VIX指数を使って利益を得る方法はありますか?
VIX指数を使って利益を得る方法はありますか?
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2025/03/13 01:10
男性
40代
VIX指数を活用して利益を狙う投資手法にはどのようなものがありますか?具体的な取引方法やリスクについても知りたいです。
回答
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
VIX指数は「恐怖指数」とも呼ばれ、S&P500オプション市場が織り込む30日先までの期待変動率を示します。指数自体を直接売買することはできませんが、VIX先物・ETF/ETN・オプションなどの派生商品を通じてボラティリティに投資することが可能です。株式市場の急落を見込む場面では、期近のVIX先物やVIX連動ETFを買う、あるいはVIXコールオプションを取得して短期間の上昇(ボラティリティ・スパイク)から利益を狙う手法が典型的です。逆に、イベント通過後などでVIXが過度に高騰したと判断した際には、VIX先物を売却したりインバース型VIX ETFを利用して低下局面を取りにいく戦略もあります。また、「S&P500ロングとVIXロング」を同額程度で組み合わせ、株価急落時にVIX上昇で損失を相殺しつつ平常時の株価上昇を享受するペアトレードもヘッジ目的で活用されます。
ただし、VIX関連商品には「先物のロールコスト」「日次リバランスによる価値減耗」「ジャンプ的な価格変動」といった構造的リスクが存在し、指数以上に値下がりしやすい点が最大の難点です。特にショート戦略は理論上損失が無限大となり得るため、証拠金管理とストップロス設定は不可欠です。
したがって、VIXで利益を狙う場合は①イベントドリブンで保有期間を数日〜数週間に限定する、②ポートフォリオの一部資金にとどめる、③出口価格と損切りラインを事前に定義する、という三つのルールを徹底してください。中長期のリスクヘッジや資産成長を目的とするなら、S&P500プットオプションの購入や国際分散投資といった手段のほうがコスト面・再現性ともに優れる場合が多いことも念頭に置き、ご自身のリスク許容度と目的に沿った活用を検討しましょう。
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VIX指数(恐怖指数)
VIX指数は、シカゴ・オプション取引所(CBOE)が公表する、市場の「価格変動の大きさ(ボラティリティ)」を示す指数です。主にS&P500指数のオプション価格をもとに算出され、今後30日間の市場の不安感を表します。 一般に「恐怖指数」とも呼ばれ、数値が高くなるほど投資家の不安が高まり、リスク回避の動きが強くなっていることを意味します。特に金融市場が混乱する局面では、VIXが急上昇する傾向があります。
S&P500指数
S&P500指数とは、アメリカの代表的な株価指数の一つで、S&Pダウ・ジョーンズ・インデックス社が算出しています。米国を代表する主要企業500社の株価をもとに構成されており、テクノロジー、金融、ヘルスケアなど幅広い業種が含まれるのが特徴です。 この指数は、米国株式市場全体の動向を示す指標として世界中の投資家に注目されており、投資信託やETF(上場投資信託)のベンチマークとしても広く活用されています。「アメリカ経済の健康状態を測る体温計」とも言われる、非常に重要な指標です。
コールオプション
コールオプションとは、「ある資産を、将来のあらかじめ決められた価格(行使価格)で購入することができる権利」のことを指します。これは金融派生商品(デリバティブ)の一種で、主に株式や指数などを対象に取引されます。 この権利は「オプション(選択権)」であり、権利を買った側(買い手)は、将来のある時点でその権利を行使するかどうかを自由に決めることができます。一方で、売り手は買い手が行使を望んだ場合、必ず応じなければなりません。なお、権利を買うためには「プレミアム」と呼ばれるオプション料を支払う必要があります。 たとえば、ある株式が現在100円で取引されているとします。このとき、1か月後にその株を100円で買えるコールオプションを10円のプレミアムで購入したとしましょう。1か月後、もしその株価が150円に上がっていれば、コールオプションを行使することで100円で買い、すぐに市場で150円で売ることで、差額の50円が利益となります。ここからプレミアムの10円を差し引けば、最終的な利益は40円となります。 一方で、もし1か月後に株価が90円に下がっていた場合、その株をわざわざ100円で買う意味はないため、コールオプションは行使されず、買い手は10円のプレミアムを失うだけで済みます。このように、コールオプションの最大損失はプレミアムに限定される一方で、株価が大きく上昇すれば利益は大きくなり得るため、リスク限定・リターン無限大の投資手法とされます。 資産運用の観点から見ると、コールオプションは次のような活用法があります。 まず、「値上がりが見込まれる銘柄に対し、小額で投資したい」場合に有効です。実際に株を購入せず、オプションの形でその値上がり分を狙うことができます。また、すでに株を保有している場合、その株に対してコールオプションを売ることで、追加の収益を得る「カバードコール戦略」などもあります。 ただし、オプションは満期(期限)がある商品であり、時間の経過とともに価値が減少する「タイムディケイ」という特性も持っています。また、価格は原資産の価格だけでなく、市場の変動性(ボラティリティ)、金利、残存期間など様々な要因によって決まるため、仕組みを理解せずに取引を行うと、思わぬ損失を被る可能性もあります。 したがって、コールオプションを活用する際は、まずはその基本的な仕組みやリスク特性をしっかりと理解したうえで、少額から始める、シミュレーションで練習するなど、段階的なアプローチが重要です。 コールオプションは、資産運用の幅を広げる有効な手段の一つです。株式や投資信託などの伝統的な商品に加え、このようなオプション取引を適切に活用することで、より柔軟で戦略的なポートフォリオ構築が可能になります。
ショート戦略
ショート戦略とは、株式や通貨などの資産価格が下落することを見込んで利益を狙う投資手法の総称です。代表的な方法に「空売り(ショートセリング)」があります。これは、信用取引を使って保有していない株を市場で一時的に売却し、価格が下がった後に買い戻して差額で利益を得る仕組みです。 日本では「空売り」という言葉が一般的ですが、ショート戦略はそれに限らず、プットオプションの購入や、相場が下落すると価値が上がる「ベア型ETF」なども含まれる、より広い概念です。 このような戦略は、ヘッジファンドなどがリスク管理や相場の下落局面で利益を狙う際に活用しますが、価格が予想に反して上昇した場合、損失が無限に膨らむ可能性があるため、注意が必要です。
ロールコスト
ロールコストとは、主に先物取引などで、保有しているポジションの期限が近づいたときに、新しい契約に乗り換える際に発生するコストのことを指します。 具体的には、現在の先物価格と次の期日の先物価格との間に差があるとき、その差が損失となる場合に「ロールコスト」と呼ばれます。 たとえば、次の契約の価格が今より高ければ、乗り換えることで追加の支出が発生し、それがコストになります。投資信託やETFなどで先物を利用している商品では、知らないうちにこのコストが発生していることがあります。 特に、原油や株価指数などの商品先物に連動する金融商品を長期で保有する場合は、ロールコストの影響で期待よりも運用成果が伸びないことがあるため、投資初心者の方も知っておくと役立つ重要な概念です。

