Loading...

MENU

記事>
ステーブルコインとは?仕組み・日本での種類やリスク・活用法を徹底解説

ステーブルコインとは?仕組み・日本での種類やリスク・活用法を徹底解説

難易度:

執筆者:

公開:

2025.08.28

更新:

2025.08.28

ステーブルコインは、法定通貨や金などに価値を連動させ価格の安定を目指す暗号資産です。本稿では4つの仕組みの違いと使い方、主要銘柄とリスクを俯瞰し、日本では2023年6月1日の改正資金決済法で枠組みが整備された点、米国の2025年「GENIUS法」の位置づけまで整理します。2025年8月にはJPYCが資金移動業ライセンスを取得し実装が進展。UST崩壊の教訓を踏まえ、償還条件や準備資産の透明性など点検観点も具体化します。今読むことで、最新の制度と実務の要点を押さえられます。

サクッとわかる!簡単要約

この記事を読むと、ステーブルコインの4つの仕組みと使いどころが一気に整理でき、法定通貨担保・暗号資産担保・コモディティ・アルゴ型の違いと選び方が分かります。1コイン=1通貨単位の償還やDAIの150%以上の過剰担保、日本では2023年6月1日の改正資金決済法での位置づけ、USDCが一時0.88ドルまで下落した事例を踏まえ、リスクと確認すべき開示・償還条件を具体的に学べます。さらに、2025年8月にJPYCが資金移動業ライセンスを取得した最新動向も把握でき、日本円建ての実用化が進む背景を理解できます。

目次

ステーブルコインとは?価格が安定した「デジタル通貨」

「デジタル現金」として送金・決済・資産の退避先として需要が拡大

一般的な暗号資産やCBDCとの違いは「発行主体」と「価値の裏付け」

ステーブルコインはなぜ価格が安定する?仕組みを4つの種類別に解説

法定通貨担保型:最も主流な、発行体の信頼性が鍵となるタイプ

暗号資産担保型:「過剰担保」で安定を図る分散的な仕組み

コモディティ担保型:金(ゴールド)など現物資産の価値と連動

アルゴリズム型:担保を持たないがゆえに、崩壊リスクと隣り合わせの仕組み

ステーブルコインの使い道は?具体的な4つの活用法と注意点

活用法1:暗号資産の利益確定や価格変動の一時的な退避先に

活用法2:銀行より速く、安く国際送金・決済を行う

活用法3:レンディングなどで銀行預金より高い利回りを目指す

活用法4:スマートコントラクトで金融のイノベーションを加速させる

ステーブルコインに潜む4大リスクとは?

リスク1.価格変動リスク:価値の裏付けが崩れると、価格が乖離(デペッグ)する

リスク2.信用リスク:発行体や関連企業の破綻で、価値が失われる

リスク3.規制リスク:各国の法規制や税制の変更で、利用が制限される

リスク4.技術・環境リスク:システムの欠陥や市場の変化が影響する

代表的なステーブルコインの銘柄は?主要3タイプを比較

法定通貨担保型の代表格:USDTとUSDCの違いは「発行体の信頼性」と「透明性」

分散型の代表格:中央管理者のいない「DAI」はDeFiで広く利用される

日本におけるステーブルコインの現状:法律や今後の展望は?

日本での発行・利用は2023年施行の「改正資金決済法」でルール化済み

法整備を受け、各社から円建てステーブルコインが続々発行

米国におけるステーブルコインの最新動向と法規制

ステーブルコイン市場の拡大と2025年「GENIUS法」の成立

GENIUS法のポイント:発行は許可制、利用者は手厚く保護

米国市場への影響と今後の展望

ステーブルコインとは?価格が安定した「デジタル通貨」

ステーブルコインとは、法定通貨(政府が価値を保証する通貨)やコモディティ(現物資産)の価格に価値を連動することを目的に設計された暗号資産(仮想通貨)の一種です。

例えば1コイン=1米ドルや1コイン=1円といった形で価格が安定するよう設計されており、その安定性を支える仕組みを持っています。

「デジタル現金」として送金・決済・資産の退避先として需要が拡大

一般的なビットコインなどの暗号資産は市場の需給で価格が大きく変動するため、決済手段や資産運用手段としては使いにくい側面があります。

これに対し、ステーブルコインは価値変動幅(ボラティリティ)が小さいよう工夫されているため、暗号資産の利確(利益確定)時に他の変動資産から移し替えておく「デジタル現金」のような使い方や、世界中とのスムーズな送金・決済手段として活用されるケースが増えています。

言い換えると、ステーブルコインは「価格の安定した暗号資産」であり、暗号資産と法定通貨の橋渡しとなる存在です。

一般的な暗号資産やCBDCとの違いは「発行主体」と「価値の裏付け」

なお、ステーブルコインは民間企業や非中央集権型の団体(DAOなど)が発行主体となるのが一般的であり、国の中央銀行が発行する法定通貨(フィアット通貨)や中央銀行デジタル通貨(CBDC)とは異なります。

このため、利用者はステーブルコインの裏付け資産や発行主体の信頼性を自ら確認する必要がある点に注意が必要です。

後述するように、ステーブルコインによっては発行元が充分な準備資産を持たず信用不安から価値が維持できなくなるリスクも存在します。また各国政府による規制の対象にもなり得る資産であり(日本では2023年に規制枠組みが整備)、法規制や税制の変更によって利用環境が変わる可能性もあります。

このようにステーブルコインは「価値が安定した暗号資産」ではあるものの、その安定性の条件やリスクについて正しく理解した上で利用することが大切です。

CBDCについては、以下Q&Aでも説明しています。

ステーブルコインはなぜ価格が安定する?仕組みを4つの種類別に解説

ステーブルコインは、その価格を安定させる仕組み(メカニズム)の違いによって、大きく4つの種類に分類されます。それぞれの特徴と、どのような資産が価値を裏付けているのかを理解することが重要です。

種類        担保(裏付け)資産  代表的な銘柄     価格安定の仕組み・特徴          
法定通貨担保型米ドルや円など法定通貨USDT、USDC、JPYC、BUSD発行体が同額の法定通貨(現金や短期国債など)を保有し、1コイン=1通貨単位での償還を保証。最も普及しており、価格変動が最小限に抑えられます。
暗号資産担保型ビットコイン、イーサリアム等DAI、sUSD、WBTC※価格変動の激しい暗号資産を、発行額より多めに(過剰に)担保することで価値を安定化。DAIは代表的な分散型ステーブルコインです。
コモディティ担保型金(ゴールド)や原油など現物資産PAX Gold(PAXG)、ジパングコイン(ZPG)金地金など現物資産の価値と連動。発行体が相当量の現物資産を保有し、1コインを一定量の資産と交換可能にすることで価値を担保します。
アルゴリズム型
(無担保型)
担保資産なしTerraUSD(UST)、FRAX、AMPL裏付け資産を持たず、プログラムによる発行量の自動調整で価格を維持。信頼のみに依存するため、信認が失われると価格が崩壊するリスクが高いです。

※WBTCはビットコインを担保に発行されるトークン(BTCと1:1で交換可能)で、広義には暗号資産担保型の一種です。

法定通貨担保型:最も主流な、発行体の信頼性が鍵となるタイプ

法定通貨担保型は、米ドルや日本円などの法定通貨を価値の裏付けとする最もシンプルなタイプです。発行企業は、発行したコインと同等額の法定通貨やそれに準ずる資産(現金、銀行預金、短期国債など)を準備金として保有し、利用者はいつでも「1コイン=1通貨単位」での償還を請求できるため、価格の安定が保たれます。この仕組みの分かりやすさと価格の安定性が利点であり、2025年現在、市場に流通するステーブルコインのほとんどがこのタイプです。

また、発行体が金融当局の規制下にあれば、利用者保護の仕組みも期待できます。一方で、利用者は発行元の信用リスクを負う点に注意が必要です。仮に発行企業が経営破綻したり準備資産が失われたりした場合、コインの価値が維持できなくなる可能性があります。そのため、発行元の財務状況や監査報告の有無などを確認し、信頼できる銘柄を選ぶことが重要です。

暗号資産担保型:「過剰担保」で安定を図る分散的な仕組み

暗号資産担保型は、ビットコインやイーサリアムといった他の暗号資産を担保として発行されるタイプです。担保資産自体の価格変動リスクを吸収するため、発行したいコインの価値よりも大幅に多くの担保(過剰担保)を預け入れることで、価格の安定性を確保します。例えば代表例のDAIは、1ドルの価値を維持するために150%以上の暗号資産を担保とします。

この仕組みは法定通貨を介さず暗号資産だけで完結するため、特定の管理者を必要としない分散型金融(DeFi)の領域で広く利用されています。価値の維持は、ブロックチェーン上のプログラム(スマートコントラクト)によって自律的に管理されます。ただし、多額の担保が必要で資金効率が悪いというデメリットがあります。また、市場全体の価格が暴落した際には担保の強制清算が追いつかず、価格が不安定になるリスクも指摘されており、極端な市場変動への耐性には注意が必要です。

コモディティ担保型:金(ゴールド)など現物資産の価値と連動

コモディティ担保型は、金(ゴールド)や原油といった現物資産(コモディティ)を価値の裏付けとします。発行体は、発行量に見合った現物資産を安全な場所に保管し、1コインを一定量の現物資産と交換可能にすることで価値を担保します。実物資産の裏付けがあるため、デジタル上で手軽に金などへ投資・取引できるのが利点です。本来は持ち運びや分割が難しい現物資産を、ブロックチェーン上で少額から取引可能にします。

注意点として、連動する現物資産自体の市場価格によってコインの価値も変動します。例えば金価格に連動するコインは、ドルや円建てで見れば金相場に応じて値動きするため、法定通貨に対して価値が常に一定というわけではありません。あくまで現物資産への投資手段と理解しておく必要があります。

アルゴリズム型:担保を持たないがゆえに、崩壊リスクと隣り合わせの仕組み

アルゴリズム型は、特定の裏付け資産を持たず、独自のプログラム(アルゴリズム)によってコインの発行量を自動的に調整し、価格を一定に維持しようと試みるタイプです。例えば、コインの価格が目標より下がると供給量を減らし、上がると供給量を増やすことで需給バランスを操作します。裏付け資産が不要なため、理論上は非常に効率的に規模を拡大できる可能性があります。

しかし、その価値は利用者の信頼のみに支えられており、本質的に非常に不安定です。ひとたび信認が失われると、売りが売りを呼ぶ連鎖的な暴落を引き起こし、価値がゼロになる危険性があります。2022年5月に起きたTerraUSD(UST)の崩壊は、このリスクを現実のものとしました。現在、アルゴリズム型は極めてハイリスクな試みと見なされており、世界中の規制当局が厳しい姿勢を示しています。

ステーブルコインの使い道は?具体的な4つの活用法と注意点

ステーブルコインは単に価格が安定しているだけでなく、実用的な価値を持つことから注目されています。暗号資産取引における資産の退避先としての役割はもちろん、銀行を介さない迅速・低コストな国際送金、預金より高い利回りを目指す資産運用、そして新しい金融サービスを支える基盤まで、その用途は多岐にわたります。

活用法1:暗号資産の利益確定や価格変動の一時的な退避先に

最大のメリットである「価値の安定性」を活かした使い方です。価格変動の激しいビットコインなどと異なり、ステーブルコインは法定通貨に近い価値尺度として機能します。そのため、暗号資産取引で得た利益を一時的に確保しておく退避先や、市場から撤退せずに価格変動リスクを回避するための「デジタルな現金」として重要な役割を果たします。

活用法2:銀行より速く、安く国際送金・決済を行う

ブロックチェーン上で直接送金できるため、国際送金や決済のコストと時間を大幅に削減できます。従来の銀行送金では数日かかっていた手続きが数分で完了し、為替手数料や中継銀行手数料もかかりません。この利便性から、個人の送金はもちろん、グローバルな企業間決済での活用も期待されています。

活用法3:レンディングなどで銀行預金より高い利回りを目指す

ステーブルコインは価格上昇による利益(キャピタルゲイン)を狙えませんが、貸し出すことで利息(インカムゲイン)を得られる可能性があります。取引所や分散型金融(DeFi)のサービスを通じてステーブルコインを貸し出すことで、年利数パーセントの利回りを得られる場合があります。ただし、一般的に高い利回りには相応のリスクが伴うため、仕組みの理解が不可欠です。

活用法4:スマートコントラクトで金融のイノベーションを加速させる

ステーブルコインは、ブロックチェーン上で機能する「プログラム可能なお金」としての側面も持っています。第一に、スマートコントラクトと組み合わせることで、貸付や決済といった金融取引を自動化し、新しいサービスを生み出す基盤となります。日本でも、証券の決済手段として活用する実証実験などが行われています。第二に、暗号資産市場全体の潤滑油としての役割です。様々な暗号資産と交換するためのハブ(基軸通貨)として機能し、市場の流動性を高めています。

ステーブルコインに潜む4大リスクとは?

「安定」したコインという名前ですが、銀行預金のような安全性が保証されているわけではありません。便利さの裏側には、価格が額面通りでなくなる「価格変動」、発行者が破綻する「信用」、法律が変わる「規制」、そしてシステム上の「技術」という4つの主要なリスクが存在します。これらを正しく理解することが重要です。

リスク1.価格変動リスク:価値の裏付けが崩れると、価格が乖離(デペッグ)する

ステーブルコインの価値は、その裏付けとなる資産によって支えられています。そのため、発行体が十分な裏付け資産を保有しているかが極めて重要です。

特に、裏付け資産を持たないアルゴリズム型は、需給バランスの崩壊が価格の暴落に直結します(TerraUSDの崩壊が典型例です)。また、暗号資産やコモディティを担保とするタイプも、担保自体の価格が下落すれば価値の維持が難しくなります。実際、2022年には連鎖的な市場不安から、最大手のUSDTでさえ一時的に価格が0.95ドルまで下落する事態(ディペッグ)が発生しました。

リスク2.信用リスク:発行体や関連企業の破綻で、価値が失われる

ステーブルコインは民間企業が発行するため、発行体の信用力や経営状況が価値に直結します。もし発行体が破綻すれば、裏付け資産が全額戻ってこない恐れがあります。

注意すべきは、発行体だけでなく、その準備金を預かる銀行などの関連企業の信用リスクです。2023年3月には、USDCの準備金を預かっていた米銀行が破綻したことで、USDCの価格が一時0.88ドルまで急落しました。ステーブルコインは預金保険の対象外である点を踏まえ、発行体の信頼性や資産の保全状況をよく確認する必要があります。

リスク3.規制リスク:各国の法規制や税制の変更で、利用が制限される

ステーブルコインを取り巻く規制環境は、世界各国で整備の途上にあり、依然として不確実です。国によっては、民間ステーブルコインの発行や流通が厳しく制限されたり、禁止されたりする可能性があります。

また、税制の変更もリスク要因です。暗号資産に関する課税が強化されれば、ステーブルコインを使った運用の魅力が低下することも考えられます。各国の規制やルールの動向には、常に注意を払うことが求められます。

仮想通貨に課される税率については以下Q&Aでも説明しています。

リスク4.技術・環境リスク:システムの欠陥や市場の変化が影響する

ステーブルコインはブロックチェーン上で機能するため、技術的なリスクと無縁ではありません。システムのバグを悪用したハッキングや、ブロックチェーン自体の停止・分岐によって、取引が困難になったり資産を失ったりする可能性があります。

さらに、より広範なリスクとして、連動対象である法定通貨そのものがインフレーションで価値を失うケースや、将来的に中央銀行デジタル通貨(CBDC)が登場し、民間ステーブルコインへの規制が強まるシナリオも指摘されています。

代表的なステーブルコインの銘柄は?主要3タイプを比較

ステーブルコインには数多くの種類が存在しますが、市場の大部分を占めるのが米ドルなどの法定通貨を裏付けとするタイプです。ここでは、市場の主役である法定通貨担保型の代表的な銘柄と、それらとは異なるアプローチをとる分散型ステーブルコインを取り上げ、それぞれの特徴と選び方のポイントを解説します。

法定通貨担保型の代表格:USDTとUSDCの違いは「発行体の信頼性」と「透明性」

現在流通するステーブルコインの大部分を占めるのが、米ドルに連動する法定通貨担保型です。これらは仕組みが似ていますが、発行体の信頼性や準備金の透明性に違いがあります。利用者保護や規制遵守の観点からも、それぞれの特徴を比較することが重要になります。ここでは代表的な3銘柄を紹介します。

テザー(Tether,USDT)

テザー(USDT)は、2015年から運用されている、最も歴史が長く規模が大きいステーブルコインです。仕組みは1USDTが1米ドルと等価になるよう設計されており、発行残高と同等以上の米ドル資産等を準備金として保有しています。その時価総額は約8兆円(2025年時点)で最大規模を誇り、暗号資産市場では基軸通貨として圧倒的な取引量があります。

過去には準備金の透明性が問題視された経緯もありますが、現在は月次の準備金レポートを公開し、信頼性の向上に努めています。

USDコイン(USDC)

USDコイン(USDC)は、FinTech企業のCircle社などが発行するステーブルコインで、その透明性の高さに定評があります。仕組みは1USDCが1米ドルと等価になるよう設計されており、準備金は米ドル現金と米国短期国債のみで構成されると公表されています。

時価総額は約5兆円で市場第2位につけており、USDTの強力な対抗馬と見なされています。信頼性の面では、大手会計事務所による月次監査報告書を公開している点が特徴で、規制遵守の姿勢とあわせて高く評価されています。

バイナンスUSD(BUSD)

バイナンスUSD(BUSD)は、大手取引所バイナンスとPaxos社が提携し発行した、かつての主要なステーブルコインです。1BUSDが1米ドルと等価になるよう設計され、ニューヨーク州金融サービス局(NYDFS)の監督下で発行されていました。

一時は時価総額で市場第3位まで成長しましたが、現在は流通量が減少しています。規制下で運営されていたため信頼性は高かったものの、2023年にNYDFSが発行停止を命令したことが大きな転換点となりました。この事例は、規制動向がステーブルコインの事業に与える影響を明確に示しています。

分散型の代表格:中央管理者のいない「DAI」はDeFiで広く利用される

特定の企業が管理する法定通貨担保型とは異なり、中央集権的な発行主体を持たないのが分散型ステーブルコインです。価値の安定や運営がプログラムによって自律的に行われるのが特徴で、特に分散型金融(DeFi)の領域で重要な役割を担っています。その代表格がDAIです。

MakerDAOという分散型組織が発行する、暗号資産担保型のステーブルコインです。1DAIが1米ドル相当の価値を維持するよう設計されており、イーサリアム(ETH)など複数の暗号資産を発行額以上に担保として預ける「過剰担保」の形をとります。価格の維持や清算といったルールは、スマートコントラクト(プログラム)によって自動的に執行されるため、特定の企業などの中央管理者を必要としない点が大きな特徴です。このように純粋な暗号資産だけで完結する仕組みから、特に分散型金融(DeFi)の領域で基軸通貨の一つとして広く利用されています。

日本におけるステーブルコインの現状:法律や今後の展望は?

日本は世界に先駆けてステーブルコインの法律を整備し、そのルールが具体的なビジネスとして結実し始めています。2023年に施行された法律は、ステーブルコインの発行・流通に関する安全な枠組みを提供しました。これを受け、銀行やIT企業による日本円と連動したステーブルコインの発行が本格化し、決済や送金の未来を変える動きとして注目されています。

CBDCが銀行業務や信用供給に与える影響は以下Q&Aでも説明しています。

日本での発行・利用は2023年施行の「改正資金決済法」でルール化済み

2023年6月1日に施行された「改正資金決済法」は、日本国内でのステーブルコインの発行と流通に関する明確なルールを定めたものです。この法律では、ステーブルコインが以下の2種類に大別されました。

  • 電子決済手段(デジタルマネー類似型):銀行や信託会社、資金移動業者など、認可された金融機関のみが発行可能。法律上は暗号資産ではなく、電子マネーに近い「通貨建ての資産」として扱われます。
  • 暗号資産(暗号資産型):上記に当てはまらない、その他のステーブルコイン全般。法律上はビットコインなどと同じ、従来の「暗号資産」として扱われます。

この法整備により、安全性を確保した形で、日本国内で法定通貨を裏付けとするステーブルコインを発行・流通させる道筋が整いました。

法整備を受け、各社から円建てステーブルコインが続々発行

法律のルールが明確になったことで、2023年以降、多くの銀行や企業がステーブルコイン事業へ本格参入しています。三菱UFJ信託銀行などが主導する発行基盤「Progmat Coin」は、企業間の大規模決済での活用を見据えた実証実験を進めています。

こうした流れの中で、実際に日本国内で利用できるステーブルコインも登場しています。

ジパングコイン(Zipangcoin,ZPG)

三井物産の子会社が発行する、金(ゴールド)価格に連動するステーブルコインです。1ZPGが金1グラムの価格と連動するよう設計されており、「デジタルゴールド」として資産分散やインフレ対策の手段として期待されています。

JPYコイン(JPYC)

日本円の価値に連動するステーブルコインの国内における先駆者です。2021年から「前払式支払手段」として1JPYC=1円のレートで提供されてきましたが、大きな転換点を迎えています。

2025年8月、発行元のJPYC株式会社は改正資金決済法に基づく資金移動業のライセンスを正式に取得しました。これにより、旧来のプリペイド型とは異なる、法律上の「電子決済手段」として償還(現金への払い戻し)が可能な、新しいJPYCの発行が2025年秋にも開始される見込みです。これは国内で初めて認可された円建てステーブルコインとなり、今後の普及が期待されています。

このように、日本のステーブルコイン市場は「計画」の段階から「実用化・普及」のフェーズへと移行しつつあります。金融庁も健全な市場育成に向けた監視を続ける方針であり、今後は個人・法人間の送金や決済インフラとしての活用が本格的に進むと見込まれます。

米国におけるステーブルコインの最新動向と法規制

米国は暗号資産市場規模が世界最大であり、ステーブルコインも多くが米ドルを価値基準として生まれてきました。規制面ではしばらく明確な連邦法が無かったものの、2025年に入り米国も遂にステーブルコインに関する包括的な法律を制定しました。ここでは、米国のステーブルコイン事情と新たな法制度「GENIUS法」について解説します。

ステーブルコイン市場の拡大と2025年「GENIUS法」の成立

米国では2010年代後半からドル連動型ステーブルコインの流通が急拡大しましたが、法的な位置づけは明確ではありませんでした。特に2022年のUST崩壊事件を受け、連邦レベルの法整備が急務と認識されたのです。

このような状況下で、2025年7月18日、米国のトランプ大統領が署名した「米国ステーブルコイン国家革新推進法(Guiding and Establishing National Innovation for U.S. Stablecoins Act)」通称GENIUS法は、米国史上初めて連邦レベルでステーブルコインの規制枠組みを定める法律です。

GENIUS法のポイント:発行は許可制、利用者は手厚く保護

GENIUS法の主要なポイントは以下の通りです。

  • 発行主体の許可制:許可を得た銀行や連邦認可の非銀行会社のみが発行可能。
  • 証券・商品からの除外:対象となるステーブルコインは証券でも商品でもないと明記。
  • 100%準備金と償還義務:発行額と同額以上の安全資産(米ドル現金、短期国債など)の保有と、利用者からの1:1償還を義務付け。
  • 利用者保護と運用制限:発行体が利用者に利息を支払うことを禁止。万一の発行体倒産時には利用者の償還請求権が最優先される。
  • AML/KYC義務:銀行並みのマネーロンダリング対策と顧客確認を義務化。

GENIUS法の成立により、米国ではステーブルコインが初めて明確に法律の枠組み内に位置づけられた形です。この法律は単にリスク管理を強化するだけでなく、「暗号資産を日常的な支払いに活用する」ことを政策目標に掲げている点で特徴的です。

米国市場への影響と今後の展望

GENIUS法成立を受け、米国の金融・IT各社もステーブルコイン事業への動きを活発化させています。大手銀行やペイパルのような決済企業、さらには大手小売企業も自社エコシステム内通貨としてステーブルコインを活用するケースが増えるかもしれません。

規制当局側も、法律の実効性を高めるため詳細ルール作りに取り組んでいます。総じて米国は「イノベーション促進とリスク抑制の両立」を掲げ、ステーブルコインを法制度の中に取り込んで育てていく方向に大きく舵を切ったと言えるでしょう。

この記事のまとめ

ステーブルコインは利便性と安定性を兼ね備えつつも、仕組みや担保資産によって安全性が大きく異なります。利用前には必ず、発行体の透明性や監査の有無、準備資産の保全状況、償還条件を確認することが欠かせません。2023年の改正資金決済法や2025年の米国新法など制度面も理解しておくと安心です。リスクを把握したうえで少額から始め、疑問があれば専門家に相談することで、安心して活用できる第一歩になります。

投資のコンシェルジュを使ってみませんか?

コンシェルジュ編集部に相談CTA
投資のコンシェルジュ画像
投資のコンシェルジュ編集部

MONO Investment

投資のコンシェルジュ編集部は、投資銀行やアセットマネジメント会社の出身者、税理士など「金融のプロフェッショナル」が執筆・監修しています。 販売会社とは利害関係がないため、主に個人の資産運用に必要な情報を、正確にわかりやすく、中立性をもってコンテンツを作成しています。

投資のコンシェルジュ編集部は、投資銀行やアセットマネジメント会社の出身者、税理士など「金融のプロフェッショナル」が執筆・監修しています。 販売会社とは利害関係がないため、主に個人の資産運用に必要な情報を、正確にわかりやすく、中立性をもってコンテンツを作成しています。

関連記事

マクロ経済モデルで投資判断を磨く──AI予測・FTPL・CBDC

マクロ経済モデルで投資判断を磨く──AI予測・FTPL・CBDC

2025.05.14

難易度:

CRS(共通報告基準)とは?富裕層の国際資産管理に求められる新常識

CRS(共通報告基準)とは?富裕層の国際資産管理に求められる新常識

2025.04.16

難易度:

タックスプランニングオフショア投資

関連する専門用語

ステーブルコイン

ステーブルコインとは、価格が安定するように設計されたデジタル通貨のことです。通常の暗号資産(仮想通貨)は価格の変動が大きいため、日常の支払いや貯蓄には向いていないとされますが、ステーブルコインはこの課題を解決することを目的としています。 多くのステーブルコインは、米ドルやユーロ、日本円といった法定通貨と1対1の比率で価値を保つよう設計されており、たとえば「1ステーブルコイン=1ドル」となるように、裏付けとなる資産を保有して安定性を確保します。そのため、暗号資産の技術的な利便性を維持しながら、価格の安定性も兼ね備えており、送金や決済、資産の避難先として利用が広がっています。資産運用の視点からも、価格変動リスクを抑えつつ、ブロックチェーン技術の恩恵を受けたいと考える投資家にとって注目されている存在です。

法定通貨

法定通貨とは、国の法律によって「正式なお金」として認められている通貨のことです。つまり、その国の中で税金の支払いや商取引、借金の返済などに使うことが法律上認められており、受け取る側も原則として拒否できない種類のお金を指します。 日本であれば、日本銀行が発行する「日本円(円貨)」が法定通貨にあたります。これに対して、仮想通貨や地域限定通貨などは、法定通貨ではなく、法的な強制力を持たない“任意の通貨”です。初心者の方にとっては、「国が“これがお金です”と決めた正式なお金」と考えるとわかりやすいでしょう。経済活動や資産運用において、信用力や価値の安定性が高い通貨として、基準や基礎となる存在です。

コモディティ

コモディティは、世界で標準化された形で売買される原材料・一次産品の総称で、貴金属(金・銀・プラチナ)、エネルギー資源(原油・天然ガス)、農産物(小麦・トウモロコシ・大豆)、産業用金属(銅・アルミニウム)などに分類される。 投資経路は大きく四つある。①現物保有(地金やコイン)、②先物取引、③商品指数連動型ETF・ETN、④コモディティファンド。実務では先物を組み込んだETFが主流で、代表的な指数にブルームバーグ・コモディティ・インデックスや S\&P GSCI がある。 価格は需給バランス、在庫統計、OPEC政策、地政学リスク、天候、為替など多様な要因で変動する。先物運用では限月乗り換え時のロールコスト(コンタンゴ)や信託報酬がリターンを圧迫し、現物保有では保管・保険料、税制(例:金地金の譲渡益は総合課税)が影響するため、コスト構造の把握が欠かせない。 コモディティは株式・債券との相関が相対的に低く、インフレ率と連動しやすいことから、分散投資とインフレヘッジに有効とされる。一方で短期的な価格変動が大きく、資産配分比率や取引手段を目的に合わせて設計し、損失許容度に応じたリスク管理を徹底することが重要となる。

暗号資産(仮想通貨/暗号通貨)

暗号資産とは、インターネット上でやり取りされるデジタルな財産のことで、代表的な例にビットコインやイーサリアムがあります。これらはブロックチェーンという分散型台帳技術を基盤とし、国家や中央銀行といった特定の管理主体を持たずに取引されるのが特徴です。 日本では「暗号資産」という名称が資金決済法上の正式な用語として定義されており、これに該当するトークンは法的に一定の規制下に置かれています。たとえば、暗号資産交換業者には登録制が課され、ユーザー保護やマネーロンダリング防止の観点からの監督も強化されています。 資産としての取り扱いについては、税務上は原則「雑所得」として扱われ、短期売買による利益も総合課税の対象となります。また、会計上は現金や有価証券ではなく、「その他の資産」として分類されるのが一般的です。 現在では、決済手段や資金移動のほか、価格変動を狙った投資対象としての側面が大きく、資産運用の一選択肢として注目を集めています。しかしその一方で、価格の急激な変動、ハッキング、保管の難しさといったリスクも内在しており、法律・税務・セキュリティの観点から十分な知識と準備が求められます。

ボラティリティ

ボラティリティは、投資商品の価格変動の幅を示す重要な指標であり、投資におけるリスクの大きさを測る目安として使われています。一般的に、値動きが大きい商品ほどそのリスクも高くなります。 具体的には、ボラティリティが大きい商品は価格変動が激しく、逆にボラティリティが小さい商品は価格変動が穏やかであることを示します。現代ポートフォリオ理論などでは、このボラティリティを標準偏差という統計的手法で数値化し、それを商品のリスク度合いとして評価するのが一般的です。このため、投資判断においては、ボラティリティの大きい商品は高リスク、小さい商品は低リスクと判断されます。

利食い(利益確定)

利食いとは、株式や投資信託、仮想通貨などの金融商品が値上がりしたタイミングで売却し、それまでの含み益を実現して利益を確定する行為を指します。俗語的な表現で、正式には「利益確定売り」とも言われます。 たとえば、1,000円で購入した株を1,500円で売却し、その差額の500円を得ることが「利食い」に該当します。相場の天井を予測するのは困難なため、一定の利益が出たところで利食いを行うことは、リスクを管理しつつ投資収益を着実に確保する手段となります。ただし、過度な利食いは上昇相場の恩恵を十分に受けられない原因にもなるため、自分の投資スタイルや目標に応じた判断が重要です。

デジタル現金

デジタル現金とは、紙のお金や硬貨のように直接的にやり取りできる現金を、電子的な形に置き換えたものを指します。銀行口座を通さずに個人同士で送金できる点や、取引が即時に完了する点が特徴です。 従来の電子マネーやクレジットカードとは異なり、現金に近い匿名性や即時性を持つように設計されていることもあります。代表的な例としては、暗号資産のビットコインが「デジタル上の現金」として紹介されることが多く、また中央銀行が発行を検討している中央銀行デジタル通貨(CBDC)も、デジタル現金の一種として位置づけられることがあります。利用者にとっては、手軽さとスピードを兼ね備えた新しい決済手段といえます。

発行主体

発行主体とは、株式や債券、投資信託、ステーブルコインなど、金融商品や資産を発行する組織や団体のことを指します。投資家は発行主体を通じて金融商品を手に入れるため、その信頼性や健全性は非常に重要です。 例えば、株式であれば企業が発行主体となり、債券であれば国や地方自治体、あるいは企業が発行主体となります。暗号資産やステーブルコインの分野では、発行主体が事業者である場合もあれば、分散型の仕組みによって自律的に運営される場合もあります。投資を行う際には、発行主体がどのような組織で、どのように資産を管理しているのかを確認することが、安全性を判断するうえで欠かせません。

準備資産(リザーブアセット)

準備資産とは、政府や中央銀行が国際収支の調整や自国通貨の安定を目的に保有する、即時に使用できる対外資産の総称です。国際収支マニュアル第6版(BPM6)では、①貨幣用金(モネタリーゴールド)、②SDR保有高(IMFが発行する国際準備資産)、③IMFリザーブポジション、④外貨建て資産(預金・国債などの証券・短期貸付・一部デリバティブ)、⑤その他請求権の五つに分類されます。 これらは為替介入で外貨を売買する際や、国際決済・緊急融資の原資として活用されます。たとえば急激な円安局面では、財務省が外為特別会計のドル資金を市場で売却し、日本銀行が代理で円買い介入を行います。十分な準備資産は対外支払能力を示し、国債利回りや通貨への信認維持に寄与します。一方、SDR配分額など将来返済を伴う短期負債を差し引いた「純国際準備高」で実質的な余力を測定する点も重要です。

CBDC(中央銀行デジタル通貨)

CBDC(中央銀行デジタル通貨)とは、国の中央銀行が発行するデジタル形式の法定通貨のことです。現在私たちが使っている紙幣や硬貨と同じく、国家によって価値が保証される通貨ですが、完全に電子的な形で発行され、スマートフォンや専用のアプリなどを通じて利用されます。 これはビットコインなどの暗号資産とは異なり、価格の安定性や信用力が国家の信用によって支えられているのが特徴です。CBDCの導入により、現金を持ち歩かなくても安全で即時的な決済が可能になるほか、金融サービスにアクセスできない人々への支援(金融包摂)や、送金コストの削減などの効果も期待されています。 また、将来的には金融政策の新しい手段として、利子付きのデジタル通貨の発行や流通量の管理など、経済全体への影響力を高めるツールとしても注目されています。資産運用を考える際にも、通貨制度の変化や金融システムの進化がどのように市場に影響するかを理解するために、重要な用語となります。

法定通貨担保型

法定通貨担保型とは、国が発行する円やドルなどの法定通貨を裏付けとして発行される資産の形態を指します。特に暗号資産の分野では、ステーブルコインと呼ばれる価格が安定した通貨の仕組みに使われています。 例えば、1枚のコインの裏には同等の1ドルが準備金として保管されていることで、価格の変動が小さくなり、安心して利用できるようになります。この仕組みによって、暗号資産を利用した送金や決済の利便性を高めつつ、価格の安定性を保つことが可能になります。

暗号資産担保型

暗号資産担保型とは、ビットコインやイーサリアムなどの暗号資産を担保として発行されるステーブルコインなどの仕組みを指します。法定通貨ではなく暗号資産を裏付けにするため、担保の価値が大きく変動する可能性がある点が特徴です。 このため、価格下落に備えて担保は発行されるコインの価値より多めに預けられる仕組みが一般的です。暗号資産担保型の仕組みは分散型金融(DeFi)で広く利用されており、中央管理者を介さずに安定した価値を持つトークンを流通させることができる点が利点とされています。

コモディティ担保型

コモディティ担保型とは、金や銀、原油などの実物資産であるコモディティを裏付けにして発行される資産の仕組みを指します。特にステーブルコインの分野で利用されることが多く、担保として現物のコモディティが保管されていることで、発行されるトークンの価値が安定しやすくなります。 例えば金を担保にする場合、1枚のコインが一定量の金と交換できるように設計されることで、投資家は価格の信頼性を感じやすくなります。法定通貨や暗号資産に比べて、実物の裏付けがある点が大きな特徴です。

アルゴリズム型

アルゴリズム型とは、法定通貨や暗号資産、コモディティといった担保を持たずに、数式やプログラムで決められた仕組みによって価値を安定させようとするタイプの資産を指します。特にステーブルコインの分野で使われ、供給量を自動的に増やしたり減らしたりすることで価格を調整します。 例えば価格が1ドルより上がれば発行量を増やし、下がれば発行量を減らすように設計されることで、相場を一定に保つことを狙います。ただし、担保がないため市場の信頼が崩れると価格維持が難しく、過去には大きな価格崩壊を経験した事例もあります。そのため、革新的である一方、リスクの高さも理解する必要があります。

スマートコントラクト

スマートコントラクトとは、あらかじめプログラムによって定められた条件が満たされたときに、自動的に契約の内容が実行される仕組みのことを指します。これは主にブロックチェーン技術上で動作するもので、第三者の仲介なしに取引を実行できるのが特徴です。 たとえば、ある仮想通貨を送金する契約を「○月○日に支払いが完了したら自動的に代金を送る」と設定しておけば、その条件が満たされた時点でプログラムが自動的に実行され、契約が履行されます。改ざんが難しく透明性が高いため、金融取引、保険、不動産、サプライチェーンなどさまざまな分野で活用が期待されています。資産運用においても、スマートコントラクトを活用した自動化された投資商品や金融サービスが登場しており、分散型金融(DeFi)との結びつきが注目されています。

DeFi(分散型金融)

DeFiは「分散型金融」の略であり、ブロックチェーン技術を利用して従来の金融システムに代わる新たな金融システムを構築する試みです。このシステムでは、銀行やその他の金融機関に代わって、スマートコントラクトと呼ばれる自動実行契約が機能します。 これにより、ユーザー間で直接、貸し付け、借入、保険、資産の交換などの金融サービスが可能になります。DeFiは透明性が高く、全世界の誰もがアクセスできることが特徴です。 また、中央管理者がいないため、利用者は自らの資産をコントロール下に置きやすいです。このように、DeFiは多くの可能性を秘め、金融の未来を変える可能性を持っています。

ディペッグ

ディペッグとは、本来は米ドルや円といった法定通貨、または金などの資産に価値を連動させるはずのステーブルコインや通貨が、その連動状態を失ってしまう現象を指します。 例えば、1ドルと等しい価値を保つはずのステーブルコインが、需要や供給の急激な変化、発行主体の信頼低下、市場の混乱などによって1ドル未満に下落することがあります。これがディペッグです。ステーブルコインの信用や安定性は担保資産や仕組みに依存しているため、ディペッグが起きると投資家や利用者に大きな不安を与え、取引所や市場全体に影響を及ぼすことがあります。そのため、投資初心者にとっても注意すべき重要なリスクのひとつです。

信用リスク(クレジットリスク)

信用リスクとは、貸し付けた資金や投資した債券について、契約どおりに元本や利息の支払いを受けられなくなる可能性を指します。具体的には、(1)企業の倒産や国家の債務不履行(いわゆるデフォルト)、(2)利払いや元本返済の遅延、(3)返済条件の不利な変更(債務再編=デット・リストラクチャリング)などが該当します。これらはいずれも投資元本の毀損や収益の減少につながるため、信用リスクの管理は債券投資の基礎として非常に重要です。 この信用リスクを定量的に評価する手段のひとつが、格付会社による信用格付けです。格付は通常、AAA(最上位)からD(デフォルト)までの等級で示され、投資家にとってのリスク水準をわかりやすく表します。たとえば、BBB格付けの5年債であれば、過去の統計に基づく累積デフォルト率はおおよそ1.5%前後とされています(S&Pグローバルのデータより)。ただし、格付はあくまで過去の情報に基づいた「静的な指標」であり、市場環境の急変に即応しにくい側面があります。 そのため、市場ではよりリアルタイムなリスク指標として、同年限の国債利回りとの差であるクレジットスプレッドが重視されます。これは「市場に織り込まれた信用リスク」として機能し、スプレッドが拡大している局面では、投資家がより高いリスクプレミアムを求めていることを意味します。さらに、クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)の保険料率は、債務不履行リスクに加え、流動性やマクロ経済環境を反映した即時性の高い指標として、機関投資家の間で広く活用されています。 こうしたリスクに備えるうえでの基本は、ポートフォリオ全体の分散です。業種や地域、格付けの異なる債券を組み合わせることで、特定の発行体の信用悪化がポートフォリオ全体に与える影響を抑えることができます。なかでも、ハイイールド債や新興国債は高利回りで魅力的に見える一方で、信用力が低いため、景気後退時などには価格が大きく下落するリスクを抱えています。リスクを抑えたい局面では、投資適格債へのシフトやデュレーションの短縮、さらにCDSなどを活用した部分的なヘッジといった対策が有効です。 投資判断においては、「高い利回りは信用リスクの対価である」という原則を常に意識する必要があります。期待されるリターンが、想定される損失(デフォルト確率×損失率)や価格変動リスクに見合っているかどうか。こうした視点で冷静に比較検討を行うことが、長期的に安定した債券運用につながる第一歩となります。

規制リスク

規制リスクとは、法律や制度の変更、または新しい規制の導入によって、投資や資産運用に予期せぬ影響が及ぶ可能性のことを指します。特に暗号資産やステーブルコインのような新しい金融商品は、各国で規制の方向性が定まっていない場合が多く、突然の規制強化や利用制限によって価格が下落したり、サービスが停止したりすることがあります。 規制リスクは投資家自身の努力では避けにくいため、投資判断をする際には対象となる国や地域の法制度や監督機関の動向を把握しておくことが重要です。安定した投資を行うためには、規制リスクを理解し、分散投資などで備えることが求められます。

テザー(USDT)

テザーとは、米ドルと価値を連動させることを目的としたステーブルコインの一つで、通貨コードは「USDT」と表記されます。1枚のUSDTは常に1米ドルの価値を保つことを目指して設計されており、その裏付けとして発行主体が米ドルや短期国債などを準備資産として保有しています。 世界で最も取引量が多いステーブルコインであり、多くの暗号資産取引所で基軸通貨として利用されています。利便性が高い一方で、準備資産の内訳や透明性に関しては過去に議論があり、利用者はその点も理解しておくことが大切です。

USDコイン

USDコインとは、米ドルと価値が連動するように設計されたステーブルコインの一種です。1枚のUSDコインは常に1米ドルで交換できることを目指して発行されており、その裏付けとして発行主体が米ドルやそれに準じる資産を保有しています。 利用者は価格変動の大きい暗号資産よりも安定した取引が可能になるため、送金や決済、資産の保全手段として広く利用されています。発行や管理は米国の事業者が行っており、透明性を高めるために準備金の監査報告を定期的に公表しています。暗号資産市場の中では信頼性の高いステーブルコインとして位置づけられています。

バイナンスUSD

バイナンスUSDとは、世界最大級の暗号資産取引所であるバイナンスと、米国の規制に準拠した金融機関であるPaxos(パクソス)が提携して発行していた米ドル連動型のステーブルコインです。1枚のBUSDは常に1米ドルと同等の価値を持つことを目指して設計され、裏付けとなる米ドルや短期国債などが保管されていました。 透明性を確保するため、準備金の監査も行われ、暗号資産市場で広く利用されてきました。ただし、米国の規制強化の影響により新規発行は停止されており、今後は利用規模が縮小していくと見られています。それでも過去においては、信頼性の高いステーブルコインの一つとして大きな役割を果たしました。

DAI

DAIとは、アメリカドルと価値を連動させることを目的としたステーブルコインの一種です。法定通貨を直接担保にするのではなく、イーサリアムなどの暗号資産を担保として発行される「暗号資産担保型」の仕組みを採用しています。担保となる暗号資産は価格変動が大きいため、1ドルのDAIを発行するのにそれ以上の価値を持つ暗号資産を預け入れる「過剰担保」が必要です。 この仕組みはスマートコントラクトによって自動的に管理され、中央管理者が存在しない点が大きな特徴です。分散型金融(DeFi)における代表的なステーブルコインとして、融資や投資など幅広い用途で利用されています。

資金決済法

資金決済法とは、日本において電子マネーやプリペイドカード、暗号資産、ステーブルコインなどの新しい決済手段を安全に利用できるように定められた法律です。利用者の保護と金融システムの安定を目的としており、発行主体に対して登録制や資産の分別管理、情報開示などを義務づけています。 例えば、電子マネーの残高が消費者に返還される仕組みや、暗号資産交換業者が利用者の資産をきちんと分けて管理する仕組みなどがこの法律によって規定されています。時代の変化に合わせて改正が行われており、ステーブルコインや電子決済手段の登場にも対応する形で整備が進んでいます。

電子決済手段

電子決済手段とは、現金を使わずに電子的な方法で支払いを行う仕組みの総称です。具体的には、クレジットカードやデビットカード、電子マネー、QRコード決済、さらには暗号資産やステーブルコインなども含まれます。日本では資金決済法によって定義され、近年の改正で「電子決済手段」として暗号資産やステーブルコインの一部も位置づけられるようになりました。 これにより、従来の現金や銀行振込に代わる新しい支払い方法として、利用者保護や利便性向上を両立させる枠組みが整備されています。投資や日常生活の両面で、今後ますます身近な存在となる分野です。

ジパングコイン

ジパングコインとは、三菱UFJ信託銀行が発行する金(ゴールド)を担保としたステーブルコインです。1枚のコインが一定量の金と価値を連動する仕組みになっており、価格変動の大きい暗号資産に比べて安定した価値を持つことを目指しています。 日本円やドルといった法定通貨ではなく、実物資産である金を裏付けにしている点が特徴です。日本の資金決済法に基づいて取り扱われ、信託銀行が発行主体であるため、投資家にとって法的にも信頼性の高い資産とされています。暗号資産取引やデジタル決済の分野での利用だけでなく、金価格に連動した新しい投資手段としても注目されています。

JPYコイン

JPYコインとは、日本円と価値が連動するように設計されたステーブルコインの一種です。1枚のJPYコインは常に1円の価値を持つことを目指して発行され、その裏付けとして発行主体が日本円やそれに準じる安全な資産を保有しています。 円建てで利用できるため、日本国内での送金や決済に活用しやすく、外国為替のリスクを気にせず利用できる点が特徴です。暗号資産取引所やブロックチェーン上での決済手段として利用されるほか、日本の法律である資金決済法の枠組みに基づいて取り扱われるため、法的な信頼性も確保されています。

GENIUS法

GENIUS法とは、資産運用における基本姿勢をわかりやすくまとめた投資手法で、名前は6つの要素の頭文字から成り立っています。各アルファベットには次のような意味があります。 G = Goal(目標) 投資はまず目的を明確にすることから始まります。老後資金、教育費、住宅購入など、何のために資産を増やすのかを定めることが第一歩です。 E = Economy(経済性・効率性) 手数料や税金などコストを抑え、効率よく資産形成を行う姿勢を指します。無駄な負担を減らすことが、長期的な成果に直結します。 N = Network(分散・つながり) 資産を一つの対象に偏らせず、株式・債券・不動産など複数の資産に分散投資することを重視します。 I = Interest(利息・複利効果) 複利の力を最大限に活かし、時間を味方につけて資産を成長させることが基本方針です。 U = Utility(実用性・無理のない継続) 自分の家計やライフプランに合った範囲で投資を行い、無理なく積み立てを続けることを意味します。 S = Sustainability(持続性) 投資を一時的なものにせず、長期的に継続する姿勢を大切にします。安定的な運用が将来の資産形成につながります。 まとめると、GENIUS法は「目標を定め、コストを意識し、分散と複利を活かし、無理のない積立を長期的に続ける」というシンプルな指針を投資家に示しています。初心者でも取り入れやすく、再現性の高い点が特徴です。

AML(Anti-Money Laundering)

AMLとは、「アンチ・マネー・ロンダリング」の略で、日本語では「マネーロンダリング防止」と訳されます。これは、犯罪などによって得た資金を正当な資金に見せかけて社会に流通させる行為を防ぐための一連の取り組みのことを指します。 金融機関や証券会社は、こうした不正行為に巻き込まれないように、顧客の本人確認(KYC)や疑わしい取引の監視・報告などを行う義務があります。AMLは国際的にも重要視されており、各国の法律やガイドラインに従って厳しく運用されています。投資初心者にとっても、金融の透明性と安全性を確保するうえで欠かせないルールであると理解しておくことが大切です。

KYC(Know Your Customer/顧客確認)

KYCとは、金融機関や証券会社などが口座を開設する際に、その顧客がどのような人物であるかを確認し、身元や資産状況などを把握するための手続きのことです。これはマネーロンダリング(資金洗浄)やテロ資金供与などの不正行為を防ぐために義務付けられており、金融取引の安全性を保つための重要なプロセスです。 具体的には、本人確認書類の提出や、収入源、投資目的、金融資産の状況などの申告が求められることがあります。KYCを適切に行うことで、金融機関は適切な商品を案内できるようになり、投資家自身も安心して取引を始めることができます。

資産運用に役立つ情報をいち早くGET!

無料LINE登録

資産運用について気軽にご相談したい方

プロへ相談する

当メディアで提供するコンテンツは、情報の提供を目的としており、投資その他の行動を勧誘する目的で、作成したものではありません。 銘柄の選択、売買価格等の投資の最終決定は、お客様ご自身でご判断いただきますようお願いいたします。 本コンテンツの情報は、弊社が信頼できると判断した情報源から入手したものですが、その情報源の確実性を保証したものではありません。 また、本コンテンツの記載内容は、予告なしに変更することがあります。

投資のコンシェルジュ

運営会社: 株式会社MONO Investment

Email:

運営会社利用規約各種お問い合わせプライバシーポリシーコンテンツの二次利用について

「投資のコンシェルジュ」はMONO Investmentの登録商標です(登録商標第6527070号)。

Copyright © 2022 株式会社MONO Investment All rights reserved.

「投資のコンシェルジュ」はMONO Investmentの登録商標です(登録商標第6527070号)。

Copyright © 2022 株式会社MONO Investment All rights reserved.