用ができます。

リスク・リターンの考え方を踏まえて、あなたがどの程度の資産減少に耐えられるか、と言う点を考慮するのが、「リスク許容度」です。リスク許容度はあなたの年齢や資産、ライフプランによって様々です。逆に言えばライフプランを踏まえて、どのようなリスク許容度かを設定し、その上で運用計画を立てることが、安心した生活を送る上で重要です。

考える要素が沢山あり、リスク許容度を踏まえた運用計画を立てるには専門的な知識も要求されます。そのため、信頼できる資産運用の専門家に相談しながら、あなたに合った資産運用計画と、資産ポートフォリオ運用を行うことがおすすめです。

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関連する専門用語

リスク

価格の振れ幅のこと、一般に「標準偏差」という数値で表す。 数値が大きければ振れ幅が大きく、小さければ振れ幅も小さい。投資資産の価格変動の大きさの目安。

リターン

運用の結果得られる収益率(または損失率)のこと

リスク許容度

リスクとは収益(リターン)の振れ幅のこと。収益がどれくらいまでならマイナスになっても受け入れることができるか、という度合いのこと。

国際分散投資

様々な金融資産に分散して投資すること。 株式・債券・不動産など資産の種類、日本・先進国・新興国など投資先地域、通貨への分散投資を複合させるのが一般的。 ひとつの金融資産だけで運用成績が変動することを避けるために、複数の変動の方向性が異なる金融資産に分散投資し、投資資金全体のリスクを低減させる。 同水準のリスクをとる場合にできるだけ高いリターンを目指していく、いわゆる運用のリスク・リターン効率アップを図ることが可能。

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